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■YMコラム(39) 2009年4月1日

 周南市の回天記念館

 日本宇宙少年団の126番目の分団として山口県の周南分団が結成され、 その結団式にお邪魔してきました。新幹線の徳山駅が最寄です。結団式の 前夜に着いて打ち合わせをし、当日午後の本番までの時間を利用して、あ の人間魚雷「回天」の記念館を訪れました。

 徳山駅のすぐ近くにフェリーの乗り場があります。フェリーの待合室に は人が溢れているので、果たしてこれがみんな記念館に行く人たちなのか どうか疑問でしたが、後で分かったことには、実はそうだったのです。

 雲一つなく晴れ渡った瀬戸内の海をすべるように走るフェリーで過ごす 時間は、小さい頃に兄といっしょだった、あの音頭の瀬戸での幸せな釣り の時間を思い出させてくれました。20分ほどで大津島(おおづしま)とい う小さな島に到着しました。波を蹴立てて海上を進んでいく途中、船内か らは、馬の鞍としか形容のしようがない小さな島が見え、その向かって右 にもう少し大きな島が見えていました。フェリーはその大きな島で舫いを かけて下船しました。どうやらこの大津島に、めざす回天記念館があるよ うです。

 ・・・太平洋戦争で日本が追いつめられ、いよいよ本土決戦が想定され る状況となった1943年、呉の海軍工廠で修練を積んでいた20歳の仁科関夫 は、22歳の黒木博司と同室で寝起きしていました。戦局が悪化する中で二 人が議論をするのは、いつも決まって何か画期的な新兵器・新戦法はない かということでした。

 そんな中で二人が目を向けたのが、日本海軍が世界最優秀として誇って いた九三式魚雷でした。頭部に500 kgの炸薬を搭載し、高圧酸素を原動力 として時速50ノットで22 kmを射程として持つ驚異的な性能の魚雷でした。 しかも、排気ガスのほとんどが水蒸気なので海水に吸収されて無航跡にな るため発見されにくかったのです。この利点を活かして一時はもてはやさ れていましたが、連合軍のレーダー技術が進歩するに及んでその特長が生 きなくなり、加えて航空機の発達によって艦隊決戦での出番を失っていき ました。軍港の兵器庫には数百本の魚雷が眠っているという事態になって いたのです。

 二人はこの九三式に目をつけました。これらを改造して自分が操縦しな がら敵艦に体当たりしてはどうかというアイディアが浮かび、二人は大急 ぎで研究を重ねました。そしてその設計図と意見書を軍務局の担当官に届 けました。しかし「必死」を前提とする兵器は採用できないと却下されま した。

 思いつめた二人が人間魚雷の青写真を携えて上京したのは、1943年12月 28日のことだったそうです。軍令・軍務の担当者はもちろん、時の海軍大 臣、嶋田繁太郎にまで直訴しました。戦況がますます悪化の途をたどり、 1944年2月17日に、日本海軍最大のトラック島の基地が敵の大機動部隊に よって前進根拠地としての機能を喪失して10日後、仮称「人間魚雷」は、 呉海軍工廠魚雷実験部において3艇の製作が、極秘裏に命じられたのでし た。

 この試作3基に脱出装置をつけないまま、7月末に最終テストが行われ、 8月1日、制式兵器として採用、黒木の発案によって「回天」と命名されま した。「天を回(めぐ)らし戦局を逆転させる」という意味です。すでに その約1ヵ月前の7月初旬には、この人間魚雷の搭乗員の募集が開始され ています。

 呉海軍工廠に急速生産の命令が発せられ、周防灘を取り囲むように4つ の回天訓練基地が配置されました。その一つがこの大津島だったのです。 ここでは他の基地に先駆けて1944年9月1日に開隊し、4日後には訓練が開 始されました。搭乗訓練の一回一回がすべて命がけという緊張の中で、搭 乗員の数に対して訓練用の回天がはるかに少ないため、整備科員が不眠不 休で整備しても、訓練の順番はなかなか回って来なかったと言います。

