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 メールマガジン「週刊KU-MA」 第3号          [2008.7.16]


■目次
(1)YMコラム
     「ボイジャー2号も太陽系脱出へ」
(2)ワンダフル宇宙(3)
     「周期ゼミの世界(その1)」

(3)宇宙関連ニュース「宇宙茫茫」

■YMコラム(3) 2008年7月16日

 「ボイジャー2号も太陽系脱出へ」

 人工衛星や惑星探査機の寿命はそんなに長くありません。せいぜい数年と いったところです。現在生きて活動している日本の科学衛星は、あけぼの (1989年打上げ)、ジオテイル(1992)、はやぶさ(2003)、すざく(200 5)、れいめい(2005)、あかり(2006)、ひので(2006)、かぐや(2007) の8機がありますが、格別に「長生き」している「あけぼの」でも、来年で やっと20歳です。

 http://www.isas.jaxa.jp/j/enterp/missions/index.shtml

 その点、1977年に打ち上げられ、いまなお太陽系外縁のデータを送り続け ている2機のボイジャーは、例外的な長寿と言えましょう。さる7月3日号の 科学雑誌『ネイチャー』に寄稿された論文によれば、まだ健在で、貴重な科 学データを送ってきているそうです。

 http://www.astroarts.co.jp/news/2007/09/05voyager/index-j.shtml

 天王星と海王星を訪れた唯一の探査機であるボイジャー2号が、ある意味 で太陽系の端ともいえる「ターミネーション・ショック」を通過したと報じ られたのは、2007年8月31日のことでした。2007年の夏ごろには、ボイジャ ー2号は、太陽から100億 kmを越えてもなお「太陽圏」(heliosphere)と 呼ばれる「巨大な泡」とも言うべき磁場領域にとどまっているとされていま した。この「泡」を作る力は太陽から高速で噴き出している太陽風で、太陽 系の外からやってくる星間物質を内側から押しやっているのですね。とは言 っても、海王星の遥か彼方のどこかで、太陽風は星間物質の流れと正面衝突 せざるをえず、その正面衝突で、時速100万マイルの太陽風は、音速よりも 低いスピードにまで急速に減速されてしまいます。ここが、「ターミネーシ ョン・ショック」なのです。

 ところで、ボイジャー1号が、2004年12月にターミネーション・ショック を通過した時は、太陽から94.1 AU(天文単位)のところ(1 AUは地球と太 陽の平均距離で1億5000万km)でした。ところが、今回ボイジャー2号がタ ーミネーション・ショックを通過したのは、83.7 AUだったそうです。この 違いはどこから来ているのでしょうか。

 2004年には、太陽活動は最盛期にありました。この時期は太陽風の勢いは 強烈で、太陽圏の圧力を強め、ターミネーション・ショックを外側へ追いや ります。この頃ボイジャー1号は太陽から猛スピードで遠ざかっていたにも かかわらず、ターミネーション・ショックもそれに劣らぬスピードで太陽か ら遠ざかっていたため、ボイジャー1号は追いつかなかったらしいのです。 やがて太陽活動が衰え始め、太陽圏が膨張を終えて収縮に転じたとき、ボイ ジャー1号はやっとターミネーション・ショックに追いついたというわけで す。

 これに対して、ボイジャー2号が太陽圏の端に近づいて行ったのは、太陽 活動の衰退期でした。ボイジャー2号のプラズマ機器が、もうじきターミネ ーション・ショックだぞと予告した2007年8月1日には、ボイジャー2号は太 陽から83.4 AUにいました。そのわずか30日後、83.7 AUのところで、ボイジ ャー2号はターミネネーション・ショックを通過したことになるわけです。 ただ、ターミネーション・ショックそのものは複雑な動きを見せているので、 ボイジャー2号の場合、「通過」と思われた瞬間が5回もありました。そのた びにプラズマ機器や磁力計に鋭いスパイクが現れたそうです。そして最終的 にこの乱流領域から完全に脱したのですね。

