入会案内
コンテンツ
KU-MAについて
リンク
会員向け
KU-MAの
おすすめ

惑星MAPS
〜太陽系図絵〜


宇宙飛行の父
ツィオルコフスキー
人類が宇宙へ行くまで


ニッポン宇宙開発秘史―元祖鳥人間から民間ロケットへ


世界でいちばん素敵な
宇宙の教室


超巨大ブラックホールに迫る
「はるか」が作った3万kmの瞳


自然の謎と
科学のロマン(上)

Newton編集長の実験と工作動くもの浮くものの不思議

Newton編集長の実験と工作─光や電気の不思議─


小惑星探査機「はやぶさ2」の大挑戦 太陽系と生命の起源を探る壮大なミッション


新しい宇宙のひみつQ&A


宇宙人に会いたい!: 天文学者が探る地球外生命のなぞ


宇宙の始まりはどこまで見えたか? 137億年、宇宙の旅

他にもおすすめがあります

<<第20号メルマガ一覧第22号>>

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
メールマガジン「週刊KU-MA」 第21号          [2008.11.19]
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■目次----------------------------------------------------------------
(1)YMコラム
     「インドの月面プローブと太陽系外惑星の写真」

(2)ワンダフル宇宙
     「地域がみんなで子どもを育てる雰囲気―宇宙の学校の効用(3)」

(3)宇宙関連ニュース「宇宙茫茫」
----------------------------------------------------------------------
■YMコラム(21) 2008年11月19日
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 インドの月面プローブと太陽系外惑星の写真
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1 インドの月面衝突プローブ成功!

 さる10月22日にインドのスリハリコタの発射場から打ち上げられたチャ ンドラヤーン1号は、さる11月8日に高度100 kmの月周回軌道に入りました。 そして高度100 kmの円軌道に投入された2日後の11月14日(金)午後8時31 分(インド時間)にMIP(月面衝突プローブ)を分離し、25分後に月面に無 事衝突させることに成功しました。この日は、インドの国民の祝日(子ど もの日)であり、それを祝ってプローブの4つの面にインドの国旗を描い てあります。インドの初代首相パンディト・ジャワハルラル・ネルーは18 89年11月14日に生まれました。彼の死後、その誕生日を「子どもの日」と し、その偉大な功績を永遠に記念することにしたものです。

 この35 kgのプローブの主目的は、至近距離で月面を観測することですが、 レーダー高度計、ビデオカメラ、質量分光計を搭載しています。分光計は、 ほとんど何もない月の「大気」に何があるかを調べるためと説明されてい ます。この3つの機器はいずれもESA(ヨーロッパ宇宙機関)が提供したも のです。2010年から2012年の間に打ち上げる予定になっている「チャンド ラヤーン2号」は、ロシアのローバーとランダーを搭載することになって おり、今回のMIPはその将来の軟着陸ミッションの設計に備えるテストにも なっています。なお、プローブの大きさは、375 mm × 375 mm × 470 mm です。

  http://www.space.com/missionlaunches/08114-india-impact-probe.html

 MIPは降下中にロケットエンジンを噴射し、着陸の衝撃を幾分和らげるテ ストも行いました。月の南極地方のシャックルトン・クレーターの近くに 硬着陸したのは、母船から分離してから約30分後のことでした。

  http://ibnlive.in.com/news/india-touches-the-moon-mip-crashlands/78179-11.html

 インドはまた、2020年までには人間を月へ送りたいと発表しており、火 星にも目を向けています。

2 太陽系外惑星の最初の画像

 私たちの太陽以外の星を回っている惑星は、1995年にペガスス座51番星 の周りを4.2日の周期で公転している惑星が検出されて以来、ぞくぞくとそ の数が増えてきて、現在では200個を超える数になっています。ただしそれ らはいずれも大きな惑星が主星を微妙に揺する動きをドプラー効果によっ て捉えたものでした。このたび、140光年彼方の恒星HR8799のまわりを回る 3つの惑星を、ハワイのマウナケア山頂にあるジェミニ天文台とケック天 文台が撮影することに成功しました。