 丘の上の回天記念館には、出撃前にしたためられた母への手紙などが、 生々しく展示されていて、とても正視できないほどでした。1944年秋、大 津島から最初の出撃が決行されて以来、敗戦までの間、西南太平洋におい て作戦を続行、前途を嘱望される若々しいいのちが散って行きました。回 天を搭載した潜水艦は延べ32隻、出撃搭乗員延べ148名。この回天作戦に よる戦没者は1299名の多くを数えました。

 回天をトロッコで運んだという長さ400 mあまりのトンネルをくぐった ところに、魚雷発射試験場の跡が残されています。大津島のフェリーの発 着場のそばにある売店のおじさんが「近くの黒髪島の水がおいしいという 噂があって、1945年4月の初めに、沖縄特攻作戦にでかける途中の戦艦大 和が立ち寄ったそうですよ」と、しみじみと話してくれました。

 記念館につながる道の両側に、回天出撃搭乗員の一人ひとりの名前が刻 まれた石碑が横たえられています。彼らのすべてが、暗い魚雷の密室に身 を潜めながら、自爆装置のスウィッチに手をかけたまま突き進んでいきま した。数十秒間にわたる行進の最期の瞬間まで、その死の向こうに、幸せ な未来を夢見ていたに違いありません。その居並ぶ石碑たちのそばを一歩 ずつ歩むその度毎に、彼らの形相が迫って来て、ズンズンと私の胸を打ち ました。

 回天に散った彼らの死を無駄にしてはいけない。この決して繰り返して はいけない過去の教訓を、子どもたちの心に全力で活かさなければと固く 誓いながら、周南分団の結団式に向かいました。

(YM)

■ワンダフル宇宙(39) 2009年4月1日

 夕焼けの色

 昼間でも、太陽の方向から来る光のうち、(波長の短い)青い成分はレ イリー散乱される度合いが多いので、レイリー散乱されにくい(波長の長 い)赤っぽい光が、私たちに多く届くのでしたね。だから昼間の青い空の 中でも、太陽のある方角だけは赤っぽくなっているわけです。レイリー散 乱とかミー散乱については、先週号を参照してください。

 さて今週は、夕焼けの色を考えてみましょう。夕方だって、基本的には 同じことで、青っぽい光はレイリー散乱されてしまい、太陽の方角からは 赤っぽい光が多く来るという現象は、昼間と同じことです。夕方が昼間と 違うのは、太陽の方角に近い西の空の広い範囲が赤っぽくなることです。 これを私たちは「夕焼け」って呼んでいますね。

 昼の太陽と朝夕の太陽の違いは、その光が地上の私たちに届くまでに通 過してくる距離ですね。朝夕の低い位置にある太陽の光は、私たちのとこ ろまで来る間に、真昼間よりもかなり長い距離を通って来なければなりま せん。すると、その太陽のある方向から来る光のうち(波長の短い)青い 成分はレイリー散乱を受ける頻度が増し、また大気に吸収される度合いも 多くなって、地表に到達しにくくなってきます。そのため散乱の度合いの 低い赤っぽい光の割合が増えることになります。とすれば、朝日や夕日は 昼間よりも赤みが増すことになりますね。

 ではなぜ夕方は、(それと時には朝方も)太陽の方角だけでなく、もっ と広い範囲にわたって赤くなるのでしょうか? レイリー散乱で赤い波長 が多くなった光が、空気中の塵などでミー散乱されて人の目に届くと、空 が赤く見えます。塵などがあるところが本来赤く見えているところなので すが、人間の目にはその位置が見分けられないので、上空全体が赤く感じ られたりします。都会の空には、異様な赤色の太陽が沈んでいくときがあ りますね。この現象は、空気が汚れているほど(特に煤煙の炭素分子が多 いほど)短い波長の青っぽい光を散乱する割合が増えるので、太陽が赤味 を増すことになるのです。

