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メールマガジン「週刊KU-MA」 第46号          [2009.5.20]

■目次

(1)YMコラム
     「偉大な友人との別れ」

(2)ワンダフル宇宙
     「自走火船──江戸時代の日本人の独創的発想」

(3)宇宙関連ニュース「宇宙茫茫」

■YMコラム(46) 2009年5月20日

偉大な友人との別れ

 カリフォルニアのロサンジェルスの隣にパサデナという街があります。 ここのJPL(ジェット推進研究所)という研究所は、1958年1月末に、フォ ン・ブラウンたちのチームがアメリカ最初の人工衛星エクスプローラー1 号を打ち上げた際に、その衛星を準備した研究所です。エクスプローラー 成功後に、3人の人物がその衛星の模型を高々と掲げて喜びを爆発させて いる写真は、皆さんもご覧になったことがあるだろうと思います。

 http://www.nasm.si.edu/exhibitions/GAL100/images/exp1team.jpg

 その写真の向かって一番左が当時のJPLの所長、ピカール博士です。因 みに真ん中がこの衛星に積んだ観測器の設計・製作をリードしたヴァン・ アレン(アイオワ大学)、一番右がフォン・ブラウンですね。

 このJPLは1970年代には、ボイジャーとかバイキングなどのスケールの 大きな探査機を次々と惑星間空間に脱出させていきました。その頃のJPL の所長はブルース・マレーという惑星地質学者で、当時まだ40歳代の若き リーダーでした。彼は、JPLの所長在任中にカール・セーガンやルイス・ フリードマンとともにTPS(The Planetary Society:惑星協会)を立ち上 げ、その後も長きにわたってアメリカの宇宙探査の重鎮として大活躍しま した。カールの遺志を尊重して1999年に日本惑星協会を設立したのも、カ ールと仲のよかった秋田次平さんの熱意が一番ですが、ブルースやルーの 働きかけが大きな力になりました。

 そのブルースは大の日本好きで、しばらく相模原の宇宙科学研究所に客 員教授として滞在していたことがありましたが、先日も何回目かの、おそ らくはこれが最後であろう訪日を家族とともに果たし、京都や鎌倉(や香 港)を楽しんで帰りました。明日はアメリカへ帰るという日、お別れに淵 野辺の「せんりょう」という呑み屋さんでウーロン茶を一献傾けました。 現在77歳。さすがに老いてきた彼の仕草を眺めながら、時折熱くなる目頭 をそっと拭いながらのFarewellになりました。

 彼に「地質の専門家から見て、日本の面白さは何だ?」と訊ねたら、即 座に「火山と地震」と返ってきました。そして「地球という天体を研究す るのに、こんなに興味ある国はない。寿司や刺身などの料理もいいけどね」 とウィンクしながら付け加えました。「日本人自身は、日本の地質という ものをよく勉強するのか?」と訊くので、「まあ結構知識はあると思うけ ど、精力的に勉強するかどうかについては、?かな」と答えると、「それ はもったいない。特に子どもたちの地球への関心の入口には、火山と地震 が一番いいよ。だって日本の子どもたちは日常的にその二つに接すること ができるんだからね」とアドバイスをくれました。

 なるほどと思い当たりました。私たちが「宇宙教育」という場合、いか にも「宇宙宇宙する」のが常で、私たちが造詣の深いもの、あるいは教え たくて仕方のないものから出発することが多いのですが、確かに子どもた ちの経験から出発して身近な素材から始めるという鉄則を、あらためて教 わった気がしました。富士山、浅間山、桜島・・・、日本には108もの活 火山があります。それに日本の子は少々の地震なら大騒ぎはしません。ヨ ーロッパの人の中には、ちょっと揺れただけでパニックになる大人も多い のですから。

 その夜、話が弾んで、宿までタクシーで送り、ブルース一家と後ろ髪引 かれる別れをした後には、雨の強く降る暗闇が私の心のようにポッカリと 影を残していました。さようなら、偉大な友人。

