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メールマガジン「週刊KU-MA」 第30号          [2009.1.28]

■目次

(1)YMコラム
     「小惑星2008 TC3が予想通り大気圏突入」

(2)ワンダフル宇宙
     「視点・論点「宇宙の学校」」

(3)宇宙関連ニュース「宇宙茫茫」

■YMコラム(30) 2009年1月28日

 小惑星2008 TC3が予想通り大気圏突入

 昨年の10月7日午前2時46分(世界標準時)ごろ、2008 TC3と名づけられ た小惑星がアフリカのスーダン上空で大気圏に突入し、まばゆいばかりの 「火の玉」と化し、激しく炎上しながら大気中で消滅したそうです。日本 では見られなかったのですが、ヨーロッパとアフリカの一部で、その爆発 的に燃え上がる様子を目撃されたと言います(この地上からの目撃につい ては、未確認情報)。

 なんだ、流れ星ならいつものことじゃないか、と言われるかもしれませ んが、これが大ニュースなのは、地球との「衝突」が前もって分かってい たということです。この小惑星2008 TC3の場合、地球との衝突が事前に予 測されていて、しかも本当にぶつかったのですから、私たち自身が見過ご すことのできない重大なできごとだと思いますね。

 2008 TC3は、その大気圏突入のわずか1日前の10月6日に発見されたもの です。もちろん、今回の場合は、多くの流れ星と同じで、濃い大気に高速 度で突っ込んで来た結果、炎上し、粉々に砕けて消滅したわけですから、 もし一部が「隕石」として地上に落下しても、それは通常の現象と言える でしょう。

 でもこれがもしもっとうんと大きかったら、と想像すると、これはあま りに怖い事態ですね。2008年10月6日06時39分(世界標準時)、この小惑 星は、月の軌道よりわずか外側の位置を高速で移動しているところを、レ モン山の1.5m望遠鏡によって捉えられました。発見された時は18等級とい う明るさだったそうです。地球に接近してくる小天体(小惑星や彗星)を 系統的に探しているカタリナ・スカイ・サーベイ(CSS)の観測網に引っ かかったのです。

 そして、数時間のうちには、その軌道を解析した結果、この小惑星が地 球に衝突することが確実になりました。10月7日午前2時45分(日本時間午 前11時45分)ごろにスーダン北部上空で大気圏に突入するという予報も発 表されたのです。ただし、大きさの予想としては、大火球になった後で大 気圏で燃え尽きてしまう程度の大きさであると予想されたのです。地表面 には衝突しないが、そのままの軌道を描くと仮定した場合の衝突予想とし ては、

  地表面への衝突時刻: 2008年10月7日02時46分(世界標準時)
  東経 33度 04分,北緯 +20度 36分(アフリカ,スーダン北部),
  地表面への衝突速度は12.9 km/sec

と計算されました(中野)。

 衝突する軌道上にあることが判明してから大気圏突入までわずか1日足 らずでしたし、落下域は人口密度が非常に低いところだったので、2008 TC3の燃える姿を観測したという公式な発表は今のところないようですが、 地球付近の環境情報サイトSpaceWeather.comで、オランダの気象学者が、 落下予想時刻に予想地点付近を飛行していた航空機から短い発光が観測 された、と述べています。

 以下のホームページに、2008 TC3の画像と、中野主一さんの計算によ る衝突軌道などが掲載されています

 http://www.astroarts.co.jp/news/2008/10/07asteroid_2008tc3/index-j.shtml

 以下の中野さんの記事をぜひ見てください。彼とは、もう20年以上もお 会いしていませんが、素晴らしい計算能力です

 http://www.spaceguard.or.jp/ja/mpnews/0138.html

 観測と予測計算は、今やこれほど進んでいるのですが、さて本当に小惑 星が地球に衝突することになると、今のところ成す術はありません。かつ て6500万年前の恐竜絶滅が、恐らくは直径10 kmほどの小惑星の衝突のた めであろうと言われていることは、まったく他人事ではありません。どう すればいいのか、子どもたちとも一緒に真剣に考えていきたいですね。

(YM)

■ワンダフル宇宙(30) 2009年1月28日

 視点・論点「宇宙の学校」

 さる1月20日、NHK教育テレビの「視点論点」という番組で、現在脚 光を浴びつつある「宇宙の学校」の取組みについて紹介しました。この番 組をたまたま見ていた人は意外と多く、後で全国のいろいろな方々から電 話やメールが寄せられました。こんなに反響が大きいのなら、もう一度落 ち着いて読んでいただこうと考え、私の用意していた原稿を、ここに再録 しておきます。9分半、無味乾燥なテレビカメラだけに向かってしゃべり つづけるのは、いやはや実に無機質なことではあります。

