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メールマガジン「週刊KU-MA」 第35号          [2009.3.4]

■目次

(1)YMコラム
     「自民党文教部会にて」

(2)ワンダフル宇宙
     「空と宇宙に漂う「粒」」

(3)宇宙関連ニュース「宇宙茫茫」

■YMコラム(35) 2009年3月4日

 自民党文教部会にて

 さる2月26日、日本の宇宙科学についてのレクチャーを依頼され、自民 党の文教部会に行ってきました。以前にも2,3回やらせていただいたこと がありますので、雰囲気は分かっているつもりでしたが、昨今の政治事情 に鑑み、特別の興味をもって出席しました。

 当日の討議事項には、もう一つ「著作権問題」がありました。これはい わば誰でも何かは述べることのできる話題なので、予想通りいろんな議員 さんが活発に意見を出され、当初の予定を大幅に超過したため、宇宙科学 の問題の時間がうんと少なくなったのは残念でした。

 やはり時代というものでしょうか、席に着いた議員さんの3分の1ぐら いが、携帯電話でこそこそと外とのやりとりをしておられ、ふと喫茶店の 女子高校生たちを思い出しました。時期的にも連絡事項が錯綜しているの でしょうね。

 さて、私は「かぐや」の成果を中心にお話をし、「はやぶさ」や「ひの で」などの成果もからめて、「日本の宇宙科学の世界の中での位置の高さ」 と「宇宙科学の成果がJAXAの力だけでなく全国の大学や研究所の研究者の 協働の結果であること」を概説し、今年の「世界天文年」「アポロ40年」 「ダーウィン生誕200年」なども含め、宇宙の話題の多さについても触れ ました。

 最後に少しだけ、宇宙教育の進展についても述べ、日本のどの地域で盛 んなのかを前の晩に苦労して日本地図にプロットしたものを示したところ、 (これは予想したとおりですが)地図がスクリーンに表示された途端、全 員がぐっと体を乗り出してプロットされた場所を見つめる展開になりまし た。

 話が終わった後で、何人かの議員さんから「どこどこにはあまり宇宙教 育は届いていないんですか」「どこどこにはぜひ行ってほしい」など、具 体的な地名入りで質問やら要請やらをいただきました。やはり、地元のこ とは気になるようですね。これも予想通りの展開でした。

 それにしても、宇宙基本法に基づいて日本の宇宙開発戦略を策定してい る最中にしては、もうちょっと緊張感があってもいいのではないかという 感じを持ちました。日本の宇宙開発が、人類のこれからを左右するような 雄大さを持つようでなければ、日本という国が甦ることができないという 想いが、私にはあります。この二つは、切り離し難く結びついているので す。

 バックミンスター・フラーの『宇宙船地球号操縦マニュアル』だったか に出ていた「ピアノの蓋」の話を思い出しました。あれは、難破した人が、 もし近くに、旅客船のラウンジにあったピアノの蓋がプカプカ浮かんでい たら、「藁をもつかむ」思いでそれにしがみつくだろうが、実際にはこれ が助かるための最良の方法ではない、というような筋書だったと思います。 フラーの言いたいのは、現代文明の危機は、その危うさを救おうとしてい る近視眼的な技術に、とりあえずしがみついた結果、結局は、ピアノの蓋 にしがみついた人と同様に、それらの技術と一緒に海に沈んでいくほかな い状態になっているというところにあるのではないか、ということです。

(YM)

■ワンダフル宇宙(35) 2009年3月4日

 空と宇宙に漂う「粒」

 小学生のころ、音戸の瀬戸の沖によく釣りに行きました。いつも兄貴と 一緒でした。夜釣りは決まってウィークデイでした。御存知の通り、釣り というのは、サカナがかかるまではヒマです。特に夜ともなると、目に飛 び込んでくるのは、無数の星が輝く頭上の深い暗闇だけです。やがてその 星の並びの中に、不思議な連なりのあることに気がつくようになりました。 まだ星座というものを知らないころから、勝手に星と星とを目でつないで 遊んでいました。そして星座を知り、ギリシャ神話を知って、ボートの上 で懐中電灯をつけて、ギリシャ神話の本をボロボロになるまで読んだのも 懐かしい思い出です。

