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メールマガジン「週刊KU-MA」 第1号          [2008.7.2]

  「子ども・宇宙・未来の会」(KU-MA)に入会してくださったみなさま、 こんにちは。KU-MA会長の的川泰宣です。今後幾久しくどうぞよろしくお願 いします。

 本日より毎週、私たちの週刊誌『週刊KU-MA』をお届けします。 『週刊KU-MA』は主として3つの部分から成っています。

 第一は、私自身のコラム(YMコラム)です。さまざまな日本と世界の出来 事についての私の感じ方や考え方を吐露したいと思っていますが、これは自 己主張としてではなく、みなさんと議論するための叩き台です。読んでいた だいて、ご感想やコメントをお寄せください。学びあいながら互いに成長を つづけるための貴重な場にしたいものです。

 第二は、過去一週間に起きた宇宙関連のニュースです。私の大学時 代の友 人である樋口周嘉くんが、世界と日本の膨大な宇宙のニュースの中からダイ ジェストする大役を買って出てくれました。友人とは有難いものです。数々 のニュースを読み込んで短い文章でまとめる大変な労働量の産物なのです。 よそではお目にかかれない素晴らしいリストです。

 第三は、その時の最もホットなトピックについての丁寧な解説です。これ は必ずしも宇宙についてとは限らないし、毎週というわけにも行かないかも しれませんが、KU-MA理事の方々を中心として権威ある方々に執筆をお願いを します。新聞やテレビでは紙面や時間に限りがあって十分に堪能できない内 容を楽しんでいただけるものと期待しています。

 さあ、それでは『週刊KU-MA』をご愛読ください。

■目次 (1)会長から会員の皆様へご挨拶
(2)YMコラム
(3)ワンダフル宇宙(1)
     ≪火星着陸機フェニックスからの最新レポート≫

(4)宇宙関連ニュース「宇宙茫茫」

■YMコラム(1) 2008年7月2日

 世界の子どもたち、日本の子どもたち

 日本人の観光客が東南アジアなどに出かけると、決まって出会うのがスト リートボーイと呼ばれる子どもたちです。観光地の周りには特に群がってい て、近づいて来ては手を差し出してきます。もしその観光客が自分の子ども を連れていると、その日本人の子どもは不思議なものでも見るような目で、 その現地の子どもを見つめます。一方は休暇を利用して優雅に海外旅行を楽 しんでいる子ども。他方は休暇もなく常に物乞いをして稼がなくてはならな い子ども。その二人が目を合わせます──こんな光景を私は何度も目撃しま した。

 日本では、教育制度が整っており、その気になればいつでも学校で学ぶこ とができますが、多くの国で、教育制度はあっても学校に行くことができな い生活を余儀なくされている子どもたちがいます。さらに悲惨なのは戦火の 国などで、教育制度そのものが破壊されており、学校という学ぶ場が社会的 に奪われている子どもたちもいっぱいいます。それぞれの国には、それぞれ の国の独特の教育問題があり、その解決の努力が無数の人々によって試みら れているに違いありません。

 UNICEFが取り組んでいるこうした戦火の国への援助では、水や食糧や医薬 品が主体となっていることは周知のとおりですが、そんな厳しい生活の中で も、子どもたちの好奇心は途絶えることなく育っていくものではないでしょ うか。「衣食足って礼節を知る、という言葉通り、生活必需品がなくては好 奇心どころではないよ」という説もありますが、きっと子どもたちの中には 「学びたい、知りたい、作りたい」という意欲は、心の中に赤々と燃え続け ていると、私は信じています。水や食糧や医薬品だけでない知的な援助とし ての教材などを送る活動も、私たちは大いにひろげなければならないのでは ないでしょうか。日本の宇宙教育が、そのようなひろがりと発展を持てるよ う、力を尽くしたいと考えています。

 「洞爺湖サミット」が近づいてきました。それに先立って5月下旬に北海 道の苫小牧で開催した「子ども宇宙サミット」は、KU-MAが主催団体になっ た初めての取り組みでした。海外からの参加者を加えて、成功裏に終わった この子どもサミットでは、宣言文と提言書を採択しました。