 また、火山が噴火して空気中に塵が増えると夕焼けが赤くきれいになる こともありますね。雲の水滴でミー散乱されると、白かった雲も赤く染ま ることになりますね。実際には緑〜橙の光もかなり届いていて、それらの 混じった色なのですが、全体としては赤っぽい色の勝った光が届いてきま す。

 もう二つ、夕焼けを助長するものがあります。空気は地表に近くなるに つれ密度が徐々に大きくなり、台形のプリズム状になっているため、夕方 に斜めに(あるいは横から)来る光がこの台形プリズム状の空気層を通っ てくると、青に近い光ほど屈折率が大きいので大きく曲がり、見ている人 に届くまでに地表に衝突して消滅してしまう割合が多くなるということ、 これが一つ。

 もう一つ夕焼けを助長するのは、太陽が地平線より下に来ると、光が物 の陰にも廻り込む回折現象です。回折現象は小さい穴のピンホ−ルや狭い スリットだけでなく、物の端(エッジ)でも起きます。例えば、ペンや鉛 筆を太陽などの強い光にかざすと、細くなったり千切れたりして見えます。 これは、光がペンの縁で曲がりペンの陰の部分まで回り込んでいるのです が、私たちの目には光が曲ることなく真直ぐにきているように見えるから です。そして光が物の縁で曲がるときの回折角度は、波長が長いほど大き いのです(レンズやプリズムを通るときの屈折角と反対ですね)。したが って、地球表面の辺縁を通った赤い系統の光が、より早く地上に届くこと によって夕焼け現象を助長します。

 こうして見ると、一口に「夕焼け」と言っても、さまざまな要因が重な っているので、夕焼け自体が千変万化の多様な姿になるわけで、ファラデ ーの「ロウソクの科学」のように「夕焼けの科学」が語れそうですね。

 なお朝方は、大気中に浮遊していた埃や塵が静まってしまうことが多い ということで、夕焼けほど頻繁に朝焼けが起きない理由も説明できそうで すね。

■宇宙茫茫ヘッドライン

【090330-01】 STS-119 Discovery、13日間のミッションを終え無事に地球に帰還
【090330-02】 ロシアからSoyuz TMA-14で3人がISSへ
【090330-03】 ULA、Delta IIによる米空軍のGPS 2R-20の打上げ成功
【090330-04】 ILS、Intelsat 16の打上げ契約を獲得・・・IntelsatはLand Launchをキャンセル
【090330-05】 ArianespaceのCEO、Eutelsatの長征ロケット選択に苦言
【090330-06】 ESAとCNES、2013年までのギアナ宇宙センタ利用に関する契約締結
【090330-07】 中国とナイジェリア、NigComSat-1の代替機の無償製造・打上げで合意
【090330-08】 ISRO総裁、4月に打ち上げる予定の偵察衛星は自国の衛星と説明
【090330-09】 Discoveryの大気圏再突入時に翼の下面を使って境界層遷移の実験を実施
【090330-10】 NASAが実施したISSのNode 3の名称候補への投票、意外な結果に
【090330-11】 NASTAR CenterとISU、新たな宇宙教育シリーズの展開で協力
【090330-12】 SSTLとサリー大学、“Space Engineering Innovation Hub”を立ち上げ
【090330-13】 Astrotech Corporation、商業衛星マーケットへの業務拡大を図る
【090330-14】 Lockheed Martin、フロリダ大学のCubeSat利用のプロジェクトに協力
【090330-15】 小惑星の地球大気圏突入前の観測と地上での隕石の採取、初の結び付き
【090330-16】 JAXAのウェブサイト内の注目記事へのリンク

【090330-01】
STS-119 Discovery、13日間のミッションを終え無事に地球に帰還

 3月28日15:14EDT(29日04:14JST)に7人のクルーを乗せたSTS-119ミッ ションのスペースシャトルDiscoveryは、無事にケネディ宇宙センタに帰 還した。風と雲の状況が良くないとの地上の管制センタの判断で1回目の 着陸機会を見送り、地球を1周してからの2回目の着陸機会での着陸であっ た。

 http://www.nasa.gov/mission_pages/shuttle/shuttlemissions/sts119/news/STS-119-27.html