 土曜日は、謡曲と能の稽古に出かける父のお供をして江田島に行きまし た。江田島には父のお弟子さんが20人ぐらいいたらしいです。あの「同期 の桜」を見ながら遊ぶのが、毎週土曜日の午後の楽しみでした。

 日曜日の釣りは昼間でした。一番不思議なのは、海が青いのに、バケツ に汲んだ水が透き通っていることでした。瀬戸内海に点々と連なるたくさ んの島の光景も、釣りの合間の美しい友でした。そのうち、近くの島が濃 い青をしているのに、遠くなるにつれて薄い青になっていき、遥か彼方の 島は光を失って消え去っていく不思議さにうっとりとしている自分に何度 も気がつきました。この記憶は、後にロマン・ロランの『ジャン・クリス トフ』を読んだ時、その初めのあたりにあるジャン誕生の比喩的描写に出 会った時、鮮やかに甦ることになります。新庄嘉章さんという人の翻訳で したが、その個所には「記憶の島々」という小見出しがついていたような 記憶があります。

 やがて、長ずるにつれて、透明に見える周囲の大気には、本当はいろい ろな「粒」が浮いていることを知るようになりました。もちろん海の中も です。空気が主として窒素と酸素からできていることも知りましたし、水 も二酸化炭素も少量ながらあることも、私の知識には含まれるようになり ました。加えて、これらのものの全部が、分子として飛びまわっているも のばかりでないことも知りました。

 雨、霧、霞、雲などが実体のほとんどは液体の水なのだということ、そ して空気中に存在している分子が、単独の分子ではなくさまざまな大きさ の微粒子になるとか、何か別のものにくっついた「粒」になっているので すね。そして、こうした空気中の多彩な「粒」の大きさと、太陽の光の波 長との微妙な大小の関係が、この目に見えている世界を彩る重要なキーポ イントであることを、私は頭がくらくらするような感動とともに知るよう になりました。

 これから何回か、その感動を蘇らせていく「空と光の物理学」にお付き 合いいただきたいと思います。まずは、空気中に浮かんでいる「粒のみな さん」が、どんな大きさなのかを見ていくことにします。

 雲が水でできていることを知ったのは、小学校の終わりごろでした。ど うもある種の雲から雨が降ってくるみたいだから、雨粒は普通の雲よりも 粒が大きいのではないかと予想していました。そのとおり、雨の粒の大き さは1 mmくらいです。仁丹くらいですかね。若い人は「仁丹」なんて言っ てもピンと来ないかな? そして雲の粒は数μmから数十μmですね。μm (ミクロン、またはマイクロメートル)というのは、100万分の1 m、つま り1万分の1 cm、あるいは1000分の1 mmです。「ミクロ」「マイクロ」と いう言葉が「100万分の1」を表すということは、一般的に覚えておいて損 はないでしょう。だから1マイクロメートルは100万分の1メートル、「マ イクロボルト」は100万分の1ボルト、などなど。

 とにかく、雨粒が1 mm(1000μm)くらいで、雲はその1パーセント弱か ら10パーセントくらいの大きさ(数μm〜100μm)ということをまず頭に 入れてください。

 さてそれでは一般に分子と言われるものはどれぐらいの大きさかご存知 ですか? 

 http://www.ecosci.jp/chem2/hikaku.html

上のホームページをクリックすると、いくつか代表的な分子の大きさが図 示されています。もちろん分子にもいろいろな大きさのものがあるわけで すが、1ナノメートル(nm)から数ナノメートルくらいと思えばいいでし ょう。またまた変な単位が出てきて申し訳ないのですが、「ナノ」という のは10億分の1のことです。つまり1ナノメートルは、1マイクロメートル の1000分の1ですね。まあ分子は大体「ナノメートルサイズ」と言ってい いでしょうかね。では原子の大きさは? 原子は一般的には分子の10分の 1くらいと思っておいていただきましょう。

 とすれば、雲粒の大きさから分子の大きさまで大きな開きがありますね。 ところがもちろん、この分子やイオンと同じくらい(つまりナノメートル サイズ)の大きさから花粉くらい(100μm)まで約5桁にわたる広い範囲 に浮遊している微小な液体または固体の粒子がいっぱいあり、「エアロゾ ル」と総称されています。エアロゾルは、そのできていくプロセスによっ て、粉塵、フューム、もや、煤塵などと呼ばれ,また気象学的には,視程 や色の違いなどから,霧,もや,煙霧,スモッグなどと呼ばれることもあ ります。「エアロゾル」は、英語全盛時代の現在では、「エアゾール」と 呼ぶ人も多いのではないかと思いますが。