 私の印象に強く残っているのが、ツバルという国の少女が見せてくれた彼 女の国の姿でした。美しい珊瑚礁を主体とした彼女の国が、地球温暖化によ る海面上昇のために沈みつつあり、10年後には海面から姿を没してしまうそ うです。

 子どもサミットの分科会では、他の国の子どもたちから「沈んでしまった らどうするの?」という質問が相次ぎました。彼女は明るく「こんなに美し い国が沈むのを、世界の人が惜しいと思わないかしら?」と言ったり、「で も沈んでしまうことになったら、あなたの国に住んでもいい?」などと問い かけていました。

 インターネットで地球温暖化のことを一生懸命調べて発表していた日本や 韓国の子ども たちと比べて、こんなにもせっぱづまった状況に追い込まれ ている子どもたち──教育制度の破壊されている国への援助とはまた違った、 深刻な環境問題がここにはあります。

   http://edu.jaxa.jp/news/20080618.html

 1957年にスプートニクが地球を回ったとき、私は中学生で、故郷の西の空 に点滅しながら移動していく光を、陶然と眺めた記憶がいまだに鮮明です。 1961年には大学生になっており、ガガーリンが人間として初めて宇宙へ出た ニュースにも驚きました。そのときに生まれて初めて「地球の一体感」を感 じたことも憶えています。宇宙活動が私たちにプレゼントしてくれたその 「一体感」を本当に活かす道は、人間のみならず地上の生きとし生けるもの のための宇宙活動という視座を決して失わないことだと信じます。

 宇宙は、自然科学の特定の一分野ではありません。本質的には、私たちの いのちの故郷であり、私たちが生きている舞台であり、すべての活動のエネ ルギー源です。宇宙への私の思いを、一連の詩に託してお読みいただきたい と思います:

 時間(とき)の河川(ながれ)と手をたずさえて
 物質(もの)の形態(かたち)が逆流(さかのぼ)る
 宇宙は故郷(ふるさと)

 光と陰(やみ)の空間(ひろがり)は
 躍動(おど)る輪廻の息づく海原(うみ)
 植物(いのち)と動物(いのち)が連鎖(ふれあ)って
 生きていくのも大変だね
 宇宙は棲家(すみか)

 冒険の心を内に
 挑戦の姿を空へ
 宇宙はいのちの旅路

 宇宙に君がいて僕がいて
 そして子どもたちがいる
 世代のリレーが連なって
 匠(つく)る心が活動領域(せかい)を運ぶ
 宇宙は生き物(われわれ)が輝く舞台(ところ)

 月をめざす船は現代のメイフラワー
 その視座が人類(われわれ)を跳躍(みちび)く
 宇宙はこの地球(ほし)の未来(ゆめ)

(YM)

■ワンダフル宇宙(1) 2008年7月2日

 火星着陸機フェニックスからの最新レポート

 米航空宇宙局(NASA)は、米東部時間の2007年8月4日朝(日本時間 4日夕)、火星探査機フェニックスをフロリダ州ケープカナベラル空軍基地 からデルタ2ロケットで打ち上げた。地表のすぐ下の凍土を掘って、凍土中 の氷に生命の痕跡の有機物が含まれていないか、詳しく調べる計画だ。

 http://moon.jaxa.jp/ja/mars/exploration/Phoenix/gallery.html

 そして約10か月の飛行を経て、2008年5月25日に火星の北極の平原に降り立 ったアメリカの着陸機フェニックスは、北極の火星の大地の写真を見せてく れた。鉄さびの色で覆われた地形! 一見して、地球の南極にあるドライバ レー(Dry Valleys)に酷似していることが分かる。

 http://wiredvision.jp/news/200805/2008052722.html
 http://photography.nationalgeographic.com/photography/enlarge/antarctica-dry-
 valley_pod_image.html


