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メールマガジン「週刊KU-MA」 第52号          [2009.7.1]

■目次

(1)YMコラム
     「倭と和(1)」

(2)ワンダフル宇宙
     「日食を観察するために」

(3)宇宙関連ニュース「宇宙茫茫」

■YMコラム(52) 2009年7月1日

 倭と和(1)

 宇宙教育指導者セミナーがあって、初めて周防の防府を訪れた。セミナ ーは防府市立青少年科学館(通称ソラール)で開かれ、盛況だったのだが、 突如思い出した小咄を一つ。

 ――私の友人の奥方がここ防府の出身である。正式には「ホウフ」と読 むが、土地の人の中には「ボウフ」と読む人もいるという。ある年にその 友人がこの地を訪れた。奥方の実家までの道を駅からバスに揺られている と、運転手さんの車内アナウンスが「次はボウコウコウモンマエ、次はボ ウコウコウモンマエ。お降りの方はボタンを押してください」と告げた。 友人がびっくりして隣りの奥方を見ると、彼女は静かに微笑んで、「防高 校門前、つまり防府高校の正門前よ」とささやいた――

 ここは古くは周防の国衙があったところであり、かつて広島の吉田にい た毛利の殿様が、関が原で敗れ、長州藩主として引っ越してきたところで もある。ただしこの地は砂地なので城を築くのに適さず、萩に指月城が築 かれた。2万5000坪に及ぶ広大な毛利家の庭園は、丘あり、せせらぎあり、 滝ありの起伏に富んだ素晴らしい景観で、その庭園内にひときわ目立つ12 00坪の公爵毛利家の豪邸が、毛利博物館として近代和風建築の粋を誇って いる。

 ちょうど防府市と姉妹都市の関係にある安芸高田市(つまりむかし毛利 の殿様のいた広島県安芸郡吉田)のご一行が見学に見えるとのことで、博 物館の前に佇んでおられた防府市の副市長さん(嘉村悦男氏)にお会いし た。そのおかげで、(ご一緒していただいていた防府市教育委員会の木村 雅幸課長のお薦めもあって)毛利博物館館長の小山良昌さんが安芸高田市 のご一行の案内をされるのに、ちゃっかりとついて回った。名所に行くと 旅行者に懇切丁寧な案内をするガイドさんがいて、これは便利だというの で、その旅行者グループの一員のようなふりをして、それに混じって名解 説のおこぼれを頂戴するという、アレである。

 効果はてきめん。小山館長さんの洒脱で気の利いた名調子をたっぷりと 楽しむことができた。圧巻は雪舟の描いた四季山水図である。長さ16 mの 国宝の長巻に、さっき拝ませていただいた阿弥陀寺の鉄宝塔(国宝)とは 別の意味で圧倒された。鉄宝塔は、木村課長が仲介の労をとっていただい たおかげで、阿弥陀寺の住職さんがわざわざ蔵の鍵をとってきて、特別に 見せてくださったもので、そばには重要文化財である俊乗房重源の坐像や 後白河法皇の坐像などが安置してあり、かたわらの5粒の仏舎利を納めて 木栓で密封した水晶三角五輪塔の愛らしい姿が、帰りの新幹線の中でも瞼 に甦ってきた。

 阿弥陀寺は入り口が美しい。紫陽花のアーチの中で、ごつごつとした石 の段々が陽光を柔らかくはねかえしていて、その勾配を登りきったところ に、両側を慶派の作と言われる阿吽の金剛力士像に守られた仁王門が待っ ている。その構えの額縁の中に、一幅の水彩画のような光の世界がひろが っており、思わずふらふらと迷い込みたくなるような雰囲気で、阿弥陀寺 は人を誘っていた。

 さて、毛利博物館に展示されていた古今集の書き出しの部分が気になっ た。もちろん写本であろうが、「古今倭歌集」と書いてあったのである。 まだ文字を持たなかった私たちの先祖が、自分のことを「わ」と呼んでい たことは、「わたし」「わたくし」「われ」などの表現に垣間見える。そ こで、中国の王朝と接触を持ち始めたこの列島の人たちが、自分のことを 「わ」という音で表現したことは十分に想像できる。その音をもとにして、 かの国の人たちは「倭」という文字を当てたに違いない。「人」に「委 (まか)せる」というこの「倭」という字は、ある意味では蔑称であり、 他方こちらから見れば「ヘリくだった表現」だったであろう。

