入会案内
コンテンツ
KU-MAについて
リンク
会員向け
KU-MAの
おすすめ

惑星MAPS
〜太陽系図絵〜


宇宙飛行の父
ツィオルコフスキー
人類が宇宙へ行くまで


ニッポン宇宙開発秘史―元祖鳥人間から民間ロケットへ


世界でいちばん素敵な
宇宙の教室


超巨大ブラックホールに迫る
「はるか」が作った3万kmの瞳


自然の謎と
科学のロマン(上)

Newton編集長の実験と工作動くもの浮くものの不思議

Newton編集長の実験と工作─光や電気の不思議─


小惑星探査機「はやぶさ2」の大挑戦 太陽系と生命の起源を探る壮大なミッション


新しい宇宙のひみつQ&A


宇宙人に会いたい!: 天文学者が探る地球外生命のなぞ


宇宙の始まりはどこまで見えたか? 137億年、宇宙の旅

他にもおすすめがあります

<<第11号メルマガ一覧第13号>>

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
メールマガジン「週刊KU-MA」 第12号          [2008.9.17]
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■目次----------------------------------------------------------------
(1)YMコラム
     「惑星の順番と曜日の順番」

(2)ワンダフル宇宙
     「中国の次の有人飛行迫る、太陽系外惑星の初の写真などなど」

(3)宇宙関連ニュース「宇宙茫茫」
----------------------------------------------------------------------
■YMコラム(12) 2008年9月17日
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 惑星の順番と曜日の順番
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 先日も、小学校で「惑星の順番と曜日の順番はどうして違うんですか?」 という質問を受けた。10年ぐらい前に宇宙学校かなんかで質問されて以来、 これで5度目である。あいにくとスライドも用意してなかったし、ホワイト ボードもなかったので、結構苦労した。古代バビロニアの時代には、すで に1日を24時間にすることは決められていた。この24という数字が、黄道12 星座に関係あることだけ断って、曜日の話に進もう。

 御存知の通り、昔は惑星と言えば、水星、金星、火星、木星、土星、そ れに地球が宇宙の中心と考えられていたので、太陽と月も惑星に数えられ ていた。そしてその順序は、地球から遠い順に、【土星・木星・火星・太 陽・金星・水星・月】ということになっていた。夜空で普通の星(恒星) とは異なった動きをするこれらの星を「神がパトロールしている姿」とみ なしたのもむべなるかな。

 月のひとめぐりが28日ぐらいであり、その区切りとして、新月から上弦、 上弦から満月、満月から下弦、さらに下弦から新月までがそれぞれ7日ぐら いになっているという事実がり、一方で惑星が7つと考えられていたこと とが、天に支配されているという気持ちの大きかった時代にあっては、偶 然のこととは思われなかったであろう。7日という周期が考え出され、それ ぞれの日を交替で惑星の神さまが支配していると解釈された。

 まず第一日目は最も遠い土星が全体を支配する「土星の日」である。こ の日は、第1時(0時〜1時)を土星が担当し、第2時(1時〜2時)を次 の木星が担当し、……という具合にしていくと、第24時は火星の担当とい うことになる。すると次の日の第1時は太陽の番になるので、第2日は全 体を太陽が支配することとする「太陽の日」である。同じように第1時を 太陽、第2時を金星、第3時を水星と割り当てていくと、今度は第24時が 水星になるので、第3日は次の「月の日」になる。こうして「土→日→月 →火→・・・・・・→金」という1週間の曜日の順番が決められた。

 ついでに言えば、B.C.586年にユダ王国が滅亡しユダヤの民がバビロン に幽囚された後、B.C.538 年にやっと解放されたが、唯一神ヤーヴェを信 仰するユダヤ教を興した。その正典である「旧約聖書」の冒頭の「創世記」 では、神が6日かかって天地を創造していく。第1日に光と闇、第2日に水と 天、第3日に陸と植物、第4日に太陽と月と星、第5日に魚と鳥、第6日に獣 と人間を造った。そして第7日は安息日とし「聖なる日」と位置づけた。7 日がひと区切りなのである。

