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メールマガジン「週刊KU-MA」 第17号          [2008.10.22]
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■目次----------------------------------------------------------------
(1)YMコラム
     「円周率πのこと」

(2)ワンダフル宇宙
     「失敗からの学び方――ファルコン1ロケットの成功に思う」

(3)宇宙関連ニュース「宇宙茫茫」
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■YMコラム(17) 2008年10月22日
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 円周率πのこと
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 円周率πは貴重な数である。もちろんその第一の理由は、「円の周り の長さ=2×π×半径」とか「円の面積=π×半径×半径」を始めとす る円にまつわる公式である。球の表面積とかその体積なども、πさえ知 っていれば算出できるというのは驚くべきことである。しかしその貴重 さは円や球にとどまらない。「どうしてこんなところに?」と思えるほ ど、数学のあちこちの分野に登場するのである。

 一例を挙げれば、確率論という分野でもπは大活躍する。確率論は、 世の中の経済活動に密接な関係があるからなのか、それとも単に彼の天 才ゆえなのか、ユーロ採用以前のドイツの10マルク紙幣は、フリードリ ッヒ・ガウス(1777-1855)に捧げられている。

  http://www-personal.umich.edu/~jbourj/images/money/gauss12.jpg

 クリックしていただければ分かるが、そのガウスの向かって右には、 釣鐘型の正規曲線が描かれており、よく見るとその釣鐘の中にある定義 式には、われらがπを発見できるのである。

 確かジヴァンシーの香水にも「π」というのがあるし、映画のタイト ルにも「π」というのを見た記憶がある。世の中にはスペースラブ「π」 という大人のクラブまで存在している。クラブ「π」で香水「π」をつ けて映画「π」を観賞するなどという「π漬け」のシーンが思わず浮か んでくるほどである。こんなに人気のある数学のキャラクターはあまり ない。

 10年以上も前になるが、πを2万桁まで暗記してギネスブックに載っ ている日本人(友寄さん:ソニー)とお会いしたことがある。その前の 記録は誰ですか?と訊いたところ、「インドの人で1万桁」という答え が返ってきた。「その人は今どうしているのですか?」「今カナダで3 万桁をめざして修業中」とのことだった(笑)。事実、πの桁にはキリ がない。

 では、そんなπを、簡単な計算機すらなかった昔はどうやって算出し たのだろうか。

(1)最初は円に内接・外接する多角形を使う方法を使ったらしい。


 この図を使って説明すれば、外側の六角形は円よりも周囲が長く、内 側の六角形は円よりも周囲が短い。円周(2×π×半径)の値がその二 つの六角形の間になるわけだから、こうやって両側から挟む多角形の辺 の数を増やしていくと、πの桁数もどんどん増えていくというわけであ る。驚くべきことに、7世紀に中国で編纂された隋書律暦志によると、 天文学者の祖沖之が、当時としては非常に正確な評価 3.1415926 < π < 3.1415927 を示している。因みに、隋書で現代と同じ「圓周率」とい う語が用いられている。そして17世紀のはじめ、ドイツの数学者ルドル フ・ファン・コイレンが、生涯をかけて32212254720角形の辺の長さを 計算し、35桁目まで π の正しい値を計算した。多角形時代最後の偉業 である。なお日本では、1663年、村松茂清が『算俎』を著し、円に内接 する正多角形の辺の長さから π ≒ 3.1415 92648 77769 88692 48とし、 小数点以下7桁まで正しい値をはじきだしている。中国などを通じて入っ てくる算書に頼り切ってきた和算と違い、はじめて独自に数学的な方法 で円周率を計算したのである。

(2)こうして正多角形の辺を増やすだけの力ずくの計算の時代は終わ り、計算式を改良しながら桁数を増やしていく時代に入った。その集大 成は、インドの天才数学者シュリニヴァーサ・ラマヌジャン(1887-1920) が1910年に発表した無限級数である。


 この公式を使って、1945年にファーガソンが540桁まで計算している。 すべて手計算によるものである。

(3)そして電子計算機の時代に入ると、もちろん桁数は「桁違い」に 伸びていった。電子計算式の改良も相俟って、2002年には日本の金田康 正は、実に1兆2411億桁まで計算している。