 そして土壌を化学分析した結果、火星表面の土は生命が育つことのできそ うなものである証拠を得たようである。ある科学者は、「火星の土は、みな さんの家庭の裏庭にあるような土であることが分かった」と言っている。こ れは、数日前に火星に水(の氷)を見つけたことに続く快挙である。

 http://www.space.com/scienceastronomy/080620-phoenix-ice-update.html

 まず、火星表面からスコップで掬われた角砂糖ぐらいの大きさの土が、フ ェニックスの8フィートほどの長さのロボットアームを使って着陸機の実験 室に投入され、地球から持ってきた水と混ぜられた。実験室は4つの部屋 (ビーカー)を持っており、それぞれ一回こっきりしか使用できない。それ ぞれの部屋には26個のセンサーが入っている。その部屋の一つに土が入れら れたわけである。その結果、この土壌はpH(ペーハー)が8から9くらい で、明らかにアルカリ性であることが分かった。科学者の中には、火星の土 壌は強い酸性で生物の生存には不適であるとの見解の人も多くいたので、こ の分析結果は驚きであった。地上での経験から言えば、このpHならばアス パラガスやサヤインゲンならば育つ。イチゴやブルーベリーはもっと酸性が 強くなければ駄目だろうが……。

 http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/7477310.stm
 http://www.telegraph.co.uk/earth/main.jhtml?
 view=DETAILS&grid=&xml=/earth/2008/06/27/scimars127.xml


 またこの無人の分析は、土壌にマグネシウム、ナトリウム、カリウムや塩 化物が含まれていることをつきとめた。すべて有機物の形成過程にとって有 用なものばかりである。ただし、この極寒の乾燥した惑星に複雑な有機物が あるかどうかを探り当ててはいない。それは今後の課題である。窒素・水素 その他の元素と炭素が結合してできる有機化合物は、地上の生命を参考に考 える限り、生命を生み出すために必須の土台である。見つかる日が待ち遠し い。

 今後のフェニックスの任務は、さらに深い場所にある土壌を掬って同様の 分析を進めることである。というのは、火星の大気は地球に比べて桁違いに 貧弱なので、火星で生物を育てるためには、太陽の有害な紫外線の影響がな いところまで地面を掘って植え付けなければならないだろうからである。

 また、火星表面から掬いとった土をオーヴンに入れて1000℃くらいまで熱 したところ、少量の二酸化炭素と一緒に水がほんの少し吐き出されたという。 これは、無機物が溶ける際に、化学結合していた水が出てきたものであろう。 もともと火星の大気は大部分が二酸化炭素であることはずっと以前から分か っており、2004年以来火星表面の赤道域での探査を続行している「スピリッ ト」と「オポチュニティ」も昔の水の痕跡について豊富なデータを得ている。

 http://marsrovers.jpl.nasa.gov/newsroom/pressreleases/20040302a.html

 フェニックスは全体で4か月のミッション寿命が予定されている。次の数 週間、フェニックスはセメントみたいにガチガチの氷の層を掘って、砕いた 氷をオーヴンに入れて分析するという作業を引き続き進めることになる。

■宇宙茫茫ヘッドライン

【080630-01】 ロシア、Proton-K/DM-2による軍事目的の衛星の打上げ成功
【080630-02】 SpaceX、Falcon 1の射点での燃焼試験成功・・・打上げは7月末に延期
【080630-03】 NASA、Falcon 1の3回目のチャレンジに2基の小型ぺイロード搭載
【080630-04】 Phoenix Mars Lander、慎重な運用続く
【080630-05】 NASA、シャトルの射点の排煙用溝の壁の修理方法を承認
【080630-06】 ILS社内のFROB、Proton/Breeze Mの打上げ再開を承認
【080630-07】 ATK、Ares Iの試験機の1、2段分離システムの最初の地上での試験実施
【080630-08】 NASA、月への再訪と基地建設に必要なシステムのコンセプトを確認
【080630-09】 カナダ宇宙庁と国防省、小型の望遠鏡を打ち上げNEOとデブリを観測
【080630-10】 ロシアの科学者、Phobos-Gruntから小惑星にラジオビーコン送り込みを提案
【080630-11】 インド、大学生提案の実験を行う衛星の打上げを計画
【080630-12】 米上院の商務科学運輸委、2009年度のNASAの予算枠を承認
【080630-13】 ESA、チェコ共和国のESAへの正式参加を承認
【080630-14】 ESAとJAXA、宇宙飛行士募集の応募者数を公表
【080630-15】 シャトルのリタイアでKSCでの失職者3,000〜4,000人
【080630-16】 JAXAのウェブサイト内の注目記事へのリンク