 そして、私たちの目に見える可視光線が、「赤・橙・黄・緑・青・藍・ 紫」の七色に分解できることは御存知のはず。その波長は赤(約0.7μm= 700 nm)が最も長く、紫(約0.4μm=400 nm)が最も短いことも周知の事 実でしょう。だから、可視光線の波長はすべてエアロゾルの範囲の真っ只 中にあることになりますね。このような波長をもつ可視光線が太陽からは るばるやってきて地球の大気に進入し、空気に浮かんでいるさまざまな大 きさの「粒」にぶつかった時にどのようなことが起きるのか、これから一 緒にじっくりと見ていきましょう。

 話は、発展すると、電波・赤外線・可視光線・紫外線・X線・ガンマ線 の順に並ぶ電磁波にも及ぶ可能性があるので、今日の話はこれくらいにし て、ここで中間のまとめをしておきます。雨や雲、さまざまなエアロゾル や分子、原子、その他私たちになじみのものもいくつかとりまぜて、可視 光線や電磁波の波長と大きさ比べをした図を以下に用意しました。さあ、 これを参考にしながら、次週以降をお楽しみください:

 http://www.ku-ma.or.jp/member/news/backnumber/090304.jpg

■宇宙茫茫ヘッドライン

【090302-01】 NASAの温室効果ガス観測技術衛星(OCO)のTaurus XLによる打上げ失敗
【090302-02】 Land Launch SystemによるカナダのTelstar 11Nの打上げ成功
【090302-03】 ロシア、Proton-Kによる軍事目的衛星の打上げ成功
【090302-04】 中国の月周回衛星“嫦娥一号”、月面に突入してミッション終了
【090302-05】 NASA、STS-119 Discoveryの打上げターゲット日を3月12日に仮設定
【090302-06】 NASA、3月6日に系外地球型惑星の発見を目的としたKeplerを打上げ
【090302-07】 JAXA、新しい宇宙飛行士候補者として2人を選定
【090302-08】 オリンパス(株)、「きぼう」有償利用で“オリンパス・スペース・プロジェクト”
【090302-09】 ILS、AsiaSatの衛星AsiaSat 5のProtonによる打上げ契約獲得
【090302-10】 NASA、契約解消をした宇宙服の開発を改めてOceaneering Internationalに
【090302-11】 Boeing、月着陸船Altairの概念検討作業支援の契約のRFPに対応
【090302-12】 米大統領の予算教書でNASA予算は増額
【090302-13】 SpaceX、熱防御材PICA-Xのアークジェットによる加熱試験無事終了
【090302-14】 中国、Eutelsatの衛星の打上げ契約を獲得・・・“ITAR-free”が条件
【090302-15】 中国、2010年末までに宇宙居住・実験モジュール“天宮一號”を打ち上げ
【090302-16】 インドの計画委員会、1,240億ルピーの有人打上げ計画にGOサイン
【090302-17】 “火星往復520日の模擬実験”の予備の105日間の実験への参加者決まる
【090302-18】 JAXAのウェブサイト内の注目記事へのリンク

【090302-01】
NASAの温室効果ガス観測技術衛星(OCO)のTaurus XLによる打上げ失敗

 2月24日、Orbital Sciences Corp.はバンデンバーグからTaurus XLによ り、NASAの温室効果ガス観測技術衛星(Orbiting Carbon Observatory:OCO) の打上げを行ったが、衛星フェアリングの分離が正常に行われず、ロケッ トは衛星を搭載したまま南極に近い南太平洋に落下し、打上げは失敗に終 わった。

 Taurus は、全段固体推進薬の4段ロケットで、今回が8回目の打上げで あったが、過去に1回打上げに失敗をしている。また、NASAが利用するの は今回が初めてであった。

 衛星フェアリングは直径1.6mのカーボンファイバー製で、左右の半殻を 分離ボルトで固定してあり、地上からの信号で分離ボルトが爆発して、左 右に二枚貝の様に開く形式であった。
 