 そしてあのモーゼの律法で、週1回の安息日は一切に労働を休み、祈祷 ばかりして過ごすこととされた。その安息日をSabbathとなづけたが、そ の日は現在で言えば、金曜日の日没から土曜日の日没までだった。こう して、「太陽の日」を「Sabbathの第1日」、「月の日」を「Sabbathの第 2日」、「火星の日」を「Sabbathの第3日」、……と呼ぶようになった。 そして週の最後に安息日たる「土星の日」が来るわけである。

 ただし後日譚がある。ギリシャでは基本的にこの方式を受け継いだのだ が、ローマの時代になり、コンスタンティヌス大帝の世になると、313年 にミラノ勅令でキリスト教を公認した。その際、イエス・キリストが「金 星の日」に十字架にかけられ「太陽の日」に復活したことを受けて、この 復活の日を「キリストの日」つまり安息日と定めたのである。安息日が、 ユダヤ教の「土星の日」からキリスト教では「太陽の日」となったわけで ある。

 ヨーロッパの曜日の呼び方については、現在では2つの方式がある。東 ヨーロッパでは、ユダヤ・ギリシャ式の教会方式(the ecclesiastical system)で、安息日以外は第1日、第2日、・・・・・・と数字で呼ぶやり方。西ヨ ーロッパでは、ローマ式で、惑星の名前を冠する惑星方式(the planetary system)である。

 最後に、ローマの方式を表にしておこう:

 日 dies Solis   太陽の日
   dies Dominica 主の日
 月 dies Lunae   月の日
 火 dies Martis  戦争の神マルスの日(ギリシャでもマルス)
 水 dies Mercurii 商売の神メルクリウスの日(ギリシャではヘルメス)
 木 dies Jovis   神々の王ユピテルの日(ギリシャではゼウス)
 金 dies Veneris  愛と美の女神ウェヌスの日(ギリシャではアフロディーテ)
 土 dies Saturni  農耕の神サトゥルヌスの日(ギリシャではクロノス)

 こうして、惑星の順番と曜日の順番は納得していただいたと思うが、そ うなると、では英語の表現は、“Tuesday”だの“Wednesday”などわけの わからない言い方なのはどうしてかという疑問も出て来ることだろう。そ の話はいずれニュースの少ない時期を見はからってお話ししよう。

                                                  (YM)

■ワンダフル宇宙(12) 2008年9月17日
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 中国の次の有人飛行迫る、太陽系外惑星の初の写真などなど
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 系統的に読んでいると、宇宙ニュースの到来には(なんでもそうかも 知れませんが)波がありますね。この一週間は結構高波でした。

1 中国の有人ミッション

 「神舟7号」が今月25日に旅立ちます。 一言 ──「早く日本人の力で飛ばしたいなあ!」  次のページに3人の飛行士のことを含んで詳しく出ています:

 http://www.chinadaily.com.cn/china/2008-09/16/content_7030843.htm

 彼らは初の船外活動に挑むのですが、その地上での訓練風景も次で見られます:

 http://www.recordchina.co.jp/group/g23968.html

船外活動のことをいくつかの側面から面白く解説してあるページもあります。

 http://www.spacedaily.com/reports/Shenzhou_A_Spacewalk_In_The_Sunlight_999.html

 日本の宇宙は宇宙基本法の通過以後、水面下でのことは不明にしても、 特に新しい動きがあるわけではありません。日本の世界の中での位置に ふさわしい、世界の人々から見て、人類の未来に長期的・俯瞰的・文化 的貢献のできる宇宙戦略を策定してほしいものです。党利党略ではなく、 本当に自身の人生を社会のために捧げきる人たちで構成して議論を尽く す戦略本部であってほしいですね。まさか水面下での話が、軍事軍事ば かりで動いているといったことのないよう、心から願っています。戦略 本部の議論の中身が公表される時こそ、世界がその知的レベルに注目し ているのだということを、心して取り組んでいただきたいもの。