「宇宙の学校」(2009年1月20日収録・放送)

みなさん、こんにちは。

1 昨今は、政治への不信が高まったり、不景気が押し寄せたりで、世情 が暗い色彩を帯びていく中で、「未来」や「夢」という言葉が特別の意味 を持つようになってきている感じがします。宇宙そのものや人類の宇宙活 動が、その「夢」と分かちがたく結びついてきたことは、アポロ計画の例 を持ち出すまでもなく明らかですね。

 さてその夢をバックに、子どもたちの心に潜む自然や生き物への好奇心 や冒険心に火をつけようという宇宙教育は、現在着実にその輪を広げてい ます。その宇宙教育で、日本の各地でみなさんから大きな注目と期待を持 たれる「新たな活動プログラム」が開拓されつつあります。「宇宙の学校」 と名づけたプログラムで、これまでJAXA宇宙教育センター、日本宇宙少年 団と昨年6月に設立された子ども・宇宙・未来の会(略称KU-MA)が試験的 にいくつかの地域で実施してきたものです。

 どのようなプログラムか、その「宇宙の学校」のうち、小学校低学年と それ以下の幼児向けの「親子コース」を例にとって、お話ししましょう。

2 全体の流れをご紹介しますと、年間数回のスクーリングと家庭学習か ら成り立っています。第一回のスクーリングは、その地域の学校の体育館 などに、たとえば100家族ぐらいの親子が集まります。熱気球を一緒に作 ったり、いくつかの実験や工作を楽しくみんなでやって一日を過ごします。 そのスクーリングの帰りに、二つ折のテキストが何冊か渡されます。 「宿題」と言っては堅苦しく響きますが、まあ次の第二回のスクーリング までに、家庭で親子で楽しく協力しながらやってきてください、という趣 旨のテキストです。

 初めて実施したのは、東京都下の国分寺だったのですが、私たちとして は、「まあ1冊か2冊ぐらいはやってきてくれるかな」程度の期待だったの です。第一回のスクーリングの後でその時は確か14冊お渡ししたのでした が、驚くなかれ、ほとんどの家族が全部のテキストを実行して第二回のス クーリングに現れたのです。

 びっくりして、何人かのお父さんやお母さんにお話を伺いました。ある お父さんは言いました。「いやあ、この宇宙の学校は、家庭の雰囲気を変 えますねえ。私はたまの休みに子どもと遊んでやらなきゃあと思っても、 近所の公園に連れていくとか、漫画映画を一緒に見に行くとか、あまりい い知恵が浮かばなかったんです。まあそれもいいにはいいのですが、いつ もいつも同じことだと、子どもが【えっ、またぁ!】てなわけで飽きてし まい、最近はとんと子どもとも遊ばなくなっていました。あのスクーリン グの後で、【そう言えばこないだの宇宙の学校で配られたテキストがあっ たな】というので、家族みんなで眺めていたら、実験や工作に使う材料は、 家庭ですぐそばに転がっているようなものばかりだし、やりやすそうだな というので始めたら、これが結構面白くなって、夢中でみんなで競うよう にやりました」というのです。

3 そしてお父さんやお母さんは異口同音に、「考えてみると、ウチで一 家が協力し合って一つのことをあんなに熱心にやったことってあったかし らって、話して、いまさらながら家族が一緒に力を合わせることの大事さ を感じました」と、言ってくれたんです。

 「宇宙の学校」のテキストは、特に低学年の場合は、それほど「宇宙宇 宙」しているわけではありません。たとえば、「アイスクリームを作ろう」 とか、「紙風船を作って遊ぼう」など、自然や生き物、それから科学の実 験に親しんでいく入口になるようなものでいっぱいです。特に今の小学生 のお父さんやお母さんは、小さい頃にあまり学校で実験などをやってもら えなかった世代に当たっているため、この宇宙の学校のテキストにある工 作や実験が面白くなって、逆に親御さんの方が夢中になることがしばしば あるそうです。でもそれでいいのです。みんなで一つのことに取り組むこ とで、親子のコミュニケーションを図れることはもちろん、「あ、ウチの 子にはこんなところがあるんだ」とわが子の新しい面を発見したり、子ど もの方でも「ウチのお父さんも意外とやるなあ」と普段気のつかない親の 「さすがの力」に気づいたりしているうちに、日曜日になると子どもさん が、親の顔を期待の目で見つめるようになればしめたものです。