 See you again if possible!

 http://www.jpl.nasa.gov/jplhistory/captions/murray-t.php

■ワンダフル宇宙(46) 2009年5月20日

自走火船──江戸時代の日本人の独創的発想

 秀吉が16世紀末にいわゆる「文禄・慶長の役」で朝鮮に出兵した際、日 本人はおそらく初めて原始的な火薬ロケット「火箭」を見たに違いない。 一般には13世紀に元の皇帝フビライ・ハーンの指令で、モンゴルと朝鮮半 島の連合軍が日本人に攻め寄せた時(文永・弘安の役)が、日本人が初め て「ロケット」を目撃した時だと指摘する人は多い。しかしあの有名な 『蒙古襲来絵詞』という絵に描かれていて、後世から日本人が初めて見た ロケットとされる「てっぱう」は、どうも宋の時代に発明された「火箭」 とは異なる武器であるらしい。

 http://www.kamakura-burabura.com/rekisitokimunebuneinoeki.htm

 火箭を朝鮮で見て気に入った秀吉は、その後それを国産する努力を命じ たと言われる。しかし硝石が足りないので叶わなかったと伝えられる。そ の後1600年(慶長5年)に、徳川家康は、豊後(大分県)に漂着したオラ ンダ船リーフデ号から350本のロケット(火箭)や火器、火薬などを没収 (輸入?)するという事件がおきた。

 そのリーフデ号からとり上げた火箭のうちの2本を、もう随分前に金華 山城(岐阜城)の博物館を訪れた時に展示ケースの中で発見して驚いたこ とがある。この火箭の本物は、私の知る限り世界中どこにも現存していな い。本家の北京軍事博物館、モンゴルのウランバートルの軍事博物館、モ ンゴル軍が攻め入ったヨーロッパ各地の砦にある展示室、・・・機会ある ごとに私は探しているが、いまだに目にしてはいない。だからあの岐阜城 では、博物館の当時の館長さんに「これは歴史的に非常に貴重なものです。 大事にしてくださいね」と念を押したのだが、数年後に訪れた時は、展示 品も一変しており、残念ながら新しい館長さんにお聞きしても、火箭は行 方知れずになっていた。今だに惜しいことをしたと思っている。

 家康以降の江戸時代は戦争のない世の中だっただけに、ロケット技術は、 狼煙や花火や農民ロケットという、ヨーロッパなどとは別の運命をたどる ことになった。ざっと年表をひもといただけでも、次のようなものが挙げ られる。

・1600年(慶長5年)
関ケ原の戦いで石田三成の居城佐和山まで戦況を「木砲狼煙」で伝える。
・1613年(慶長18年)
家康が中国人のあげる花火を見学。 ・1658年(万治元年)
両国の川開き「花火大会」が行われ、「流星(龍勢)」という名のロケット花火が打ち上げられる。
・1673年(延宝元年)
大川筋海以外の者が打ち上げる「からくり龍勢」等の花火禁止令が出る。
・1676年(延宝四年)
甲賀・伊賀忍法の集成誌『万川集海』に「飛火炬」「打火炬」と呼ばれる「流星狼煙」(ロケット式)が詳しく説明される。
・1712年(正徳二年)
武家による「木砲狼煙」を利用した花火についての記述。
・1804年(文化元年)
隅田川の花火大会の番付表にロケット式花火「龍勢」の記述。