 先日、栃木に宮大工の小川三夫さんを訪ねた時、その鵤工舎で、四角 い素材が丸い柱になるプロセスを見せていただいた。その途中の八角形、 十六角形、三十二角形という形を見て、私が突然πの計算を思い浮かべ たのも、故ないことではない。

  http://www.yomiuri.co.jp/nie/sp/2006/02/images/01.jpg

                                   (YM)

■ワンダフル宇宙(17) 2008年10月22日
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 失敗からの学び方――ファルコン1ロケットの成功に思う
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 さる9月28日19時15分(アメリカ東部夏時間:日本時間は9月29日8時15 分)マーシャル諸島共和国クェゼリン島の発射場から打ち上げられたファ ルコン1ロケット4号機が順調に飛行し、約10分後に、搭載したダミー衛星 を所定の軌道に達し、打上げは成功した。SpaceX社のロケットである。 ファルコン1ロケットの打上げはこれまで3回行われてきたが、いずれも失 敗した。今回の成功で、民間企業が開発した液体燃料ロケットとして初め て衛星軌道投入を果たした。新しい歴史の幕開けである。1966年から始ま った日本初の衛星打上げへの挑戦が予想よりもはるかに難航し、1970年に 至ってやっと成功した時の喜びを感慨深く思い出す。ファルコン1の打上 げに従事されているみなさんに心からおめでとうの言葉を送りたい。

  http://www.sorae.jp/030807/2603.html

 1986年5月3日、ケープカナベラルから「デルタ3914」ロケットが気象衛 星GOESを載せて打ち上げられたが、71秒後にメインエンジンが燃焼を停止 し、ロケットは制御を失って破壊された。原因は、ブースターに1本のワ イヤが激しくぶつかったため極めて短い時間ながら回路がショートを起こ し、ロケットエンジンにつながるリレーボックスに電流が流れなくなって、 エンジンが停止したのである。

  http://commons.wikimedia.org/wiki/Category:GOES_G

 そして20年後の1998年、同じケープカナベラルから「タイタン4Aセン トール」が軍事衛星を搭載して打ち上げられた。発射の40秒後、ブースタ ーは突如頭を上げ、このせいでロケットにかかった荷重のため、飛翔安全 システムが作動し、ロケットは破壊された。原因は再びワイヤが激しくブ ースターにぶつかったことだった。その衝突により、誘導システムへの電 流が一瞬ストップし、誘導システムが発射の瞬間までリセットされてしま ったのである。瞬間的な停電が起きてテレビが切れた際、復帰した時にテ レビのチャンネルが変わってしまうのと同じ理屈である。

  http://www.capcomespace.net/dossiers/espace_US/lanceurs_US/titan/titan_4.htm

 異なるロケット、異なるメーカー、そしてNASA(米国航空宇宙局)と空 軍が同じ発射場から打ち上げたロケットが、12年の歳月を経て全く同じ単 純な原因の事故を起こしたのである。1986年の事故の後では、調査委員会 が結成され、徹底的にその原因を追究しただけに、それがどうして12年後 に活かせなかったのか。関係者は救われない気持ちだったに違いない。こ れは「教訓を活かされなかった失敗」の典型である。

 別の話をしよう。1962年7月22日、同じくケープカナベラルから金星探 査機マリナー1号を乗せて「アトラス・アジェナ」ロケットが発射された が、打上げの293秒後、指令破壊によって爆破された。マリナー1号の残骸 は大西洋の藻屑と消えた。アトラス・アジェナは、搭載型のRate System と地上型のTrack Systemと呼ばれる二種類の制御系統を持っており、地上 型は搭載型のバックアップとして使われることになっていた。マリナー1 号を打ち上げた後、Rate Systemのハードウェアが故障したため、Track Systemで制御することになったまでは予定通りだったのだが、Track Sys- temに誘導されたロケットは、異常な飛翔経路をたどり、管制官は破壊指 令を送ったのである。調査の結果、Track Systemの誘導プログラムの中に、 一つだけハイフン(‐)がぬけていたことが判明した。たった一つのハイ フン! NASAはこれを「悪魔のハイフン」と呼んで、ソフトウェアを重視 するための戒めにしたという。これなどは典型的な「教訓が活かされた失 敗」である。