 どこかの時点で、この国の「わ」に「和」を当てた人がいる。しかも 「大いなる和」を。だが、このことは非常に重大で素晴らしい「発明」だ った。その後の展開を見ると、「和」は、この国を表す「音」にとどまら ず、この列島に住む人々の特質を見事に表しているように感じるのである。 「倭」と「和」──毛利博物館でふと感じた違和感を、次週に本格的に考 えてみたい。長すぎると、例によって読むのに大変そうなので。

(YM)

■ワンダフル宇宙(52) 2009年7月1日

 日食を観察するために

 日食のときに欠けていく太陽を肉眼で追い続けて、眼の網膜が傷ついた という話を聞くことがあります。本人は「あまりない機会だから」という ので「根性」で見続けるのでしょうが、危険ですね。網膜は言うまでもな く、見るために光を感じる部分ですから、損傷を受けると失明に至ること も考えられるので要注意です。たった一回の日食のために一生お世話にな る眼をやられるのはちょっとね。

 だから太陽を見るときには、その強い光を弱めて見る工夫をしなければ いけません。いわゆる「減光のためのフィルター」が必要です。ただし、 減光してまぶしくない状態になればそれでいいのかと言えば、それだけで は駄目です。だからフィルターの素材は慎重に選びましょう。

 一般的に「光」と言えば「可視光」を指しますが、この可視光の波長は、 およそ380〜700 nm(ナノメートル:10億分の1メートル)です。虹の色と しておなじみですね。ところが、太陽からやってくる光には、可視光の波 長の外側に「紫外線」や「赤外線」と呼ばれる光も含まれています。太陽 観察でやっかいなのがこの紫外線と赤外線です。これらは、目に見えない ものだから、いったいどれぐらい強い光が来ているのかが分からないわけ ですからね。

 紫外線は、可視光よりも波長が短い光(200〜380 nm)です。強烈な紫 外線を眼に浴びると、短時間でも眼球の表面の角膜(眼の一番表の部分) に傷ができて痛みを感じるようになります。いわゆる「雪目」ですね。も ちろん弱い紫外線でも長い時間にわたって浴び続けると白内障などを引き 起こすことになりますので油断大敵です。ただし、紫外線は角膜よりも内 側にあるレンズ(水晶体)で吸収されますから、網膜にダメージを与える 可能性は少ないでしょう。しかも紫外線を通しにくい性質を持つガラスや プラスチックなどを減光フィルターに使えば、紫外線を弱めることもでき ますね。

 赤外線は、可視光より波長が長い光(700 ~1000 nm)です。赤外線は 「熱線」とも呼ばれていますね。赤外線をあまりに受けると人体にも悪影 讐が及びます。網膜なんて皮膚などに比べると非常に脆弱にできています から、赤外線を受ける強度や時間によっては、やけどと同様のダメージを 受ける可能性もありますよ。繰り返しますが、まぶしくなくても網膜は赤 外線によって炎症を起こす可能性はあるので、厳重に注意してくださいね。

 むかしは、煤をつけたガラスとか黒い下敷きなどで太陽を観察するなど したものですが、これらは可視光に対してはある程度ブロックしてくれる ものの、赤外線に対しては役に立ちません。その他手軽に入手できる素材 がいろいろと紹介はされていますが、安全性の確認のできていないものは やめるのが得策というもの。「目は人間のまなこなり」ですから。結局の ところ、可視光・赤外線・紫外線を有効にブロックしてくれる(信頼でき るデータを提供している)市販の「日食メガネ」「日食グラス」を使うの が一番いいという結論です。デパートその他でも売れ行きがすごいらしい ですね。お早めに手に入れることをお勧めします。