 ところが19世紀初め、日本人は世界に誇るべき、素晴らしい発明を成し とげる。兵農学者である佐藤信淵(秋田・羽後の出身)が考えだした「自 走火船」である。これは小さな数隻の船にロケットエンジンを装備し、そ の編隊によって大きな船を包囲して攻撃するものである。このアイデアを 実現するために、1809年(文化六年)、佐藤信淵は世界初の火薬ロケット 船の実験を行っている。江戸時代の日本人は、ロケットで推進する船を考 えだすほどに独創的だった。ロケットを運搬の手段として再発見したロシ アのツィオルコフスキーをさかのぼること100年──こんなユニークな日 本人がいたのである。

 http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BA%B4%C6%A3%BF%AE%CA%A5

■宇宙茫茫ヘッドライン

【090518-01】 STS-125ハッブル宇宙望遠鏡のメンテナンス、5回の船外活動終了
【090518-02】 NASAの火星ローバSpirit、砂地に車輪を取られて動けず
【090518-03】 物資補給船Progress M-02M、無事ISSにドッキング
【090518-04】 ESA、Ariane 5によるHerschelとPlanckの打上げ成功
【090518-05】 ILS、Proton/Breeze MによるIndoStar II/ProtoStar IIの打上げ成功
【090518-06】 NASA、ワロップス島からMinotaur 1によるTacSat 3の打上げ5月19日に
【090518-07】 NASA、月に向けてのLROとLCROSSの打上げを更に半月延期
【090518-08】 ロシア連邦宇宙局とNASA、Soyuzの1座席の対価5,100万ドルで合意
【090518-09】 EU、域内のモバイル衛星サービスの許可をSolaris MobileとInmarsatに
【090518-10】 NASA、2010年4月打上げ予定のSTS-132のクルーを発表
【090518-11】 カナダ、2人の新しい宇宙飛行士を選定
【090518-12】 Eutelsat、ATLANTIC BIRD? 7をAstriumに発注
【090518-13】 米空軍、再使用可能なブースターの提案要請書を発行
【090518-14】 NASA、気候変動に関する教育の強化に助成金
【090518-15】 モデルロケット打上げ競技“Team America Rocketry Challenge”終了
【090518-16】 JAXAのウェブサイト内の注目記事へのリンク

【090518-01】
STS-125ハッブル宇宙望遠鏡のメンテナンス、5回の船外活動終了

 5月11日14:01EDT(12日03:01JST)、NASAはハッブル宇宙望遠鏡(HST)の メンテナンスに向かうSTS-125ミッションのスペースシャトルAtlantisの 打上げに成功した。

 クルーはコマンダーのScott Altman、パイロットのGregory C. Johnson の他、ミッションスペシャリストがMichael Good、Megan McArthur、John Grunsfeld、Michael Massimino及びAndrew Feustelの5人の合計7人である。 AltmanとMassiminoは2回目の、Grunsfeldは3回目のHSTのメンテナンスミ ッションへの参加である。

 2日後の13日に高度563kmの軌道上のHSTをロボットアームで把持してカ ーゴベイに固定し、翌日から毎日連続5日間の船外活動で、観測機器の交 換、修理、部品の交換等を行い、5月19日に帰還の途に着き22日にケネデ ィ宇宙センタに帰還の予定である。

 打上げの翌日の12日に行ったAtlantisの耐熱タイルの損傷の有無の調査 では、右舷側の翼の取付位置の僅か手前の胴体下部に約50cmの長さで耐熱 タイル4枚に亘って小さな凹みが発見されたが、詳細検討の結果、追加の 点検を必要とするほどの損傷ではないとの結論に達しており、機体の健全 性には問題が無いことが確認された。

 第1回目の船外活動は、14日に、John GrunsfeldとAndrew Feustelによ って行われ、Wide Field Camera 2(WFC2)の取り外しと新しいWide Field Camera 3 (WFC3)の取り付け及び2008年10月に故障しメンテナンスミッシ ョンの遅れの原因となったScience Instrument Command and Data Handling Unit (SIC&DH)の交換作業が行われた。

 WFC2は1993年の最初のメンテナンスミッションで取り付けられた古い観 測機器で、今回の交換作業ではボルトが緩められない問題が発生したが、 結局Feustelがボルトを破壊して交換作業を終えた。

 また、この日、将来ミッションが終了した時にHSTに軌道離脱用の推進系 を持った無人機を結合させるためのドッキングリングを取り付けた。

 第2回目の船外活動は15日に、Michael GoodとMichael Massiminoによっ て行われ、ジャイロスコープ6基とバッテリーモジュール2基のうちの1基の 交換作業が行われた。

