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■目次

(1)YMコラム
(2)ワンダフル宇宙(4)
    「周期ゼミの世界(その2)」

(3)宇宙関連ニュース「宇宙茫茫」

■YMコラム(4) 2008年7月23日

 広島・種子島・相模原

 先週は、子どもたちのアイデア衛星コンテストの審査がありました。小学 生、中学生から「こんな衛星があったらいいな」というアイデアを募集した のですが、とりわけ低学年の応募の中に、純粋な願いのこもったものが多く、 楽しく過ごさせていただきました。世界中からお腹の空いた人たちをなくし たいという気持ちから、流しそうめんを衛星軌道から臨機応変に配るという、 何とも気宇壮大なグランプリ作品(小2・小3の部)には、圧倒されました。

 それから広島へ行って、高校の同窓会の全国大会での講演。いつもいつも 思うことですが、同窓会という組織が同窓生という枠に閉じ込められないで、 もっと世間に開かれたものになるには、どのようなプロセスが必要なのでし ょうか。初めから「懐かしむ」という動機を非常に強く持っているので、出 席する大部分の人たちはそれでいいと考えているし、また欠席する大部分の 人は「懐かしむ」だけのものならそんなに頻繁に参加しなくてもと考えてい ることは事実なのです。これも時代の要請に応じて変容していくものなので しょうか。

 広島からは鹿児島経由で種子島へ飛びました。『21世紀 月は地球の文化 圏』と題して講演しました。講演の後で企画された日比野克彦さんとの対談 は興味深いものでした。全く打ち合わせなしのぶっつけ本番は、文字どおり 自由闊達に意見を述べ合い、ユニークな「宇宙トーク」となりました。フラ ンクに奔放に語ってくれた日比野さんに感謝。土曜帰京。

 そして日曜日には、相模原の子どもたちの水ロケット大会に朝から晩まで 参加。ギラギラと照りつける太陽のもとで、71機の水ロケットの打ち上げを すべてカメラに収めました。最長不倒距離実に143メートル強。雄大に飛ん で行きましたよ。水ロケットの発射の瞬間をフレームに確実に入れ込むのは、 普通のデジタルカメラではまず不可能です。秒読みと発射秒時に微妙に個性 的なズレがあるからです。一眼にしてからそれが可能になりました。

 炎天下で水を盛大に飲みながら元気に過ごしたのはいいのですが、生来肌 が弱く、面の皮も薄いので、顔や首筋は真っ赤っか、腕は蚯蚓腫れみたいに なってしまって、予定されているテレビ収録を、この皮膚の剥けそうな顔で どう乗り切るか、大きな課題を抱えてしまいました。いくつになっても計画 性がなく、子どもみたいに夢中になる癖をなおす秘訣があったら教えてくだ さい。

 なお、「かぐや」の地形カメラがとらえた月面のティコ・クレーターの素 晴らしい映像がアップされています。御一覧あれ。

   http://wms.selene.jaxa.jp/

(YM)

■ワンダフル宇宙(4) 2008年7月23日

 周期ゼミの世界(その2)

 実は「周期ゼミ」は、地中の生活そのものは普通のセミと違っているわけ ではありません。地中にもぐって木の根に吸いついているセミの幼虫は、木 の根の中を通っている「導管」を流れている水分を餌にしています。その水 分は、植物が地面から吸い上げたばかりの水溶液なので、あまり栄養分を持 っていません。だから幼虫が大きくなるのに、凄い時間がかかってしまうわ けですね。動きも不自由な小さな幼虫のうちは、安全第一なので、その安全 と引き換えに地中での成長に時間を十分にかけるわけなのでしょう。

 ということは、普通のセミが6〜7年で大きくなって地上に出て来るのに、 なぜ周期ゼミはその2倍ないしそれ以上の時間がかかるのでしょうか。周期 ゼミが地中を過ごす地域の木の根に含まれている栄養分がうんと少ないのか な? 木の根の栄養分の多寡を決めるのは何でしょうか? それは気温です。 暖かい地方の木の根は豊富な養分を含み、寒い地方の木の根には養分が少な いということが証明されています。そうか、それでは周期ゼミのいる地域は 日本などと比べてうんと寒いに違いない、と考えて調べてみると、当てが外 れました。全然そんなことはないのです。