 HR8799星は若い星で、私たちの太陽の1.5倍の重さで、3つの惑星はそれ ぞれ主星から24, 37, 67天文単位(1天文単位は地球と太陽の平均距離で 約1億5000万km)のところを回っており、重さは木星の10倍、10倍、7倍と 見られています。私たちの太陽系においても、ガスの惑星は太陽から遠ざ かるにつれてだんだん小さくなっていきますが、この撮影された惑星系で も同様の分布になっています。この3つの外にも他の惑星があると考えら れていますが、今のところは撮影にかかってはいません。

 また、軌道上にあるハッブル宇宙望遠鏡も、「みなみのうお座」の明る い星フォーマルハウト(25光年彼方)の周りを回る惑星「フォーマルハウ トb」を可視光線で捕えることに成功しました。この惑星は木星の3倍くら いと見られています。1980年代初頭に赤外線天文衛星IRASが、このフォー マルハウトのまわりにダストの雲を発見して以来、惑星探しの有力候補に なっていました。2004年には、ハッブル宇宙望遠鏡のカメラが、フォーマ ルハウトのまわりを可視光線で初めて捕らえ、直径3000万km以上に及ぶ惑 星系初期のダスト円盤を解像して見せました。そこには円盤内側の縁もく っきりと映っていました。

 ドプラーでなく、画像として得られることにより、今後は太陽系外の惑 星をより詳しく研究することが可能になります。いよいよ木星型だけでな く、地球型の固い表面を持つ惑星の見つかるのがいつごろか、楽しみにな ってきましたね。それはまるで私たちの太陽系におけるカイパーベルトの ような感じでした。そしてこのたび、ハッブル宇宙望遠鏡は、その円盤の 内側の縁のさらに内側30億kmのところに一つの惑星を見たのです。

 撮影は、コロナグラフで主星を隠す方法で行われました。そうしなけれ ば主星が明るすぎて惑星が見つけられないのです。この惑星「フォーマル ハウトb」は、主星フォーマルハウトから170億km離れた軌道を回っていま す。私たちの太陽系との比較で言えば、太陽と土星の距離の約10倍ですね。 木星の3倍にしては明るすぎるので、ひょっとしたら土星のようなリング を持っていて、主星の光を強烈に反射しているのかも知れません。2013年 にはハッブル宇宙望遠鏡の後継機であるジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡 が打ち上げられます。この望遠鏡は、近赤外線や中間赤外線の波長で(コ ロナグラフを使って)フォーマルハウトを観測するでしょうし、今度見つ かった惑星以外の惑星も見つける公算が大きいです。

  http://www.nasa.gov/hubble

  http://www.washingtonpost.com/wp-
  dyn/content/article/2008/11/13/AR2008111302267.html


■ワンダフル宇宙(21) 2008年11月19日
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 地域がみんなで子どもを育てる雰囲気――宇宙の学校の効用(3)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 「宇宙の学校」のスクーリングは、体育館のような広い場所をお借りし て実施します。たとえば100家族の参加があれば、体育館にビニールシート を敷いて(あるいは机と椅子で)10家族ずつ10くらいのグループに分けて、 実験や工作の作業を行います。

 たとえばそこでペットボトル・ロケットを作るとします。それぞれの子 どものそばには、それぞれのお父さんやお母さんがそばについています。 でもあまりこういった工作に慣れていないお母さんがいた場合、途方に暮 れたままの子どもや、見当違いのやり方を平気で進める子どもたちがいま す。お母さんはぼんやりそれを眺めています。

 その隣りで自分の子どもとの作業が一段落したお父さんが気が付き、 「あ、ぼく、それではだめだよ」──思いもかけない人から突然声をかけ られて、どきっとして振り向く子ども。そう、「知らないおじさんから声 をかけられたら用心しなさい」と常々教えられているのです。でもこの場 合は周りにいっぱい人がいるし、何となく大丈夫そう。しばらくすると、 親切に作り方をコーチしてもらったそのおじさんとすっかり仲良しに。お まけにお母さんとそのおじさんも「どこにお住いですか」などと打ち解け ているのです。みんなで助けあって子どもたちを育てていこう──そんな 雰囲気が「宇宙の学校」には溢れているのです。