 ISSにドッキング中の23日には、Joe AcabaとRicky Arnoldによる3回目 の船外活動が行われ、6時間27分の作業で「きぼう」への船外実験プラッ トフォームの取付けを行うSTS-127ミッションでの組立作業に必要なスペ ースの確保等の残された作業を行った。

 2回目の船外活動で取り付けが完了しなかった曝露機器結合システム (Unpressurized Cargo Carrier Attach System:UCCAS)に関しては、前 回と同じ状況であったため、作業を中止し、今後の船外活動への持ち越 しとなった。また、UCCASと類似のペイロード取付システムについても 展開作業を先送りした。

 この日、船内では尿処理装置(UPA)の稼働試験が無事終了し,約6.8kg の再生水を得ることができた。この再生水は地上に持ち返られて評価の ための分析が行われる。

 http://www.nasa.gov/mission_pages/shuttle/shuttlemissions/sts119/news/STS-119-17.html

 24日までにSTS-119で予定していたISSのクルーを6人体制にするための 準備作業と「きぼう」の船外実験プラットフォームを受け入れるために 必要な作業を全て終え、Discoveryは25日にISSを離れた。

 DiscoveryとISSの間のハッチのクローズは25日の12:59CDTに行われ、 14:53にはISSから分離した。

 その後、約120m離れてからDiscoveryはISSの周りを縦に一周するフラ イアラウンドを行い、全トラスが完成し、全ての太陽電池パドルが展開 した状態のISSの姿をカメラに収めた。

 http://www.nasa.gov/mission_pages/shuttle/shuttlemissions/sts119/news/STS-119-21.html

 26日には、Discoveryの翼の前縁部とノーズ・キャップに軌道上のデブ リによる損傷の兆候がないかどうかをシャトルのロボットアーム(Shuttle Remote Manipulator System:SRMS)で把持したセンサ付き検査用延長ブ ーム(Orbiter Boom Sensor System:OBSS)のカメラとレーザセンサで 検査し、その画像を地上の画像分析専門家に送った。翌日には画像分析 の結果、地球への帰還の支障となるような損傷は無いことが確認された。

 http://www.nasa.gov/mission_pages/shuttle/shuttlemissions/sts119/news/STS-119-23.html

【090330-02】
ロシアからSoyuz TMA-14で3人がISSへ

 3月26日のモスクワ時間14:47(10:47JST)にロシアはバイコヌールから ISSの第19次長期滞在クルー2人と民間人の短期訪問者1人を乗せたSoyuz TMA-14の打上げを行いISSへ向かう軌道への投入に成功した。

 搭乗者は、第19次長期滞在クルーのロシア人コマンダーGennady Padalka と米国人フライトエンジニアMichael Barratt及び、短期訪問者として2度 目のISS訪問となる米国人のCharles Simonyiである。

 その後、3月28日にはISSとのドッキングに成功したが、自動操縦でISS に接近中に搭載コンピュータがスラスタの異状を検知し、接近を止め自動 的に安全な距離まで離れるという事態が発生した。この状況下で、地上の 管制センタの判断で手動でのドッキングが行われることになり、Padalka が手動でのドッキングを行った。

 Charles SimonyiのSoyuzによる最初のISS訪問は2007年4月であり、今回 も前回と同じSpace Adventuresが斡旋した商業ベースの宇宙旅行で、同社 経由でのロシアへの支払額は前回より増えて3,500万ドルとされている。

 彼等を迎えた第18次長期滞在クルーは、米国人コマンダーMichael Fi- ncke、ロシア人フライトエンジニアYuri LonchakovとJAXAの若田光一で、 この内、FinckeとLonchakovは、Simonyiと一緒にSoyuz TMA-13により4月7 日に地球に帰還する予定である。