【080630-01】
ロシア、Proton-K/DM-2による軍事目的の衛星の打上げ成功

 6月27日、ロシアはバイコヌールからProton-K/DM-2により、軍事利用目的 の衛星の打上げを行い、所期の軌道への投入に成功した。

 衛星の目的は明らかにはされていないが、投入された軌道は静止軌道で、 一部の報道によるとミサイル発射の早期警戒が目的であるとされている。軌 道投入後、Cosmos 2440と名付けられた。

 今回の打上げは2008年3月15日にInternational Launch Services (ILS)が Proton/ Breeze MによるAMC-14の打上げに失敗して以来初のProtonシリーズ の打上げであったが、この失敗の原因は今回の打上げに用いられたものとは 異なる上段エンジンの不具合であることが明らかになっているので、今回の 打上げに際しては、特段の処置は必要とされてはいない。

 http://en.rian.ru/russia/20080627/112332683.html

【080630-02】
SpaceX、Falcon 1の射点での燃焼試験成功…打上げは7月末に延期

 6月25日、Space Exploration Technologies Corp.(SpaceX)は、マーシャル 諸島のクワジェリン環礁の射場で打上げの準備が整ったFalcon 1の1段エンジ ンの射点での燃焼試験(拘束燃焼試験:ロケットを飛び上がらない様に拘束し た状態で行う)を行い、良好な結果を得たことを明らかにした。

 打上げの準備は6月最後の週の打上げを目指して行われてきたが、6月中旬 に1段エンジンのノズルの溶接に小さな欠陥を発見し、安全のために機体を整 備場に戻してノズルの交換を行うこととしたために、打上げは7月後半から8 月に遅れるとされている。

 Falcon 1はこれまでの2回(2006年3月、2007年3月)の打上げで、最初は打上 げ直後の1段エンジンの爆発、2回目は1、2段分離時の機体の接触が引き金と なった2段の推進薬のスロッシングによる2段の早期燃焼終了という不具合で、 初打上げに完全に成功したとは言えない状況にあり、今回の打上げでの成功 を目指している。

 1段エンジンは、これまではアブレーティブ冷却方式のMerlin 1Aであった が、今回は再生冷却方式の改良型エンジンMerlin 1Cに変更されており、こ のエンジンの初飛行となる。

 今回の打上げは、ロケットとしては初の打上げ成功を目指した試験飛行の 位置付けではあるが、国防総省のJumpstart ProgramのSpaceDev, Inc.製の TrailblazerとNASAの2つの小型衛星を搭載する 他、次の打上げのペイロードであるマレーシアのRazakSat 2を搭載する際に 用いられるマレーシア製のアダプタが搭載される。目標とする軌道は、 685km X 330 km、軌道傾斜9度である。

 http://www.spacex.com/press.php?page=43

【080630-03】
NASA、Falcon 1の3回目のチャレンジに2基の小型ぺイロード搭載

 7月後半から8月に予定されているFalcon 1の“初飛行成功”を目指した3回 目の打上げには、国防総省のぺーロードに相乗りする形で、カリフォルニア科 学技術大学及びサンタクララ大学の学生がNASAのエイムズ研究センタ(ARC)と 一緒になって開発した2つの小型衛星、PreSatとNanoSail-Dが搭載される予定 となっている。

 PreSatは、ARCの新しいTriple CubeSatのプラットフォームの実証とバイオ 関係の実験機器の実証を目的としている。
 NanoSail-Dは、軌道上で約3m角の薄膜を広げるソーラーセイル衛星で、世界 で初めてのソーラーセイルの軌道上での展開に挑戦する。また、展開した薄膜 に受ける空気の分子による抵抗を、無用になった衛星等のデブリの減速用に用 いる(ドラッグセイル)技術の開発も目的としている。

 http://www.aviationnow.com/aw/generic/story.jsp?
 id=news/SAIL06278.xml&headline=NASA%20To%20Try%20Solar%20Sail%20On%20SpaceX%
 20Falcon%201&channel=space