 さて「宇宙の学校」のテキスト(宿題が載っているリーフレット)には、 先週も書いたように、教科書にある学年や単元などとのつながりが示唆し てあって便利です。しかし、「宇宙の学校」のテキストと学校のテキスト (教科書)は、ちょっと異なった考えで編集されています。学習指導要領 に則った学校のカリキュラムが、子どもが学習する知識を体系的にまとめ てあるのに対し、「宇宙の学校」の宿題の一つひとつは、身の周りで出会 う非常にありふれた事象から出発しているのです。

 たとえば、現在は小学校の学習には「色」についての勉強が含まれてい ません。でも子どもたちの身近はさまざまな色で溢れていますね。色を知 らなければ生活ができないでしょう。また、子どもたちが出会う現象には、 「飛ぶ」ことに関係したことがいっぱいありますね。学校のカリキュラム では「飛ぶ」ことを体系化したりはしないでしょうが、「宇宙の学校」で は、身の周りから「飛ぶ」という視点からいろいろなことを教材化できま す。

 ・飛ぶ種を採集して飛ばしてみよう
 ・種の飛ぶ秘密を見つけてモデルをつくろう
 ・熱気球をつくって揚げよう
 ・小さな「たこ」をつくって揚げよう
 ・紙飛行機を作って飛ばそう
 ・竹とんぼを作って飛ばそう
 ・いろいろなロケットを作って飛ばそう
 ・ロケットが飛ぶ仕組み

 などなど「飛ぶ科学」として、子どもたちの興味から出発して楽しむこ とができるわけです。これらの中から、ロケットのこととか熱気球のこと など、家庭ではちょっと大げさになりそうなものは「宇宙の学校」のスク ーリングでデモンストレーションをして、他の身近なテーマは、宿題とし て家庭で家族ぐるみで楽しくやればいいわけです。

 おまけにどこの地域も、他の地域にない特色があるでしょう。たとえば それは織田信長のような歴史上の人物だったり(小牧市)、海辺の生き物 に簡単に接することができる地域であったり(長崎市、那覇市)、リンゴ のおいしい地方だったり(青森市)、……。そうした地域色を最大限に活 かしたテーマを「宇宙の学校」のテキストに採り入れれば、その地域で親 しまれることになるでしょう。「宇宙の学校」を開催する地域の人たちが、 周囲の子どもたちにより近いテキストを工夫するといいですね。こうして、 「地域に根ざした地域の宇宙の学校」が、みなさんの地域を変えていくこ とができるでしょう。国分寺などは、「宇宙の学校」が子どもと子どもを、 親と親を結びつけ、市長さんや教育長さんの心をひきつけています。市長 さんの「施政方針演説」に「宇宙教育」という言葉が堂々と登場している んですよ。