■宇宙茫茫ヘッドライン

【090629-01】ULA、ケープカナベラルからDelta IVによるGOES-Oの打上げ成功
【090629-02】NASAの月周回探査機LRO、月の周回軌道に入る
【090629-03】NASAの月突入機LCROSS、月のスイングバイで極軌道に移行
【090629-04】NASA/ESA、18年以上活躍の太陽探査機Ulyssesの運用停止を決定
【090629-05】ESA、Galileoの最初の試験機GIOVE-Aの運用期間を更に1年延長
【090629-06】NASAのワークショップで大学生が実験用ペイロード製作・打上げを体験
【090629-07】ESA、11月にプレセツクからRockotでSMOSとProba-2を打上げ予定
【090629-08】NASAのJPL、ウェブサイト“Free Spirit”を立ち上げ
【090629-09】米空軍のTacSat 3、初期チェックアウトで順調に性能発揮
【090629-10】NASA、SMEX Programの新しいテーマ2件を選定
【090629-11】ISUのSSP、120名が参加してNASAのエイムズ研究所でスタート
【090629-12】“ツングースカ爆発は彗星による”とシャトル打上げ時の現象から推論
【090629-13】“まいど1号”の管制業務の継続に危機
【090629-14】Sea Launch、連邦破産法11条の適用を申請
【090629-15】JAXAのウェブサイト内の注目記事へのリンク

【090629-01】
ULA、ケープカナベラルからDelta IVによるGOES-Oの打上げ成功

 6月27日、United Launch Alliance (ULA)はケープカナベラルからDelta IVによる静止気象衛星GOES-Oの打上げを行い、所期の静止遷移軌道への投 入に成功した。打上げは天候の影響で1日遅れとなっていた。

 この打上げは、NASAから衛星の製造と打上げの契約を受けたBoeingがULA からロケット及び打上げサービスを調達する契約を結んで行われたもので ある。

 GOES-Oは米国海洋大気局(National Oceanic and Atmospheric Admini- stration:NOAA)の最新の気象及び環境観測用の衛星GOES-N-Pシリーズ3基 の中の2基目で、Boeingの601モデルをベースとしており、打上げ時の質量 約3.2トン、設計寿命は10年となっている。(GOES:Geostationary Ope- rational Environmental Satellites)

 衛星は7月7日に静止の予定となっており、静止した時点でGOES-14と名 前を変えて、Boeingによって軌道上での機器への電力投入が行われた後、 打上げから24日でNASAに引き渡される予定となっている。

 NASAではその後、約5ヶ月を掛けて初期の機能確認を行い、それが終了 した時点でNOAAに引き渡す。その後は暫くの間、現在運用中のGOESシリー ズの衛星の予備機として軌道上で待機する予定となっている。

 
http://www.nasa.gov/home/hqnews/2009/jun/HQ_09148_GOES_O_Launch.html

【090629-02】(関連記事:【090622-02】)
NASAの月周回探査機LRO、月の周回軌道に入る

 6月23日、NASAは6月18日に打ち上げたLunar Reconnaissance Orbiter (LRO)を月周回軌道に投入することに成功した。

 月周回軌道への投入はLROを月を越える目標地点に向かって飛行させ、 月に近付いた時点でロケットモータによって減速をして月の重力に捉えら れる形で行われたもの。

 その後4回のエンジンの作動を行って26日には30km×218kmの軌道に入っ た。今後その軌道上で7種の観測機器のチェックを行い、約60日後には更 にエンジンを作動して、主ミッション用の軌道−高度50kmの極軌道−に入 り、少なくとも1年間の観測を行う予定となっている。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2009/jun/HQ_09-144_LRO_moon_orbit.html

【090629-03】(関連記事:【090622-02】)
NASAの月突入機LCROSS、月のスイングバイで極軌道に移行

 6月23日、NASAは6月18日に打ち上げたLunar Crater Observation and Sensing Satellite (LCROSS)の月のスイングバイを無事終了した。

 月の重力を利用して軌道変更を行い、LCROSS(及び打上げロケットの上 段Centaur)は大きく地球と月の外側を周回する地球と月の極軌道に入った。 この軌道面は月の地球周りの軌道面に略直交しており、周期は約37日で、 月の南極地域への衝突までにこの軌道を略3周することになる。

 また、スイングバイの際にLCROSSの観測機器にスイッチが入れられ、こ れまでに情報が豊富な月面の3箇所をスキャンすることによってキャリブ レーションが行なわれた。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2009/jun/HQ_09-145_LCROSS_Swingby.html