 6基のジャイロが2基ずつ収められたパッケージを3個とも新しいものに交 換する予定だったが、最後の1個がうまく取り付けられず、1999年のメンテ ナンスミッションの際に地上に持ち帰られ予備品として整備されて今回再 び持ち込まれていたパッケージを取り付けた。ジャイロの交換で約2時間遅 れたため、今回の船外活動は7時間56分に及び、歴代8位の長さを記録した。

 第3回目の船外活動は16日に、John GrunsfeldとAndrew Feustelによって 行われ、新しい観測機器Cosmic Origin Spectrograph(COS)の取り付けと、 Advanced Camera for Survey(ACS)の修理が行われた。

 ACSは2006年に電源供給装置の異常が起き、一度は復旧したものの、2007 年に再び異常を起こし、観測機能が停止した。今回の修理では、4枚の回路 基板を交換し、電源装置を取り付けた。

 第4回目の船外活動は17日Michael GoodとMichael Massiminoによって行 われ、故障していたSpace Telescope Imaging Spectrograph(STIS)の修 理が行われた。

 STISはブラックホールの探査や天体の温度を測定するための観測機器で、 1997年に取り付けられたが、2004年8月に電力変換装置に不具合が起き、そ のまま停止していた。今回の修理では電源装置の交換が行われ、STISが再 び動作することが確認された。

 この修理作業でボルトを外すために邪魔になるハンドレールに取付ボル トが1本外れず、結局は人力でハンドレールを引きちぎる様にして外したが、 それまでに時間が掛かったため、HSTへの防護ブランケットの取り付け作業 が中止された。今回の船外活動はこの作業のために歴代6位の8時間2分に及 ぶこととなった。

 第5回目の船外活動は18日に、3回目となるJohn GrunsfeldとAndrew Feu- stelのコンビで行われ、残されていた2基目のバッテリーモジュールの交換、 精密ガイダンスセンサの交換及び前回やり残しとなって1箇所を含めて3箇 所に新しい防護ブランケットの取付を行った。

 以上5回の船外活動で予定していたHSTのメンテナンスは無事終了し、少 なくとも2014年までの運用が保証される形となった。

 http://www.nasa.gov/mission_pages/shuttle/shuttlemissions/sts125/news/125_status_search_agent_archive_1.html

【090518-02】
NASAの火星ローバSpirit、砂地に車輪を取られて動けず

 5月11日、NASAは火星で活躍中のローバSpiritが砂地に車輪を取られて 動けなくなっていることを明らかにした。

 砂地に入って動きにくくなることはこれまでにも何回かあったが、今回 はこれまでになく深く、柔らかい砂地に捕まっており、運用に当たってい るNASAのジェット推進研究所(JPL)で、試験機を用いてシミュレーション を行って脱出方法を探っている。

 Spiritは、3年前に右前輪のモータが動かなくなり、現在は残りの5輪を 用いて動かない右前輪を引きずる形で後ろ向きに移動をしており、動きの 自由度が少ないことが砂地からの脱出をより難しくしている。

 なお、Spiritは、ここのところ何回かの砂嵐で太陽電池に蓄積していた 砂塵が吹き飛ばされ、発電量が多くなっており、問題解決のための通信量 の増大には対応できるという好都合な状況にある。

 http://www.jpl.nasa.gov/news/news.cfm?release=2009-082

【090518-03】(関連記事:【090511-03】)
物資補給船Progress M-02M、無事ISSにドッキング

 5月12日、ロシアが打ち上げた無人の物資補給船Progress M-02Mが無事 ISSにドッキングした。ドッキングは完全に自動でスムーズに行われた。

 今回のProgressは新しいデジタル制御システムを搭載した改良型の2号 機であり、ISSとのドッキングの前に各種の飛行テストを行ったために、 ドッキングは、打上げから5日後に行われた。