 先述の『ネイチャー』誌によれば、面白い事実があります。科学者たちは、 太陽風のスピードが時速百万マイルから亜音速にまで減速するから、その急 激な運動エネルギーの低下によって太陽風プラズマの温度は100万度くらい 上昇すると考えていました。ところが現実には10万度ほどしか上昇しなかっ たのです。都合70%ほどのエネルギーがどこかへ消えてしまったように見え るのです。

 その解答は意外なところからもたらされました。2006年にNASAが太陽中心 軌道に打ち上げた2機の探査機「ステレオ」は、太陽の3次元画像を取得し、 太陽磁場とイオン・フラックスを測定する目的を持っていました。ところが 2007年の6月から10月の長きにわたって、「ステレオ」のセンサーが、太陽 系の外惑星の方角から流れてくるらしい高エネルギーの中性原子の流れを検 知したのです。

 『ネイチャー』誌の論文は、この中性原子の正体を明らかにしています。 超高エネルギーでターミネーション・ショックに至った太陽風の粒子群は、 星間物質の冷たい流れと衝突します。太陽風の全エネルギーのうちの(先 述した)残りの70%は、これらの冷たい星間物質をあたため、ターミネーシ ョン・ショックの向こう側にheliosheathと呼ばれる領域を創り出します。
 こうしてボイジャー2号は、このたび無事にターミネーション・ショック を通り過ぎ、太陽圏からheliosheathに入り込みました。次の目標は太陽系 の最後の砦である太陽圏界面(heliopause)です。ここからボイジャーは 本格的な星間空間に向かって船出します。


 http://planetary.org/news/2008/0710_30_Years_into_its_Journey_Voyager_2.html


 そこまでボイジャー2号は交信を継続できるかどうか──それはまだ誰に も分かりません。

(YM)

■ワンダフル宇宙(3) 2008年7月16日

 周期ゼミの世界(その1)

 熱い夏がやってきましたね。これでもかこれでもかと続く暑さに、正直参 っています。みなさん何とか頑張って乗り切りましょう。幼い頃の熱い夏は、 冷房などどこへ行っても一切存在しない時代でした。日本中がそれでも元気 に働いていたんですね。温暖化の問題を措いても、みんなたくましかった、 人間が強かったとつくづく思います。

 夏と言えば、あの頃、セミの一生についてストーリーを聞き、そのはかな さを想像して幼い胸を痛めたことがあります。きっとみなさんもそうでしょ う。セミの幼虫が地上に這い出てから、木の幹や葉っぱにしがみついて、驚 くべき感動的な数時間を経て羽化していく様子を、身じろぎもしないで見守 った経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。私も、セミの幼虫を持 って帰って、自宅の網戸にくっつけて羽化するのを夢中で見たクチです。ト ンボの羽などは平気でちぎって「飛行の研究」をしていた私も、セミはその あと2週間しか生きられないのだと知ると、脱皮の最中に手を伸ばすことは 控えていました。でも持って帰ったセミの中には、しがみつかせ方がいけな かったのか、落下して羽化を果たせないものもいました。悲しい気持ちで泣 く泣くお墓を作ってやったのも数知れず。

 そして目の覚めるような華麗な変身をしたセミは飛び立ち、オスはメスを 呼んで懸命に鳴きつづけます。交尾を果たしたら死んでしまうオス、産卵を 果たしたら死んでしまうメス。何だかやり切れないほど切ないですね。何と 短い青春!