 気温と栄養分の多寡は関係しているらしいので、どうも地中で長い時間を 過ごすセミの秘密を解くカギは、そこら辺りにあるらしいのですが……。吉 田仁さんは、そこでセミが生きてきた長い長い地球の歴史に目を付けました。 セミがこの星の歴史に登場したのは、2億年くらい前(古生代の石炭紀)の ことだと言われています。その後この祖先ゼミたちは、中生代の恐竜の時代 をも生きぬき、新生代を迎えました。新生代は第三紀から第四紀に移り、第 四紀の最初の時代「更新世」に、数百万年から数十万年前にかけて、厳しい 氷河時代がやってきました。「原人」が現れたのもこの頃です。

 さてこの氷河期、寒冷化した地球では、文字どおり氷河が南北から拡がっ て、大陸のあちこちを覆っていきました。北アメリカに注目してみましょう。 急速に寒さが増していくうちに、6~7年の地中生活から2週間の地上生活とい うリズムで生きていた祖先ゼミの生態に変化が現れてきました。それまでは 祖先ゼミの幼虫は、毎年春から秋にかけて養分を十分に吸って成長していた のですが、北アメリカまで進出してきた氷河のために気温が下がっていき、 祖先ゼミの成長に必要な養分がとれない日も増えていったでしょう。祖先ゼ ミの成長はどんどん遅くなっていき、それまで6〜7年で成虫になっていたの がアメリカ南部では12〜15年、寒い北部では14〜18年ぐらいかかるようになっ てしまいました。

 そんな厳しい環境の中でも、苦労して地上に這い出し、交尾をして卵を残 していくセミもいました。しかし多くのセミは地中で栄養を取ることができ なくて死んでしまったでしょう。地上に出てきても、交尾の相手が見つから ないで死んで行く寂しいセミもいっぱいいたに違いありません。祖先ゼミた ちは最大の危機を迎えました。しかし祖先ゼミは完全には姿を消さなかった のです。この時期の化石を調べてみると、北アメリカ中西部から東部にかけ て、盆地で氷河が流れにくくなっていたところとか、暖かい海流がそばを流 れていて気温があまり下がらなかったような場所で、氷河の影響を決定的に は受けなかったところ(レフュージア)が、ところどころあったようです。

 この危機には、もちろんセミ以外の生き物も出会いました。いくつかのレ フュージアで祖先ゼミの一部が立派に生き残ったように、セミ以外の動植物 にも、レフュージアのおかげで現代まで生き残ったものがいます。でもアメ リカと違い、ヨーロッパ北部では、高い山脈と豪快な氷河に挟まれていたた め、レフュージアはほとんどできなかったのです。今でも、イギリスとかヨ ーロッパ北部は、他の大陸に比べて動物の種類が少ないようです。

 さて、寒冷化のために地中生活が長くなっていくセミのことは、少し分か ったような気がしますね。それでは、こんな暮らしが何万年も続いた結果、 どうして素数年ごとに大量に出現する「周期ゼミ」が現れることになったの でしょうか? 

 次回はいよいよ大団円です。

■宇宙茫茫ヘッドライン

【080721-01】 Sea Launch、DISH NetworkのEchoStar XIの打上げ成功
【080721-02】 Phoenix Mars Lander、氷を含んだサンプルの採取実験成功
【080721-03】 火星周回中のESAのMars Express、火星の衛星Phobosに97kmまで接近
【080721-04】 宇宙通信、初の国産通信衛星スーパーバード7号機を8月13日に打ち上げ
【080721-05】 ISS計画に参画している各極の宇宙機関長会議、パリで開催
【080721-06】 NASA、STS-128ミッションAtlantisのクルーを公表
【080721-07】 NASAのDeep Impact(Epoxi)、5,000万kmの彼方から月と地球を撮影
【080721-08】 インド政府、新たにGSLV 6機製造・打上げの予算承認
【080721-09】 Astrium、SES ASTRAの ASTRA 1Nの製造を受注
【080721-10】 宇宙探査を進めるため国際協働プログラムの調整会合(ISECG)開催さる
【080721-11】 NASA、民間に航空機による微小重力環境での実験機会を提供
【080721-12】 NASA、新しい教育関係の提案競争型プログラムを開始
【080721-13】 米で安く安全な宇宙輸送手段を目指してNPO団体が任意の連合体創設
【080721-14】 中国の奥地で東アジアの青年天文学者の集まり開催…皆既日食観測付き
【080721-15】 NASAが日本のHTV調達に動いていると読売新聞…NASAは直ちに否定
【080721-16】 三菱重工、名古屋のロケット組立工場に韓国特派員団の見学受け入れ
【080721-17】 Hamilton Sundstrand、NASAの新宇宙服開発の業者選定に異議
【080721-18】 JAXAのウェブサイト内の注目記事へのリンク