2 アメリカの次の火星ミッション

 火星着陸機「フェニックス」が活躍しているさ中、NASAは次の火星ミ ッションに「ゴー」をかけました。一般には意外に見えますが、何と 「大気・気象ミッション」でした:

 http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/7618344.stm

 運ぶ動画とローバーのイラストも出ています:

 http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/7618344.stm

 「はやぶさ」「かぐや」で上げ潮にある日本の宇宙科学にとっては、 太陽系へのにぎやかな船出こそは、いま日本でやりたいことの最前線に 位置しています。宇宙予算が科学から少しずつ離れていく雰囲気を感じ ている身には、外国の政府が精力的に惑星ミッションを認可していく様 子が羨ましく感じられます。宇宙予算全体の底上げを図ってもらえなけ れば、軍事に回す金を従来のパイから取ることになりますから、有人も 惑星も「さびしくなるのは当然」という声につながっていくのです。が んばれ、「有識者」!

3 太陽系外の惑星がついに見える形で姿を現しました。「天晴れ!」 です。ハワイのマウナ・ケア山の山頂に日本の「すばる」望遠鏡と並ん で建造されている「ジェミニ」望遠鏡の快挙です。1995年に、やはりハ ワイにいる人たちが太陽系外の惑星を初めて検証して以来、続々と太陽 系外惑星が見つかり始め、いまではその数は200を超えたと言われてい ます。でもそれらはすべて直接写真に撮ったものではありません。主星 の動きとドップラー効果から算定したものばかりです。それがついに私 たちが肉眼で見ることのできる写真として現れたのです。下のホームペ ージでその写真だけでも確認してください。私はこの写真を見つめなが らつくづくと思いました。「ああ、あなたが私たちの兄弟?」と。何だ か懐かしい気持ちが起こってきましたね。次のホームページには、その 惑星からやってきた光のデータもあります:

 http://www.gemini.edu/node/11126

4 ガンマ線バーストが地球をめざす

 これも迫力のニュース。日本も協力しているアメリカのX線天文衛星 「スウィフトSwift」と世界の観測のネットワークによれば、さる3月19 日に観測されたガンマ線バーストの強烈なジェットが、まっすぐに地球 に向かってきたとのこと。この日突如「うしかい座」に発生したガンマ 線の大爆発は、肉眼で見えるほど(5.3等級)になり、光の99.99995% の速さの物質を放ったということです。75億光年もの彼方で起きた事件 が、この地球において肉眼で確認できるというのは恐るべきことですね。 それほど「ガンマ線バースト」というのは、私たちの想像力をはるかに 超えた大爆発なのですね。この「宇宙で最も明るい爆発」について、 KEKの以下のホームページには、「世界で最も分かりやすい説明」がさ れています。ぜひご覧あれ:

 http://www.kek.jp/newskek/2008/mayjun/GRB.html

 また、次のページには迫力あるバーストのシミュレーション動画があ ります。これもイメージをつかむために必見です:

 http://sciencenow.sciencemag.org/cgi/content/full/2008/910/2

 この爆発をスウィフト衛星が紫外線、X線でとらえた写真そのものも ありますよ:

 http://space.newscientist.com/article/dn14707-brightest-gammaray-burst-was-aimed-at-earth.html

■宇宙茫茫ヘッドライン
───────────────────────────────────
【080915-01】 ロシア、ISSへの物資補給船Progress M-65の打上げ成功
           JSCへのハリケーン到来でドッキング延期…STS-125の打上げに影響も