 さあ、次の週には、「宇宙の学校」が小学校や中学校を変えていく展望 についてお話しすることにしましょう。

■宇宙茫茫ヘッドライン
───────────────────────────────────
【081117-01】 Endeavour、ISSと無事ドッキングしSTS-126ミッション順調に推移
【081117-02】 インドのChandrayaan-1、最終軌道への投入を経てMIPを月面に落とす
【081117-03】 NASAの火星着陸機Phoenix Mars Lander、遂にミッション終了
【081117-04】 NASAの火星ローバSpirit、ダスト・ストームの来襲で電力低下
【081117-05】 中国、嫦娥一号撮影の全月球画像を公開
【081117-06】 中国製のナイジェリア初の通信衛星NigComSat-1、機能を停止
【081117-07】 ロシアのISSへの補給機Progress、ISSから分離…推進系の実験を実施
【081117-08】 NASA、Ares I/Ares Vの上段用のエンジンJ-2Xの詳細設計審査終了
【081117-09】 NASA、ハワイで月面ローバ等の試験を実施
【081117-10】 チェコ共和国、ESAの18番目のメンバー国に
【081117-11】 Sea Launch、イタリア国防省の通信衛星SICRAL 1Bの打上げ準備を開始
【081117-12】 カナダ宇宙庁、MDAとRadarSat-2の後継となる衛星群の設計契約締結
【081117-13】 NEC、新開発の標準バス採用の小型衛星のモックアップを展示
【081117-14】 NASA、コロラド大学の観測ロケットプログラムに資金提供
【081117-15】 中学の先生の微小重力体験、生徒の理数離れを防ぐ効果大
【081117-16】 JAXAのウェブサイト内の注目記事へのリンク
─────────────────────────────────────
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【081117-01】 Endeavour、ISSと無事ドッキングしSTS-126ミッション順調に推移
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 11月14日19:55EST(15日09:55JST)、NASAはケープカナベラルからSTS- 126ミッションEndeavourの打上げを行い、ISSへ向かう軌道への投入に成功 した。(注:ESTはケープカナベラルがある米国東部の標準時間)

 クルーは、コマンダーがChris Ferguson、パイロットがEric Boe、ミッ ションスペシャリストがDonald Pettit、Steve Bowen、Heidemarie Stefanyshyn-Piper、 Shane Kimbrough及び Sandra Magnusの合計7人で、主要 ミッションは不具合を起こしている太陽電池パドル回転機構(Solar Alpha Rotary Joint:SARJ)の修理と長期滞在クルーが6人になることに備える居 住環境の整備である。ISSとのドッキング後にミッションスペシャリストの Sandra Magnusは、ISSに長期滞在中のGreg Chamitoffと交替をし、約3ヵ月 間ISSに滞在する予定となっている。Chamitoffは他の6人と一緒にEndeavour で地上に帰還する。

  http://www.nasa.gov/home/hqnews/2008/nov/HQ_08-294_STS126_launch.html

 打上げの翌日には、センサ付き検査用延長ブーム(OBSS)用いて機体外部 の熱防御システム(TPS)の点検を行った。点検結果のクイックルックでは、 問題となる様な損傷は発見されていない。なお、打上げ時の上昇中に機体 尾部の耐熱ブランケットが少々めくれていたことが、地上から取得した画 像で確認されていたので、この部分の画像取得も行った。この部分は帰還 時に高温にはならないので、安全上の問題となる事態ではない。取得した 画像は地上に送られTPSの健全性確認に用いられる。

  http://www.nasa.gov/mission_pages/shuttle/shuttlemissions/sts126/news/STS-126-
  03.html


 飛行3日目にEndeavourはISSに近付き、ドッキングの前にISSの下方約18 0mで機体を縦に360度回転させ、ISS内部から機体外部の写真撮影を行った。 この画像も地上に送られTPSの健全性確認に用いられる。

 ドッキングは11月16日16:01CST(17日07:01 JST)に無事完了した。 (注:CSTはヒューストンがある米国中部の標準時間)。その後、同日の18: 16CSTには、EndeavourとISSの間のハッチが開けられ、両クルーの共同作業 が開始された。

  http://www.nasa.gov/mission_pages/shuttle/shuttlemissions/sts126/news/STS-126-
  05.html


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【081117-02】 インドのChandrayaan-1、最終軌道への投入を経てMIPを月面に落とす
 
関連記事:【081110-01】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 11月12日、インド宇宙研究機構(ISRO)は、月探査機Chandrayaan-1を最 終目標である高度100kmで月の極地域の上空を通過する軌道へ無事投入し たことを明らかにした。