  http://nl.wikipedia.org/wiki/Mariner_1

■宇宙茫茫ヘッドライン
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【081020-01】 Soyuz TMA-13、ISSとのドッキング無事完了
【081020-02】 ハッブル宇宙望遠鏡のリスタート不調に終わる
【081020-03】 Orbital Sciences、Pegasus XLによるNASAのIBEXの打上げに成功
【081020-04】 Phoenix Mars Lander、分析装置やロボットアームの作動停止間近に
【081020-05】 ESAのVenus Express、金星周回軌道上から地球の生物生存の証を探る
【081020-06】 米大統領、NASA Authorization Act of 2008に署名
【081020-07】 欧州の火星ローバExoMars、開発費オーバーで打上げ2年余り遅れ
【081020-08】 LM、Mars Science Laboratoryのエアロシェルの後方シェルを納入
【081020-09】 ESA、次世代打ち上げロケットの全貌を公表
【081020-10】 Ares Iの1段の開発関係のATKとUSAの契約問題に決着
【081020-11】 カーネギーメロン大の月面ロボット、ハワイのマウナケアでフィールドテスト
【081020-12】 中国、パキスタンの通信放送衛星を2011年に打ち上げ
【081020-13】 FAA、Armadillo製のエンジンを装備したRocket Racerに
          限定付き飛行許可

【081020-14】 X PRIZE Cupの開催場所変更・・・
          Lunar Lander Challengeは一般公開せず

【081020-15】 JAXAのウェブサイト内の注目記事へのリンク
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【081020-01】 Soyuz TMA-13、ISSとのドッキング無事完了
 
関連記事:【081013-01】
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 10月12日に打ち上げられてISSへ向かっていたSoyuz TMA-13は、14日に 無事、ISSのロシア製のZaryaモジュールとのドッキングを完了した。

 ISSに到着したのは、第18次長期滞在クルーの米国人コマンダーMike Finckeとロシア人フライトエンジニアYuri Lonchakov及び、短期訪問者 としての米国人Richard Garriottである。

 彼等を迎えた第17次長期滞在クルーは、コマンダーのSergey Volkov、 フライトエンジニアのOleg KononenkoとGreg Chamitoffで、この内、 VolkovとKononenkoは、Garriottと一緒にSoyuz TMA-12により10月23日 に地球に帰還する予定である。

 なお、Sergey Volkovの父親は旧ソ連・ロシアのSalyut 7及びMirで長 期の宇宙滞在を経験しているAlexander Volkovで、Garriottとの対面は、 史上初の宇宙飛行士の2世同士の軌道上での対面となった。2人の父親は 14日のドッキングをロシアの管制センタで見守り、無事成功した後には 一緒に記者会見に臨んでいる。

 第18次長期滞在クルーは、2009年5月からISSの常時滞在クルーを6人 とする準備として新しいライフサポート装置の起動を行う予定となって いる。

  http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/7668965.stm

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【081020-02】 ハッブル宇宙望遠鏡のリスタート不調に終わる
 
関連記事:【081006-02】
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 10月17日、NASAは、15日に行ったハッブル宇宙望遠鏡の不具合箇所の バックアップシステムへの切り替え作業が成功しなかったことを明らか にした。

 9月27日に、取得したデータを地上に送る前の処理装置(Science Data Formatter)に不具合が発生し、全体がセーフモードとなっていたのを、 14日に、この装置を含む系統をSide AからSide Bに切り替えるコマンド を送り、通常モードへの切り替え、高視野惑星カメラ、近赤外線カメラ の復旧作業は順調に行われた。

 ところが、17日になって、最終ステップである掃天観測用高性能カメ ラ(ACS)の復旧の途中でエラーが検出され、ACSが再び停止し、復旧作 業が中断された。その後、観測機器は再びセーフモードに切り替えられ た。

  http://www.spaceflightnow.com/shuttle/sts125/081017hubble/

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【081020-03】Orbital Sciences、Pegasus XLによるNASAのIBEXの打上げに成功
 