【080630-04】
Phoenix Mars Lander、慎重な運用続く

 6月25日にNASAが明らかにしたところによると、Phoenix Mars Landerから、 6月11日にサンプルを取り込んだThermal and Evolved-Gas Analyzer(TEGA)の 最初のセルで分析した結果が送られて来て地上の科学者がスタディを始めて いる。

 TEGAの次のセルへのサンプル取り込みを検討中であるが、前週末までの準 備段階でセルの蓋が充分に開かないことが判明し、検討の結果、機械的な干 渉に加えて、先に最初のセルにサンプルを取り込むために振動を与えたこと で電気系統にショートが起こった可能性があることが判り、蓋が途中までし か開かないセルには細かいサンプルは取り込み可能であるが、氷を取り込む には大きく開くことが必要なので慎重に残り7つのセルの状況を確認してい る状況である。

 一方、Wet Chemistry Labへの初めてのサンプルの取り込みは25日に無事 終わり、分析作業に取り掛かっている。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2008/jun/HQ_08160_phoenix_update.html

【080630-05】
NASA、シャトルの射点の排煙用溝の壁の修理方法を承認

 6月26日、NASAは5月31日のDiscoveryの打上げ時に大きな損傷を受けたケー プカナベラルの39A射点の排煙用溝の壁の修理計画を承認したことを明らかに した。

 計画は、耐熱レンガが剥がれた部分の周辺を含めて7.6m×30mの範囲及び反 対側の壁7.6m×24mの範囲の耐熱レンガをきれいに剥がした後、下のコンクリ ートの壁に鋼鉄製のグリッドを設置し、そのグリッドにシャトルのメインエ ンジン直下のフレーム・デフレクタに塗布してある物と同じ耐火材“Fondu Fyre”を吹きつけ塗布するというもの。

 工事には270万ドルが必要とされており、工事期間は耐熱レンガの除去に7 月19日まで掛かり、その後耐火材の吹きつけ塗装に約1ヵ月と見られている。

 10月8日に打上げ予定のハッブル宇宙望遠鏡のメンテナンスに向かうSTS-125 ミッションのAtlantisが射点に移動するのは8月29日との計画になっているこ とから、射点の修理はこのミッションのスケジュールに影響はないとされてい る。

 http://www.spaceflightnow.com/shuttle/sts124/080626paddamage/

【080630-06】
ILS社内のFROB、Proton/Breeze Mの打上げ再開を承認

 6月24日、International Launch Services(ILS)は、3月15日のProton/Breeze MによるAMC-14の打上げ時の不具合をフォローしていた自社内のFailure Review Oversight Board (FROB)がこの夏の打上げ再開を認めたことを明らか にした。

 FROBでは、5月にロシア政府の委員会が出した事故原因調査結果と再発防止 策を了承した後、再発防止策の実施状況を確認して、打上げ再開可否を決定 するとしていた。

 これまでにロケットの主契約者であるKhrunichevにおいて、問題を起こし たBreeze Mの配管の板圧の増強が行われ、試験での確認が終わったこと、及 びILSとKhrunichevにおける品質管理に関するレビューが適切に行われたこと を確認した。

 打上げ再開後の最初のミッションでは、Inmarsatの衛星Inmarsat 4-F3の 打上げが予定されている。

 http://www.aviationnow.com/aw/generic/story.jsp?
 id=news/PROTON06248.xml&headline=Proton%20M%20Cleared%20For%20Return%20To%
 20Flight&channel=space


【080630-07】
ATK、Ares Iの試験機の1、2段分離システムの最初の地上での試験実施

 6月23日、Alliant Techsystems(ATK)は次期の有人打上げロケットAres Iの 試験機であるAres I-Xの1、2段の分離システムの試験の第1段階を無事終了し たことを明らかにした。2009年春に予定している試験飛行に向けての重要な 一歩と位置付けている。