 木に産みつけられた卵は、前幼虫になり、脱皮して1齢幼虫になります。 そして間もなく地面へ落下し潜り込むのです。そこから気の遠くなるような セミの幼年時代・少年時代が始まるのですね。2齢、3齢、4齢、5齢と脱 皮を重ねて行くこの期間は実に6〜7年にも及びます。そして夏のある日、 土から出て木登りをし、太陽の光に触れながらわずか2週間の青年時代を謳 歌することになります。だから、壮年時代と老年時代なんて、無いのですね。 なにしろ「後期高齢者」が存在しているには人間だけだそうですからね。

 アメリカ人とセミの話をすると、時々セミを知らない人もいます。日本ほ どポピュラーではないようです。ところが、アメリカには最近話題を呼んで いる「素数ゼミ」(あるいは「周期ゼミ」)というものがいて、2004年の夏 には大騒ぎになったのを記憶している人もおられるのではないでしょうか。

 素数ゼミ──13年とか17年という素数の年の間何もいなかったところで、 ある年の夏、突然百メートル四方ぐらいの狭い場所に数十万匹のセミが出現 して「ジージー」「ジージー」と大合唱をするのですから、それはそれは凄 いことになるようです。この地域に住んでいる人たちは、セミの声がやかま しくて電話が聞きとれないとか、その地域の木々はこれらの夥しい数のセミ に樹液を吸われて枯れてしまったとか、信じられない事件が、2004年の夏に はワシントンやシンシナティで起きたようです。

 これらのセミは、地上に出てくると、遠くへ飛んで行きません。徹底して その辺りに群れていきます。オスの合唱を聞いたメスたちも当然そこへ集合 してきますから、百メートル四方ぐらいの場所が、押すな押すなのセミの大 集落と化すわけです。しかし彼らも、日本のセミと同じように、オスは力い っぱい鳴きつづけ、交尾を終えると死に、メスもまわりの樹に卵を産みつけ ると数週間で死んで行きます。そして卵は1齢幼虫となって地上に潜り込む と、翌年からはパッタリと消息を絶ち、また17年とか13年とかいう素数の年 の間地中で過ごし、再び忘れられたころ大発生をするのです。

 日本では毎年夏の風物詩として現れるセミたちなのに、この北アメリカな どの「素数ゼミ」はどういうことになっているのでしょう。実は、この素数 ゼミについて、日本の吉田仁さんという科学者が素晴らしい研究をしました。 彼はこの「周期ゼミ」について、3つの謎を提起しました。
 
 ◎なぜこんなに長い時間(13年とか17年)をかけて成虫になるのか?
 ◎なぜ狭い地域で一度に大発生するのか?
 ◎なぜ13年とか17年なのか?

 この13年ぶり、17年ぶりに、アメリカ中がセミで覆われるわけではありま せん。そういった地域が数十か所あって、そこの地域に限って「周期ゼミ」 は現れます。でもその出現年は地域によって異なっており、ある年にはA地 域、またある年にはB地域というように、でもそれぞれの地域では13年おき、 17年おきに大発生してくるのです。

 上記の3つの謎のうちでも、最も不思議なのは3番目のものですね。だっ て、日本では毎年現われて当然なのに、どうして? この問題は、実は地球 と生命の進化の歴史が深く関わっているらしいのです。この「ワンダフル宇 宙」で、吉田仁先生の研究も参考にさせていただき、数回に分けてその謎を 追ってみましょう。私たちのいのちが、いかにこの星の環境と緊密なつなが りがあるかの絶好の証として、みなさんとともに考えていこうと思います。 一度に全部話したら非常に長い話になってしまいます。出し惜しみをしてい るわけではありませんが、みなさんのお時間も限られているでしょうから、 ゆっくりと、しかし本質的な議論をしながら進んでいくことにしましょう。

