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メールマガジン「週刊KU-MA」 第8号          [2008.8.20]
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■目次----------------------------------------------------------------
(1)YMコラム
     「ある研究者の落ち込みと甦り」

(2)ワンダフル宇宙(8)
     「海の色が青いのは?」

(3)宇宙関連ニュース「宇宙茫茫」
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■YMコラム(8) 2008年8月20日
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 ある研究者の落ち込みと甦り
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 2008年5月25日、NASAの火星着陸機フェニックスのパラシュートが開き、 減速した着陸機が優雅に着陸目標の火星北極に向かって流れ始めたとき、 190マイル上空を周回中のマーズ・リコネイサンス・オービターが強力な カメラでその落下の姿を劇的に捉えました。宇宙開発史上、こんな撮影が 地球外で成功したのは初めてのことです。

 http://www.space.com/missionlaunches/080710-phoenix-hirise.html

 そしてその直後にフェニックスの着陸が成功し、記者会見で胸を張った プロジェクト・リーダーは、アリゾナ大学のピーター・スミスです。今日 は、そのピーターの10年に及ぶ「落ち込みと甦り」のエピソードです。

 1999年12月3日、火星の大気圏突入の直前に最後の信号を地球に送って きた後、NASAの火星着陸機マーズ・ポーラー・ランダー(MPL)からの通 信が途絶えました。火星南極への着陸をめざしたが完全な失敗に終わった のです。ピーター・スミスは、このMPLチームの一員でした。彼はその2年 前には、あのマーズ・パスファインダーの画像解析のチームを率いる一騎 当千のエンジニアとして名を馳せました。しかしMPLの着陸失敗によって、 NASAは、ピーターが機器を搭載している火星ミッションの打上げをことご とくキャンセルしてしまいました。2001年打上げ予定の「マーズ・ランダ ー」も中止となりました。その結果、NASAは史上最高の火星の撮像をあき らめ、ピーターは数十人に及んだ画像解析のチームをほとんど全部失い、 わずか4人を残すのみとなったのです。

 2001年の8月、カナダ北極域のデヴォン島での火星を模擬した実験の最 中に、ピーターは「これからはどうなるか、オレには分からない。火星の 研究を今後も進められるかどうか、分かったもんじゃない」と、同僚にこ ぼしています。ピーターの暗い日々が続きました。

 ところが、NASAが突然、「キャンセルした2001年のマーズ・ランダーの ハードウェアを、初の“マーズ・スカウト”ミッションとして使えるので はないか」と言い出したのです。ピーターは急いで2001年のハードウェア を生かすかたちでのミッション・プランを打ち出しました。そして、MPL ミッションの甦りの意味を込めて、新たな探査機を「フェニックス」(不 死鳥)と命名したのでした。まさに「死んだ後の灰の中から再生した」ミ ッションです。ピーターの暗い日々も、未来をめざす希望の日々として甦 りました。

 Mars Phoenix Landerなので、考えてみれば同じMPLとなったのです。そ してこの新MPLは旧MPLとは対極の北極をめざすことになりました。ピータ ーが編成したチームのほとんどは、あのマーズ・ポーラー・ランダーのメ ンバーでした。

 今、フェニックスは火星に水を発見し、新たな火星探査の時代の幕を開 きつつあります。生命に関する情報が、すぐそこまで来ているような予感 がします。ピーター・スミスの苦労は報われつつあるのです。宇宙ミッシ ョンには落ち込んだままの人間像も多い中で、ピーターは幸せ者になって 甦り、「夢と情熱」を持ち続けることの大切さを噛みしめつつあるのです。

                                                         (YM)