 月周回軌道に入ってから、3日間に3回の液体ロケットエンジンによる軌 道修正を行ったもので、この間のエンジンの燃焼時間は合計で約16分間で あった。また、打上げ以来のこのエンジンの作動回数は10回であった。

  http://isro.org/pressrelease/Nov12_2008.htm

 14日には、搭載していた質量34kgのMoon Impact Probe(MIP)を切り離し 月面に向かわせた。MIPは母機からの分離後安全な距離まで離れた所でスピ ンロケットに点火をして姿勢の安定を図り、その後ロケットモータの燃焼 により減速をして、月面に向かって落下を開始し、25分後に月の南極付近 の月面に衝突してその任務を終了した。

 この間、搭載しているカメラ及び観測機器により、画像、高度情報、ス ペクトル情報を取得し母機に送って来ている。母機ではデータを記憶装置 に保存し、後刻地上への送信を行う予定。

 なお、箱形のMIPの外側にはインドの三色旗(サフラン、白、緑)が描かれ ており、また、月面に到達した11月14日は1962年にインドが宇宙開発プロ グラムを始めた時の首相、Jawaharlal Nehruの生誕記念日であった。

  http://isro.org/pressrelease/Nov14_2008.htm

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【081117-03】 NASAの火星着陸機Phoenix Mars Lander、遂にミッション終了
 
関連記事:【081103-02】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 11月10日、NASAは5月25日に火星に着陸して以来想定された3ヵ月のミッ ション期間を超えて観測を続けて来たPhoenix Mars Landerのミッションの 終了を宣言した。

 着陸地点の日射が減ることに加えてダスト・ストームの来襲で予想より やや早く11月2日を最後に地球との通信が途絶え、1週間を経過した時点で のミッションの終了宣言となったもの。

 収集したデータの解析はこれから本格化するが、これまでに、2002年に 火星周回の探査機Odysseyが上空から検知していた火星土壌中の“水”の存 在の確認、25,000枚に上る画像(パノラマ写真から原子レベルの顕微鏡写真 まで)の取得等の成果を上げている。

  http://www.nasa.gov/home/hqnews/2008/nov/HQ_08-284_Phoenix_Finishes_Mission.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【081117-04】 NASAの火星ローバSpirit、ダスト・ストームの来襲で電力低下
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 11月11日、NASAのジェット推進研究所(JPL)は、既に5年近くの間火星で の探査を続けて来たローバSpiritの電力レベルがこれまでになく低下し、 8日以来通信が途絶えた状態であることを明らかにした。

 電力低下の原因は、大規模なダスト・ストームにより太陽光が遮られ太 陽電池による発電量が低下したためである。

 JPLではSpiritが電力低下のために自動的に予め用意されている“低電力 故障モード”に切り替わることを避けたいとしており、切ることが可能な ヒータを切ったり、地球との交信を14日迄行わない様にする省エネのため のコマンドを送っている。

  http://www.jpl.nasa.gov/news/news.cfm?release=2008-210

 その後、ダスト・ストームが収まって来たことが火星周回中のMars Reconnaissance Orbiterから確認されているが、14日に受信したデータを分析 した結果、1日当たりの発電量はストームが最盛のころの89wHから161wHに回 復はしているものの、太陽電池パネルに堆積したダストの影響で、入射した 太陽光の発電に役立つ比率がストーム前の33%から30%に低下していること もあり、今後電力節約モードを数週間続けることとなった。その期間は、11 月30日から2週間の間、太陽が地球と火星の間に入るために地球との交信が できない状態になるので、少なくとも交信の再開までとなる。

  http://www.jpl.nasa.gov/news/news.cfm?release=2008-214

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【081117-05】 中国、嫦娥一号撮影の全月球画像を公開
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 11月12日、中国国防部の国防科学技術工業委員会は、月周回探査機“嫦 娥一号”(Chang’e-1)が撮影した画像に基づく全月球画像を報道陣に公開 した。