【080915-02】 ESAのGOCEの打上げ、10月に延期…上段ロケットの航法誘導機器交換
【080915-03】 ILS、9月19日にTelesat CanadaのNimiq 4を打上げ予定
【080915-04】 Sea Launch、9月23日にIntelsatのGalaxy 19を打上げ予定
【080915-05】 Phoenix Mars Landerのステレオカメラ、つむじ風を捉える
【080915-06】 NASA、Ares Iの予備設計審査を無事終了
【080915-07】 NASA、RocketdyneとのJ-2X開発契約に燃焼試験を追加
【080915-08】 NASA、Ares Iのアレッジモータの初の燃焼試験で良好な結果
【080915-09】 新興のO3b Networks、途上国に低コストのブロードバンドサービスを提供
【080915-10】 ロシア・クラスノヤルスク地方のJSC“ISS”、イスラエルの衛星Amos-5を受注
【080915-11】 Thales Alenia、汎アフリカ通信衛星機構のRASCOM-QAF1Rの製造を受注
【080915-12】 EC、European Space Policyの適用1年目の評価レポートを公表
【080915-13】 インド、GPS利用の独自の航空管制システム構築にGO
【080915-14】 ESA、欧州の宇宙飛行士のISS長期滞在ミッションの名称を公募
【080915-15】 NASA、50周年記念に“NASA/ART”を発行…巡回展も開催
【080915-16】 JAXAのウェブサイト内の注目記事へのリンク
───────────────────────────────────
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【080915-01】 ロシア、ISSへの物資補給船Progress M-65の打上げ成功
          JSCへのハリケーン到来でドッキング延期…STS-125の打上げに影響も
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 9月10日のモスクワ時間23:50にロシアはバイコヌールからSoyuz-Uによ り、無人の物資補給船Progress M-65(ISSへの飛行計画上の番号は30P)を 打ち上げ、ISSへ向かう軌道への投入に成功した。

今回は全部で2,430kgの物資や燃料等を搭載している。この内、ドライカ ーゴは1,300kgで、その他は推進薬870kg、水210kg、酸素及び空気50kgであ る。

 http://www.spaceflightnow.com/news/n0809/10progress30p/

 ISSへのドッキングは13日に予定されていたが、米国テキサス州ヒュース トンのジョンソン宇宙センタ(JSC)がハリケーン“Ike”の接近を受けて11日 午後から閉鎖され、ISSの管制センタの機能が臨時の場所に移され限定的な ものとなったために、ドッキングのコントロールを行うには無理な状況と判 断され、17日に延期された。

 その後、Ikeは通り過ぎ、JSC自体には全体の機能を損なうほどの被害は発 生していないが(ミッションコントロールセンタの天井が抜けた程度)、ヒュ ーストンの市内がかなり大きな被害を受け、洪水の後始末や電力の復旧に時 間を要する状況で、JSCの完全再開は21日の週になるのではないかと言われ ている。

 その様な状況で、Progress M-65のISSへのドッキングの管制はアラバマ州 ハンツビルのマーシャル宇宙飛行センタから行われる可能性が高いとされて いる。

 また、この間、JSCで行われているスペースシャトルのクルーや管制官の 訓練に遅れが生じていることもあり、10月10日に予定されているAtlantisに よるハッブル宇宙望遠鏡のメンテナンスを目的としたSTS-125ミッションの 打上げの遅れが生じるかも知れないとされている。

 http://www.spaceflightnow.com/news/n0809/13hurricaneike/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【080915-02】 ESAのGOCEの打上げ、10月に延期…上段ロケットの航法誘導機器交換
 
関連記事:【080804-06】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 9月7日、ESAはEurockot Launch Services GmbHによりプレセツクで進め られていたRockotによる地球の重力場の精密計測を目的とした衛星GOCE (Gravity field and steady state Ocean Circulation Explorer mission) の打上げが、早くとも10月5日まで延期されたことを明らかにした。

 9月10日の打上げに向けて準備が進んでいたが、7日に上段ロケットの Breeze KMの航法誘導機器に不具合が見付かり、機体を整備場に戻し、機 器の交換を行うことが必要となったことによるもの。

 http://www.esa.int/esaCP/SEMAC1P4KKF_index_0.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【080915-03】 ILS、9月19日にTelesat CanadaのNimiq 4を打上げ予定
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 9月8日、International Launch Services (ILS)は、9月19日にバイコヌ ールからTelesat Canada の衛星Nimiq 4をProton M/Breeze Mにより打ち上 げる予定であることを明らかにした。