【080721-01】(関連記事:【080714-05】)
 Sea Launch、DISH NetworkのEchoStar XIの打上げ成功

 7月15日22:21PDT(16日14:21JST)、Sea Launchは西経154度の赤道上の打 上げプラットフォームOdyssey からZenit 3SLによりDISH Network Corpora- tionの放送衛星EchoStar XIの打上げを行い、所期の静止トランスファ軌道 への投入に成功した。

 衛星はSpace Systems/Loral製で、直接放送用のKuバンドのトランスポン ダを搭載しており発生電力は20kWの大型衛星で、質量は5,511 kgである。

 今回の打上げでSea Launch としてDISH Networkの衛星の打上げに3回連続 成功したことになった。

 http://www.sea-launch.com/news_releases/nr_080716.html

【080721-02】(関連記事:【080714-03】)
 Phoenix Mars Lander、氷を含んだサンプルの採取実験成功

 7月13日までにNASAのPhoenix Mars Landerは、氷を含んだサンプルを採る ための準備として、非公式に“Snow White”と名付けられた溝の部分で、ロ ボットアームを使って表面の柔らかい部分を取り除いて硬い平らな面を出す 作業を行い、20cm×45cm程度の範囲で硬い表面を露出させた。

 16日には、ロボットアームの先端の小型バケットの後ろ側に取り付けられ ている電動のヤスリを使って硬い表面を削り取り、生じた微粒をバケットの 中に捉える実験を行い、成功した。

 18日には初回からの改良点を反映した2回目の試験が行われ、氷を含んだ サンプルの採取に向けての準備が進んでいる。氷を含んでいるサンプルは採 取したらできるだけ早く分析のための炉の中に収容しないと、氷が昇華して しまう(地球上の様に氷が溶けて水になることなく、直接気化してしまう)の で、そこの手順の確認も大切な事項となっている。

 http://uanews.org/node/20563
 http://uanews.org/node/20631

【080721-03】
 火星周回中のESAのMars Express、火星の衛星Phobosに97kmまで接近

 7月12日から8月2日の間に、火星を周回しているESAのMars Expressは火星 の衛星の一つPhobosの近傍を5回通過する。7月12日に563kmまで接近し、そ の後、17日に273km、23日に97km、28日に361km、8月3日に664kmまで接近す るもので、この間Phobosの起源の解明に繋がる様な観測を行うことが計画さ れている。

 100kmを切る距離まで接近するのは今回が初めてで、その際にはPhobosの これまでに撮影されたことがない部分を高解像度のステレオカメラ(HRSC)で 撮影する。

 また、このカメラで、ロシアが2009年に打ち上げる予定のPhobos-Gruntの 着陸目標地点の撮影を行うことが計画されている。この撮影のためには特別 のマヌーバが必要とされ、専門家が慎重に準備を進めている。

 この他、Mars Expressに搭載されている各種の観測機器を用いて、観測が 行われる。

 Mars Expressは2003年6月に打ち上がられたもので、2004年初めから火星 の全球マッピングを目的とした観測を続けている。

 http://www.esa.int/esaCP/SEMVGAWIPIF_index_0.html

【080721-04】
 宇宙通信、初の国産通信衛星スーパーバード7号機を8月13日に打ち上げ

 7月17日、宇宙通信(株)(SCC)は同社が三菱電機(株)(MELCO)に発注してい るスーパーバード7号機の打上げ日程を明らかにした。

 打上げは衛星を受注しているMELCOとArianespaceとの間の契約の下で、8 月13日17:44JSTにギアナの射場からAriane 5ECAにより行われる予定で、 SES AMERICOMのAMC 21が同時に打ち上げられる。