 試験は、1段の前方スカートとその上の前方スカート延伸部を結合して水平 に吊し、分離部に装着されている線形成形爆薬(linear-shaped charge)を作 動させて分離させたもの。

 この部分の分離は2段と離れた後、落下中の1段のパラシュートの放出のた めのものであり、2段との分離は前方スカート延伸部と2段側の最下部の円錐 台との間で行われるが、その部分の分離試験も7月には行われる予定となっ ている。

 http://atk.mediaroom.com/index.php?s=press_releases&item=827

【080630-08】
NASA、月への再訪と基地建設に必要なシステムのコンセプトを確認

 6月23日、NASAは月への人類の再訪と月面基地建設のために必要なシステム に関するコンセプト検討作業のレビューが20日までの3日間行われ、所期の成 果を得たことを明らかにした。

 2007年5月末に世界の14の宇宙機関による議論の結果まとめられた宇宙探査 の長期的展望や国際協働の共通認識The Global Exploration Strategy:The Framework for Coordinationの下でNASAで実施さ れた9ヵ月間のスタディ結果を総括する形で行われたLunar Capability Concept Reviewを終えたもの。

 NASAでのスタディでは、月ミッションの様々なシナリオを検討し、それに 対してNASAが開発しようとしている打上げロケットAres V及び月着陸船Altair の能力が充分であるか否かが検討された。

 今回のレビューの結果、Ares Vはこれまで1段のエンジンとしてRS-68を5基 装備し、5セグメントの固体補助ロケットを2基用いる計画となっていたが、 能力不足が明らかとなり、RS-68を6基とし、固体補助ロケットを5セグメント 半とすることが決まった。

 このレビューの結果を受けて、ロケット等の開発のフェーズAが2008年中に はスタートすることになり、2010年にはシステム要求審査が予定されている。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2008/jun/HQ_08155_LCCR.html

【080630-09】
カナダ宇宙庁と国防省、小型の望遠鏡を打ち上げNEOとデブリを観測

 6月26日、カナダ宇宙庁(CSA)と国防省の研究機関(DRDC)は地球近傍天体 (Near Earth Object:NEO)の探索と軌道上にある衛星やデブリの追跡を目的 とした小型衛星Near Earth Object Surveillance Satellite (NEOSSat)の打 上げ準備を進めていることを明らかにした。打上げは2010年に予定されてい る。(注:5月にnewscientist.comは2009年に打上げ予定と伝えている。)

 NEOSSatは、2003年にロシアのRokotで打ち上げられた質量60kgの小型の宇 宙望遠鏡MOST (Microvariability and Oscillations of Stars)の技術を継 承する衛星で直径15cmの反射鏡を備えた質量65kgのスーツケース大の小型衛 星である。衛星の製作はカナダのDynacon Inc.で行われている。

 この衛星の目的は地球より内側の軌道上にあるために太陽の光に邪魔をさ れて地表からは殆ど発見できないAten群のNEOの発見(NESS:Near Earth Space Surveillance)並びに、比較的高軌道の地球周りの人工衛星及びデブリ の観測(HEOSS:High Earth Orbit Space Surveillance)であり、投入予定の 軌道は高度700kmの極軌道である。

 HEOSSは現在米国のNorth American Aerospace Defence Command(NORAD) だけが行っている高軌道の人工衛星及びデブリの観測におけるカナダの寄 与を安価に実現できるという点で期待されている。NEOSSatの製作、打上げ、 運用費は1,200万ドルとされている。

 http://www.cbc.ca/technology/story/2008/06/26/neossat-asteroid.html

【080630-10】
ロシアの科学者、Phobos-Gruntから小惑星に ラジオビーコン送り込みを提案

 6月27日、モスクワで開かれた科学者の会議で、2036年に地球に衝突する可 能性があるかも知れないと言われている直径350mの小惑星99942 Apophis (Asteroid 2004 MN4)の軌道を正確に予測するために、ロシアが2009年に打ち 上げて火星の衛星Phobosの土壌サンプルを2012年に地球に持ち帰ることを計 画している探査機Phobos-Gruntを活用することが考えられるとのアイデアが 披露された。