 PadalkaとBarrattは今後約6ヶ月間ISSに滞在予定であるが、その間の5 月末にはISSの長期滞在クルーは6人に増える予定となっている。

 http://www.space.com/missionlaunches/090328-exp19-docking.html

【090330-03】(関連記事:【090323-05】)
ULA、Delta IIによる米空軍のGPS 2R-20の打上げ成功

 3月24日、United Launch Alliance (ULA)はケープカナベラルからDelta IIによる米空軍の改良型GPS衛星GPS 2Rシリーズの7号機(GPS 2R-20)の打 上げを行い、所期の軌道への投入に成功した。

 この衛星は、Lockheed Martin製で、質量約2トン、設計寿命10年とされ ており、1996年に打ち上げられ、設計寿命を超えて運用されているGPS 2A -27と置き換えられる予定となっている。

 この打上げは米空軍向けのDelta IIの最後から2番目の打上げとされて おり、最後は8月に行うGPS 2Rシリーズの打上げとなっている。その後20 09年末からは次のGPS 2Fシリーズの衛星がAtlas VまたはDelta IVで打ち 上げられる。

 http://cfnews13.com/Space/DestinationSpace/2009/3/24/delta_ii_rocket_blasts_off.html

【090330-04】 ILS、Intelsat 16の打上げ契約を獲得・・・IntelsatはLand Launchをキャンセル

 3月23日、International Launch Services (ILS)とIntelsatは、ILSの ProtonによるIntelsat 16の打上げ契約を締結したことを明らかにした。

 衛星は米国のOrbital Sciences製の質量2,500kgで、打上げは2009年の 第4四半期に行われ、西経58度に静止の予定。

 この契約締結に際して、IntelsatではILSを選定した理由を、予定通り の日程での打上げが期待できるからとしている。

 ところで、Intelsatでは2008年にSea Launchとの間でこの衛星のLand Launchによる打上げの契約を結んでおり、その契約を破棄してILSとの契 約が結ばれたもので、最近続いている既契約を破棄してILSとの契約を結 ぶケースの一つである(関連記事:【090309-07】【090316-14】)。

 http://www.ilslaunch.com/news-032309

【090330-05】(関連記事:【090302-14】)
ArianespaceのCEO、Eutelsatの長征ロケット選択に苦言

 3月25日、ArianespaceのJean-Yves Le Gall CEOは、ワシントンで開催 されていた衛星関係のトレードショーと会議の合間に、Eutelsatが3月初 めに衛星W3Bの打上げを中国の長征ロケットで行う契約を結んだことに非 常に戸惑いを感ずるとの発言をした。

 Le Gallは、米国が国際武器輸出規制(ITAR)で米国製の部品・技術を使 用している衛星の中国での打上げを禁じている現状で考えると、W3Bに米 国製の部品・技術の使用は無いとしても、米国製と同様にセンシティブな 欧州製の部品が使用されている衛星を中国から打ち上げるとの決定はITAR の規制の精神を無視しているもので、米国に対する敵対行為だと言えると している。

 本件に関しては、米国議会の下院議員の中からも、米国政府が米国内で も広く衛星サービスを行っているEutelsatに対して、中国との契約を考え 直すように経済的圧力を掛けるべきだとの意見も出ている。

 http://www.spacedaily.com/2006/090325192735.kml116e6.html

 これらの動きに対してEutelsatは、中国との契約締結は打上げスケジュ ールに対する保証と打上げ費用の安さを考えたもので、他意は無く、且つ、 製造を請け負っているThales Alenia Spaceでも厳重にITAR違反は無いこ とを確認しているとして、選択の正当性を主張している。

 
http://www.spacedaily.com/2006/090326212925.5abxb5i1.html

【090330-06】
ESAとCNES、2013年までのギアナ宇宙センタ利用に関する契約締結

 3月25日、ESAと仏国立宇宙研究センタ(CNES)は、仏領ギアナにあるギア ナ宇宙センタ(CSG)において、ESAのプログラム及びAriane、Vega、Soyuz の開発に際してのCSGの射場の利用に関する契約を締結したことを明らか にした。

 この契約のベースには、仏政府とESAとの間で取り交わされているESAに よるCSGの利用を仏政府が保証する合意書があり、その合意書の下で、仏 政府がCNESをその保証行為の実行機関として指定しているもの。