 では来週をお楽しみに。

■宇宙茫茫ヘッドライン

【080714-01】 NASA、シャトルのリタイアまでの全ミッションの打上げターゲット日設定
【080714-02】 ISSでの船外活動でSoyuz TMAの爆発ボルト1本取り外し
【080714-03】 Phoenix Mars Lander、氷のサンプル取込で苦戦
【080714-04】 NASA、Lockheed Martinとの間のISSの“Cargo Mission”契約を1年間延長
【080714-05】 Sea Launch、7月15日にDISH Network CorporationのEchoStar XI打上げ
【080714-06】 ESA、7月17日にパリでISS計画参画の各極の宇宙機関長会議を主催
【080714-07】 JAXA、2010年のPLANET-Cへの相乗り候補の小型副衛星4基を選定
【080714-08】 ISROとCNES、Megha-Tropiquesの2009年打上げに向けステータス確認
【080714-09】 Space Systems/Loral、HISPASAT 1Eの製造契約獲得
【080714-10】 NASAとESA、共同で進めて来た月探査構想評価結果を公表
【080714-11】 “Teachers in Space”をテーマとしたラウンドテーブル会合開催
【080714-12】 Boeing Educators to SPACE CAMPにこれまでで最大の90人参加
【080714-13】 Magellan Aerospace、LMの下請けでOrionのヒートシールドを開発
【080714-14】 Spaceport Americaのウェブサイトを立ち上げ
【080714-15】 ニュージーランドで観測用ロケット開発進む
【080714-16】 JAXAのウェブサイト内の注目記事へのリンク

【080714-01】
 NASA、シャトルのリタイアまでの全ミッションの打上げターゲット日設定

 7月7日、NASAは2009年に5回及び2010年に3回予定しているスペースシャト ルの打上げのターゲット日を明らかにした。

 これで、先にターゲット日が明らかにされた2008年内の2回の打上げと合 わせて、2010年に予定しているスペースシャトルの引退までに計画している 10回の打上げの全てについて打上げターゲット日が明確にされたことになる。

 10回の打上げの内訳は、ハッブル宇宙望遠鏡のメンテナンスが1回、ISSの 建設目的が7回、ISSへのコンティンジェンシーフライトとされている打上げ が2回となっており、全てが大統領がスペースシャトルのリタイヤの期限と している2010会計年度が終了する2010年9月末までに終了する計画となって いる。

 今後の10回のミッションの打上げターゲット日及び目的等は以下の通り

 2008/10/08:STS-125/Atlantis
  ハッブル宇宙望遠鏡のメンテナンス

 2008/11/10:STS-126/Endeavour/ISS-ULF2
  右舷側の太陽電池パネル回転機構のメンテナンス及び補給ミッション

 2009/02/12:STS-119/Discovery/ISS-15A
  S6トラス及び太陽電池パネルの取付、若田宇宙飛行士搭乗

 2009/05/15:STS-127/Endeavour/ISS-2JA
  「きぼう」の船外実験プラットフォーム及び船外パレットの取付、若田宇宙飛行士帰還

 2009/07/30:STS-128/Atlantis/ISS-17A
  Multi-purpose Logistics Module及びラックの運搬

 2009/10/15:STS-129/Discovery/ISS-ULF3
  ジャイロ他の予備品の運搬

 2009/12/10:STS-130/Endeavour/ISS-20A
  結合機構Node 3とCupolaの取付

 2010/02/11:STS-131/Atlantis/ISS-19A
  Multi-purpose Logistics Module及びラックの運搬、Atlantisの最終飛行

 2010/04/08:STS-132/Discovery/ISS-ULF4
  ロシア実験モジュールの取付及び予備品の運搬、Discoveryの最終飛行

 2010/05/31:STS-133/Endeavour/ISS-ULF5
  予備品の運搬、Endeavourの最終飛行

 なお、従来、ハッブル宇宙望遠鏡のメンテナンスが終了した時点でリタイ アさせるとしていたAtlantisをそのまま使用し、 その後2回打ち上げることに変更している。これはAtlantisのリタイアによっ て生み出すことができる予算上の余裕を予備品の調達に回すことを考えてい たが、予備品計画に余裕が生じたことで、リタイアの必然性がなくなったた めとしている。3機体制を維持することによって、プログラム全体の自由度が 増し、定められた最終リタイアの期限を守る観点からは望ましいとしている。