■ワンダフル宇宙(8) 2008年8月20日
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 海の色が青いのは?
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 小学生のころ、兄に連れられてよく夜釣りに出かけた。音戸の瀬戸の沖 である。まだ夜空の星が満天に輝いている時代だった。釣りはサカナが餌 にかかるまでは暇である。見渡す限りの闇の中で、見えるものは遠い町の 光と頭上の星たちだけである。まだ星座というものの存在を知らない頃で も、飽きず眺めているうちに、無数の星の並びの中に目を引く形を見つけ られた──あ、あの三つの星はきれいな三角形だな、こっちの星はWの字 に似ているな、……など。やがて「星座」というものを知った。その延長 でギリシャ神話に親しんだのは、ボートの上だった。きらきらと輝く星空 のもと、ボートの上で懐中電灯の光を頼りに読むギリシャ神話には、一種 独特の雰囲気が加わっていたように思う。

 昼間の釣りでは目に入るものも多かった。瀬戸内海に浮かぶたくさんの 島々。遠くに行くほど島の色が薄くなっていく。これがなぜなのか、兄に 訊ねたが答えてくれない。わが家では、何か疑問を出しても、父も母も兄 も決してすぐには答えを与えてはくれなかった。それが家訓であるかのよ うに。ある日、ボートの上でサカナを生かしておくためにバケツに水を汲 んでいる時、ふと気がついた。青い海の水なのに、バケツの中の水は透き 通っている。「なぜ?」訊いてもいつものように兄は黙って微笑むだけだ った。私は考えた末に作戦を思いついた。「ねえ、今度釣りに来るときに、 白い板を海に沈めてみてよ」──兄は一瞬驚いたような表情で振り向いた が、すぐに事態を把握したらしく、うなずいた。

 さて一週間ぐらいたったとき、少し大きめのボートを借りてくれた兄は、 1m四方ぐらいの白い板にロープと岩の錘をつけて、ゆっくりと海に沈め ていった。はじめ白かった板が、沈んでいくにつれて何か色がついてきた かに見え、やがて真っ青な美しい色に染まっていくのが確認できたとき、 私の胸を一種の感動が突き抜けていった。ふと見ると兄も恍惚とした表情 を浮かべていた。私は確信した──海の色は青い。バケツに汲み取ると透 明になる。もともと透明な水が、量が多くなっていくにつれて青の色が加 わっていく「性質」があるのだ。「足し算」が少しずつ積み重なってきれ いな「青い」水ができる。

 小学校の終わり頃か中学校の初めになると、虹の不思議さに取りつかれ た。光が七色の合成であることを知ったときの驚きは今でも忘れない。虹 の色を作っている七色を合成すると透き通る──私の心に何かひっかかる ものがあった。そうだ、海の色は「足し算」ではないのだ。透き通った水 の色から赤い色が少しずつ「引き算」されていって透明になるのではない か。幼い心で「足し算」と思っていたのが「引き算」に逆転したことの衝 撃は、ある意味で感動であった。しかし話はこれで終わらなかったのであ る。

 高校生になると、「なぜ水は赤い色を吸収するのか」という疑問が生じ てきた。物質の構造にまで議論が及ぶと、こうした問題に思い至るのは、 今思えば当然のことだった。人間の自然認識には歴史がある。後代になっ て振り返れば必然のように見える概念や考え方も、それぞれの時代にとっ ては、科学者たちの必死の格闘があって達成されたものばかりである。子 どもの心に生じた疑問を、その子どもの発達段階に応じて答えていくこと は非常に難しい。その疑問についてのみならず、子どもそのものについて も的確な理解が必要とされるからである。しかし子どもは自身のそれぞれ の段階に応じて、何かを把握し納得し、成長するにつれて古い納得を新し い認識や理解に置き換えながら脱皮していく。その過程が鳥瞰できるのは 大人になってからである。

 疑問が「なぜいのちが大切なのか」「なぜ人を騙してはいけないのか」 「なぜ友情を大事にしなければならないのか」というような領域になると、 なおさら大変になる。しかもそのような人間性にまつわるものになると、 これらは是が非でも幼いころからきちんと身に着けていかなければならな いものだけに、いい加減では済まされない。子どもの心にふと生じる「潜 在的」とも思える淡い懐疑を、確かな関心と興味の高みにまで引きずり出 し「顕在化」できれば、家庭や地域社会や学校などでその子どもに接して いる大人の役割の大部分はなしとげられたとも思える。でもそれが一番難 しいことなのだと思い知ることの多い今日このごろである。