 この衛星は日本の放送・通信業者が初めて日本の衛星メーカに発注した国 産衛星で、MELCOが衛星の設計・製造・打上げ並びに衛星管制設備の整備を 行い、且つ、軌道上での衛星の性能確認試験を完了して、軌道上でSCCへ引 き渡す契約となっている。

 引き渡し後は、スーパーバードC2号機と呼称され、現在運用中のスーパー バードC号機の後継衛星となる予定。

 衛星はMELCOの標準衛星バスDS2000をベースとしており、Kuバンドのトラ ンスポンダを28本搭載しており、質量は約5トンである。DS2000をベースと した衛星としては国土交通省と気象庁が保有する気象衛星の「ひまわり7号」 がある。なお、同時に打ち上がられるAMC 21の質量は約2.5トンである。

 http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080717/311086/

【080721-05】(関連記事:【080714-06】)
 ISS計画に参画している各極の宇宙機関長会議、パリで開催

 7月17日、パリのESAの本部でISS計画に参画しているカナダ・欧州・日本 ・ロシア・米国の各極の宇宙機関長会議が開催された。

 前回の会合が2007年1月に開催されて以来1年半ぶりの会合であり、その間 に6回のISS組立ミッションの完遂、欧州の補給機(ATV)の打上げ、欧州と日 本の実験モジュールの結合に伴う運用センターの追加等が行われており、今 回の会合では、ISS計画が順調に進展していることが高く評価された。また、 この間、搭乗員輸送、物資輸送及び緊急帰還への備えとしてロシアのSoyuzと Progressが果たした役割についても高い評価が与えられ、その運用の拡大が 重要であるとの認識が示された。

 今後の確実なISSの利用と将来に備えた準備のために必要な打上げ・回収の 輸送能力強化に向けた取り組みについての議論も行われ、日本の補給機HTV、 米国の民間輸送サービス、米国の次期の打上げロケット/有人宇宙船計画等に 加え、ESAのATVへの回収機能の付加、ロシアとESAで計画中の有人宇宙輸送シ ステム等を含めた輸送手段を各極の利益のためにお互いに利用可能とするこ とへの関心が示された。

 ISSの完成時期が見えて来た中で、これまで2015年で終了するとされてきた ISSの運用を継続してISSの全ての能力を使い切ることの重要性が認識され、 各機関長は、それぞれの政府と共に運用延長への支持が得られるか否かを検 討していくことを約束した。

 http://www.isas.jaxa.jp/j/enterp/missions/index.shtml

【080721-06】
 NASA、STS-128ミッションAtlantisのクルーを公表

7月16日、NASAは2009年7月30日の打上げをターゲットとしているスペース シャトルAtlantisによるSTS-128ミッションのクルーを公表した。

STS-128ミッションのコマンダーは海兵隊のFrederick W. Sturckow、パイ ロットは空軍を退役したKevin A. Ford、ミッションスペシャリストはJohn D. Olivas、Patrick G. Forrester、Jose M. Hernandez及びESAの宇宙飛行 士(スウェーデン人)Christer Fuglesangの4人。

STS−128の主ミッションは、Multi-Purpose Logistics Moduleの輸送であ る。

このミッションには他に、ISSの第19次長期滞在クルーの交替要員として Nicole Stottが搭乗しTim Kopraと交替する。

Sturckowは1998年のSTS-88と2001年のSTS-105でパイロットを務め、2007 年のSTS -117ではコマンダーを務めている。

Olivas はSTS-117に、ForresterはSTS-105とSTS-117に、Fuglesangは2006 年のSTS -116にいずれもミッションスペシャリストとして搭乗している。他 の3人、Ford、Hernandez及びStottは初めての宇宙飛行となる。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2008/jul/HQ_08176_STS-128_cew_announcement.html

【080721-07】
 NASAのDeep Impact(Epoxi)、5,000万kmの彼方から月と地球を撮影

 7月17日、NASAのジェット推進研究所は主ミッションを終えて新しいミッ ションEpoxiを与えられて彗星Hartley 2のフライバイ及び高解像度カメラに よる地球に似た惑星の発見を目指している探査機Deep Impactが、地球から 5,000万km離れたところから撮影した地球の前を月が横切る動画を公表した。