 EADS AstriumのEurostar E3000プラットフォームをベースにした衛星で、 質量は4,850kg、設計寿命は15年、32本のKuバンドのトランスポンダと8本 のKaバンドのトランスポンダを搭載している。静止位置は西経82度でカナ ダ国内向けの放送サービスを提供する。

 http://www.ilslaunch.com/news-090808

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【080915-04】 Sea Launch、9月23日にIntelsatのGalaxy 19を打上げ予定
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 9月11日、Sea Launchは、同社の発射台Odysseyと司令船Sea Launch Commanderが母港を出て、太平洋上西経154度の打上げ地点へ向かったこと を明らかにした。

 9月23日にZenit-3SLによりIntelsatの衛星Galaxy 19の打上げを行う予 定としている。

 Space Systems/Loralの1300シリーズのプラットフォームをベースとし た衛星で、質量4,690kg、合計で52本のトランスポンダを搭載しており、 静止位置は西経97度で北米大陸からメキシコに掛けての地域にサービス を提供する。

 http://www.sea-launch.com/news_releases/nr_081109.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【080915-05】 Phoenix Mars Landerのステレオカメラ、つむじ風を捉える
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 9月11日、NASAのジェット推進研究所はPhoenix Mars Landerに搭載され ているステレオカメラSurface Stereo Imagerが、幾つかのつむじ風(dust devil)を捉えていたことを明らかにした。

 9月8日(着陸後104日目)の昼間に撮影した29枚の映像が翌日地球に送られ て来たのを分析した結果、その内の12枚に地平線近くに小さな渦巻き状の 白いものが写っているのが確認され、更に分析の結果、少なくとも6つのつ むじ風が捉えられていたことが判明したもの。また、このつむじ風の発生 に伴う僅かではあるが短時間での鋭い気圧の変化が観測されている。

 これらのつむじ風は、何れも直径が2mから5mと小さなもので、例えPhoenix の近くを通っても危害が生じる規模のものではない。

 Phoenixが着陸した地域につむじ風が発生していることは、着陸前に火星 を周回している他の探査機が捉えていたが、地表からの映像で確認された のは初めてのことであった。

 http://space.newscientist.com/article/dn14725-mars-lander-observes-its-first-dust-devils.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【080915-06】 NASA、Ares Iの予備設計審査を無事終了
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 9月10日、NASAは次期打上げロケットAres Iの予備設計審査(PDR)が無事 終了したことを明らかにした。米国において有人ミッションの打上げロケ ットのPDRが行われたのは、35年前のスペースシャトル以来のことである。

 今回のPDRはマーシャル宇宙飛行センタで行われたもので、NASAの各セ ンタ及び関連企業から1,100人を超える審査員が関与してきた一連の審査 の最終ステップとして全体システムの設計が審査された。これまでに主要 なサブシステムに関するPDRが行われてきており、その集大成であった。

 全体システムとして、NASAが要求している安全で信頼できる飛行が実現 できる設計となっているかが評価され、技術的或いはマネージメント上で チャレンジが必要な事項が明確にされるとともに、予想されるリスクを減 らすためには如何にすべきかが決定された。

 今後、次のステップである詳細設計に進むが、PDRの結果として問題が残 った1段の燃焼末期の振動問題については、特別なチームが設けられ、更に 解析や試験データのレビューを重ねて、2009年夏に“Δ PDR”(追加の審査 会)で審査するとしている。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2008/sep/HQ_08228_Ares_PDR.html

 一方、有人宇宙船OrionのPDRは当初計画の2008年4月から9月に、更に11月 まで遅れていたが、9月15日の週にはNASAとして更に2009年の夏までの半年 以上の遅れを確認する方向であると報じられている。

 http://www.flightglobal.com/articles/2008/09/09/315769/nasa-to-confirm-orion-design-review-slip-to-summer-2009.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【080915-07】 NASA、RocketdyneとのJ-2X開発契約に燃焼試験を追加
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 9月9日、Pratt & Whitney Rocketdyne, Inc.は、NASAから受けている次 期打上げロケットAres IとAres Vの上段に使用するエンジンJ-2Xの開発契 約に燃焼試験の追加を行う契約変更が行われたことを明らかにした。