関連記事:【081013-04】
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 10月19日、Orbital Sciences Corporationは、南太平洋のマーシャル 諸島のクワジェリン環礁から飛び立ったL-1011に搭載したPegasus XLに よるNASAの星間物質観測衛星Interstellar Boundary Explorer(IBEX) の打上げに成功した。

 IBEXは、NASAの低価格・短期開発の観測ミッションの一つで、高速中 性粒子(energetic neutral atom)を検知する2台のカメラ(IBEX-Hiと IBEX-Lo)を搭載しており、高さ52cm、差し渡し97cmの八角形で、質量 は113kgである。

 これに、軌道上昇用の固体ロケットモータSTAR 27を含んでPegasus XLは458kgのペイロードを高度約200kmのパーキング軌道に投入した。

 今後、約1ヵ月半を掛けて、STAR 27及び衛星内蔵の推進系を用いて 320,000km×7,000kmの長楕円軌道への移行と機能確認を行って、観測に 入り、太陽圏の境で太陽風と星間物質の相互作用を調べ、写真撮影や地 図作成などを行う予定。

  http://www.nasa.gov/home/hqnews/2008/oct/HQ_08262_IBEX_Launch.html

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【081020-04】 Phoenix Mars Lander、分析装置やロボットアームの作動停止間近に
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 10月14日、NASAはPhoenix Mars Landerが、11日から12日に掛けて、砂 嵐に襲われ、太陽光線が遮られて発電量が低下したことから、多くの機 器の作動を停止する必要があったが、砂嵐の通過を無事にやり過ごした ことを明らかにした。

  http://www.jpl.nasa.gov/news/news.cfm?release=2008-194

 冬に向かって日照時間が減る中で、10月24日頃迄には分析装置やロボ ットアームの作動を停止し、気象データを取得するだけの機能への絞り 込みが行われる。

 その後は、11月半ばまでは気温や風速といったデータを送ってくるこ とが期待されているが、そこで、火星が地球から見て太陽の反対側にな ってしまい、10日から2週間の間は通信ができなくなる。通信が再開で きる状態になった時に、Phoenixに観測及びデータ伝送を続ける力が残 って居るか否かは予断を許さない。

  http://media.wildcat.arizona.edu/media/storage/paper997/news/2008/10/13/News/
 Snow-Slows.Mars.Lander-3483642.shtml


 その様な状況の中で、10月13日には、最後となると考えられる土壌サ ンプルのThermal and Evolved-Gas Analyzer (TEGA)の6つ目の炉の中へ の取り込みに成功した。ミッション成功のクライテリアは8つの炉の内 少なくとも3つ炉での分析を行うことであったので、関係者は6つ目まで 使用できたことに喜びを表している。

  http://uanews.org/node/22090

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【081020-05】 ESAのVenus Express、金星周回軌道上から地球の生物生存の証を探る
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 10月13日付けのSPACE.comが報じているところによると、金星を周回中 のESAの探査機Venus Expressを用いて、遠く離れた所から地球に生命が 存在することができることを示す証拠の探査を行うことが計画されている。

 これは、遠く離れた太陽系外の惑星に生命が存在する可能性があるか否 かを調べる時に役立てるために、生命が存在できる環境はどの様に見える のかという情報を得ることを目的としている。

 金星周回軌道から、Visible and Infrared Thermal Imaging Spectrometer (VIRTIS)によって地球を捉え、その画像を分析しようというもの。 画像は、カメラの一つの画素より小さく、表面の様子などは全く判らない。

 この様な状況で、光合成を行う植物の存在を示す“レッドエッジ”を確 認することはできないか、或いは地球の海洋部分と大陸部分のどちらが金 星の方を向いているかで、異なるデータが得られないか等を調べることが 計画されている。

  http://www.space.com/scienceastronomy/081013-mm-earth-habitability.html

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【081020-06】 米大統領、NASA Authorization Act of 2008に署名
 
関連記事:【080929-10】
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 10月15日、米国ではNASA Authorization Act of 2008へのブッシュ大統 領の署名が行われ、法律として発効した。
 これにより、NASAの2009年度の予算が要求額に対して、スペースシャト ルの後継となる有人打上げシステムの開発の加速のための10億ドルを含む 26億ドルの上乗せが行われて総額202億ドルに決まると共に、スペースシ ャトルのリタイアまでに追加のミッションを計画すること等が定められた。