 今後の10回の打上げは、AtlantisとDiscoveryが3回ずつ、Endeavourが4回 となっている。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2008/jul/HQ_08167_Final_Shuttle_Manifest.html

【080714-02】
 ISSでの船外活動でSoyuz TMAの爆発ボルト1本取り外し

 7月10日、ISSでは、去る4月と前年の10月のSoyuz TMAによる地球への帰還 時の再突入の際の飛行経路が厳しい条件の弾道飛行となった原因とされた分 離用の爆発ボルトと同じ位置の爆発ボルトをドッキング中のSoyuz TMA-12か ら除去するための船外活動が行われた。

 ロシアは、先に、大気圏再突入寸前の帰還用のカプセルと推進モジュール の分離が正常に行われなかったことが引き金で自動的に弾道飛行モードに切 り替わったことを認め、分離の不具合は、5箇所の結合部分に取り付けられて いる2本ずつの爆発ボルトの中の1本が作動せず切断されなかったことが原因 であったとしている。

 今回の船外活動ではSergei VolkovとOleg Kononenkoが約6時間かけて、問 題となっている部分の多層断熱材を除去し、爆発ボルトへの結線を外し、ロ ッキングワイヤを外して六角レンチでボルトを取り外し、防爆性を備えた容 器の中に収納した。

 取り外された爆発ボルトは地上での検証のために、10月に予定されている Soyuz TMA-12の帰還時に持ち帰られることとなっている。

 問題のボルトは写真の真ん中上部の逆V字型のフレームの頂点(赤いカバー が被せられている2つのスラスタの中央)部分に装着されているもの。

 http://www.spaceflightnow.com/station/exp17/080710eva/index3.html

【080714-03】 (関連記事:【080707-03】)
 Phoenix Mars Lander、氷のサンプル取込で苦戦

 7月6日、NASAのPhoenix Mars LanderのロボットアームによるWet Chemistry Labへの2回目のサンプル取込が成功したことが確認された。

 7月7日には、氷或いは氷混じりの土壌を如何にして掻き取ってロボットア ームの先端のスコップに取り込むかの実験が行われたが、低温のためと考え られるが、氷が非常に硬く、簡単には掻き取れないことが判明し、ロボット アームについている電動ヤスリの使用も検討され始めている。

 7月8日には、ロボットアームの先端の4本のスパイク状のプローブを土中に 突き刺す実験を行った。後日、このプローブを用いてスパイク間の土中の熱 伝導と電気伝導を測定することが計画されている。これにより土中の水或い は氷の存在を知ることができる。

 また、地上へは物の表面の形状を100ナノメートルまでの細かさで3次元的 に捉えることができるAtomic force microscopeが取得した画像が初めて送ら れて来ている。

 一方、電気系のショートが心配されているThermal and Evolved-Gas Analyzer (TEGA)への新しいサンプルの取込は引き続き慎重に検討が続けられて いる。この装置が唯一炭素を検出することができる装置であるが、1回目のサ ンプルを熱して分析した結果では水蒸気と二酸化炭素は検出されているが、 炭素は検出されなかった。

 http://uanews.org/node/20449
 http://uanews.org/node/20512

【080714-04】
NASA、Lockheed Martinとの間のISSの“Cargo Mission”契約を1年間延長

 7月8日、NASAはLockheed Martin Space Operationsとの間のISSの“Cargo Mission”契約を1年間延長することを明らかにした。

 Cargo Mission契約は、ISSへの及びISSからの物資輸送に関してその計画、 準備、実行に関するサービスの提供を行う契約で、2003年後半に行われたISS 関連の契約の見直しの際に最初の契約が4年9ヵ月の期間で結ばれていたもの。

 今回の契約延長は、当初契約に含まれていた2回の1年毎の延長オプション の1回目の適用で、2008年10月1日から1年間となっている。このオプション の範囲には、欧州と日本が提供する物資補給船(ATV及びHTV)に搭載するNASA の貨物の取り扱いが含まれている。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2008/jul/HQ_C08045_ISS_Cargo_Contract.html