 今回ISSに運んだ物資は、“ドライ”な荷物が1,535kg、ISSのロシアの モジュール用の推進薬が870kg、酸素と空気が50kgで合計2,455kgであった。

 http://en.rian.ru/russia/20090513/155008224.html

【090518-04】(関連記事:【090511-05】)
ESA、Ariane 5によるHerschelとPlanckの打上げ成功

 5月14日、ESAはギアナの射場からAriane 5による赤外線宇宙望遠鏡Her- schelと宇宙マイクロ波背景放射(CMB)観測衛星Planckの打上げを行い、所 期の太陽−地球系の第2ラグランジュ点(L2:太陽と地球を結ぶ直線上で 地球から太陽と反対側に150万km離れた位置)に向かう軌道への投入に成 功した。

 約2ヶ月後に、HerschelはL2からの平均距離80万kmの疑似ハロー(quasi- halo)軌道に入り、PlanckはL2からの振幅40万kmのリサジュー(Lissajous) 軌道に入って観測を開始する予定となっている。L2は常に地球の夜側にあ るために、観測機器への太陽光及び太陽からの宇宙放射線並びに地球の熱 放射等の影響を少なくすることができる位置で、高感度の観測のために機 器の温度を極低温に保つ必要がある宇宙空間を観測するには好条件の位置 とされている。

 Herschelは直径3.5mの主鏡と赤外線カメラなどを搭載し、宇宙望遠鏡と しては初の遠赤外線およびサブミリ波の観測を行うもので、初期宇宙の進 化や星形成、星間物質等に関する成果が期待されている。

 一方、Planckは重さ約1900kg、大きさ1.5mの主鏡と2種類の高感度検出 器を搭載し、CMBを観測するもので、宇宙の膨張や崩壊、宇宙の年齢、ダ ークマター、ダークエネルギー等に関する成果が期待されている。

 Herschel/ Planckの開発はThales Alenia Space Franceの下で、欧州及 び米国の15ヵ国の100以上の企業が参画して行われた。

 http://www.esa.int/esaCP/SEMK2AZVNUF_index_0.html

【090518-05】(関連記事:【090420-06】)
ILS、Proton/Breeze MによるIndoStar II/ProtoStar IIの打上げ成功

 5月16日、International Launch Services(ILS)はバイコヌールからPro- ton/Breeze MによるProtoStar Ltd.の衛星IndoStar II/ProtoStar IIの打 上げを行い、所期の遷移軌道への投入に成功した。衛星は、東経107.7度 に静止の予定である。

 衛星はBoeingの601 HPプラットフォームをベースとした衛星でインドネ シアを中心にインド、台湾、フィリピン等の地域へのSバンド及びKuバン ドによる直接TVサービスとラジオサービス等に用いられる。

 http://www.ilslaunch.com/news-051609

【090518-06】(関連記事:【090511-06】)
NASA、ワロップス島からMinotaur 1によるTacSat 3の打上げ5月19日に

 5月13日、NASAは延期されていた米国バージニア州のワロップス島の Mid-Atlantic Regional SpaceportからのOrbital SciencesのMinotaur 1 による米空軍研究所のTacSat 3と超小型衛星の打上げを5月19日に行うこ とを明らかにした。

 なお、打上げの予備日は翌20日のみとされている。

 http://www.wmdt.com/topstory/displaystory.asp?id=13016

【090518-07】(関連記事:【090406-07】)
NASA、月に向けてのLROとLCROSSの打上げを更に半月延期

 5月15日、NASAは先に5月21日にケープカナベラルからAtlas 5で打ち上 げる予定を6月2日に遅らせていたLunar Reconnaissance Orbiter (LRO)と 相乗りのLunar Crater Observation and Sensing Satellite (LCROSS)の 打上げを更に最短でも6月17日まで遅らせることを明らかにした (このミ ッションの打上げ機会は月の周期の関係で2週間毎の3〜4日間に限られる)。