 OCOはOrbital Sciences製で、質量約450kg、高度705km、軌道傾斜98度 の軌道上でA-Trainと称される地球大気をあらゆる角度から観測しようと いうプロジェクトの衛星群に加わる予定であり、且つ、2009年1月23日に 日本が打ち上げた温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」に続く、世界で2 番目の温室効果ガスの地表近くでの濃度分布を観測する衛星となるはずで あった。

 http://www.spaceflightnow.com/taurus/oco/failure.html

 この打上げ失敗を受けて、NASAは直ちにゴダード宇宙飛行センタの副所 長であるRick Obenschainを長として5名で構成されるMishap Investiga- tion Board(MIB)を設けて原因究明及び再発防止の提言策定に当たらせる ことを明らかにしている。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2009/feb/HQ_09-041_OCO_Chairman.html

【090302-02】
Land Launch SystemによるカナダのTelstar 11Nの打上げ成功

 2月26日、バイコヌールからLand Launch SystemのZenit-3SLB/DM-SLBに よるカナダのTelesatの衛星Telstar 11Nの打上げが行われ、所期の静止遷 移軌道への投入に成功した。

 Land Launch SystemはSea Launch Companyが海上プラットフォームから の打上げに使用して来たZenit-3SLを改良したZenit-3SLBを用いてバイコ ヌールからの打上げを行うもので、Sea Launchが打上げサービスの契約を 行い、モスクワにベースを置くSpace International Services(SIS)がロ ケットの調達と打上げ作業を担当するもの。

 Telstar 11Nは米国のSpace Systems/Loralの1300プラットフォームをベ ースとした質量4,012kgの衛星で北米、西ヨーロッパ、アフリカを繋ぐ通 信サービスを提供する。

 http://www.sea-launch.com/news_releases/2009/nr_090226.html

【090302-03】
ロシア、Proton-Kによる軍事目的衛星の打上げ成功

 2月28日、ロシアはバイコヌールからProton-Kによる軍事目的の衛星の 打上げを行い、所期の静止遷移軌道への投入に成功した。

 衛星は、“Raguda”(或いはGlobus)として知られている軍の司令部と展 開している部隊の間の通信に用いられる衛星と見られている。

 Protonによる衛星の打上げは、2月11日にExpressシリーズの通信衛星を 2基打ち上げたのに続き今年2回目であり、次は3月28日にEutelsatの通信 衛星W2Aを打ち上げる予定となっている。

 http://www.spaceflightnow.com/news/n0902/28proton/

【090302-04】(関連記事:【081215-02】)
中国の月周回衛星“嫦娥一号”、月面に突入してミッション終了

 3月1日、中国は、月周回衛星「嫦娥一号 (Chang’e-1)」が、予定通り 月面に突入してミッションを終えたことを明らかにした。

 北京時間の13:36に地上からの指令により減速を始め、16:13に南緯 1.50度、東経52.36度の地点に突入して2007年10月の打上げから16ヶ月余 りのミッションを終えた。

 今回の月面突入は中国が考えている月探査の第2段階である月面への軟 着陸に向けての実験的な意味合いを持ったものであり、所期の目的は果た したとされている。

 http://news.xinhuanet.com/english/2009-03/01/content_10923205.htm

【090302-05】(関連記事:【090223-03】)
NASA、STS-119 Discoveryの打上げターゲット日を3月12日に仮設定

 2月25日、NASAのスペースシャトルプログラムは、STS-119ミッションDi- scoveryの打上げターゲット日を仮に3月12日として作業を続けることを明 らかにした。

 これより前にDiscoveryに装着されている3個のFlow Control Valve(FCV) を取り外して、より使用時間(飛行実績)が短いバルブに交換することが指 示されており、既に作業に取りかかっている。

 FCVのポペットに何故クラックが入るのかということ及び、もしそこか ら欠け落ちる部分があった場合に、下流の配管を傷つけることはないかと いうことについての実験と解析が続けられており、スペースシャトルプロ グラムでは3月4日に改めて進捗状況の評価を行い、問題がクリアになって いることが確認できれば、6日に打上げ準備審査会(FRR)を開き、問題なし との結論が得られれば、12日を正式の打上げターゲット日とするとしてい る。

 3月12日の打上げとなれば、当初の打上げターゲット日から4週間の遅れ での打上げとなる。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2009/feb/HQ_09-042_STS-119_Plan.html