 NASAに対して、スペースシャトルのリタイアまでの飛行を1回増やして、 Columbiaの事故後にISSへの取り付けを止めることを決めたAlpha Magnetic Spectrometerを復活させるために必要な措置をとることを求めている他、 NASAの現在のスペースシャトル打上げのマニフェストでは“contingency” と注記されているISS建設完了後の2回のロジスティックミッションを正式 ミッションとすることを求めている。

 更に、NASAに対して、2009年4月30日までは、シャトルを引退させると している2010年を超えて2011年以降にシャトルを運用することを不可能と することに繋がる行為を行うことを禁止し、これにより、新大統領下の政 権がシャトルの運用停止時期を判断する時間を確保している。

  http://blogs.orlandosentinel.com/news_space_thewritestuff/2008/10/bush-signs-
  nasa.html


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【081020-07】 欧州の火星ローバExoMars、開発費オーバーで打上げ2年余り遅れ
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 10月17日付けのBBC NEWSが伝えるところによると、欧州では2013年11月 の打上げを想定して開発を進めている火星での生命の存在を探るために火 星にローバを送り込むミッション“ExoMars”の打上げを次の打上げ機会 である2016年1月か2月まで遅らせざるを得ない状況となっている。

 2005年の開発開始当初は2011年の打上げを想定していたものの、既に20 06年の11月には2013年への遅延を決めていたものであるが、ここへ来て、 6億5,000万ユーロとされていた開発費が主契約者のThales Arenia Space の試算で12億ユーロに膨れ上がったことから、各国政府の了承が得られず、 予定通りの開発が進められなくなり2013年の打上げを諦めた形である。

 この結果、11月に開催される欧州各国の宇宙開発担当大臣の会議で、 ExoMarsの今後をどうするかが論じられることとなった。

 開発費調達の手段として、米国及びロシアに資金提供を含むミッション への参加の呼び掛けが考えられているが、米国は既にExoMarsに2種の観測 機器を提供することにしており、且つ、米国自体もMars Science Laboratory の予算不足問題を抱えている等、簡単に追加の協力が得られる状況で はない。

  http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/7677349.stm

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【081020-08】 LM、Mars Science Laboratoryのエアロシェルの後方シェルを納入
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 10月16日、Lockheed Martin(LM)はMars Science Laboratory(MSL)のエ アロシェル(火星到着までの保護カバー)の後方シェルをNASAのジェット 推進研究所に納入したことを明らかにした。MSLは質量約600kgの大型の火 星ローバである。

 直径約4.5mの2段円錐形状の後方シェルはアルミハニカムのコアをグラ ファイト-エポキシのシートで挟んだサンドイッチ構造で、コルク・シリ コン超軽量アブレータ(cork silicone Super Lightweight Ablator) SLA 561vを用いた熱防御システムで覆われている。

 火星着陸時の精度を上げるために、火星の大気圏に突入する前に後方シ ェルからバラストウェイトを放出し、それにより重心位置のオフセットを 生じさせ、リフトの発生とスラスタによる操舵を可能とすることが考えら れている。

 また、後方シェルは落下するMSLを軟着陸させるために、パラシュート による減速後、下にMSLを抱えた状態でスラスタの噴射によって降下速度 を遅くし、高度35mからはヘリコプタが吊り荷を地面に降ろす時の様に吊 り索を延ばし、MSLを先に着地させ、その直後に落下方向を変えて数百m 離れた所に落下するスカイクレーンの機能も有している。

 なお、耐熱シールドである前方シェルはLMの工場で未だ製造中で、現在 耐熱タイルの施工が行われているところである。耐熱タイルには当初計画 から変更となり、PICA (Phenolic Impregnated Carbon Ablator)が用いら れている。前方シェルは2009年秋に予定されている打上げに向けて2009年 4月にはケネディ宇宙センタに搬入される予定となっている。

  http://www.lockheedmartin.com/news/press_releases/2008/1016mslbackshell.html

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【081020-09】 ESA、次世代打ち上げロケットの全貌を公表
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 ESAは、10月初めに開催された第59回国際宇宙会議(IAC2008)の場で、 2025年を目処に開発を進めようとしている次世代の打ち上げロケットNext Generation Launcher (NGL)の全貌を明らかにした。