【090629-04】
NASA/ESA、18年以上活躍の太陽探査機Ulyssesの運用停止を決定

 6月26日、NASA及びESAは、18年以上に亘って活躍してきた両機関共同の 太陽活動の探査機Ulyssesの運用を6月30日で終了する予定であることを明 らかにした。

 2008年1月の時点で放射性同位元素の崩壊による電力供給に衰えが生じ、 姿勢制御用のヒドラジンの凍結を避けるためのヒータの電力確保ができな くなってきたとされており、直ぐにでも運用ができなくなると見られてい たが、予想外に長い間ヒドラジンの凍結が起こらずにきたものの、今後太 陽から離れて行くことを考えると、これ以上の運用は諦めるべきとの判断 となったもの。

 Ulyssesは1990年10月にスペースシャトル上からBoeing製のInertial Upper Stage(ISU)によって木星に向けて打ち上げられ、1992年2月に木 星スウィングバイにより、太陽を回る軌道に投入されもので、軌道は太 陽の赤道に対して80.2度の傾斜角を有し、周期約6.2年であって近日点 通過の少し前と少し後にそれぞれ数ヶ月間太陽をその南極及び北極の上 空から観測することができ、これまでに太陽南極と太陽北極を3回にわた って通過し、多くの観測データを取得し、太陽活動サイクルなどの研究 に貢献した。

 なお、ミッションの最終通信は、6月30日17:35(中央ヨーロッパ夏時 間)に開始される予定となっており、モニター専用モードへの切り替え信 号が送られる。その後は、機能は失うが、永久に“人工彗星”として太 陽を回り続けることとなる。

 
http://www.space.com/scienceastronomy/090626-ulysses-end.html

【090629-05】
ESA、Galileoの最初の試験機GIOVE-Aの運用期間を更に1年延長

 6月23日、Surrey Satellite Technology Limited (SSTL)は、 ESAから 欧州の測位衛星システムGalileoの最初の試験機であるGIOVE-Aの運用期間 を更に2010年3月まで延長するとの決定を受けたことを明らかにした。

 SSTL製のGIOVE-Aは2008年3月に、2005年12月に打ち上げられてから27ヶ 月間の試験運用を成功裏に終えたと評価されており、その時点で1年間の 運用延長契約がESAとSSTLとの間で交わされていた。

 GIOVE-A に続いて2007年にはGIOVE-Bが打ち上げられ、軌道上での様々 な検証が行われてきており、漸く実用段階の軌道上での検証プログラムの 位置付けの最初の4基の衛星の打上げが2010年半ばには行われる予定とな っている。

 
http://www.ballard.co.uk/press_releases/company_releases.aspx?lang=English(uk)&story=1403

【090629-06】
NASAのワークショップで大学生が実験用ペイロード製作・打上げを体験

 6月26日、NASAのワロップス飛行施設から、大学の学生及び教師を対象 としたワークショップでのロケットの打上げが行われた。

 “RockOn”と称されるワークショップで全米の100近くの大学からの参 加者が1週間に亘りワロップス飛行施設に集まり、観測ロケットを利用し た独自の実験を立案・実行するための基礎知識を得ることを目的として いる。

 参加者は与えられたキットを使ってロケット実験に供する観測装置を 組み上げ、“RockSat”と称される小さな缶に収めてロケットに搭載し、 最終日に打ち上げたもので、打上げはNASAの観測ロケットTerrier-Impro- ved Orionによって行われた。

 観測装置は、高度約117kmに達した後に回収され、参加者は取得したデ ータのクイックルックを行って得られた結果についての議論を行い最終 日のイベントを終えた。

 このワークショップはNASAの主催の下、Colorado Space Grant Conso- rtiumとVirginia Space Grant Consortiumの協力を得て開催されたもの。

 
http://hamptonroads.com/2009/06/rocket-carrying-students-experiments-launches-eastern-shore

【090629-07】
ESA、11月にプレセツクからRockotでSMOSとProba-2を打上げ予定

 6月22日、ESAは、ロシアのKrunichev Space Centreと独露の合弁のEu- rockot Launch Servicesとの調整の結果として、地球観測ミッションSMOS (Soil Moisture and Ocean Salinity)と相乗りの技術実証衛星Proba-2 (Project for On-Board Autonomy-2)の打上げを2009年11月2日に行うこと を明らかにした。