【080714-05】
 Sea Launch、7月15日にDISH Network CorporationのEchoStar XI打上げ

 7月9日、Sea LaunchはZenit 3SLを搭載した打上げプラットフォームOdyssey と司令船が、カリフォルニア州ロングビーチの母港を出航し、西経154 度の赤道上の打上げ地点に向かったことを明らかにした。

 ペイロードはDISH Network Corporationの放送衛星EchoStar XIで、打上 げは7月15日22:21PDT(16日14:21JST) に予定されており、72時間前からカ ウントダウンに入る。

 EchoStar XIはSpace Systems/Loral製で、直接放送用のKuバンドのトラン スポンダを搭載しており発生電力は20kWの大型衛星で、質量は5,511 kgであ る。

 http://www.sea-launch.com/news_releases/nr_080709.html

【080714-06】
 ESA、7月17日にパリでISS計画参画の各極の宇宙機関長会議を主催

7月7日、ESAは7月17日にパリのESA本部においてISS計画に参画しているカ ナダ・欧州・日本・ロシア・米国の各極の宇宙機関長会議を開催することを 明らかにした。

会議は各極の宇宙機関の長が一堂に会してISSに関する国際協力の状況につ いて確認し、今後の方向付けを行うことを目的としている。

今回は欧州の実験モジュールColumbusと物資補給船の初号機Jules Verne及 び日本の実験モジュール「きぼう」が打ち上げられ、名実共に“国際”宇宙 ステーションになって初めての会合であり、ISSの完成までに残された作業の 確認、ISSの運用・利用の方法の確認、ISSへの輸送手段の評価等が行われる こととなる。

 http://www.esa.int/esaCP/SEMW8TSHKHF_index_0.html

【080714-07】
 JAXA、2010年のPLANET-Cへの相乗り候補の小型副衛星4基を選定

 7月9日、JAXAは4月22日から5月23日の間に募集した2010年度打上目標の金 星探査機PLANET-Cに相乗りする小型副衛星の搭載候補選定結果を明らかにし た。

 期限までに応募のあった4件の相乗り希望のペイロードについて、書類審 査、個別ヒヤリングを経て、7月3日に選定委員会を開催して、相乗りの候補 を選定したもの。結果として、応募のあった以下の4件全てが選定された。

 WASEDA-SAT2(早稲田大学)
 大気水蒸気観測衛星(鹿児島大学)
 Negai☆″(創価大学)
 UNITEC-1(大学宇宙工学コンソーシアム(UNISEC))

 今回の公募では、主衛星PLANET-Cが高度300kmのパーキング軌道に投入され た後に改めて加速されて金星に向かう軌道に入ることから、相乗り衛星は投 入軌道を地球を周回する高度300kmの円軌道とするか、そこから金星に向かう 軌道とする(人工惑星となる)かを希望をすることができ、選定された中のUNITEC-1 は金星に向かう軌道への投入を目指している。世界各国の宇宙機関以 外の民間機関が金星を目指すのは初めてのことである。

 http://www.jaxa.jp/press/2008/07/20080709_sac_sat_j.html

【080714-08】
 ISROとCNES、Megha-Tropiquesの2009年打上げに向けステータス確認

 7月5日、6日にインド宇宙研究機関(ISRO)とフランス国立宇宙研究センタ (CNES)の共同のワーキンググループの会合がインドで開催され、2009年に打 上げ予定の熱帯気象研究プログラムの衛星Megha-Tropiquesのステータスの 確認等が行われた。

 また、この会合でMegha-Tropiquesで得られた情報へのアクセス・ポリシ ーについての合意書の署名が行われ、データは世界の研究者に無償で提供さ れることとなった。