■宇宙茫茫ヘッドライン
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【080818-01】 Arianespace、Superbird-7とAMC-21の打上げ成功
【080818-02】 ULA、Delta IIによるGeoEye-1の打上げを延期…ダウンレンジ船手配に時間
【080818-03】 Land Launch、MEASAT-3aの打上げ準備中に衛星を損傷…クレーンの衝突
【080818-04】 Phoenix Mars Lander、直径1μmの塵の画像取得に成功
【080818-05】 NASA、Ares Iの2段エンジンのガスジェネレータの試験のフェーズ2終了
【080818-06】 イラン、国産ロケットSafiaでダミー衛星打上げに成功
【080818-07】 NASA、2008年の2回のシャトルの打上げターゲット日の繰り上げ実施せず
【080818-08】 NASA、Ares Iの有人打上げの内部ターゲットを1年繰り下げ2014年9月に
【080818-09】 NASA、新宇宙服開発の契約を解消…業者選定を再考
【080818-10】 United Space Alliance、Ares Iの1段開発で主契約者のATKを提訴
【080818-11】 NASA、Ares Iの2段のタンクの摩擦攪拌接合試行
【080818-12】 欧州委員会、衛星利用の移動体向け高速通信サービスの業者選定を開始
【080818-13】 LM、有翼の再使用型ロケットのサブスケールモデルによる試験で不具合
【080818-14】 NASA、この夏休みにINSPIREプログラムで150人の実習生を受け入れ
【080818-15】 韓国のYi So-yeonの宇宙教育用実験機器をISSでGarriottが利用
【080818-16】 AIAA、宇宙科学と技術への貢献に対する5つの賞の受賞者公表
【080818-17】 NASAの元宇宙飛行士、6,400kmの自転車ツアーでSTEM奨励
【080818-18】 JAXAのウェブサイト内の注目記事へのリンク
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【080818-01】 Arianespace、Superbird-7とAMC-21の打上げ成功
 
関連記事:【080721-04】
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 8月14日、Arianespaceは現地時間の17:44(15日05:44JST)にギアナの 射場からAriane 5ECAによる宇宙通信(株)(SCC)のSuperbird-7及びSES AMERICOMのAMC-21の打上げを行い、所期の静止トランスファ軌道への投入 に成功した。

 Superbird-7は、SCCが日本の放送・通信業者として初めて日本の衛星メ ーカに発注した国産衛星で、三菱電機(株)(MELCO)が衛星の設計・製造・ 打上げ並びに衛星管制設備の整備を行い、且つ、軌道上での衛星の性能確 認試験を完了して、SCCへ引き渡す契約の下で、Arianespaceと打上げ契約 を結んで打上げを行ったものである。MELCOの標準衛星バスDS2000をベース としており質量は約5トンである。

 AMC-21は Alcatel Alenia Spaceが主契約者、Orbital Sciences Corporationが 副契約者でOrbitalのプラットフォームSTAR-2をベースとしており、 質量は約2.5トンである。

 2回の打上げでの静止トランスファ軌道への投入質量は2基の衛星とそれ らを搭載するための衛星分離システムSYLDA 5の合計で約8.1トンであった。

 この打上げはAriane 5の41回目の打上げで、27回連続成功を記録した。 また、この1年間で9回目の、2008年になって5回目の打上げであった。

 http://www.arianespace.com/site/news/releases/08_08_14_release_index.html

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【080818-02】 ULA、Delta IIによるGeoEye-1の打上げを延期…ダウンレンジ船手配に時間
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 8月12日、GeoEye, Inc.は8月22日に予定していた次世代の衛星GeoEye-1 の打上げが9月4日に延期となることを明らかにした。