 今回の契約は、2009年から2013年の間のESAのCSG利用をカバーするもの で、契約額は4億3,500万ユーロとされている。

 http://www.esa.int/esaCP/SEMZBLKTYRF_index_0.html

【090330-07】(関連記事:【081117-06】)
中国とナイジェリア、NigComSat-1の代替機の無償製造・打上げで合意

 3月24日、ナイジェリアと中国は、2008年11月に軌道上で不具合を起こ して機能停止となったナイジェリア初の通信衛星NigComSat-1の代替機の 製造・打上げに関する契約を結んだことを明らかにした。

 NigComSat-1は製造から打上げまでを一括して中国が国際競争に勝って 受注したもので、2007年5月に打ち上げられたが1年半で電源系の故障で運 用ができなくなり、代替機に関する調整が行われていたものであるが、今 回、NigComSat-1Rとして2011年までにナイジェリア政府には一切の負担無 しで打ち上げることで合意に達したもの。

 http://news.xinhuanet.com/english/2009-03/25/content_11073057.htm

【090330-08】(関連記事:【090323-07】)
ISRO総裁、4月に打ち上げる予定の偵察衛星は自国の衛星と説明

 3月26日、インド宇宙研究機関(ISRO)のNair総裁は19日のインドのメデ ィアによるインドがイスラエルの偵察衛星を打ち上げる予定であるとの報 道に対して、打ち上げる衛星はイスラエルの衛星ではなく、インドの衛星 であると語った。

 衛星にイスラエルが関与しているかとの質問には、イスラエルだけでな く多くの国が関わっているがあくまでも自国の衛星であると回答しており、 合成開口レーダはイスラエルから調達したのかという質問には、細かいこ とは打上げに成功してから明らかにするとの回答をしている。

 ISROは2008年1月にイスラエルの偵察衛星の打上げを行っているが、そ の打上げは当初の予定よりかなり遅れており、その理由として、イスラエ ルがこの衛星で得られる情報のインドへの提供を約束していることに対す る米国の反対があったと伝えられていたこともあり、今回も米国との関係 に気を遣っているのではないかと考えられる。

 http://www.ptinews.com/pti%5Cptisite.nsf/0/EA8E699EECD2642D65257585006192E6?OpenDocument

【090330-09】
Discoveryの大気圏再突入時に翼の下面を使って境界層遷移の実験を実施

 3月28日にISSから帰還したスペースシャトルDiscoveryの大気圏再突入 時に翼の下面を使って、空気の流れの状況を観測する実験が行われた。

 これは、翼の表面の空気の境界層を綺麗な流れの層流境界層から渦巻く 状態の乱流境界層に強制的に変えて遷移時の速度、下流の乱流境界層の中 の温度を観測しようというもので、そのために、左の翼の下面の外側から 1/3位で前縁から3m位の部分の耐熱タイルの表面に高さ6mm、長さ100mm程 度の出っ張りを設けている。

 境界層の遷移は通常でも速度が下がってくると起こるが、出っ張りの影 響でより高速のマッハ12から14で起こるのではないかと考えられている。 実験ではこの出っ張りの後ろの流れの中にに9個のサーモカップルを置い て温度の計測を行う。また、Discoveryの降下経路の下のメキシコ湾上を 飛行している航空機からDiscoveryの下面の赤外線画像を取得し境界層の 状況把握に役立てることとしており、撮影に成功している。

 遷移が生じて乱流境界層となると、通常摂氏800度から900度となる翼の 表面の温度が約300度上昇すると考えられているが、この部分の耐熱タイ ルは充分に厚く、飛行中に翼の金属部分の温度が上昇するには至らないと 考えられており、安全上の問題は無い(着陸後に熱が伝わって来て10度程 度の温度上昇が見られるのではないかと考えられている)。

 NASAでは、今後もDiscoveryにはこの出っ張りを残して、飛行の度に計 測を行い、実際の飛行時の境界層の遷移についてのデータを取得し、今後 の宇宙機の開発のためのデータの蓄積をしていくとしている。