 Megha-Tropiques(サンスクリット後の「雲」とフランス語の「熱帯」)と 名付けられた衛星は熱帯地方の気象現象に対する水循環の影響を調査する目 的を持っており、観測機器の開発はISROとCNESで共同或いは各機関単独で行 われている。

 衛星の製造、打上げ、運用はISROの担当で、打上げはインドのPSLV(極軌 道衛星打上げロケット)で行われる予定。軌道は高度867km、軌道傾斜20度 と計画されている。

 http://www.indiaprwire.com/businessnews/20080707/31600.htm

【080714-09】
 Space Systems/Loral、HISPASAT 1Eの製造契約獲得

 7月9日、Space Systems/Loral (SS/L)は、スペイン語及びポルトガル語圏 への放送、情報配信を行っているHISPASAT Groupの衛星HISPASAT 1Eの製造契 約を得たことを明らかにした。

 衛星はSS/Lの1300プラットフォームをベースとしたKuバンドの衛星で質量 は約5トン、設計寿命は15年、発生電力は寿命末期で14kWとされており、打上 げは2010年に予定されている。

 http://investor.loral.com/releasedetail.cfm?ReleaseID=320561

【080714-10】
 NASAとESA、共同で進めて来た月探査構想評価結果を公表

 7月7日、8日にESAは、オランダ・ノルドバイクの欧州宇宙技術センタ (ESTEC)において、2008年1月以来NASAと共同で進めて来た月探査関係の NASA/ESA Comparative Architecture Assessmentの検討結果を報告する Integrated Architecture Reviewを開催した。

 この検討は、2020年の月への有人ミッションの再開に向けて、月面基地の 構想検討を行っているNASAと、有人宇宙ミッションのシナリオ及び関連の構 想の検討を始めているESAが、将来共同で実施することになれば、月での人 類の活動に役立つと考えられるプログラムや関連技術の評価を行ったもの。

 評価の結果として、双方が特に興味を持った開発項目として、月への貨物 の着陸システム、通信・誘導システム、月周回軌道上の設備、月面システム (居住区域、移動手段等)が挙げられた。更に、有人の輸送手段を双方が持っ て冗長性を確保することの重要性が認識された。

 http://www.esa.int/esaCP/SEMBA0THKHF_index_0.html

【080714-11】
 “Teachers in Space”をテーマとしたラウンドテーブル会合開催

 7月7日、米国ワシントンDCのジョージワシントン大学のSpace Policy Instituteは、7月16日に同大学において “Teachers in Space”をテーマと したラウンドテーブル会合を開催することを明らかにした。Space Frontier Foundation及びNewSpace Allianceと共同で開催するもので、一般の傍聴は 自由で、18:30から1時間半のゲストによる討議の後、一般傍聴者も参加し てレセプションが行われる。

 ラウンドテーブルでは、Teachers in Spaceプログラムの現状と将来計画、 如何に宇宙に行った教師が教育に貢献できるか、Teachers in Spaceの継続 を止めてしまった国の考え方等についての議論が行われる。

 Teachers in Spaceは1984年に当時のレーガン大統領の指示で始められた もので、米国初の民間人宇宙飛行士として小中学校の教師を宇宙に送る計画 であったが、最初に11,000人を越える応募者の中から選抜されたChrista McAuliffeが1986年1月のChallengerの事故で犠牲になったことによりそれ以 降取り止めとなってしまっていた。

 その後は、McAuliffeのバックアップクルーとして選抜されていたBarbara Morganが、教員経験者を宇宙飛行士に採用するというNASAの新たなアプロー チであるEducator AstronautとしてNASAに採用され、2007年8月にスペース シャトルに搭乗して宇宙からの授業を行っているが、宇宙に行った教師が教 室に戻るということは実現していない。なお、2004年にNASAは更に3人の Educator Astronautを採用しているが、2010年のシャトル引退までに宇宙に 行くことは難しく、その後の見通しも立っていない。