 中国では公開した画像はこれまでに得られた最も完全で最も詳細な全月 球画像であるとしている。

 嫦娥一号は2007年10月に打ち上げられ11月7日に高度200kmでの月周回軌 道に投入されており、ほぼ1年での成果の公表であった。

 当初は月の北緯70度から南緯70度の地域の画像取得を目標としていたが、 カメラの状態が良く、南北両極地域についても高解像度の画像が得られた としている。

  http://news.xinhuanet.com/english/2008-11/12/content_10347379.htm

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【081117-06】 中国製のナイジェリア初の通信衛星NigComSat-1、機能を停止
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 11月13日、ナイジェリア政府は、同国初の通信衛星NigComSat-1が11日 の早朝にバッテリの充電ができない状態になり、機能を停止したことを明 らかにした。

 NigComSat-1は製造から打上げまでを一括して中国が国際競争に勝って 受注したもので、製造には中国長城工業公司が当たり、東方紅4号をベー スとしている。契約額は3億4,000万ドルとされており、打上げは2007年5 月14日に長征3号Bにより行われた。

 ナイジェリア政府は、保険金による衛星の製作、打上げを直ちに行いた いとしているが、NigComSat-1には、運用してみると、使用している周波 数の関係で雲やサハラ砂漠からの砂塵に空が覆われている時には通信がで きないとか、他の衛星で使用している周波数と同じ周波数を使用している ことから干渉が起こるといった不都合があったとされており、直ちに同じ 仕様で製作に掛かるという状況ではないとの報道もある。

  http://www.thisdayonline.com/nview.php?id=127995

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【081117-07】 ロシアのISSへの補給機Progress、ISSから分離…推進系の実験を実施
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 11月14日、ロシアは、9月10日に打ち上げられ、17日以来ISSにドッキン グしていた無人の物資補給船Progress M-65をISSから切り離した。

 今回も前回のM-64と同じくそのまま大気圏に再突入するのではなく、12 月7日までの予定で単独で軌道上に留まり、推進系に関連した実験(Plazma Progress Program)に用いられることとなっている。

  http://en.rian.ru/russia/20081114/118323641.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【081117-08】 NASA、Ares I/Ares Vの上段用のエンジンJ-2Xの詳細設計審査終了
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 11月13日、NASAはPratt and Whitney Rocketdyneで進められている新し いエンジンJ-2Xの開発に係る詳細設計審査(Critical Design Review:CDR) が終了したことを明らかにした。なお、審査会はNASAのマーシャル宇宙飛 行センタで行われた。

 このエンジンは、NASAのConstellation Programの中で有人ミッション打 上げ用ロケットAres Iの上段及び、月への物資輸送用の大型ロケットAres V の地球出発用ステージに用いられる予定のエンジンで、今回のCDRの終了を 受けて、製造段階に移行し、2010年の秋にはフルスケールの地上燃焼試験 を行う計画となっている。

  http://www.nasa.gov/home/hqnews/2008/nov/HQ_08-290_J2XCDR.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【081117-09】 NASA、ハワイで月面ローバ等の試験を実施
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 11月13日、NASAは約2週間に亘ってハワイの最高峰マウナケア(4,205m)の 高度約3,000mの溶岩地帯で行っていた月面ローバと月面での酸素製造技術 に関するフィールドテストが無事終了したことを明らかにした。

 NASAのIn Situ Resource Utilizationプログラムの下で企業、大学、NA SAの幾つかのフィールドセンタ更にはカナダ宇宙庁が開発した様々なロー バ、掘削機、酸素製造設備、活動支援機器等がテストされた。

 このプログラムは、月面に降り立った宇宙飛行士が月の資源を利用して 月面での活動に必要な物資、特に酸素を作り出す手法を研究することを目 的としている。

  http://www.nasa.gov/home/hqnews/2008/nov/HQ_08-288_Rover_Hawaii_Tests.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【081117-10】 チェコ共和国、ESAの18番目のメンバー国に
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 11月14日、ESAは12日付けでチェコ共和国がESAの18番目のメンバー国と なったことを明らかにした。

 2008年6月にESAへの正式加盟に関するESAとチェコ政府間の合意書の署 名が行われており、この度この合意書のチェコの国会での承認が終了し加 盟の運びとなったもの。