 更には、この部分で通常の大気圏再突入時より高い空力加熱状況を作り 出せるということは、この部分を現在のシャトルよりも高速で大気圏再突 入をすることになる月から帰還する宇宙機の耐熱材料等の試験に使えるこ とにもなる。

 http://www.cbsnews.com/stories/2009/03/28/tech/main4899483.shtml

【090330-10】(関連記事:【090223-07】)
NASAが実施したISSのNode 3の名称候補への投票、意外な結果に

 3月20日までの1ヶ月間NASAがウェブ上で実施したISSの新しいモジュー ル“Node 3”の名称候補に対する一般投票の結果、NASAが挙げた4つの候 補名称を押さえて、“Colbert”がトップを占めた。

 候補名称への人気投票だけでなく、自分の好きな名前を書き込むことが できる様にしたところ、米国のケーブルテレビ/衛星テレビのチャンネル Comedy Centralで放映されている風刺番組である“The Colbert Report (コルベール・レポー)”に出演しているコメディアンのStephen Colbert が番組で自分の名前を書き込む様に呼び掛け、それに応えた視聴者が書き 込んだ結果、総投票数1,190,437票のうち、230,539票を獲得して、2位の NASAが挙げた候補名の中で最高の票(4つの候補名称への投票の中の70%) を得た“Serenity”を4万票以上引き離して1位になったもの。なお、3位、 4位にも自由書き込みの“Myyearbook”と“Gaia”がそれぞれ約15万票及 び約11万票で入っている。

 NASAは4月末のNode 3の公開時には名称を発表するとしているが、この 投票の結果の採否について、「尊重はする」としているが、「適切な名称 を選定する権利は留保する」ともしている。

 http://www.space.com/entertainment/090324-colbert-space-toilet.html

【090330-11】
NASTAR CenterとISU、新たな宇宙教育シリーズの展開で協力

 3月26日、米国フィラデルフィア郊外にあるEnvironmental Tectonics Corporation (ETC)のNational Aerospace Training and Research Center (NASTAR Center)と仏国ストラスブール郊外にある国際宇宙大学(ISU)は、 新たな宇宙教育シリーズの展開で協力していくことを明らかにした。

 様々なバックグラウンドを持った幅広い年齢層の人を対象として、宇宙 分野の著名な専門家の講義と、最新のトレーニング施設を使った体験を組 み合わせた教育を提供しようというもので、コースのマネージにはISUの スタッフと教授陣が当たり、NASTAR Centerにおいて講義と体験実技が行 われる。

 最初のコースは“Rocket Science 101”と題して2009年6月24日に開か れ、ISUの教授でこれまでに5回のスペースシャトルによる飛行を経験して いるDr. Jeffrey Hoffmanよる講義で、ロケットの基本から宇宙でのプラ イベートな時間の過ごし方までをカバーする。

 http://www.isunet.edu/index.php?option=com_content&task=view&id=531&Itemid=348

【090330-12】
SSTLとサリー大学、“Space Engineering Innovation Hub”を立ち上げ

 3月25日、英国のサリー大学が興した小型衛星専門のSurrey Satellite Technology Ltd. (SSTL)とその親会社であるEADS Astriumは、サリー大学 と一緒に、宇宙の経済に変革をもたらすための技術開発に向けて、学術と 商業活動の結び付きを生むための“Space Engineering Innovation Hub” を立ち上げることを明らかにした。

 サリー大学の中のSurrey Space CentreにResearch Chair of Space En- gineering(宇宙工学の研究教授)が任命されることとなっており、そのRe- search Chairを、制度を推進しているRoyal Academy of Engineering (英 国王立工学院)とSSTLが一緒にサポートする。

 http://www.ballard.co.uk/press_releases/company_releases.aspx?lang=English(uk)&story=1361

【090330-13】
Astrotech Corporation、商業衛星マーケットへの業務拡大を図る

 3月25日、Astrotech Corporationは、Space Florida及びSyncomm Engi- neering Servicesのそれぞれと共同事業を行うことを明らかにした。