 国分寺の場合、そうして家庭で親子が取り組んでいる姿を写真にとって 送ってもらい、次のスクーリングの会場いっぱいに貼りだしましたところ、 親子だけではありません、おじいちゃんやおばあちゃん、場合によっては 近所の人たちまでがやってきて大賑わいになりました。

4 そして体育館にビニールシートを敷いて、10家族ぐらいづつグループ を作って作業をしていますと、何か間違った作業をしている子がいると、 となりの子どものお父さんが、「あ、、ぼく、それでは駄目だよ」ってわ けで声をかけます。最近では、「知らないおじさんに声をかけられたら、 振り向いちゃ駄目」とか言って、特に都会では「よその大人はすべて危険 な人たち」という風潮がありますが、この宇宙の学校のスクーリングで交 わるうち、「よそのお父さんにもいい人がいるんだ」というフィーリング も育てることができます。これは、地域づくりにとっても、その子どもの 人間に対する信頼を取り戻す意味でも、非常に貴重な経験になります。

 いま学校で理科の実験をする時には、数人で組になってやることが多い でしょうが、国分寺では、その小学校の理科室のそれぞれのグループの中 に、必ず一人や二人の「宇宙の学校」の経験者が含まれるほどになってい ます。なにしろその子どもたちは、いつもいつも家庭でお父さんやお母さ んと一緒に「宇宙の学校」のテキストをもとに実験や工作をしているので、 そうしたことの段取りがよく、学校のグループ作業でもその力を発揮する ことができますよね。子どもが家庭以外で自分の存在感に気づくことは、 その子の日常や生きていく上での成長にとって、とても大切なことです。

 現在日本中で、「理科離れを何とかしなければ」とか、「子どもの心を 明るくしたい」という考えで、実にたくさんの取組みが進められていて、 まことに心強い限りです。大人が子どものために一生懸命になれば、その 努力は必ず実を結ぶと信じています。ただしそれらが「一発花火」のよう なイベントで終わる限り、その効果が薄いものになってしまいますので、 この「宇宙の学校」のように、イベントとしてのスクーリングが何回かあ ることはともかく、そのスクーリングとスクーリングの間を、お父さんや お母さんと一緒に家庭で楽しくテキストに沿って楽しみながら、子どもた ちの心に芽生えた好奇心やものづくりの心を、日常的・継続的なものに仕 上げていくという試みは、新しいタイプの「学びのかたち」です。

5 家庭に新風を吹き込み、地域の雰囲気作りに貢献し、そして子どもた ちをイベントによるのではなく、日常的・継続的に元気に育んでいく新し い流れを、みなさんも加わって創り上げていきませんか。「宇宙の学校」 は、いま全国の各地で着々と準備されつつあります。JAXA宇宙教育センタ ーや日本宇宙少年団と協力して、NPO「子ども・宇宙・未来の会」(略称 KU-MA)がその実行をお手伝いします。「宇宙の学校」は、みなさんご自 身の力で、家庭を学校を地域を日本を変えていく取り組みです。日本中を 夢に溢れた元気な国にするために、皆さん方の一人ひとりが、この「宇宙 の学校」の輪に入って来られるよう期待しています。

6 今年は、ガリレオが初めて望遠鏡を夜空に向けた1609年からちょうど 400年ということで、「世界天文年」と名づけられ、世界中でいろいろな 取り組みが行われます。人類の初の月面着陸から40年という年でもありま すし、7月22日には日本の南部では皆既日食が見られます。また、あの 「はやぶさ」がイオンエンジンの噴射を再び開始し、本格的に地球帰還の 途につくのを始め、「温室効果ガス観測技術衛星いぶき」の打上げを含む H-2Aロケットの打上げが2回、最新型H-2Bロケットのテストフライト、若 田光一、野口聡一両飛行士の国際宇宙ステーションへの飛行がおこなわれ る年という、宇宙にとってはまことに賑やかな年になります。宇宙教育に とっても、「宇宙の学校」を軸に、飛躍の年にしたいものです。