 追加の燃焼試験の回数は、地上レベルでの試験が38回、高空を模擬した 状態での試験が27回とされている。

 燃焼試験はNASAのステニス宇宙センタの施設で行われるが、高空燃焼試 験用の設備はJ-2Xの開発のために新設される設備で、高度30kmまでを模擬 した低い気圧の下での燃焼を行うことができる。

 Rocketdyneでは、今回の追加契約で、J-2Xは“開発”の段階から“確性” の段階に移行することができるとしている。

 http://www.pw.utc.com/vgn-ext-templating/v/index.jsp?vgnextoid=edfdcf64e484c110VgnVCM100000c45a529fRCRD&vgnextchannel=
7dfc34890cb06110VgnVCM 1000004601000aRCRD&vgnextfmt=default


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【080915-08】 NASA、Ares Iのアレッジモータの初の燃焼試験で良好な結果
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 9月11日、NASAのマーシャル宇宙飛行センタは、次期打上げロケットAres Iに使用するアレッジモータ(ullage settling motor)の初めての燃焼試験を 行い、良好な結果を得たことを明らかにした。

 このモータは直径23cm、長さ120cmの固体ロケットで、Ares Iの2段の後方 スカート部に2本ずつ4ヵ所に装備され、1、2段の分離直後に4秒間燃焼し後 方に向けて燃焼ガスを噴射し、2段を1段から引き離すと共に、前向きの加速 度により2段の推進薬タンク内の液体推進薬をタンクの底に落ち着かせる役 目(タンクの底部に設けられる推進薬の取り出し口にエンジンの着火時に気 体が存在していては拙い)を持ったものである。

 今回の初めての燃焼試験では4基のモータの燃焼を行い、全ての試験目的 は達成された。次回の燃焼試験は2009年2月に予定されている。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2008/sep/HQ_08231_Ares1_rocket_test.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【080915-09】 新興のO3b Networks、途上国に低コストのブロードバンドサービスを提供
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 9月9日、英仏海峡に浮かぶチャネル諸島に本社を置く新しい企業O3b Networks Ltd.は多数の衛星による、途上国地域への低コストのブロード バンドサービスの提供を目指すことを明らかにした。“O3b”とは、先進 国以外の30億人の人々を意味する“Other 3 Billion”の短縮表記。

 赤道上高度8,000kmの円軌道に16基の衛星を打ち上げて、北緯40度から 南緯40度の間のインフラの整備が難しい地域で、先進国が光ケーブルネッ トワークによって利用しているブロードバンドサービスと同質のサービス を利用可能にすることを計画している。

 O3bはハイテク起業家であるGreg Wyler(38)が興したものであるが、 Google Inc.、米メディア大手のLiberty Global, Inc.及び英国の投資会社 HSBC Principal Investmentsが出資している。

 http://www.o3bnetworks.com/press_o3blaunch.html

 また、この16基の衛星についてはThales Alenia Spaceが2007年から契約 を受けて設計をしており、更には製造に関しての着手承認を得ていたが、 このほど正式に製造契約の締結が行われている。最初の衛星の打上げは20 10年の秋以降に予定されている。

 http://www.o3bnetworks.com/press_thalesalenia.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【080915-10】 ロシア・クラスノヤルスク地方のJSC“ISS”、イスラエルの衛星Amos-5を受注
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 9月9日、フランスのThales Alenia Spaceは同社がロシアを代表する宇 宙関連企業であるJSC“Information Satellite Systems ? Reshetnev Company”(JSC“ISS”)がイスラエルのSPACE-COMMUNICATION LTD.との間 で結んだ通信衛星Amos-5の開発、打上げ、地上施設の整備、要員の訓練、 運用中の維持に関する契約で副契約者として協力することを明らかにした。 (注:この契約の調印は7月30日に行われており、JSC“ISS”では8月8日付 けのプレスリリースで既に公表していたことが今回判明した。)