【090302-06】
NASA、3月6日に系外地球型惑星の発見を目的としたKeplerを打上げ

 2月26日、NASAは3月5日に予定していた系外地球型惑星の発見を目的と した探査機Keplerの打上げを1日遅らせることを明らかにした。

 これは、2月24日のTaurus XLの打上げ失敗を受けて、全く製造業者は異 なるものの、同じような様式を採用している衛星フェアリングの分離に問 題が無いことを確認するための時間を確保するためとされている。

 打上げはUnited Launch ServicesのDelta IIにより、ケープカナベラル から行われる予定であり、NASAでは打上げ準備審査会を3月2日に開催する としている。

 このミッションは、4年間に亘り10万個の恒星を観測して、主星の前を 惑星が横切る際に生ずる光の明るさの変化を捉えることで、地球サイズで、 地球にとっての太陽の様な主星からの距離が、生物が存在することの要件 の1つとなる水が液体で存在しうる温度を保てる範囲にある惑星を発見す ることを目指している。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2009/feb/HQ_M09-032_Kepler_launch_update.html

【090302-07】 JAXA、新しい宇宙飛行士候補者として2人を選定

 2月25日、JAXAは2008年4月1日から6月20日までの間に応募を受け付けた 2015年までのISSの運用・利用に対応するためISSに搭乗する宇宙飛行士候 補者の最終選考結果を明らかにした。日本人宇宙飛行士候補者の募集は10 年振り、5回目であった。

 応募者総数963人、書類審査を経て第1次選抜に進んだ人数が230人、そ の中から第2次選抜に50人が進み、更に10人に絞られて第3次選抜が行われ た結果、2人が宇宙飛行士候補者として決まったもの。

 選ばれたのは、航空自衛隊のパイロットであった油井亀美也(39)と全日 空のパイロットである大西卓哉(33)で、パイロットが日本の宇宙飛行士候 補者に選ばれたのは初めて。

 選抜された2人は2009年4月にJAXAに入社し、6月頃からNASAでの宇宙飛 行士候補者訓練コースに参加し、2011年頃の訓練終了後にJAXA宇宙飛行士 に認定されることとなる。その後、2年間ほどISS/「きぼう」搭乗に向け た訓練を受け、それ以降に日本人のISS長期滞在機会に正搭乗員または代 替搭乗員として任務に就くこととなる。

 http://www.jaxa.jp/press/2009/02/20090225_select_j.html

【090302-08】
オリンパス(株)、「きぼう」有償利用で“オリンパス・スペース・プロジェクト”

 2月26日、オリンパス(株)は創業90周年の記念行事として、“オリンパ ス・スペース・プロジェクト”を行うことを明らかにした。

 このプロジェクトはSTS-119ミッションでISSに向かい、その後ISSに長 期滞在するJAXAの若田宇宙飛行士が日本実験棟「きぼう」の窓からオリン パスのデジタル一眼レフカメラ「E-3」を使用して撮影する地球の画像を、 若田宇宙飛行士の帰還後に、特別展示会やウェブ上でのスペシャルサイト で公開しようというもの。

 今回得られる地球の画像は、今回の若田宇宙飛行士の滞在中に「きぼう」 に船外実験プラットフォームが取り付けられる予定となっており、その取 り付けが終わると、窓から地球を見ることができなくなるために、今後は 得られない貴重な画像としての価値を持つものである。

 なお、このプロジェクトはJAXAが一般から公募した“「きぼう」日本実 験棟有償利用”の対象として提案が認められたものである。

 http://www.olympus.co.jp/jp/news/2009a/nr090226spacej.cfm

【090302-09】
ILS、AsiaSatの衛星AsiaSat 5のProtonによる打上げ契約獲得

 2月24日、International Launch Services (ILS)とAsia Satellite Te- lecommunications Co. Ltd.(AsiaSat)は、2009年の7月〜9月の期間にバイ コヌールからProtonでAsiaSatの衛星AsiaSat 5を打ち上げる契約を結んだ ことを明らかにした。

 AsiaSat 5は、Space Systems/Loral製で、同社の1300プラットフォーム をベースとしており、東経100.5度に打ち上げられ、現在のAsiaSat 2と置 き換えられることとなっている。