 今回の延期の理由は、LCROSSに関する技術検討に時間を要するためとさ れている。

 即ち、LCROSSは、月に水が存在する証拠を得る目的で、永久に太陽が当 たらない南極近くのクレーターにAtlas 5の上段のCentaurを衝突させて舞 い上がる物体の組成を観測し、その後に自らも衝突する予定となっている が、Centaurには推進薬として液体水素と液体酸素が搭載されており、そ れらは衝突で舞い上がる物体の中に水の存在を示すものを検知しようとい う目的からすると、衝突前に完全に無くなっている必要があることから、 それを確実に行えることの確認のために、推力の変動、推進薬放出バルブ の特性等を細かくシミュレートした解析の実施に時間を要するとしている。

 なお、LCROSSの実験目的からすると、6月2日の打上げよりも17日の打上 げの方が、月面への衝突をより大きな角度で行うことができるというメリ ットがある。

 http://www.spaceflightnow.com/atlas/av020/090515delay.html

【090518-08】
ロシア連邦宇宙局とNASA、Soyuzの1座席の対価5,100万ドルで合意

 5月13日、ロシア連邦宇宙局(Roscosmos)は、NASAとの間で、2012年以降 のロシアのSoyuz宇宙船による米国の宇宙飛行士のISSへの往復に関する費 用負担で合意したことを明らかにした。

 合意した額は、1座席当たり5,100万ドルで、NASAが2007年に15座席に7 億1,900万ドル(平均約4,800万ドル)支払う約束をした時よりも6%強高く なっている。

 http://en.rian.ru/russia/20090513/121576388.html

【090518-09】
EU、域内のモバイル衛星サービスの許可をSolaris MobileとInmarsatに

 5月13日、欧州委員会(EC)は欧州連合(EU)の決定事項として、欧州にお けるモバイル衛星サービスに関する18年間の事業の許可をアイルランドの ダブリンに本社を構えるSolaris Mobileと英国ロンドンのInmarsatに与え る決定を下したことを明らかにした。(Solaris Mobileは、SES Astraと Eutelsatの合弁企業である。)

 ECでは2007年7月に欧州全土をカバーするモバイル向け衛星高速データ サービスの新たな選択方法に関する提案書を採択し、2008年7月に欧州議 会と閣僚理事会がその枠組みを採択したことを受け、8月からサービス事 業者の選択プロセスに入っており、今回選定された2社の他、米国系のICO Satellite Ltd. とTerreStar Europeも名乗りを上げていたが、選定され なかった。

 今回の事業許可により、事業者は2GHz帯の周波数を用いたモバイル通信 サービスを単一の入札・承認プロセスにより域内全体で提供できることに なるが、各国別のライセンスの取得は必要とされている。

 http://news.zdnet.co.uk/communications/0,1000000085,39652593,00.htm

 なお、ICO Global Communications (Holdings) Limited は傘下のICO Satelliteが選ばれなかった今回の決定の過程に対して疑義を唱えており、 今後、自社の法的権利を確保するための行動を起こす考えであることを表 明している。

 http://investor.ico.com/ReleaseDetail.cfm?ReleaseID=384183

【090518-10】
NASA、2010年4月打上げ予定のSTS-132のクルーを発表

 5月14日、NASAは2010年4月に打上げ予定のSTS-132ミッションのクルー を公表した。スペースシャトルAtlantisによるミッションで、ロシアの Mini Research Module (MRM1)をISSに運ぶ。

 コマンダーは海軍のKen Ham、パイロットも海軍のTony Antonelliで、 ミッションスペシャリストとして、Steve Bowen、Karen Nyberg、Garre- tt Reisman及びPiers Sellersの4人となっている。

 これまでにHam、Antonelli、Bowen、Nybergの4人が1回、Sellersが2回 のスペースシャトルでの飛行を経験しており、Reismanは第16次〜17次の 長期滞在クルーとしてISSに3ヶ月以上滞在した経験を有している。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2009/may/HQ_09-105_STS-132_Crew.html