 契約ではJSC“ISS”が主契約者となり、同社のExpress 1000Hプラット フォームをベースとし、Thales Alenia Spaceがトランスポンダ、アンテ ナを提供する。衛星は質量1.6トン、発生電力は5.6kWで、Cバンド16本、 Kuバンド16本のトランスポンダを搭載し、打上げは2010年の予定で静止 位置は東経17度とされている。
(注:JSC“ISS”は2008年3月に設立された企業であるが、その前身は1959 年に設立されたFSUE “Academician M.F. Reshetnev Nauchno-Proizvodstvennoe Obiedinenie Prikladnoi Mekhaniki” (FSUE “NPO PM”)で、こ れまでに製造した衛星の数は1,160基以上に上り、現在ロシアが運用中の 衛星の2/3は同社製であると言われている。所在地はロシアの中で、一般 外国人のアクセスが認められていない閉鎖都市の1つであるシベリア中部 のクラスノヤルスク地方のジェレズノゴルスク(Zheleznogorsk)である。 また、JSCはJoint-Stock Companyの短縮表記である。)

 http://www.thalesgroup.com/space/Press-Room/Press-Release-search-all/Press-Release-
search-result/Press-Release-Article.html?link=462f6d10-3013-481b-343b-
670528381b3a:central&locale=EN-gb&Title=Thales+Alenia+Space+to+cooperate+with+JSC-
ISS+of+Russia+for+the+Amos-5+satellite&dis=1


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【080915-11】 Thales Alenia、汎アフリカ通信衛星機構のRASCOM-QAF1Rの製造を受注
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 9月9日、Thales Alenia Spaceは、汎アフリカ通信衛星機構RASCOM(Regional African Satellite Communication Organization)の通信衛星RASCOMQAF1Rの 製造契約を締結したことを明らかにした。この契約は衛星の運用に 当たるモーリシャスに本社を置くRascomStar-QAFとの間で結ばれたもの。

 衛星はSpacebus 4000 B3プラットフォームをベースとしKuバンド12本、C バンド8本のトランスポンダを搭載し、質量は3トン超で、発生電力は6.4kW とされている。

 この衛星は2007年12月に打ち上げられたが、アポジモータで推進薬加圧用 のヘリウムガスの漏洩が生じ、姿勢・位置制御用の推進系を用いて静止軌道 に達したことから寿命が大幅に短くなっていたRASCOM-QAF1の代替機として 発注されたものである。

 http://www.thalesgroup.com/space/Press-Room/Press-Release-search-all/Press-Release-search-result/Press-Release-Article.html?link=082e0b59-1547-726e-0e68-08137c38205e:central&locale=EN-gb&Title=Thales+Alenia+Space+to+supply+RASCOMSTAR-QAF+with+a+new+teleco

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【080915-12】 EC、European Space Policyの適用1年目の評価レポートを公表
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 9月11日、欧州委員会(EC)は、昨年策定したEuropean Space Policy (ESP)の適用1年目の評価レポートを公表した。

 評価は主要な宇宙利用のプログラム、即ち、測位衛星システムGALILEO/ EGNOS、地球観測システムGMES及び安全保障/防衛の3プログラムの個別評価 の他、基礎研究分野、宇宙産業分野、全体プログラム管理等の総括評価が 行われている。

 http://euroalert.net/en/news.aspx?idn=7799

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【080915-13】 インド、GPS利用の独自の航空管制システム構築にGO
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 9月11日、インド政府は同国の航空管制システムを強化するための衛星 を用いた新しいシステムの開発計画を承認した。

 GPS Aided Geo Augmented Navigation (Gagan)と称されるプロジェクト で、米国のGPSシステムをベースとして、自国の静止衛星を組み合わせる ことで必要な精度を確保するなどして独自の航空管制システムを構築しよ うという計画である。

 インド宇宙研究機関 (ISRO) が衛星の打上げを行い、インドの航空管制 に責任を持つAirports Authority of India (AAI)が地上の基地の整備、 管制センタの運用を行う形でのAAIとISROの共同開発となる。このプロジェ クトに対しては米国の Federal Aviation Authority (FAA) が支援を行う こととなっている。