 今回の契約は、AsiaSat側の継続的なサービス提供のために衛星の打上 げを早く行いたいとするニーズとILS側で予定していた衛星の打上げがキ ャンセルになり、ロケットと打上げ機会に空きができたことが結びついた 結果とされており、契約から打上げまでの期間は約半年と短い。

 http://www.ilslaunch.com/news-022409

【090302-10】
NASA、契約解消をした宇宙服の開発を改めてOceaneering Internationalに

 2月27日、NASAはOceaneering International Inc.との間で、Conste- llation ProgramでのISS及び月へ向かう飛行並びに月面での活動に用いる 宇宙服システム(Constellation Space Suit System:CSSS)の開発に係る 仮契約を結んだことを明らかにした。

 これにより、Oceaneering Internationalには契約の最終調整と並行し て直ちに技術作業に取りかかることが求められることとなった。今回の仮 契約の有効期限は、3月2日から正式契約がスタートするまでとされており、 調整の期限は2009年8月29日となっている。

 この契約は2008年6月に一旦Oceaneering Internationalとの間で締結さ れたものであったが、競合していたHamilton Sundstrand/ILC Doverの合 弁会社であるExploration Systems & Technology(EST)からの業者選定過 程に瑕疵があったとの申し立てが受け入れられて、契約が解消され、入札 のやり直しとなっていたもの。

 NASAは再入札の対象をOceaneering InternationalとESTの2社に絞って いたが、2008年12月にHamilton SundstrandがOceaneering International の下に入ることを表明したため、入札参加企業は1社となっていた (関連記事:【081222-11】)。

 開発契約の期間は2008年6月の契約時よりも引き延ばされた形で、予定 されている当初契約が2009年3月から2015年9月まで、2回のオプションが 適用されると最終的には2020年9月までとなる。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2009/feb/HQ_C09-008_Constellation_Spacesuit_Contract_Letter.html

【090302-11】
Boeing、月着陸船Altairの概念検討作業支援の契約のRFPに対応

 2月27日、Boeing Companyは、NASAが1月末に、月へ人を送り込む際の月 着陸船Altairに関する概念検討作業の支援に関する契約の業者選定を行う ために発行した提案要請書(RFP)に応えて提案書を提出したことを明らか にした。(注:これまでのところ、Boeing以外の企業の提案書の提出に関 する情報は見当たらない。)

 作業の範囲は、NASAが行うAltairの概念設計の評価、システム要求審査 及びシステム定義審査に向けての審査資料の準備の支援で、NASAは4月に は複数の企業との契約を締結したいとしている。

 http://www.boeing.com/news/releases/2009/q1/090227b_nr.html

【090302-12】
米大統領の予算教書でNASA予算は増額

 2月26日、米国のオバマ大統領は議会に対して2010年度(2009年10月〜 2010年9月)の予算教書を提出し、予算編成方針を示した。

 この中でNASAの予算に関しては総額187億ドルと2009年度の予算額172億 ドルを約14億ドル上回った予算を求める形になっている。これに、先に決 まった景気対策予算(American Recovery and Reinvestment Act of 2009) の10億ドルを加えると、約24億ドル上回ることになる。

 これにより、これまでNASAが行って来た活動の継続が担保されることが はっきりした他に、スペースシャトルの引退時期である2010年末までに1 回の追加打上げが認められる形となっている。この打上げが認められると、 多分、Columbiaの事故後にISSへの取り付けを止めることを決めたAlpha Magnetic Spectrometerの復活が可能となる。

 http://www.floridatoday.com/content/blogs/space/2009/02/obama-budget-directs-nasa-to-stay.shtml

【090302-13】
SpaceX、熱防御材PICA-Xのアークジェットによる加熱試験無事終了

 2月23日、Space Exploration Technologies (SpaceX)は、同社が開発を 進めている回収型宇宙船Dragonへの適用が考えられている熱防御材PICA-X のアークジェットによる加熱試験が無事終了したことを明らかにした。

 試験は、NASAのエイムズ研究センタのアークジェット装置を用いて行わ れたもので、PICA-XはDragonの大気圏再突入時に想定される最高温度摂氏 1,850度に充分耐えることが確認された。

 PICA-Xの“X”はNASAが開発したPICA (Phenolic Impregnated Carbon Ablator)のSpaceXバージョンの意味で、同社で性能向上及び製造の容易化 を図ったものである。