■宇宙茫茫ヘッドライン

【090126-01】 MHI/JAXA、H-IIAによる「いぶき」(GOSAT)の打上げ成功
【090126-02】 ULA、バンデンバーグから2月4日にDelta IIでNOAA-N Primeを打ち上げ
【090126-03】 Arianespace、ギアナから2月12日に NSS-9、Hot Bird 10他を打ち上げ
【090126-04】 ULA、ケープカナベラルから3月9日にAtlas 5でWGS-2を打ち上げ
【090126-05】 ハッブルメンテナンスミッションとAres I-Xの打上げ時期調整3月に
【090126-06】 Ares I-X用のOrionカプセルと緊急離脱システムのモックアップ完成
【090126-07】 Sea Launch、2010年の秋以降にIntelsat 17を打ち上げ
【090126-08】 ロシア、ISSへの民間人の短期訪問は2009年3月で最後と言明
【090126-09】 中国、2015年までに独自の測位衛星システムを完成予定
【090126-10】 米機関、ソビエト時代の原子炉搭載の衛星の軌道上での分解を確認
【090126-11】 新大統領の下でNASAのGriffin長官離任、後任は未定
【090126-12】 米下院の宇宙・航空小委員会の委員長に宇宙飛行士の妻が就任
【090126-13】 ESA、ALOSへの協力でJAXAから感謝状を受ける
【090126-14】 ESA、ESTECでCubeSatに関するワークショップ開催
【090126-15】 日本で空中発射による衛星打上げシステム研究に着手
【090126-16】 NASA、ビジネスプランのコンテストに80,000ドルの賞金
【090126-17】 SpaceX、実験テーマコンテストの勝者に軌道上での実験機会提供を約束
【090126-18】 JAXAのウェブサイト内の注目記事へのリンク

【090126-01】(関連記事:【081027-05】)
MHI/JAXA、H-IIAによる「いぶき」(GOSAT)の打上げ成功

 1月23日12:54JST、三菱重工業(株)及びJAXAは種子島宇宙センタからH- IIA-F15による温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)の打上げを 行い、所期の軌道への投入に成功した。打上げは当初1月20日に予定され ていたが、天候不順の影響で遅れていたもの。

 http://www.jaxa.jp/press/2009/01/20090123_h2a-f15_j.html

 文部科学大臣談話:http://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/detail/1223052.htm

 宇宙開発委員長談話:http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/uchuu/reports/1223049.htm

 GOSATは、JAXA、国立環境研究所、及び環境省の共同プロジェクトで、 温室効果ガスの全球の濃度分布とその時間的変動を測定する衛星で、京都 議定書に基づく組織的観測の維持及び開発の促進に貢献すると共に地域毎 の吸収排出量の把握や森林炭素収支の評価等の環境行政に貢献することを 主目的としており、質量は1,750kg。ほぼ計画値通りの684.8km×667.4km、 軌道傾斜98.0度の軌道に投入された。(計画値は683.2km×666.8km。)

 今回の打上げでは、以下の7基の小型副衛星が同時に打ち上げられた。 (数字は寸法と質量で何れも概数。)

@ ソラン株式会社の「かがやき」…30×30×30cm、20kg
A 香川大学の「STARS」…20×20×40cm、親機4kg/子機3kg
B 東京都立産業技術高等専門学校の「航空高専衛星(KKS-1)」…15×15×15cm、3kg
C 東京大学の「PRISM」…18×18×35cm、8kg
D 東大阪宇宙開発協同組合の「SHOLA-1」…50×50×50cm、50kg
E 東北大学の「スプライト観測衛星(SPRITE-SAT)」…50×50×50cm、45kg
F JAXAの「小型実証衛星1型(SDS-1)」…70×70×60cm、100kg

 24日、JAXAは、同日17:15に「いぶき」(GOSAT)の姿勢制御系を定常状 態に移行させ、初期機能確認運用の準備が整ったことを確認し、打上げ直 後のクリティカル運用期間を終了したことを明らかにした。今後約3ヶ月 間の初期機能確認運用で衛星搭載機器の機能確認を行う。

 http://www.jaxa.jp/press/2009/01/20090124_ibuki_j.html

【090126-02】
ULA、バンデンバーグから2月4日にDelta IIでNOAA-N Primeを打ち上げ

 1月23日、NASAはバンデンバーグにおいて極軌道環境観測衛星(Polar Operational Environmental Satellite:POES)の一つであるNOAA-N Prime の打上げの準備が進められていることを明らかにした。

 打上げは2月4日にUnited Launch Alliance(ULA)のDelta IIにより行わ れ、高度約860km、軌道傾斜98.73度の太陽同期軌道に投入される予定とな っている。