 この打上げはGeoEyeとBoeing Launch Servicesの契約の下で、Boeingと の契約に基づきUnited Launch Alliance (ULA)がDelta IIにより行うもの であるが、この日、飛行中のテレメータデータを中継する航空機が使えな いことが判明したため、ULAが改めてデータ中継のための船の手配をせざる を得なくなり、それが使用可能となるのを待つ必要が生じたもの。

 http://money.cnn.com/news/newsfeeds/articles/prnewswire/
 200808120900PR_NEWS_USPR_____LATU023.htm


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【080818-03】 Land Launch、MEASAT-3aの打上げ準備中に衛星を損傷…クレーンの衝突
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 8月12日、Orbital Sciences Corporationは同社が製造し、バイコヌール において打上げ準備中であったマレーシアの通信衛星MEASAT-3aに8月9日の 作業中にクレーンが衝突し、損傷を受けたことを明らかにした。同社は衛星 ユーザーのMEASAT Satellite Systemsに協力して対策に当たっていくとして いるが、米国に持ち帰っての修繕が必要と見られている。
(注:MEASAT-3aは以前はMEASAT-1Rと称されていた。)

 打上げはSea Launch CompanyとロシアのSpace International Services Ltd. (SIS)が展開しているLand Launchによるもので、打上げ準備作業は SISにより行われていた。事故は推進薬の充填を終えた衛星を3段ロケット であるBlock DM-SLBに搭載した後に、地上装置の移動に使用されていた天 井クレーンが誤って衛星に衝突したもの。

 Land Launchは2008年4月28日にイスラエルの通信衛星AMOS-3の打上げを 行ったのが最初で、今回は2回目の打上げの準 備中であった。

 http://www.orbital.com/NewsInfo/release.asp?prid=663

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【080818-04】 Phoenix Mars Lander、直径1μmの塵の画像取得に成功
 
関連記事:【080811-03】
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 8月9日、NASAのPhoenix Mars Landerは、過塩素酸塩(perchlorate)の存 在の確認の期待を持って、Thermal and Evolved-Gas Analyzer (TEGA)への 3回目のサンプルの取込を行った。分析結果の公表までには相当の日数を要 するとされている。

 これまで2回のTEGAによる分析では過塩素酸塩の存在は確認されておらず、 1ヵ所のサンプルから過塩素酸塩の構成要素である酸素の存在が確認されて いるが、何れからも過塩素酸塩の存在を示すと考えられる塩素ガスは検知さ れていない。

 http://space.newscientist.com/article/dn14523-phoenix-mars-lander-bakes-
 third-soil-sample.html


 一方、スイス製のAtomic Force Microscopeによる火星を覆っている塵の 3次元画像の取得に初めて成功した。

 この塵の直径は約1μmであり、今回の画像は地球以外の場所で観察され て得られた最大倍率の画像である。この塵が火星の空をピンク色にし、火 星を常に覆っている砂嵐の基となり、火星の土壌を赤くしている。

 http://www.jpl.nasa.gov/news/news.cfm?release=2008-158

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【080818-05】 NASA、Ares Iの2段エンジンのガスジェネレータの試験のフェーズ2終了
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 8月15日までにNASAのマーシャル宇宙飛行センタは次期の打上げロケット Ares Iの2段に使用するエンジンJ-2Xのキーコンポーネントであるガスジェ ネレータの一連の試験を終了した。なお、この試験の供試体はPratt and Whitney Rocketdyne製で、実機用のものよりも耐久性の高い圧肉のもので ある。

 この日の試験は4つのフェーズに区切って計画されている試験の中での第 2フェーズの最後の20回目に当たる試験であった。今回の一連の試験で点火 のタイミング及び燃焼の安定性に関する成果を上げることができた。

 ガスジェネレータの試験は、単体の性能、耐久性、燃焼環境のデモンス トレーション及び実機ハードウェアの設計、製造、運用上のリスクの低減 を目的として行われてきた。第3フェーズの試験は2009年7月に予定されて いる。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2008/aug/HQ_08-208_Ares_engine_test.html