 SpaceXは今回の新バージョン開発により、米国内で2社目のPICAをベー スとした熱防御材を商用レベルで製造できる企業となった。(注:他の1社 は、NASAの下で次期の有人宇宙船Orionを開発しているBoeingにPICAを提 供しているFiber Materials Inc.である。)

 なお、PICAは2006年1月のNASAの彗星探査機Stardustのサンプル回収カ プセルに適用されており、その時は大気圏に秒速12.9kmという超高速で再 突入しており、その性能は充分に実証済みである。Dragonの大気圏突入速 度はこの半分のレベルであり、入熱量は1/10レベルである。

 http://www.spacex.com/press.php?page=20090223

【090302-14】
中国、Eutelsatの衛星の打上げ契約を獲得…“ITAR-free”が条件

 2月25日付けのWall Street Journal(ウェブ版)は、中国がフランスの Eutelsatの衛星を長征ロケットで打ち上げる契約を獲得したと報じている。

 打ち上げる衛星は特定されていないが、5トンクラスの衛星で、米国が 中国への衛星関連技術の輸出を国際武器輸出規制(ITAR)で禁じていること から、米国製の部品・技術を使用していない“ITAR-free”の衛星だとさ れている。

 Eutelsatでは、1月末に新しい衛星W2Mが軌道上で機能を失うことになっ た関係で(関連記事:【090202-04】)、新しい衛星の打上げ機会の確保を 急ぎ、中国のロケットでの打上げを決めたのではないかと見られている。

 http://online.wsj.com/article/SB123550142763361701.html?mg=com-wsj

【090302-15】
中国、2010年末までに宇宙居住・実験モジュール“天宮一號”を打ち上げ

 2月28日、中国国営新華社通信は、中国では独自の宇宙ステーションの 建設に繋がる動きとして、2010年末までに“天宮一號”(Tiangong-1)を打 ち上げる計画があると報じている。

 天宮一號は質量8.5トンで、宇宙飛行士の生活空間と実験棟からなり長 期間の無人運転が可能とされており、これを打ち上げた後の2011年初め頃 に無人で打ち上げる神舟8号と地上からのコントロールによってドッキン グさせることが考えられている。

 http://www.ku-ma.or.jp/member/news/backnumber/090302-15.jpg
 天宮一號(左端がドッキングポート)

 http://news.xinhuanet.com/english/2009-02/28/content_10917086.htm

【090302-16】
インドの計画委員会、1,240億ルピーの有人打上げ計画にGOサイン

 2月23日にインドのメディアは、政府の計画委員会(Planning Commission) が、インド宇宙研究機関(ISRO)が 1,240億ルピー(約2,300億円)を要する としている有人打上げ計画を認めたと報じている。

 このインドの有人打上げ計画は、2013年〜2014年に第一段階として、無 人での打上げを行い、2015年までに2人乗りのミッションの実現を目指す というもの。

 現有の静止衛星打上げ用ロケット(GSLV)を用いて、275kmの軌道に2人乗 りの宇宙船を打ち上げ、7日間地球を周回させたいとしている。

 http://www.indianexpress.com/news/plan-panel-okays-isro-manned-space-flight/426945

【090302-17】
“火星往復520日の模擬実験”の予備の105日間の実験への参加者決まる

 2月26日、ロシアの生物医学問題研究所(IBMP)は、火星への飛行を地上 で模擬する実験の第2段階の実験に参加するろロシア人4人とフランス人及 びドイツ人(何れもESAの選定による)各1人の合計6人を明らかにした。

 この実験は、2009年末に開始予定の、往路250日・火星滞在30日・復路 240日の火星探査に要するのと同じ合計520日を地上に置かれた宇宙船の中 で過ごす実験の準備段階の最後の実験で、3月31日から105日間をモスクワ 郊外のIBMPに置かれた模擬宇宙船の中で過ごす予定とされている。報酬は 1人当たり15,500ユーロとされてる。

 6人は、ロシア人の宇宙飛行士Oleg ArtemyevとSergei Ryazansky、同じ くロシア人で医師のAlexei Baranov及び運動生理学者のAlexei Shpakov並 びにESAによって選ばれたフランス人でエールフランスのパイロットCyri- lle Fournierとドイツ人で陸軍の機械技術者Oliver Knickelである。

 http://en.rian.ru/science/20090226/120324391.html

【090302-18】
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