【090518-11】
カナダ、2人の新しい宇宙飛行士を選定

 5月13日、カナダの工業相とカナダ宇宙庁(CSA)長官は新しいカナダの宇 宙飛行士2人の選定を終えたことを明らかにした。

 2008年5月末開始した新しい宇宙飛行士の募集への応募者5,351人の中か らの選考された2人で、1976年1月生まれのカナダ空軍のCF-18戦闘機のパ イロットであったJeremy R. Hansen及び、1970年1月生まれで天体物理学 のPhDで且つ医師のDavid Saint-Jacquesである。

 この2人は夏までの短期間CSAでの訓練を受けた後、8月からはNASAのジ ョンソン宇宙センタでの訓練を受ける予定となっている。CSAでの訓練期 間中に相次いで2人のカナダの宇宙飛行士が宇宙に飛び立つので、新人2人 は準備の支援を行うことになる。

 宇宙に向かうのは、5月27日にSoyuz TMA-15でISSでの長期滞在に向かう Robert Thirskと、6月13日に打ち上げられる予定のスペースシャトルEn- deavourのSTS-127ミッションに搭乗するJulie Payetteである。

 http://www.asc-csa.gc.ca/eng/media/news_releases/2009/0513.asp

【090518-12】
Eutelsat、ATLANTIC BIRD? 7をAstriumに発注

 5月14日、Eutelsat Communicationsは、2011年の第4四半期に西経7度に 打ち上げる新しい衛星ATLANTIC BIRD? 7をAstriumに発注することを明ら かにした。Eutelsatでは、打上げロケットは後日決定するとしている。

 ATLANTIC BIRD? 7はEurostar E3000プラットフォームをベースとした衛 星で、質量4.6トン、設計寿命15年以上とされている。

 静止軌道上の西経7度の位置は中東地域及び北アフリカをカバーする重 要な位置で、Eutelsatでは既に2009年3月からATLANTIC BIRD? 4Aを運用し ているが、ATLANTIC BIRD? 7で置き換えることとしており、それにより4A の2倍の容量を持つことになる。

 この位置には、エジプトのNilesatが運用するNilesat 101及び102があ り、2010年の中頃にはNilesat 201も加わることから、Eutelsatでは、Nil- esatとの協力関係を保って事業展開を行っており、両社はこの位置を“NI- LEBIRD”と称することに合意している。

 ATLANTIC BIRD? 7の打上げ後にATLANTIC BIRD? 4Aは東経13度に移され 2009年2月の打上げ時の名称であるHOT BIRD? 10に戻るとされている。

 http://www.eutelsat.com/news/compress/en/2009/html/PR2809-AB7/PR2809-AB7.html

【090518-13】
米空軍、再使用可能なブースターの提案要請書を発行

 5月14日付けのAviation Week(ウェブ版)が伝えるところによると、米空 軍研究所(AFRL)は、再使用可能な打上げシステム(Reusable Booster Sys- tem:RBS)についての提案要請書を発行した。

 基本的には垂直離陸、水平着陸のブースターを核として、上段に使い捨 てロケットを使用するコンセプトで、準軌道飛行から大型衛星の打上げま での広い範囲のミッション要求に応えられるシステムの提案を地上システ ムまで含めて求めている。

 運用面からの要求としては、軍事目的への対応として、要求があってか ら4〜8時間での打上げが可能で且つ、帰還後24〜48時間で次の打上げが可 能なことを求めている。

 また、打上げ地点の近くへ帰還させるために、上段を切り離した後にロ ケットエンジンを作動させて自動で目標地点への滑空帰還の初期条件を整 える“rocket-back”が可能なこととしている。