 全長52m、全備226トンの2段式ロケットで、1段は液酸/液水のコアステー ジに固体補助ロケット(SRB)を装備する形式で、打上げ能力はコアのみで静 止トランスファ軌道へ3トン、SRBを2本付けた標準コンフィギュレーション で5トン、SRBを6本付けて8トンとなっている。現行の最強ロケットAriane 5 ECAの9.8トンには及ばないが、低軌道への打上げ能力アップの方式とし て、コアステージを3本並べた形式について次のステップで検討を行うとし ている。

 1段のエンジンには海面上推力2,500kNの欧州としては初めての2段燃焼サ イクルのエンジンを用いる計画となっており、ESAではこのエンジンの最初 の燃焼試験を2008年2月に実施済みである。

 NGLの構想検討作業はイタリアのトリノに本社を置くEADS Astrium N.V. とFinmeccanica S.p.A.の合弁企業(70-30)であるNGL Prime?S.p.A.を主契 約者として2007年7月から行われているもので、2008年11月に開催される欧 州各国の宇宙開発担当大臣の会議で開発方針の議論が行われるものと考え られる。

  http://www.flightglobal.com/articles/2008/10/13/317233/esas-next-generation-rocket-
  details-emerge.html


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【081020-10】 Ares Iの1段の開発関係のATKとUSAの契約問題に決着
 
関連記事:【080922-15】
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 10月16日、Alliant Techsystems, Inc.(ATK)は9月半ば以来続けていた United Space Alliance (USA)との間の、ATKが主契約者として進めている NASAのAres Iの1段の開発に関連した作業でのUSAの副契約者としての立場 をはっきりさせる交渉の合意が得られたことを明らかにした。

 USAが、ATKが正式の契約を結ぶという約束の期限切れを機に、ケネディ 宇宙センタで働く同社の社員に対して、9月22日以降は、Alliant Techsystems, Inc.(ATK)の下で行って来た作業を中止する様に指示をしたこと がきっかけとなり、漸く正式の契約に向けての話し合いがまとまったもの。 正式の契約成立までには1ヵ月以上掛かるものと考えられるが、両社は今 回の合意内容を記した共同声明を出して事態の決着を図った。

 また、USAはATKがスペースシャトルの運用を行って来たUSAの熟練技術 者を引き抜こうとしている行為に対し、禁止命令を求める訴訟を起こして いたが、両社は和解に向けての交渉を行うとしている。

  http://www.floridatoday.com/content/blogs/space/2008/10/atk-usa-work-out-
  agreement.shtml


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【081020-11】 カーネギーメロン大の月面ロボット、ハワイのマウナケアでフィールドテスト
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 カーネギーメロン大学のロボット研究所のField Robotics Center は、 11月1日から13日にハワイの最高峰マウナケア(4,205m)の高度約3,000mの 溶岩地帯でNASAが行う月面での探査に用いる各種機器のフィールドテス トに参加しドリル機能を持ったロボット“Scarab”の試験を行う。

 Scarabは月の南極地帯において4個の車輪で自在に動き回り、必要な地 点でカナダのNorthern Centre for Advanced Technology Inc.(NORCAT) 製のドリルを用いて、深さ1mまでの地質サンプルを取得し、分析するこ とを目的としている。

 昨年の試験で既に、車輪による走行、自動操縦等の機能は確認されて おり、今回はサンプルの取得と分析の試験を行う予定としている。

 採取したサンプルは同じくNORCAT製の粉砕器に掛けられて粉砕されて NASAのIn Situ Resource Utilizationプログラムで開発されたRegolith and Environment Science and Oxygen and Lunar Volatile Extraction (RESOLVE)に取り込まれ、摂氏約900度に加熱され、発生するガスがガス クロマトグラフによって分析される。