 Deep Impactから15分毎に撮影した地球の映像を地球の自転1回分(1日分) 連ねてビデオとしたもので、月が地球の前を横切る様が見られる。これまで に月と地球を一緒に撮影した映像は幾つもあるが、今回の映像は月の主要な クレータ及び地球の大陸と海洋がはっきり判る状態で月が地球を横切る初め ての映像である。

 この映像はEpoxiの目的の一つである地球に似たの惑星の発見に際して、 その星の特性を特定するための基準情報として役立てることができると考 えられている。

 http://www.jpl.nasa.gov/news/news.cfm?release=2008-137

【080721-08】
 インド政府、新たにGSLV 6機製造・打上げの予算承認

 7月17日、インド政府は静止衛星打上げ用ロケット(GSLV)6機(F11からF16) の打上げに関わる予算を認めたことを明らかにした。

 この打上げは第11次5ヵ年計画の後半の期間である2010年から2012年3月ま でに行われることになるが、前半の打上げとしてF05からF10の6機が認めら れており、この5ヵ年計画の期間を通じて、12機のGSLVで通信衛星シリーズ GSATをほぼ1年に2基のペースで打ち上げ、軌道上の衛星搭載のトランスポン ダの数を現在の211から500に増やす計画を持っている。(注:2007年4月から の5ヵ年計画の期間内での現実の打上げは未だ行われていない。)

 GSLVは2トン級の静止衛星打上げ能力を持つロケットとして開発が進めら れ、2001年4月と2003年5月に試験機D1及びD2で1,530kgのGSAT-1及び1,825kg のGSAT-2の打上げに成功した後、実用段階に移行し、2003年9月にF01で1,95 0kgのEDUSAT (GSAT-3)の打上げに成功している。しかしながら、2006年7月 のF02でINSAT 4Cの打上げに失敗した。

 その後、何故かF03の打上げがないまま2007年9月にF04でINSAT 4Cの代替 機である2,130kgのINSAT 4CRの打上げに成功している。

 GSLVは開発当初から3段にロシア製の液酸/液水を推進薬とする推進系を 使用してきているが、これの国産化が進められており、試験機3号機(D3)と して2008年中に試験飛行が行われる予定となっている。D3にはGSAT-4を搭 載することとされている。

 http://www.domain-b.com/aero/space/launch_veh/20080717_isro.html

【080721-09】
 Astrium、SES ASTRAの ASTRA 1Nの製造を受注

 7月15日、AstriumはSES ASTRAから2011年に打上げ予定のASTRA 1Nの製造 契約を受けたことを明らかにした。

 ASTRA 1NはAstriumのEurostar E3000プラットフォームをベースとした衛 星で、Kuバンドのトランスポンダを55本搭載し、他の3基の衛星(ASTRA 1KR、 1L、1M)と共に東経19.2度で運用される予定となっている。なお、1KRと1Lは 既に軌道上にあるが、1Mは2008年の第4四半期に打上げが予定されている。

 http://www.astrium.eads.net/press-center/press-releases/2008/ses-astra-orders-new-satellite-from-astrium

【080721-10】
 宇宙探査を進めるため国際協働プログラムの調整会合(ISECG)開催さる

 7月10日から12日にカナダのモントリオールで太陽系全体に関する有人或 いはロボットによる探査を広げていくための国際協働 プログラムの調整が 行われた。

 これは、2007年5月に世界各国の14の宇宙機関が国際協働で宇宙探査を進 めるための共通の認識をまとめたGlobal Exploration Strategy - The Framework for Coordinationの下で、国際協働活動を行う宇宙機関の集まりと して設けられたISECG(International Space Exploration Coordination Group)の2回目の会合であった(第1回は2007年11月にベルリンで開催されて いる)。

 会合では、ESAが当面ISECGの事務局を務めることが決まり、各機関の間 の情報共有の手段の開発等に当たって行くことが確認された。

 また、技術的な面では、クリティカルな宇宙インフラのインターフェイ スの設定に関する最初のステップを踏み出した。

 更に、今後の宇宙探査構想についての個々の機関の動きに合わせて、国 際間でのオープンな形の話し合いを持つことの必要性が再確認された。

 参加した宇宙機関は、当初の共通認識とりまとめの時の14機関の中から インド、ロシア、中国の機関が不参加で、欧州、豪、加、仏、独、英、伊、 日、韓、米、ウクライナの11機関。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2008/jul/HQ_08174_Montreal_meeting.html