 スケジュール上の要求としてはサブスケールのデモンストレーションを 2017年〜2018年に行い、それを終えた時点で、直ちにフルスケールの開発 に取り掛かれる体制が整うことを要求している。また、デモンストレーシ ョンは当然のことながら実用段階と同じコンフィギュレーションで行うこ とを求めながら、主エンジンとしては開発済みのエンジンを用いることが 望ましいとしている。

 提案書には、以下の各項目の説明を含めることが求められている。

 @地上システム及び技術オプションを含む機体のコンセプト
 A打上げ能力とコストを含む運用コンセプト
 Bコスト、リスク、スケジュールを含む開発計画
 C既存の軍事用及び民用のロケットとの間で期待される相乗効果。

 更に、機体構造系、エンジン、制御及び健全性管理系、電力系、流体系、 熱制御系、駆動系、地上系、システムインテグレーションの分野でのデモ ンストレーションプロジェクトについてのアイデアも求めている。

 http://www.aviationweek.com/aw/generic/story_channel.jsp?channel=space&id=news/Reuse051409.xml&headline=USAF%20Seeks%20Reusable%20Booster%20Ideas

【090518-14】
NASA、気候変動に関する教育の強化に助成金

 5月13日、NASAは2008年7月から10月にかけて研究助成金の申請の受付を 行っていた“2008 Global Climate Change Education”(GCCE)の選考結果 を明らかにした。

 GCCEは全地球規模の気候変動及び地球システム科学に関する小学校から 大学学部レベルの教育内容を高めるための研究に助成を行うもので、選考 をパスした機関では、助成金だけでなく、NASAのこの分野における特別の 実績を教育の場で直接或いは教師の能力を高めるために利用することがで きる。

 今回選定されたのは22の機関で、今後2年〜3年の間でトータル14万ドル 〜50万ドルの助成を受けることができる。助成金は総計で640万ドルとさ れている。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2009/may/HQ_09-107_Climate_Edu_Grants.html

【090518-15】
モデルロケット打上げ競技“Team America Rocketry Challenge”終了

 5月16日、米国バージニア州のGreat Meadow in The PlainsでAerospace Industries Association(AIA)主催の第7回Team America Rocketry Cha- llengeの最終ステージが開催され、予選を通過した100チームが参加した。

 大会のルールは、市販のモデルロケット用のモータを使用した手作りの ロケットに生卵を 宇宙船の中の宇宙飛行士の様に機軸に対して卵の長手 方向が垂直になる様に搭載して打ち上げてパラシュートで回収し、先ずは 生卵が割れていないことを条件に、飛行高度と飛行時間がそれぞれ750ft と45秒にどれだけ近いかを競うもの。(スコアの計算式は[高度差(ft)+時 間差(秒)×2]である。)

 優勝はウィスコンシン州のMadison West High School (Team 3)で、2回 の飛行の合計スコアは20.54であった(1回目、740ft、44.03秒、2回目749ft、 41.2秒)。

 本大会の賞金は奨学金及びその他の賞を合わせて総額6万ドルで、この 中にはLockheed Martinが特別に提供するトップ3チームへの5,000ドルず つの奨学金が含まれている。また、トップのチームのメンバー4人はRay- theonの提供で6月に開かれるパリエアショーに招待される。

 大会の運営にはAIAとNational Association of Rocketryが当たり、国 防総省、NASA、 American Association of Physics Teachers及び AIA の メンバー会社38社がスポンサーとなっている。

 http://www.aia-aerospace.org/newsroom/aia_news/2009/wisconsin_student_rocketeers_win_national_team_america_rocketry_challenge/

 また、この日、優勝したMadison West High School のチームは、昨年 から始まった大西洋を挟んでの“Transatlantic Rocket Fly-Off”で英国 のUK Aerospace Youth Rocketry Challengeの優勝チームであるRoyal Li- berty Schoolとの一騎打ちを行った。結果は39.54対50.68で英国チームの 2連勝となった。

 http://news.prnewswire.com/DisplayReleaseContent.aspx?ACCT=104&STORY=/www/story/05-16-2009/0005027520&EDATE

【090518-16】
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