 NOAA-N Primeは、Lockheed Martin Space Systems Company(LMSSC)製で、 NASAが打ち上げ、米国海洋大気局(NOAA)が運用する衛星で、1960年以来続 いている気象衛星シリーズTIROS(Television and Infrared Observational Satellite)の最新シリーズAdvanced TIROS-Nの最後の衛星である。同シリ ーズの衛星の打上げは2005年5月のNOAA-Nの打上げ以来である。

 この衛星には、気象観測、海洋観測用の機器の他に、遭難した船、航空 機及び人を発見、救助するためのSearch and Rescue Satellite-Aided Tracking (SARSAT)システムの機器も搭載されている。

 なお、この衛星は、2003年9月に、LMSSCのカリフォルニア州サニーヴェ イルの工場で、台座に固定するボルトが外れていることに気付かないまま 点検作業の準備で垂直状態にあった衛星を水平状態に変えようとしたため に、約1mの高さの台座から滑り落ちる形で転倒し、主要な機器類は大きな 損傷を免れたものの衛星自体は大破し、再製作された経歴を持っている。

 http://www.nasa.gov/centers/kennedy/news/releases/2009/release-20090123b.html

【090126-03】
Arianespace、ギアナから2月12日に NSS-9、Hot Bird 10他を打ち上げ

 1月19日、SES NEW SKIESは、Orbital Sciences Corporation製の通信衛 星NSS-9が、フランス領ギアナの射場に無事搬入されたことを明らかにした。

 打上げは2月12日にArianespaceのFlight 187として、Ariane 5 ECAで、 EutelsatのHot Bird 10及び、2基のフランスの軍用の早期警戒衛星Spirale と同時に行われる予定。

 NSS-9はOrbitalのSTAR 2プラットフォームをベースとしており、質量は 2,230kgである。

 http://www.ses-newskies.com/pressreleases_458.htm

【090126-04】
ULA、ケープカナベラルから3月9日にAtlas 5でWGS-2を打ち上げ

 1月21日、米空軍は、次世代の軍事用通信システムWideband Global SAT- COMの2基目の衛星であるWGS-2がBoeing Satellite Systemsの製造工場か らケープカナベラルへ搬入されたことを明らかにした。

 打上げは3月9日に、United Launch Alliance(ULA)のAtlas 5によって行 われる予定。

 http://www.afspc.af.mil/news/story.asp?id=123132115

【090126-05】
ハッブルメンテナンスミッションとAres I-Xの打上げ時期調整3月に

 1月22日、NASAのSpace OperationsのBill Gerstenmaier局長が、5月に 予定されているハッブル宇宙望遠鏡のメンテナンスミッションに向かうス ペースシャトルの打上げ時に、緊急事態に備えて別の射点で別のシャトル の打上げ準備を並行して進めるか否かの最終判断を3月まで先延ばしにし たことが報じられた。

 2003年のColumbiaの事故以降、ISSに向かう以外のシャトルの打上げ時 には救援用のシャトルがすぐに打ち上げられるように備えることが求めら れ、ケープカナベラルの射点39Aで当該ミッションの打上げ準備が行われ る間、射点39Bでもう1機のシャトルの打上げ準備を進めるとの考え方 (dual-pad)が採用されて来たが、今回は、開発中のAres Iの設計データ取 得のための試験機Ares I-Xの打上げに射点39Bを改修して使用する予定で あることから、従来の考え方に従うとスケジュール上の無理が生じること が明らかであるので、調整が必要な状況となっている。

 従来の考え方に従えば、5月12日にハッブルに向かうAtlantisを39Aから 打ち上げ、その間39BでEndeavourの打上げ準備を進めることになり、At- lantisに問題のないことを確認した後、Endeavourを39Aに移したのでは、 7月に予定されているAres I-Xの打上げは射点改修に必要な期間が確保で きないので不可能となる。なお、この場合Endeavourは次に予定している ISSへ向かうミッションとして予定通りの6月13日に打ち上げることができ る。

 ハッブルに向かうミッションの打上げを39Aのみで行うこと(single-pad option)も検討されており、その場合は、先ず救援用のEndeavourの射点で の打上げ準備作業の初めの部分を行った後、Endeavourを組立棟に戻し、 Atlantisの打上げを行い、万一の場合には直ちにEndeavourを39Aに戻して、 可能な限り急いで打ち上げるというシナリオとなっており、この場合は5 月12日予定のハッブルへ向けてのAtlantisの打上げが5月29日に、問題の 無い場合のEndeavourのISSへの打上げが7月13日にずれ込むとされている。