 打上げはプレセツクから、ロシアのICBM SS-19を転用したロケットであ るRockotにより行われる。(注:これらの衛星の開発開始時点での打上げ 予定は2007年初めとされていたが2年以上の遅れの要因についての情報は 得られていない。)

 SMOSは、全地球の土壌の水分分布、海水の塩分分布を観測し、地球の水 サイクルの状況を把握して、気象予報、異常気象予測等に役立つデータを 提供することを目的としており、斬新な計測器MIRAS(Microwave Imaging Radiometer using Aperture Synthesis)を搭載している。

 Proba-2はESAの小型低コスト衛星シリーズの2基目となる衛星で新しい 自律型衛星の技術実証並びに太陽及び宇宙気象の観測手法の実験を行うこ とを目的としている。

 
http://www.esa.int/esaCP/SEM54I0P0WF_index_0.html

【090629-08】(関連記事:【090608-03】)
NASAのJPL、ウェブサイト“Free Spirit”を立ち上げ

 6月26日、NASAのジェット推進研究所(JPL)は、火星で砂に車輪を捕られ て動けなくなっているSpiritの状況を伝えるウェブサイト“Free Spirit” を立ち上げた。

 Spiritは5月6日以来動けずにおり、JPLでは様々な粉体を組み合わせて 現在Spiritを捕らえている火星の砂の状態を地上で再現し、そこでSpirit と同じ形状の実験機を用いて、砂から抜け出す方法を探ろうとしている。

 これらの様子を簡単にアクセスできる形で広く公開して理解と応援を求 めたいとしている。

 http://www.space.com/news/090626-free-spirit-website.html

【090629-09】
米空軍のTacSat 3、初期チェックアウトで順調に性能発揮

 6月23日、米空軍は5月19日に打ち上げた実験衛星TacSat 3の打上げから 1ヶ月間の運用の状況を明らかにした。

 この1ヶ月で初期の軌道上でのチェックアウトを終え、次週にはキャリ ブレーションも終了し、いよいよ実運用に入るが、これまでのところ、3 種のペイロードも正常に機能し、全体として期待以上の性能を発揮してい るとしている。

 既にこれまでに、搭載している画像取得・処理装置ARTEMIS (Advanced Responsive Tactically Effective Military Imaging Spectrometer)によ る高解像度の画像取得、短時間での画像処理を行い取得から10分以内に地 上に処理されたデータを送ることに成功している。

 
http://www.af.mil/news/story.asp?id=123155466

【090629-10】
NASA、SMEX Programの新しいテーマ2件を選定

 6月19日、NASAはSmall Explorer (SMEX) Programへの応募テーマの中か ら最終的に選定した2件のテーマを明らかにした。

 SMEX Programは地球の熱圏及び電離層、太陽、ブラックホール、地球類 似の惑星等の探査を目的とするミッションを低コストで打ち上げるプログ ラムで、今回は2012年及び2015年に打ち上げる予定で、そのテーマを募集 していたもの。この選定は、2008年5月に最終選考に残こされた6件の中か らの最終選定である。

 選定されたのは以下の2件で、それぞれのコストは上限1億500万ドル(打 上げ費を除く)に抑えられている。

* Interface Region Imaging Spectrograph (IRIS):Lockheed Martin Space Systems Co.

 望遠鏡と分光計を用いて太陽回りの彩層(chromosphere)を観測し、太陽 風へのエネルギーの移動等に対する知見を得ることを目的としている。

* Gravity and Extreme Magnetism SMEX (GEMS):ゴダード宇宙飛行センタ 宇宙空間の強いX線源から放出されるX線の偏光を捉えて、強力な重力場に おける空間の歪み及び光の曲がりに迫ることを目的としている。