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【080818-06】 イラン、国産ロケットSafiaでダミー衛星打上げに成功
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 8月17日、イランは人工衛星を打ち上げる能力がある国産ロケットSafia の打上げに成功したことを明らかにした。

 打上げはMahmoud Ahmadinejad大統領立ち会いの下で行われたとされてお り(大統領がカウントダウンを行ったとの報道もある)、当初は通信衛星Omid を軌道に投入したと伝えられていたが、その後、ダミーペイロードを軌道に 投入したと訂正されている。

 イランは2007年2月及び2008年2月にそれぞれ宇宙空間に達するロケットの 打上げに成功したとされており、その続きでの衛星打上げとあって、米国等 が大陸間弾道弾の発射に転用できる衛星打上げ能力の獲得と見て神経を尖ら せている。

 http://afp.google.com/article/ALeqM5iL34Ccj_O1dI5YdjKyopIZeKM8Lg

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【080818-07】 NASA、2008年の2回のシャトルの打上げターゲット日の繰り上げ実施せず
 
関連記事:【080804-07】
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 8月15日、NASAは前日のスペースシャトル責任者会議で、2008年中の2回 のスペースシャトルの打上げターゲット日をそれぞれ3日ずつ早める件につ いての協議を行った結果、従来通りとするとの結論を得たことを明らかに した。

 これは、年内の打上げ可能日を11月24日までとする条件の下で、打上げ ターゲット日を可能な限り前倒ししておこうという考え方があって検討を 進めていたものであるが、最初の打上げであるハッブル宇宙望遠鏡のメン テナンスのSTS-125ミッションの準備にできるだけ時間の余裕をとるべきで あるとして、敢えてターゲット日の変更を行わないことにしたもの。この 結果、打上げターゲット日は、STS-125が10月8日、STS-126が11月10日のま まとされた。

 http://www.nasa.gov/centers/kennedy/news/releases/2008/release-20080815.html

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【080818-08】 NASA、Ares Iの有人打上げの内部ターゲットを1年繰り下げ2014年9月に
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 8月11日に行われた記者会見でNASAのConstellation Programの責任者は、 開発中のAres IとOrionによる初の有人飛行を確実なものにするという観点 から、予算、スケジュール、技術的マイルストーンを如何に整合させて行 くかについて語った。

 Constellation Programは、2010年に予定されているスペースシャトルの リタイア後のISSへの要員輸送及び月への有人ミッションの再開に向けて、 打上げロケットAres I、Ares V、有人宇宙船Orion及び月着陸船Altairの開 発を進めている。

 その中で、Ares IにOrionを搭載して打ち上げる初の有人飛行の実現目標 時期は2015年3月とされているが、これまでNASAはスペースシャトルの運用 停止とのギャップをできるだけ狭くするべく2013年9月を内部的なターゲッ トとして掲げていた。

 この日、NASAは、これをこのままにしておくことは、最近の予算や技術 的課題の状況から難しいとの判断から、現時点で1年遅らせて2014年9月と することを明らかにした。

 この判断に基づき、既存の契約の見直し、技術的マイルストーンの再設 定等を進めて行くとしている。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2008/aug/HQ_08-205_Constellation_realignment.html

 なお、この判断に至った裏には同日に公表されたNASAのAerospace Safety Advisory Panel(ASAP)の“2007 Annual Report” の存在がある。この中で ASAPはConstellation Programに予算が充分与えられていない、スケジュー ル上のプレッシャによって技術的判断が適切性を欠く状況になっている等の 懸念を示している。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2008/aug/HQ_M08152_
 ASAP_2007_Safety_Report.html


 またこの日、NASAは、技術的問題として解決が求められていた、Ares I の1段の固体ロケットモータの燃焼によって誘起される機体の振動の抑制方 法について検討してきた結果として、ロケットの後端部分にスプリング-マ ス系(Tuned Mass Damper)を設けることによって振動を抑えられるとの結論 に達したことを明らかにした。

 http://space.newscientist.com/article/dn14516-springs-to-dampen-nasa-rockets-
 vibrations.html