 現状では、シャトル側としては安全上の配慮からsingle-padを認めるか 否かの議論が詰まっておらず、Ares I-X側としては7月の打上げに準備が 間に合うのか否かの詰めが済んでいないという状況であるので、双方の詰 めを3月半ばまでに行って、最終調整を行うこととなった。

 http://www.spaceflightnow.com/shuttle/sts125/090122pads/

【090126-06】
Ares I-X用のOrionカプセルと緊急離脱システムのモックアップ完成

 1月22日、NASAは次期の有人ミッション打上げロケットAres Iの設計に 必要なデータを取得するために行う試験飛行Ares I-Xに使用するロケット の先端部分のモックアップが完成し、近々ケネディ宇宙センタに搬入され ることを明らかにした。

 NASAのラングレー研究センタで設計、製作されたもので、Ares Iに搭載 される有人カプセルOrionとその上に取り付けられる緊急離脱システムの モックアップで、Orionの部分は直径5m、緊急離脱システムの部分は長さ 14mである。この部分には150個のセンサが取り付けられており、試験の際 には表面の圧力分布と温度分布の計測等が行われる。

 NASAでは、この部分の完成で、Ares I-Xの試験に一歩近付いたとしてい る。試験では1段の4セグメントの固体ロケットモータの2分間の燃焼で、 高度約40kmまで上昇し、機体の空力データの取得、制御系の機能確認、1、 2段の分離システムの機能確認、パラシュートによる1段目の回収等を行う ことが予定されている。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2009/jan/HQ_09-014_AresI-X_module_LAS.html

【090126-07】
Sea Launch、2010年の秋以降にIntelsat 17を打ち上げ

 1月19日、Sea Launchは、2008年11月にIntelsatとの間で結んだ5基の衛 星を対象とした複数打上げサービスの契約(関連記事:【081124-14】)の 最初の打上げとして、2010年の秋以降にIntelsat 17の打上げを行うこと を明らかにした。

 Intelsat 17はSpace Systems/Loral (SS/L)の1300プラットフォームを ベースとした衛星で、東経66度に打ち上げられ、Intelsat 704の後継機と なる予定。

 http://www.sea-launch.com/news_releases/2009/nr_090119.html

【090126-08】
ロシア、ISSへの民間人の短期訪問は2009年3月で最後と言明

 1月21日、ロシア連邦宇宙局のAnatoly Perminov長官は、Rossiiskaya Gazetaのインタビューに答えた中で、ISSへ向かうSoyuz宇宙船への民間人 の搭乗は2009年3月が最後となると語った。

 これは、ISSに長期滞在するクルーが6人体制となるのに伴う処置で、最 後の搭乗者は自ら2度目のISS訪問となる米国のCharles Simonyiであり、 その後は2009年秋にカザフスタンの宇宙飛行士を短期訪問者として搭乗さ せるが、それ以降は長期滞在クルー以外を搭乗させる計画は無いとしてい る。

 なお、長官は2009年のロシアのISSへ向けての打上げは有人のSoyuzが4 回、無人のProgressが5回の予定であり、世界的な経済危機の中でも予定 を全うすると語っている。

 http://en.rian.ru/russia/20090121/119734738.html

【090126-09】
中国、2015年までに独自の測位衛星システムを完成予定

 1月18日、中国航天科技集団公司の宇宙航空部の趙小津(Zhang Xiaojin) 部長は中央電子台のテレビにおいて、中国独自の測位衛星システムである “北斗(Beidou)衛星導航系統”(英語名:Compass)を2015年までに完成さ せると語った。

 2000年から2007年にかけて5基の衛星を打ち上げているが、これ等によ るサービスは限定的であり、その後の打上げは行われておらず、衛星の性 能向上が図られているとされている。

 今後、システムの完成までには30基の衛星の打上げが必要とされるが、 2009年、2010年にそのうちの10基を打ち上げるとしている。

 http://news.xinhuanet.com/english/2009-01/19/content_10684404.htm

【090126-10】
米機関、ソビエト時代の原子炉搭載の衛星の軌道上での分解を確認

 1月21日のモスクワ発のAP電は、ロシア宇宙軍の高官が、ソビエト時代 の1987年に打ち上げた衛星Cosmos 1818の一部が2008年7月に軌道上で破損 し、分解しているが、この衛星の高度は約800kmと高いので、ISS及び地上 に危険が及ぶことは無いと語ったと伝えている。

 http://www.google.com/hostednews/ap/article/ALeqM5iSxhGV38dtCSsPp3Zx_p52tXzN_wD95RGFA00