【080721-11】
 NASA、民間に航空機による微小重力環境での実験機会を提供

 7月15日、NASAはSmall Business Innovation Research(SBIR)プログラ ムの下で新しい技術の開発に取り組んでいる企業の中から、7社に航空機に よる微小重力環境での実験機会を提供することを明らかにした。

 飛行は9月の初めに計画されているが、これはNASAがZero-Gravity Corporation との間で契約を結んで行うFAST (Facilitated Access to the Space Environment for Technology Development and Training)プログラムでの初 めての飛行となる。

 FASTプログラムでは、今回はSBIRの契約を結んでいる企業を対象としたが、 今後は、どの様な形であれNASAのミッションに関連した技術開発に取り組ん でいる機関を広く対象として、公募形式で微小重力模擬飛行の機会提供を行 うとしている。

 今回、実験機会を与えられた項目と企業は以下の通り

 * Vacuum-Compatible Multi-Axis Manipulator/Machining Center for LongDuration Space Missions:Beck Engineering Inc.

 * Investigation of Pneumatic Mining System under Lunar Gravity Conditions:Honeybee Robotics Spacecraft Mechanisms Corporation

 * Aircraft Sensor Logger:Metis Design Corporation

 * Microgravity Flight Testing of Passively Self-Deploying Shells:Mevicon Inc.

 * Virtual Sensor Test Instrumentation:Mobitrum Corporation

 * Nanofluid Coolants:nanoComposix Inc.

 * Constant-Force-Exercise Sled:Valeo Human Performance LLC

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2008/jul/HQ_08175_FAST_Zero_G_Flights.html

【080721-12】
 NASA、新しい教育関係の提案競争型プログラムを開始

 7月18日、NASAの教育局は、助成金の支給或いはNASAとの協同作業の契約 締結に繋がる3種の新しい公募による競争プログラムを開始することを明ら かにした。

 一つは“K-12 Competitive Grants Opportunity”で、中等学校の教育を 対象として科学・技術・工学・数学(STEM)の教育に関する新しい試みへの 助成を行うもの。

 二つ目は、“Global Climate Change Education Opportunity”で、初等 学校から大学までの各レベルで地球規模の気候変動及び地球システム科学 の教育の質の向上を目的としたプログラムで、提案が採用されれば、教育 の現場で色々な意味でNASAの専門性の助けを借りることができる。

 最後は、博物館、科学技術センター、プラネタリウム等が対象で、宇宙 探査、航空宇宙工学、宇宙科学、地球科学、微小重力等のプログラムの質 向上のための助成金支給プログラムである。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2008/jul/HQ_08180_competitive_grants.html

【080721-13】
 米で安く安全な宇宙輸送手段を目指してNPO団体が任意の連合体創設

 7月17日、米国ワシントンDCで開催されていたNewSpace 2008 Conference の中で、Ohio Aerospace Instituteを初めとする14のNPO団体が、任意の連 合体“National Coalition for Cheap and reliable Access to Space (CATS)”の創設を宣言した。

 この連合体は、オハイオ発で、安価で信頼性の高い宇宙への輸送手段の実 現を目指すとしており、当面の活動として、CATSを実現するための政策提言 をまとめ、それを米国の次期大統領に伝えて実現に繋げようと考えている。

 政策提言の策定のために、National Coalition for CATSがスポンサーと なって10月7日と8日にオハイオ州立大学で“National Summit on CATS”を 開催するとしている。この会合で、宣言文書として“National Declaration for Cheap and reliable Access to Space”をまとめ、当選した大統領 に渡すことを計画している。

 10月のこの時期は、米国の大統領選挙の1ヵ月前であり、オハイオ州は激 戦が予想される州であることからこの会合のオハイオ開催に意義があると している。

 http://www.prnewswire.com/cgi-bin/stories.pl?ACCT=104&STORY=/www/story/07-17-
 2008/0004851129&EDATE


【080721-14】
 中国の奥地で東アジアの青年天文学者の集まり開催…皆既日食観測付き

 7月27日から8月1日に、中国甘粛(Gansu)省の嘉峪関(カヨクカン、Jiayuguan) で、東アジアの青年天文学者の集まりが開催される。

 “East Asia Young Astronomers Meeting 2008”(EAYAM 2008)と称される 会合で、2003年11月に台湾で第1回が開催され、2006年2月には日本で2回目 の会合が開催されており、大学院生及びポスドクを対象とした研究発表、 交流拡大の場である。