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【080818-09】 NASA、新宇宙服開発の契約を解消…業者選定を再考
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 8月15日、NASAは6月にOceaneering International Inc.を開発業者とし て指名して締結したConstellation ProgramでのISS及び月へ向かう飛行並 びに月面での活動に用いる宇宙服システム(Constellation Space Suit System:CSSS)の開発の契約を解消すると発表した。

 詳細な理由は明らかにしていないが、Exploration Systems & Technology (EST:これまでNASAに宇宙服を供給してきたHamilton SundstrandとILC Doverの合弁会社)が7月に開発業者の選定に関する異議を米国議会の調査機 関であるGovernment Accountability Office(GAO)て申しに対し立ててい る(関連記事:【080721-04】)中で、NASAは法令遵守関連の問題に気付き、 改めるべき点を改める必要があるとして契約を解消し、業者選定を再考する としている。

 一部の報道によると、NASAはOceaneeringに対して提出を求めなければい けない企業のコスト計算手順についての“Cost Accounting Standards Disclosure Statement”の提出を求めていなかったとしている。また、改めて 行う業者選定に際しては、Oceaneering及びESTと限定的に話し合って行くと している。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2008/aug/HQ_08053_Spacesuit_Protest.html

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【080818-10】 United Space Alliance、Ares Iの1段開発で主契約者のATKを提訴
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 8月15日、NASAのスペースシャトルの運用の主契約者であるUnited Space Alliance (USA)は、NASAの次期の有人打上げロケットAres Iの1段の開発に 関連して、その主契約者であるAlliant Techsystems, Inc.(ATK)と子会社 ATK Launch Systems, Inc.に対す訴訟を起こしたことを明らかにした。

 USAはATKとの間で2006年に交わした契約を約束する文書に基づいてATKの 下で副契約者の立場でAres Iの開発に協力をして来たが、現在に至るまで ATKが誠意を持って正規の契約交渉に応じていないことの補償を求めると共 に、ATKがスペースシャトルの運用を行って来たUSAの熟練技術者を引き抜 こうとしている行為に対し、禁止命令を求めている。

 Ares Iの1段は、スペースシャトルの固体補助ロケットモータをベースと した固定ロケットであることが、ATKをUSA技術者の直接雇用に向かわして いるものと考えられるが、USAでは、2010年までのスペースシャトルの運用 を完璧に行うことが自社に求められている中で、Ares Iの1段の開発にもフ ルにコミットしようとしており、両プロジェクトに欠かせない熟練技術者 の引き抜きは許容できないとしている。

 htpp://www.unitedspacealliance.com/news/press/2008/080815.pdf

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【080818-11】 NASA、Ares Iの2段のタンクの摩擦攪拌接合試行
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 8月12日、NASAはマーシャル宇宙飛行センタの摩擦攪拌接合(Friction Stir Welding)装置によるAres Iロケットの上段のタンクの試作状況の写真 を公開した。

 Ares Iの上段のタンクの球状の部分の一部が装置にセットされた状態で、 試作段階で初めて公式に装置の試用を行っているところとしている。

 この接合方法は米国の宇宙機器用としては2005年に初めてスペースシャ トルの外部推進薬タンクの製造に用いられたもので、高強度、一定品質、 一定精度で金属を結合することができる。

(注:摩擦攪拌接合(または、溶接)とは、2つの物体を擦り合わせて生じる 摩擦熱を利用した摩擦接合法で、英国の公立溶接研究所(The Welding Institute)が1991年に発表し国際特許を取得している技術。具体的には 部材に回転する工具を押し入れ、それにより摩擦熱を発生させ、部材が軟 化し工具が移動した後、接合されるもの。) 

 http://www.nasa.gov/centers/marshall/multimedia/photos/2008/photos08-106.html

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【080818-12】 欧州委員会、衛星利用の移動体向け高速通信サービスの業者選定を開始
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 8月7日、欧州委員会(EC)は、通信衛星を利用した移動体向け高速通信サー ビスを提供する事業者の選定手続きを開始したことを明らかにした。