 今回の承認は2007年8月までに完了したGAGANの技術実証フェーズの結果 を受けて最終運用フェーズへ進むことを認めたもので、システムの完成は 2011年5月の予定とされている。

 http://indiaaviation.aero/news/airline/14181/59/Government+approves+%E2%80%98Gagan%E2%80%99+project+for+seamless+navigation+over+Indian+airspace

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【080915-14】 ESA、欧州の宇宙飛行士のISS長期滞在ミッションの名称を公募
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 9月11日、ESAは2009年5月からISSに長期滞在するESAの宇宙飛行士(ベル ギー人)のFrank De Winneのミッションの名称を一般から募集することを 明らかにした。

 De Winneは6ヵ月間のISS滞在中に、欧州実験モジュールColumbusで欧州 各国の科学者が考え、準備をした様々な実験を行う他、教育プログラムと してESAが“Take your classroom into space”の名の下で全欧州の教員か ら公募した結果選定された児童生徒に“無重量”を理解させることを目的 とした実験も行う。

 ESAの加盟国と協力国になっている欧州各国(18ヵ国)の市民に応募の資格 があり、名称が採用された人にはDe Winneの署名入りのミッションロゴを 収めた額が授与されることとなっている。

 応募は全てE-mailによることとされており、名称の他に、その提案理由 を記すことが求められている。応募期限は2008年10月15日で、選定結果は 11月にESAのウェブサイト上で発表される。

 http://www.esa.int/esaCP/SEMMFMP4KKF_index_0.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【080915-15】 NASA、50周年記念に“NASA/ART”を発行…巡回展も開催
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 9月8日、NASAは10月に創立50周年を迎えるに際して、記念に“NASA/ART - 50 Years of Exploration”を発行することを明らかにした。

 NASAが発足して4年目の1962年に当時の長官James E. Webbが提唱して、 NASA Art Programがスタートしている。これはその時々のNASAの活動を時 の美術家の手により美術作品の形で残しておこうというプログラムで、今 回発行されるのはそのコレクションの中から150点の作品を収録し、著名 人のエッセイを加えた写真集として仕上げたもの。

 また、スミソニアン航空宇宙博物館とNASA所蔵の作品73点の巡回展を行 うとしており、2008年10月末から2011年8月末に掛けて、全米10ヵ所でそ れぞれ約3ヵ月間の展示が計画されている。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2008/sep/HQ_08221_NASA_Art_Book.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【080915-16】 JAXAのウェブサイト内の注目記事へのリンク
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
9/8 設備等供用の平成20年10月以降利用分の追加募集を開始しました
9/8 JAXAの宇宙活動成果の教科書等への利用について
9/9 ISS・きぼうウィークリーニュース第310号
9/9 「きぼう」の利用状況と今後の予定
9/9 2008年度第二次気球実験の終了について
9/9 JAXA宇宙ブランド「JAXA COSMODE PROJECT」の付与状況について
9/10 「きぼう」の芸術利用「水の球を用いた造形実験」及び「墨流し水球絵画」を行いました
9/10 「きずな」(WINDS) による基本実験「可搬型地球局によるハイビジョン伝送実験」
   (北京オリンピック)結果について

9/10 「宇宙からの気候変動の観測に関する第2回セミナー」の開催について
9/10 「第4回学際領域における分子イメージングフォーラム」のお知らせ
9/11 「すざく」レアメタルの生成現場を宇宙で初めて確認
9/11 国際宇宙ステーション搭乗宇宙飛行士候補者の第一次選抜結果について
9/11 再使用ロケット燃料挙動の研究がAIAAベストペーパーアワードを受賞
9/12 平成20年度「宇宙の日」筑波宇宙センター特別公開のお知らせ
<<第11号メルマガ一覧第13号>>

TOPKU-MAについて入会案内リンク会員向け

このサイトの内容の無断転載・複製を禁止します