 正式加盟を受けて、ESAとチェコ共和国は、2014年12月31日迄の移行期 間に入ることになる。この間に特別のタスクフォースが設けられ、ESAの 長官に対してチェコの企業、科学者、その他の組織をESAの求めるところ に適応させるための手段の遂行についての助言を行う。

  http://www.esa.int/esaCP/SEMRNE5KXMF_index_0.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【081117-11】 Sea Launch、イタリア国防省の通信衛星SICRAL 1Bの打上げ準備を開始
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 11月14日、Sea Launchは同社の母港である米国カリフォルニア州ロング ビーチにある衛星整備施設でTelespazioとの間で打上げ契約を結んでいる イタリア国防省の通信衛星SICRAL 1Bの打上げ準備が始められたことを明 らかにした。打上げはZenit-3SLによって2009年1月に予定されている。

 衛星はThales Alenia Space製で(契約時はAlcatel Alenia Space)、イ タリア軍関係の通信に供される他、陸海空の移動体通信及びNATO軍へUHF、 SHFでの通信を提供する。

 なお、TelespazioとThales Alenia Spaceは共に、フランスの電子機器 大手Thales S.A.とイタリアの航空宇宙大手Finmeccanicaの合弁企業であ る。

  http://www.sea-launch.com/news_releases/nr_081411.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【081117-12】 カナダ宇宙庁、MDAとRadarSat-2の後継となる衛星群の設計契約締結
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 11月14日、カナダ宇宙庁(CSA)は、MacDonald, Dettwiler and Associates Ltd.(MDA)との間で、地球観測衛星RadarSat-2の後継の衛星の設計に 関する契約額4,000万ドル、契約期間16ヵ月の契約を結んだことを明らか にした。

 RADARSAT Constellationと称される小型の衛星3基からなる衛星群によ って地球観測を行うシステムで、最初の衛星は2014年春に、残りは2015年 夏と、2016年秋の打上げを想定している。

 RadarSat-2が質量2.4トンで高度800kmの軌道であるのに対し、新しい衛 星は1.2トンで高度600kmを予定している。

 RADARSAT Constellationについては2006年3月にMDAに概念設計の契約が 出されたが、2007年度には契約が続かず、今回漸く設計に着手の運びとな ったもの。

 この計画進展の遅れには、2007年12月に元宇宙飛行士のSteve MacLean がCSAの長官に就任するまでの3年弱の間に1人の長官と2人の代理長官が通 り過ぎていくというCSAのトップ人事の不安定さがあったことが否めない とされている。

 Steve?MacLeanは、11月中にもカナダの長期の宇宙計画を明らかにして いくとしており、カナダでは今回の契約を最初として、新しいプロジェク トが動き出すことが期待されている。

  http://www.cbc.ca/technology/story/2008/11/14/radarsat-constellation.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【081117-13】 NEC、新開発の標準バス採用の小型衛星のモックアップを展示
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 11月11日から13日に東京国際フォーラムを会場として開催したプライベ ートイベントiEXPO2008において、日本電気(株)(NEC)は、新開発の標準バ ス採用の小型衛星のモックアップを展示した。

 標準バスでは、機器間を標準ネットワークで繋げ、オープンアーキテク チャや民政技術を積極的に採用しており、バス部構体の大きさは950mm立法、 バス部の質量は200kg、搭載可能なミッション機器は最大200kgとしている。

 展示した小型衛星は地上の撮影を目的とした衛星で、高度500kmの軌道上 から解像度3mでの画像取得を目指しているとしている。

  http://www.nec.co.jp/space/technology/small_satellite.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【081117-14】 NASA、コロラド大学の観測ロケットプログラムに資金提供
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 11月13日、米国のコロラド大学は、NASAから同大学のCenter for Astrophysics and Space Astronomy (CASA)が行っている観測ロケットプログラ ムへの200万ドルの資金提供が決まったことを明らかにした。