 この衛星については、1月15日に米国のメディアが、NASA のジョンソン 宇宙センタのOrbital Debris Program Officeが1月に発行したOrbital Debris Quarterly Newsに、米国のSpace Surveillance Networkによって、 2008年7月4日に同衛星から幾つかの球形の金属と見られる破片が分離して いることが観測されたとの報告が記されていると報じている。

 Cosmos 1818とその後に打ち上げられたCosmos 1867は、熱電子変換を用 いた宇宙用原子炉発電システムを搭載していることで知られており、球形 の金属とされる物体は原子炉の冷媒であるナトリウムカリウム合金(sodium potassium)と考えられるとしている。

 これらの衛星は5ヶ月及び11ヶ月という短期間で機能を停止しているが、 その後の軌道上での熱サイクルによる疲労か、小さな宇宙塵の衝突によっ て冷媒の配管が破壊して漏れ出したものと見られている。

 http://www.space.com/news/090115-soviet-satellite-cosmos-1818.html

【090126-11】
新大統領の下でNASAのGriffin長官離任、後任は未定

 1月16日、NASAのMike Griffin長官は3連休明けの20日からのオバマ新政 権下では長官職に留まらないことから、スタッフを前に最後の挨拶をして NASAを去った。

 最後の挨拶では、大統領選挙の直後に、オバマ次期大統領がGriffinの 留任を求めないことがはっきりした後も、変わらずに自分に尽くしてくれ たことへの謝意が述べられた。

 長官と共に、副長官のShana DaleもNASAを去ることとなったので、16日 にブッシュ大統領が最後の指令として、Associate AdministratorのChris Scoleseを新大統領が長官を指名するまでの長官代行に指名した。Scolese はNASA在職22年のベテランである。

 http://www.space.com/news/090121-nasa-chief-interim.html

【090126-12】
米下院の宇宙・航空小委員会の委員長に宇宙飛行士の妻が就任

 1月22日、米国議会下院の科学技術委員会(Science and Technology Co- mmittee)は、同委員会の宇宙・航空小委員会(Space and Aeronautics Sub- committee)の委員長にGabrielle Giffordsを選任した。

 Gabrielle Giffordsは2006年にアリゾナ州から下院に初当選を果たした 現在39歳の新鋭で、2007年11月にはベテラン宇宙飛行士のMark Kellyと結 婚している。

 Kellyは当時43歳で前妻との間の2人の娘を連れての再婚であった。彼等 の出会いは2003年に共に若きリーダーの代表として中国を訪問した時であ り、翌年のグループの再会をきっかけに結婚に向けての交際が始まったと されている。この再会の時までにKellyは前妻と離婚している。

 Kellyは海軍のパイロットであり、1996年にNASAの宇宙飛行士に選ばれ、 2001年のSTS-108ミッション、2006年のSTS-121ミッションでパイロットを 務めた後、2008年のSTS-124ミッションのDiscoveryではコマンダーを務め た。

 http://giffords.house.gov/press/press-releases/2009/
 U.S.REP.GABRIELLEGIFFORDSTOCHAIRSUBCOMMITTEEONSPACEANDAERONAUTICS.shtml


【090126-13】
ESA、ALOSへの協力でJAXAから感謝状を受ける

 1月23日、ESAはJAXAから、陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)に関する ESAの協力に対する感謝状の贈呈を受けたことを明らかにした。

 2006年1月にJAXAが打ち上げた「だいち」(ALOS)に関して、ESAがそのミ ッションの計画段階から協力をし、打上げ後は取得したデータの欧州及び アフリカのユーザへの提供の拠点(ALOS European Data Node)としての貢 献を果たしてきたことが評価されたもの。

 ESAでは、これまでに270以上の研究プロジェクト、500人以上のユーザ へデータの提供を行って来ている。

 http://www.esa.int/esaCP/SEMJP5WPXPF_index_0.html

【090126-14】(関連記事:【081110-12】)
ESA、ESTECでCubeSatに関するワークショップ開催

 1月20日から22日の3日間、ESAの教育局が主催した第2回のCubeSatに関 するワークショップがオランダにある欧州宇宙技術研究センタ(ESTEC)で 開催された。