 Apophisは2029年に地球に36,000km(静止衛星の高度)まで近付くとされてお り、その時に地球の重力の影響で軌道が変化し、次に地球近傍に近付く2036 年に地球にぶつかる様な軌道になる可能性が無いとは言えないとされている。

 そこで、軌道を正確に把握する必要性が生じるが、地上の電波望遠鏡だけ では地球への脅威の有無を判断するに足る正確な軌道把握は不可能であり、 正確を期すための唯一の手段はApophis自体にラジオビーコンを設置するこ とだとして、それを送り込むプラットフォームとしてPhobos-Gruntが有効で あるとしている。

 Phobos-Gruntの何れかの部分(注:本件を伝えている記事にはどの部分か示 されていない)にラジオビーコンをApophisに送り込むための手段を追加し、 2012年にApophisに向けて発射すればよいというもので、追加しても本来のミ ッションへの影響は少ないとしている。

 http://en.rian.ru/science/20080627/112427353.html

【参考】本件と直接の関係はないが、丁度100年前の1908年6月30日にシベリ ア上空で“Tunguska Explosion”と称されている大きな爆発があり地上に被 害が生じている。

 現象としては、地球に向かって突っ込んで来た質量約10万トン、直径60〜 100mの天体(隕石、彗星、小惑星の何れかは不明)が地表に達する前に高度6 〜8kmで爆発し、地上に大きな被害を与えたと分析されている。

 強烈なエアバーストによって半径約30 kmの森林が炎上し、約2,000 km?の 範囲の8,000万本の樹木がなぎ倒されたが、殆ど居住者がない地域だったの で幸いにして死者は少なかったものと見られている。(事後の調査は13年後 に初めて行われた。)

【080630-11】
インド、大学生提案の実験を行う衛星の打上げを計画

 6月26日、インド宇宙研究機構(ISRO)のNair総裁は、2009年に極軌道衛星打 上げロケット(PSLV)で、大学生及び大学院生が準備した実験を行う衛星を打 ち上げる計画があることを明らかにした。実施する実験は公募されて決定し ており、既に衛星の製作に着手している。

 この計画は、2年前に当時のインドのAbdul Kalam大統領がロシアを訪れた 際に提案したものであり、採用された実験の中にはロシアの学生の提案も含 まれている。

 衛星の質量は100kg弱で、リモートセンシング衛星の打上げ時に相乗りぺイ ロードとして搭載される。

 http://www.domain-b.com/aero/space/satellites/20080628_satellite.html

【080630-12】
米上院の商務科学運輸委、2009年度のNASAの予算枠を承認

 6月24日、米議会上院の商務科学運輸委員会は、この委員会として独自の法 案“NASA Authorization Act of 2008”を全会一致で承認した。

 2009年度のNASAの予算枠を、ベースラインの192億ドルに、次期の有人打上 げロケットの開発のスピードアップのための10億ドル及び民間での有人打上 げロケット開発の促進のための1億5,000万ドルを加え、総額203億5,000万ド ルとしている。

 この法案で特にNASAに対して要求していることは

* 2010年になって必要なミッションが残っている場合に、自動的にスペース シャトルの運用を止めることはしない様
 にし、事前に2010年を超えてスペ ースシャトルを運用するには何をしなければならないかを検討し議会に報 告
 すること。
* 民間による有人打上げロケットの開発を競争ベースで進めること。
* スペースシャトルのリタイアによって影響を受ける地域を支援するために Space Shuttle Transition Liaison
 Officeを設置すること。
* 2015年以降もISSの運用を続けるために必要な支援の計画を策定すること。
* ISSでの研究が適切に行われているか否かを評価するためのInternational Space Station Utilization
  Advisory Committeeを設けること。
* 科学観測機器を運ぶためのISSへのスペースシャトルの飛行を1回増やす検 討をすること。
* 時代の要求に添った先進的な航空工学分野の研究を行うこと。
* その他、施設管理、輸出規制対応、地球近傍小惑星探査、等の課題に 取り組むこと。

 http://commerce.senate.gov/public/index.cfm?
 FuseAction=PressReleases.Detail&PressRelease_id=b5f84adf-fb01-40f3-93dc-
 4e74d8af12b0&Month=6&Year=2008