 資金提供を受けるのは、6名ほどの大学院生と教授のチームが宇宙のX線 放射を観測するロケットを打ち上げるプログラムで、ロケットの設計、製 造、及び計測機器の改良を行いながら、4機のロケットをニューメキシコ 州のホワイトサンズミサイル射場から打ち上げる計画となっている。

 最初の打上げは2009年6月に予定しており、1,500光年の距離にある白鳥 座のループ(Cygnus Loop)のX線放射を観測する。

 その後の2011年、2012年、2013年の打上げでは、計測機器の感度を高め つつより微弱な目標を捉える計画で、最後の打上げでは太陽系を取り巻い ている“Local Hot Bubble”からのX線放射を観測することを目指している。

 CASAでは30年以上に亘ってこの様な観測ロケットプログラムを続けてお り、それぞれのプログラムのリーダーを務めた学生は、観測で得られたデ ータを用いた論文で打上げの約1年後には博士号を取得するのが通例だと している。

  http://www.dailycamera.com/news/2008/nov/13/nasa-awards-cu-2m-grant-sounding-
  rockets/


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【081117-15】 中学の先生の微小重力体験、生徒の理数離れを防ぐ効果大
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 11月13日、Northrop Grumman Foundationは、3年目を迎えた中学校の理 数系の教師に航空機による微小重力を体験して貰うWeightless Flights of Discovery Programの終了に合わせて、過去2年間の参加者205人へのアンケ ートの結果を明らかにした。

 このプログラムでは、選定された教師達は飛行の数週間前に1日のオリエ ンテーションを受け、その後、飛行中に行うニュートンの運動の法則を実 体験する実験の準備を行い、パラボラ飛行を行うBoeing 727で実現する、月 の重力、火星の重力、及び宇宙空間での微小重力を模擬した状態での実験を 行う。

 このプログラムは、飛行後の教師達が、教室に自らの新たなる熱意と、飛 行中の実体験と実験のビデオとを持ち帰り、生徒達に科学・技術・工学・数 学(英単語の頭文字を取ってSTEM)に興味を持たせる教育を行う様になってく れて、その結果として、将来STEM関係の職に就きたいという生徒が増えるこ とを期待している。

 アンケートの結果では95.6%の教師が自らの経験を授業に取り入れており、 91.9%が生徒の科学への興味の顕著な増大を認めており、74.6%が上の学校 へ行ってSTEMの学習を続けたいという希望を述べる生徒が増えたとしている。 また、77.8%が、STEM関係の職に就きたいという希望を述べる生徒が増えた と報告している。

 今年も、“Science is Cool”というメッセージを持った教師達が教室に 戻って行っており、その教師達に接する生徒の数は3年間で25,500人に上っ ている。

  http://biz.yahoo.com/pz/081113/154579.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【081117-16】 JAXAのウェブサイト内の注目記事へのリンク
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
11/10 超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)を利用した海外との
     マルチキャスト実験の結果について

11/11 ISS組立てミッション(STS-131/19A)に参加する日本人宇宙飛行士の決定について
11/11 ISS・きぼうウィークリーニュース第318号
11/11 国立大学法人北海道大学との連携協力協定
11/11 映像ソフトの貸出「ペンシルからM-Vまで」「BepiColombo計画」「ISAS in Space」
11/11 東北大・河北新報社・JAXA共催イベント開催決定!
11/12 TRMM×GoogleEarth研究室がオープンしました
11/12 陸域観測技術衛星(ALOS)データ利用シンポジウム〜
    「だいち」が拓いた宇宙利用の世界〜の開催について

11/13 宇宙ブランド「JAXA COSMODE PROJECT」の付与状況について
11/14 宇宙連詩:第12詩を3行詩で公募
11/14 2008年度日本−ブラジル共同気球実験
11/14 「宇宙を教育に利用するためのワークショップ」発表者選考結果のお知らせ
<<第20号メルマガ一覧第22号>>

TOPKU-MAについて入会案内リンク会員向け

このサイトの内容の無断転載・複製を禁止します