 欧州全土を対象に、衛星通信を利用して、高速データ通信やモバイルテレ ビ、災害救助システム、遠隔医療サービス等のサービスの提供を行う事業で、 ECでは2009年初頭には事業者を選定したいとしている。

 これまでEU内での衛星通信サービスはEUの各加盟国に対してそれぞれ承認 手続きが必要となっていたが、今回、ECが一元的に管理することで、欧州全 体での衛星通信サービスの展開を促進しようというもの。

 http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?
 reference=IP/08/1250&type=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=en


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【080818-13】 LM、有翼の再使用型ロケットのサブスケールモデルによる試験で不具合
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 8月12日、New Mexico Spaceport Authorityはニューメキシコ州のSpaceport Americaの建設予定地から、Lockheed Martin (LM) の試験機がUP Aerospace の手により成功裏に打ち上げられたと発表した。

 この時点では、試験はLMが行っている研究開発の一環とされているだけで、 どの様な試験機なのか、どの様な飛行をしたのかは一切公表されていない。

 http://www.spaceportamerica.com/news/press-releases/18-spaceport-press-
 articles/155-up-aerospace-lockheed-martin-launch.html


 ところが、8月15日にSPACE.comが伝えるところによると、この試験はLMが 社費を投じて行っている再使用型の打上げロケットの開発を目的とした有翼 のロケットのサブスケールモデルによる試験であり、ロケットモータによる 所期の高度約500mまでの上昇は正常に行われ、その後自動操縦で水平着陸を 目指したが、1分程度で機体は制御を失い、落下して大きな損傷を受けたと されている。

 LMではこのプロジェクトの名称も、如何なる推進系を用いているかも公表 しないとしているが、試験機の質量は約91kg、大きさは長さ2.4m、翼幅1.8m であり、今回の試験の目的は自動操縦による飛行とそのための電子機器の機 能確認であったとしている。

 http://www.space.com/missionlaunches/080815-lockheed-spaceplane-prototype-
 test.html


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【080818-14】 NASA、この夏休みにINSPIREプログラムで150人の実習生を受け入れ
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 この夏、全米の23州及びプエルトリコの150人を超える学生達が、NASAの 10ヵ所のフィールドセンタでの2ヵ月間の体験学習に参加した。この間、実 際に最先端の研究や月やその先に宇宙飛行士を送るプロジェクトでの仕事 に従事した。

 NASAの新しい教育プログラムであるNational Science Program Incorporating Research Experience(INSPIRE)プログラムが成功裏に終わろうとし ているものである。

 INSPIREプログラムは高校生から大学の1年生になる学生を対象としたプ ログラムで、学生達を、科学・技術・工学・数学(英単語の頭文字を取って STEM)の道を進む様に仕向けることを目的としたプログラムである。

 参加した学生達は、先ず、学校の成績で4段階評価の最低でも3.0を得て なければならず、2人の成人からの推薦状と、NASA及び宇宙プログラムに関 するエッセイを提出し、NASAの教育局による書類選考により、チームワー ク、リーダーシップ、STEMの分野への熱意等を評価されて選ばれたもの。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2008/aug/HQ_08203_INSPIRE_Students.html

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【080818-15】 韓国のYi So-yeonの宇宙教育用実験機器をISSでGarriottが利用
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 8月13日に、韓国と米国を結んだテレビ会議が行われて、韓国人民間宇宙 飛行士から米国人民間宇宙飛行士へのISSでの実験装置の利用方法、注意事 項等の伝授が行われた。この会議は20日にももう一度行われる予定とされ ている。

 これは、2008年4月にISSを短期訪問した韓国の民間人Yi So-yeonが、宇 宙滞在中に地上の子供達に科学の原理を説明するために使用した教育実験 機器を、10月にISSを訪問する予定の米国の民間人Richard Garriottが活用 したいとの意向を示したことから行われたもの。