 Astrotech Corporationは、従来からケープカナベラルやバンデンバー グの射場において衛星の打ち上げ前の整備作業を専門としているAstrote- ch Space Operationsを子会社として所有していたSPACEHAB Inc.が2009年 2月19日に社命変更して誕生した会社。

 Astrotech Corp.とSpace Floridaは、合弁事業を立ち上げて、商業衛星 分野で、ミッション計画、衛星設計・開発、地上及び打上げオペレーショ ン、ミッション運用及び最終ユーザの拡大等の支援を行う。

 今はAstrotech Corp.の子会社であるAstrotech Space OperationsとHu- ghes Aircraft Companyにルーツを持つSyncomm Engineering Servicesは、 Astrotech-Syncomm Engineering Servicesの名の下で、商業衛星の顧客に 対して、価格競争力のある課金制度、技術サービス、衛星のライフサイク ルの全てのポイントにおける信頼性モデルの提供等を行う。

 http://houston.bizjournals.com/houston/stories/2009/03/23/daily24.html?s=smc:3

【090330-14】
Lockheed Martin、フロリダ大学のCubeSat利用のプロジェクトに協力

 3月26日、Lockheed Martin(LM)は、新技術の開発用の5基の小型衛星の 開発・打上げでフロリダ大学と協力関係を結んだことを明らかにした。

 LMでは、宇宙分野への関わりの50年を記念して、2009年に大学の研究開 発プロジェクトに45万ドルを提供する。

 Lockheed Martin Information Systems & Global Servicesが大学に協 力して一辺が10cmの立方体で質量が1kg以下のCubeSatにGPS関係、地球観 測関係等の技術開発を目的としたペイロードを搭載して打上げを行い、更 に、LMではこれらの衛星のペイロードのデータ解析の作業も担当する。

 http://news.prnewswire.com/DisplayReleaseContent.aspx?ACCT=104&STORY=/www/story/03-26-2009/0004995404&EDATE

【090330-15】
小惑星の地球大気圏突入前の観測と地上での隕石の採取、初の結び付き

 3月26日号の科学誌“Nature”に、小惑星の観測史上初の出来事につい ての報告が掲載された。その出来事とは、地球に近付き大気圏に突入して バラバラになって地上に僅かな隕石を残した小惑星について、大気圏外の 軌道上で輝いている状態での観測と、地上での隕石の採取の両方に成功し たことであった。

 軌道上で観測された小惑星が大気圏に突入するところが確認でき、且つ 隕石の回収ができたのは、初めてのことであり、軌道上での輝き方と隕石 の物性の分析結果を突き合わせるということが初めて可能となった。

 2008年10月6日の15:00GMTに米国アリゾナ州のCatalina Sky Surveyに 初めて発見され、2008 TC3と名付けられた小惑星は、その後の観測で2階 建てバス程度の大きさで質量は約83トンと推定され、19:20GMTには全世 界に向けて、大気圏突入の予測位置及び時間が伝えられた。

 一旦地球の陰に入って光を失った後、予測通り10月7日02:45にスーダ ン北部のナビア(Navian)砂漠の上空37kmで大気圏に突入して火の玉とな った。この火の玉は地上から目撃され、更に飛行中のKLMの旅客機のクル ーからも目撃の報告があった。

 2008 TC3は、地上での目撃地点の名を取って、“Almahata Sittta”と 呼ばれる様になり、隕石が散らばったと考えられる地帯が砂漠であった ことから、スーダンのカーツーム大学の学生を使った人海戦術での隕石 探しが行われ、これまでに47個、重さにして合計3.95kg、最大で卵大の 隕石が発見されている。今後の研究により、太陽系の起源に関してこれ までに無い知見が得られるのではないかと期待されている。

 http://www.mailonsunday.co.uk/sciencetech/article-1164863/Asteroid-collision-course-Earth-tracked-time--way-fiery-grave.html

【090330-16】
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