【080630-13】
ESA、チェコ共和国のESAへの正式参加を承認

 6月26日、チェコ共和国の広報官はESAの長官から同国の教育相に、同国が 正式にESAのメンバーとなることが認められたとの連絡があったことを明ら かにした。

 今後ESAとチェコ政府間の合意書の署名が行われ、チェコの国会が承認し て正式に18番目の国としての加盟となる。

 チェコは1996年にESAとの協力関係の枠組み協定を結び、その後2003年11 月にはEuropean Cooperating State (ECS) Agreementの締結をして正式の関 係の樹立に向けて詰めを行い、2004年11月からはPlan for European Cooperating State(PECS) Charterの下でメンバー国となる準備を進めて来た。

 この間、チェコは27のESAのプロジェクトに参加し、850万ユーロの負担を してきており、その成果が評価されて正式メンバーとなることが認められた もの。チェコはかつての共産圏の国として初めてESA加盟のハードルを越え たことになる。

 http://www.ceskenoviny.cz/news/index_view.php?id=319943

【080630-14】
ESAとJAXA、宇宙飛行士募集の応募者数を公表

 6月23日にESAが、6月24日にJAXAが相次いで新しい宇宙飛行士の募集に対す る応募状況を明らかにした。

 カナダも5月末から6月26日までの予定で宇宙飛行士の募集をしているが、 未だ応募状況の公式発表はない(一部に5,352人の応募があったとの報道はあ る)。また、NASAは2007年9月から、2009年夏からの訓練に参加する宇宙飛行 士の候補者(約2年の訓練後宇宙飛行士としての採否が決まる)の募集を行っ ており、その締め切り日は7月1日となっている。

 ESAは5月19日から1ヵ月間の募集を行い、8,413人からの応募書類を受け付 けた。全てのESA加盟国からの応募があったが、多い順にフランス(22.1%)、 ドイツ(21.4%)、イタリア(11.0%)、英国(9.8%)、スペイン(9.4%)で、女 性の応募者は16%であった。

 http://www.esa.int/esaCP/SEM3ZTRHKHF_index_0.html

 JAXAは4月1日から6月20日までの募集を行い、963人の応募を受け付けた。 女性は13%であった。

 http://www.jaxa.jp/press/2008/06/20080624_select_j.html

【080630-15】
シャトルのリタイアでKSCでの失職者3,000〜4,000人

 6月23日、米国フロリダ州のポートカナベラルにおいて、連邦議会上院の商 務科学運輸委員会の宇宙航空及び関連科学小委員会が主催した一般公聴会が 開かれ、2010年にスペースシャトルがリタイアすることによってケネディ宇 宙センタ(KSC)の雇用状況がどの様に変わるか、また、その変化の影響を少な くするには何をしなければいけないかが議論された。

 会合に出席した小委員会のメンバーは委員長であるフロリダ州選出の民主 党上院議員Bill Nelsonだけであったが、ゲストとして共和党上院議員の MelMartinezが出席し、地元からは約1,500人が参加した。なお、Nelsonは1986年 1月(Challengerの事故の直前)にColumbiaに“上院議員のペイロードスペシャ リスト”として搭乗し宇宙を体験している。

 会合では、NASAのGriffin長官が2010年以降のKSCにおけるNASAの雇用計画 について語ったが、長官は従来6,400人が職を失うとされていたのを修正し、 失職者は3,000人から4,000人で収まると説明した。

これには、現在のスペースシャトルのミッションではヒューストンのジョ ンソン宇宙センタ及びハンツビルのマーシャル宇宙飛行センタで行っている 技術的な仕事を、将来の月ミッションではKSCで行うことが前提となってい る。

 しかしながら、数千人規模の職がなくなるということに対して抜本的な策 は未だ示されておらず、州レベル、国レベルの対策が必要なことが再認識さ れた形となった。

 http://www.floridatoday.com/apps/pbcs.dll/article?  AID=/20080624/OPINION/806240320/1004/opinion&
 referrer=NEWSFRONTCAROUSEL


【080630-16】
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