 参加者は中国、台湾、日本、韓国が中心で、今年の参加者の中には米国、 カナダ、イランからの参加者がそれぞれ1名ずつ名を連ねている。参加者に は滞在中の宿と食事が無料で提供される。日本からの参加者は招待者1名を 含めて7名の予定となっている。

 参加者の殆どが発表を行う方式で、招待講演を除いて1人の発表者に与え られた時間は登壇者交替の時間を含んで20分間であり、実際には10分間で 発表を済ませて質疑応答の時間を確保することが求められている。

 今回の開催場所として選ばれた嘉峪関は、万里の長城の西の端に位置す る中国の奥地であるが、この地で8月1日に皆既日食が観測できることから 選ばれたものであり最終日の夕方に皆既日食の観測が組み込まれている。

 http://batc.bao.ac.cn/~eayam/index.html

【080721-15】
 NASAが日本のHTV調達に動いていると読売新聞…NASAは直ちに否定

 7月20日付けの読売新聞は、NASAがJAXAとの間で日本の宇宙ステーション 補給機(HTV)の調達に関する非公式の交渉を開始 していると伝えており、JAXAも2月から非公式の話し合いを行っていること を認めているとしている。

 http://www.yomiuri.co.jp/dy/features/science/20080720TDY01305.htm

 これに対し、NASAは7月21日付けプレスリリースで「公式、非公式を含め て、HTVの調達についての話をしている事実はない」、とこの報道を否定し ている。

 NASAはスペースシャトルリタイア後のISSへの輸送力の不足については、 国内の商業ベースでの打上げサービスを利用して対処しようとしており、 日本の輸送サービスを利用することはないとしている。

 なお、ISSに関する国際間の約束として、日本が米国製のISSの施設を利 用することの代償として、日本が打ち上げる補給機であるHTVに一定の割合 でNASAの物資を搭載することにはなっている。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2008/jul/HQ_08181_HTV_statement.html

【080721-16】
 三菱重工、名古屋のロケット組立工場に韓国特派員団の見学受け入れ

 7月14日付けの韓国の東亜日報のウェブ版等の韓国メデイアが、11日に行 われた東京駐在の韓国特派員団による三菱重工業(株)の名古屋のロケット製 造工場の見学会の報告を行っている。

 見学会は同社の名古屋航空宇宙システム製作所の飛島工場にあるH-IIAロ ケットの組立工場で、組立場の階上に設けられた見学通路から行われたもの で、同社として韓国の多目的実用衛星“アリラン3号”の打上げサービスの 受注を狙っている中で韓国側の理解を深めて貰う目的で開催したもの。

 東亜日報では韓国のロケット開発事情との比較を行っており、日本の技術 レベルに手放しで高い評価を与えている。また、アリラン3号の打上げサー ビスの受注競争でも競合しているロシアよりも50乃至70%低い見積もりを提 示していることが伝えられているとしている。

 http://english.donga.com/srv/service.php3?bicode=020000&biid=2008071479768

【080721-17】
 Hamilton Sundstrand、NASAの新宇宙服開発の業者選定に異議

 7月14日、Hamilton SundstrandはILC Doverと共同で設立したExploration Systems & Technologyの名前で、6月12日にNASAが行った新しい宇宙服シス テム(Constellation Space Suit System:CSSS)の開発業者の選定に関する 異議を米国議会の調査機関であるGovernment Accountability Office(GAO) に対して申し立てた。

 NASAの決定は1960年代から一貫してNASAに宇宙服を納めてきたHamilton Sundstrandを外してOceaneering International Inc.を採用したものであっ たが、Hamilton Sundstrand/ESTでは、結果が明らかにされた後の説明では、 どの様にして決定が行われたのかという点について充分な説明が得られず、 更には全体的な選定の過程についての疑義も生じているとしている。

 http://www.aviationnow.com/aw/generic/story.jsp?
 id=news/Suit071708.xml&headline=NASA%20Spacesuit%20Award%
 20Protested&channel=space


【080721-18】
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