 Yi So-yeonが行った実験は地上と宇宙の水の現象比較、ニュートンの法 則、表面張力、宇宙ペン等で、これに使用した機器類は、当初はYi So-yeon の帰還に合わせて廃棄されることとなっていたが、ロシアの宇宙飛行士Oleg Kononenkoがロシアの子供達向けの教育に使用したいと希望して、ISSに残さ れ手織り、それをGarriottが活用しようというもの。

 http://www.hellodd.com/japan/news/news_view.asp?t=dd_jp_news&menu=&mark=1895

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【080818-16】 AIAA、宇宙科学と技術への貢献に対する5つの賞の受賞者公表
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 8月14日、アメリカ航空宇宙学会 (AIAA)は、9月9日から11日に開催する AIAA SPACE 2008 Conference & Expositionに際して宇宙科学と技術への 貢献に対して与える5つの賞の受賞者を発表した。

 AIAA George Low Space Transportation Award:
 Space Exploration Technologies Corp.(SpaceX)のCEOのElon Musk的な低価格手法による商用宇宙輸
 送システムの開発に対して

 AIAA Space Science Award:
 メリーランド大学の天文学の教授Michael A'Hearn  “Deep Impact”ミッションでの卓越したリーダーシッ
 プの発揮に対して

 AIAA Space Systems Award:  TacSat-2 Spacecraft Team
 “Operationally Responsive Space”のデモンストレーションミッションの成功に対して

 AIAA History Manuscript Award:
 Douglas Mudgway“William H. Pickering, America's Deep Space Pioneer”  の執筆に対して

 AIAA Summerfield Book Award:
 NASAのMichel Griffin長官とJRF Engineering ServicesのJames French  “Space Vehicle Design,
 Second Edition”の出版に対して
 (最近AIAAが出版した書籍が対象)

 http://www.eurekalert.org/pub_releases/2008-08/aioa-taa081408.php

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【080818-17】 NASAの元宇宙飛行士、6,400kmの自転車ツアーでSTEM奨励
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 8月13日、元NASAの宇宙飛行士のJohn Harringtonが、北米大陸横断6,400 kmの自転車ツアーを開始した。Harringtonはこのツアーを“Rocktrek”と名 付け、これを通じて若者達の、科学・技術・工学・数学(英単語の頭文字を 取ってSTEM)への興味を引き起こしたいとしている。

 Herringtonは1996年に宇宙飛行士候補となり、2002年末にはシャトルの STS-113ミッションで初めて宇宙へ行き、20時間の船外活動を経験している。 彼は初めてのNative American(アメリカンインディアン)の宇宙飛行士で あり、宇宙飛行士になる前は、米海軍にあって、30種類以上の航空機で4,0 00時間以上の飛行を経験している。

 出発地はワシントン州のCape Flatteryで、途中で多くの学校やインディ アンの居留地等で自らの経験を通して、特にSTEMを学ぶことの大切さを語 りながら約3ヵ月掛けてゴールのケープカナベラルを目指すとしている。 また同時に、ウェブサイトwww.rocketrek.comによって多くの人に体験を伝 えて行く。

 http://www.adaeveningnews.com/local/local_story_227123645.html

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【080818-18】 JAXAのウェブサイト内の注目記事へのリンク
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8/11 H-IIBロケット第1段厚肉タンクステージ燃焼試験の結果について
8/12 ISS・きぼうウィークリーニュース第306号
8/12 「きぼう」の利用状況と今後の予定
8/12 細胞培養装置の機能検証が順調に進んでいます
8/14 地球観測センター「宇宙の日」ふれあい月間一般公開のお知らせ
8/15 「だいち」で見た中国・北京
8/15 JAXA宇宙飛行士活動レポート2008年7月
8/15 平成20年度宇宙教育指導者育成セミナー北海道地区の参加申込み受付開始
    
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