 初日はESAが開発中の小型ロケットVegaの初飛行に相乗りで打ち上げる 予定の9基のCubeSatの開発のステータス報告が行われた。

 残りの2日間は、これまでに打上げを行ったCubeSatについて、或いは現 在開発中の斬新なCubeSatについての報告が次々と行われた。

 また、ESTECの試験設備及びESAのISS利用の拠点となっているErasmus Centreのガイド付きのツアーが行われた。

 http://www.esa.int/esaCP/SEM8S7WPXPF_index_0.html

【090126-15】
日本で空中発射による衛星打上げシステム研究に着手

 1月25日、読売新聞は、政府が、衛星を搭載したロケットを航空機に搭 載して運び、所定の高度に達したところで切り離してロケットに点火する 空中発射システムの実用化研究に乗り出したと報じている。

 経済産業省は、(財)無人宇宙実験システム研究開発機構(USEF)を通じて、 固体ロケットを航空機に搭載する技術や法的課題などを3年前から研究し ており、同省では早ければ2月にも企業から提案を募り、市場規模や価格 などの詳細を検討するとしている。

 一方、文部科学省所管のJAXAでも、三菱重工業、IHIエアロスペースな どと共に、具体化に向けた検討に着手したとしている。

 http://www.yomiuri.co.jp/space/news/20090125-OYT1T00039.htm

【090126-16】
NASA、ビジネスプランのコンテストに80,000ドルの賞金

 1月20日、米国テキサス州のライス大学内に設けられている起業家教育 及び支援の機関であるRice Alliance for Technology & Entrepreneurship (Rice Alliance)は、4月に開催する2009 Rice Business Plan Competition に、NASAから賞金として60,000ドルが追加されることを明らかにした。

 NASAでは、既に2008年からライフサイエンス関係の優秀なビジネスプラ ンの提案者に20,000ドルの賞金(NASA Earth/Space Life Sciences Innova- tion Award)を出していたが、今回、宇宙に関係する技術の商業化のビジ ネスプランの提案者に20,000ドルずつ3件の賞金(NASA Earth/Space Engi- neering Innovation Prizes)を出すことになったもの。

 Rice Business Plan Competitionは、大学対抗の形を取った大学院レベ ルのビジネスプランを競うコンテストで、36チームが参加し、160人の審 査員の前でのプレゼンテーションで競い合い、総額700,000ドルの賞金獲 得を目指すもの。今年は4月16日から18日の3日間に開催され、表彰は最終 日の晩餐会の場で行われる。

 http://www.businesswire.com/portal/site/google/?ndmViewId=news_view&newsId=20090120005838&newsLang=en

【090126-17】
SpaceX、実験テーマコンテストの勝者に軌道上での実験機会提供を約束

 1月19日、宇宙空間の商業利用の拡大を支援する非営利の団体Heinlein Prize TrustとSpace Exploration Technologies(SpaceX)は、共同で開催 するMicrogravity Research Competitionの要項を明らかにした。

 大学レベルを対象としたコンテストで、微小重力環境を利用した研究課 題の提案を競うもので、最優秀者には25,000ドルの賞金と、SpaceXの新し い宇宙機Dragonによる軌道上での実験機会が与えられる。SpaceXではDra- gonによる軌道上での数日間の実験を2009年11月末には行うとしている。

 コンテストの運営にはRice Alliance for Technology & Entrepreneur- ship (Rice Alliance)が当たることとなっており、応募の締め切りは2月 20日、提案書の提出期限は3月20日、最終審査に進む3チームの発表は4月 3日となっており、プレゼンテーションを行う最終審査は4月17日に行われ、 最優秀者の発表は、4月18日にRice Allianceが別途行う2009 Rice Busi- ness Plan Competitionの表彰式の場で行われる。

 http://www.labflight.com/Microgravity_Research_Competition_Announcement.pdf

【090126-18】
JAXAのウェブサイト内の注目記事へのリンク

1/19 平成21年度JAXA宇宙科学研究本部特別共同利用研究員の募集について
1/19 「宇宙学校・きょうと」開催
1/20 ISS・きぼうウィークリーニュース第327号
1/20 月周回衛星「かぐや」リーフレット改定
1/21 「設備供用制度」平成21年度定期募集開始のお知らせ
1/21 災害観測事例:米国・ワシントン州西部の洪水被害
1/22 きぼうの科学:第5回結晶の形の不思議を探る
1/23 宇宙連詩:第19詩が選ばれました
1/23 ライフサイエンス実験「Rad Gene」「LOH」の紹介ページを開設
1/24 平成21年1月理事長定例記者会見
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