 Scarabの開発にはNASAのExploration Technology Development Program の資金が投入されている。

  http://www.cmu.edu/news/archive/2008/October/oct14_scarabhawaii.shtml

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【081020-12】 中国、パキスタンの通信放送衛星を2011年に打ち上げ
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 10月16日、中国におけるロケット打上げサービス提供企業である中国長 城工業総公司(CGWIC)はパキスタンの通信放送衛星PakSat 1Rの打上げに 係る契約を結んだことを明らかにした。

 CGWIC及びその副契約者で、衛星の設計、製造、最終組立と試験及び打 上げの全責任を負う形の契約で、打上げは長征3Bにより2011年に行われる 予定。

 また、衛星の地上管制施設は、衛星が軌道に投入され正常であることが 確認された後にパキスタンの機関に引き渡されることとなっている。

 今回の契約は、パキスタンのザルダリ大統領の北京公式訪問に合わせて 同大統領と中国の胡錦涛国家主席の見守る中で結ばれたもの。

  http://news.xinhuanet.com/english/2008-10/16/content_10206116.htm

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【081020-13】 FAA、Armadillo製のエンジンを装備したRocket Racerに
          限定付き飛行許可
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 10月14日、ロケットのレースをプロモートするRocket Racing League (RRL)はレースに用いることを予定しているArmadillo Aerospace製のエ ンジンを装備したRocket Racerに対して、米国の連邦航空局(FAA)からエ キシビション飛行に限られてはいるが、飛行許可を取得したことを明ら かにした。

 Rocket Racerのエンジンは液酸/ケロシンを推進薬とするXcor Aerospace 製のものと、液酸/エタノールを推進薬とするArmadillo Aerospace 製のものがあり、Xcor Aerospace製のエンジンを装備した機体は、既に 7月末から8月初めに公開飛行を行っていたが、レース用に採用される可 能性が高いArmadillo Aerospace製のエンジンを装備した機体は、非公 開の試験飛行しか行えない状態であった。
(関連記事:【080901-05】)

 今回の許可取得で、RRLでは、FAAが認めている20箇所余りの飛行可能 場所から8箇所を選んで、Armadillo Aerospace製のエンジンを装備した Rocket Racerの公開飛行を行うとしている。

  http://news.prnewswire.com/DisplayReleaseContent.aspx?
  ACCT=104&STORY=/www/story/10-14-2008/0004903762&EDATE


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【081020-14】 X PRIZE Cupの開催場所変更・・・
          Lunar Lander Challengeは一般公開せず
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 10月16日、X PRIZE Foundationは今年のNorthrop Grumman Lunar Lander Challengeの開催場所を急遽変更すると共に、限られた観衆の前で行うこと を明らかにした。

 昨年と同様に、米国ニューメキシコ州アラマゴルドにあるホロマン空軍 基地(Holloman AFB)で開催されるHolloman Air & Space Expoに合流する形 でX PRIZE Cupを開催し、その中の目玉イベントとしてLunar Lander Challenge を多くの観衆の前で行う計画であったが、約6週間前にホロマン空軍 基地から、今年は機密の行事が行われる関係で急遽Air & Space Expoを開 催しないことになったとの通告を受けた。

 これに伴い、日程の変更或いは観衆を受け入れられる場所の確保が難し いとの判断から、場所を2005年と2006年に開催したLas Cruces International Airportに変更し、Lunar Lander Challengeの観客は近くの会場で 開催されるInternational Symposium for Personal and Commercial Spaceflight の参加登録者に限るとの決定をしたもの。なお、競技の模様はイ ンターネットでリアルタイムで配信される。

 X PRIZE Cupでは、地域の児童生徒を対象とした教育デイを10月22日から 24日にアラマゴルドのNew Mexico Space Museumで開催し、23、24の両日に 空港でLunar Lander Challengeを行うとしている。

 Northrop Grumman Lunar Lander Challengeは、NASAがCentennial Challenges プログラムの下で提供する200万ドルの賞金を目指して行われる競 技会で、月周回軌道から月面への往復を模す形で、2点間の移動、到達高 度とその維持時間、短時間での飛行の繰り返し等の課題にチャレンジする もの。

  http://www.lcsun-news.com/ci_10741760

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