 一方で、2004年のSpaceShipOneによる初の民間宇宙飛行(100km迄の弾道 飛行)の実現により、NASAに頼らずに宇宙飛行が行える可能性が出てきたこ とから、2006年には新たな“Teachers in Space”をSpace Frontier Foundation が立ち上げており、2009年2月には最初の“先生宇宙飛行士”を選定 しようとしている。

 7月16日のラウンドテーブル会合に引き続いて、17日から19日までの3日 間、同じくワシントンDCで、Space Frontier Foundation主催のNewSpace 2008 Conferenceが開催され、ここでもTeachers in Spaceが話題となるこ ととなっている。

 http://teachersinspace.wordpress.com/2008/07/07/george-washington-university-hosts-
 tis-roundtable/


【080714-12】
 Boeing Educators to SPACE CAMPにこれまでで最大の90人参加

 7月7日、Boeing Company は、7月6日から12日の間ハンツビルのU.S. Space & Rocket Centerで開催される第17回のBoeing Educators to SPACE CAMPに、 90人の小中学校の教師を送り込んでいることを明らかにした。

 このキャンプでは、宇宙開発を題材として参加した教師の数学、科学、技 術関係のスキルの向上を図り、且つ参加者が自らの教室に持ち帰って役に立 つ教材を提供することを目的としている。

 今年の参加者数はこれまでの最大であり、また、参加者の国の数もこれま でで最大の12ヵ国となっている。1992年の初回以来600人以上の小中学校の教 師が参加し、彼等の影響を受けた児童生徒の数は3万人に達すると考えられる。

 http://www.boeing.com/news/releases/2008/q3/080707a_nr.html

【080714-13】
 Magellan Aerospace、LMの下請けでOrionのヒートシールドを開発

 7月10日、カナダに本社を置くMagellan Aerospace Corp.はLockheed Martin がNASAから受けている次期の有人宇宙船Orionの開発契約の下で、ヒート シールドの開発契約を得たことを明らかにした。

 米国オハイオ州にある同社の一部門であるAeronca, Inc.が受けたもので、 Orionの大気圏再突入の際に熱防御に用いられるチタンハニカム製のヒート シールドの設計、治具の整備、開発モデル2基の製造を含んで、契約額は1, 200万ドルとされている。

 Magellanとしては、実機の製造契約で28基の発注があることを期待して いる。

 http://www.newswire.ca/en/releases/archive/July2008/10/c3366.html

【080714-14】
 Spaceport Americaのウェブサイトを立ち上げ

 7月9日、米国ニューメキシコ州のNew Mexico Spaceport Authorityは同州 に建設予定の民間の宇宙飛行用の飛行場Spaceport Americaのウェブサイト を立ち上げたことを明らかにした。

 New Mexico Spaceport Authorityでは、Virgin Galactic、Lockheed Martin、 UP Aerospaceの各社とからSpace Port Americaを宇宙への飛行の基地 として使用するとの約束を取り付け、2010年の完成を目指して建設計画を推 進中である。

 http://www.elpasotimes.com/newupdated/ci_9828062

【080714-15】
 ニュージーランドで観測用ロケット開発進む

 7月11日、ニュージーランドのオークランドでロケット開発を行っている Rocket Labは、プロトタイプエンジンの試験結果の評価で良好な結果が得ら れているので、8月にはフライトモデルの製作に着手する予定であることを 明らかにした。

 2007年にロケット研究者Peter BeckとIT関係起業家Mark Rocketが設立し た同社は直径25cm、長さ5.2mの2段式ロケットAteaの開発を行っている。

 Ateaは1段目が固体、2段目がハイブリッドエンジンで、最大70kgまでのペ イロードを250kmの高度まで打ち上げることを計画しており、既に国外のユ ーザとの間で打上げ契約についての詳細調整を行っているとしている。

 http://www.stuff.co.nz/stuff/dominionpost/4615676a27483.html

【080714-16】
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