 SMEX Programでのミッションはこれまでに11ミッションが選定されてお り、今回は12番目、13番目のミッションとなる。

 
http://www.nasa.gov/home/hqnews/2009/jun/HQ_09-141_SMEX_Selections.html

【090629-11】
ISUのSSP、120名が参加してNASAのエイムズ研究所でスタート

 6月29日から8月28日までの9週間、国際宇宙大学(International Space University:ISU)のSpace Studies Program(SSP)がNASAのエイムズ研究セ ンタで開催される。(注:SSPは以前はSummer Session Programの短縮形で あった。)

 ISUのSSPは、宇宙関係に興味を持つ大学院生或いは若い研究者・企業人 を対象とした9週間の集中プログラムで、今年も世界の20数ヵ国から約120 名が参加する。

 ISUは1987年創立の宇宙関連科学技術の教育に特化した教育機関で、教 育のメインはフランスのストラスブール郊外の本部での1年間に亘る修士 コースであるが、設立の翌年から短期集中型のSSPを各国持ち回りで開催 してきている。今回のエイムズ研究センタでの開催は2007年3月に決まっ たものであるが、SSPがNASAで開催されるのは初めてのことである。なお、 1992年には北九州で開催されている。

 
http://www.isunet.edu/index.php?option=com_content&task=view&id=599&Itemid=348

【090629-12】
“ツングースカ爆発は彗星による”とシャトル打上げ時の現象から推論

 6月24日、American Geophysical Union発行の“Geophysical Research Letters”に、コーネル大学のMichael Kelley等の論文“Two-dimensional turbulence, space shuttle plume transport in the thermosphere, and a possible relation to the Great Siberian Impact Event”が掲載され た。

 この論文では、スペースシャトルが打ち上げられた直後に主に極地方で 観測される夜光雲(noctilucent clouds)に着目し、その生成のメカニズム から、1908年にシベリアのツングースカ(Tunguska)で起こった“ツングー スカ爆発”と称される現象の原因を推定している。

 ツングースカ爆発は1908年6月30日にツングースカの上空で起こった大 きな爆発で、強烈なエアバーストによって半径約30 kmの森林が炎上し、 約2,000 km?の範囲の8,000万本の樹木がなぎ倒されるという被害が生じて いる。

 地球に向かって突っ込んで来た質量約10万トン、直径60〜100mの天体が 地表に達する前に高度6〜8kmで爆発したと分析されているが、その天体が 隕石、彗星、小惑星の何れであるかについては不明のままとされていた。

 これに対しKelly等は大気圏に突入してきて上空で爆発したのは彗星で あるとの主張をしている。この根拠として、スペースシャトルが打ち上げ られた直後に観測される夜光雲発生のメカニズムと通じるものがツングー スカ爆発にもあったとしている。

 夜光雲は中間圏(高度約60〜80km)という高空に出現する雲で、主に極地 方で観測される。これがシャトル打上げの後に観測されるのは、シャトル が上昇する際にエンジンの排気として排出される大量の水蒸気が極域に流 れ込み、夜光雲の出現確率を高めるためと考えられている。

 ツングースカ爆発のあと数日間に亘り、ヨーロッパ上空が夜間輝いたこ とが記録されている。Kelly等はこれを夜光雲と断定し、氷の固まりであ る彗星が突入したことでまかれた水蒸気の作用だと結論付けている。

 
http://www.news.cornell.edu/stories/June09/TunguskaComet.html

【090629-13】
“まいど1号”の管制業務の継続に危機

 6月24日付けの読売新聞は、2009年1月23日にH-IIAにより温室効果ガス 観測技術衛星“いぶき”(GOSAT)と一緒に打ち上げられた東大阪宇宙開 発共同組合の小型衛星“まいど1号”が危機に直面していると報じている。

 打上げ後、5月末までに雷の観測、地球の写真撮影、アマチュア無線利 用の通信実験等の一連の実験は終了したが、管制業務を担ってきたJAXAと の契約が5月末に切れ、その後運用資金の確保ができない状況に陥ってお り、6月以降、衛星の状態を維持するための最低限の管制業務はJAXAが無 償で続けているが、それも3ヶ月が限度であり、このままだと、当初想定 していた約3年の寿命が尽きるまでの有効な活用が叶わない。

 JAXAとしては、組合側で独自の運用態勢を整えるまでの運用を支援する 立場であったが、組合側では態勢整備には至っていない。また、新たな資 金確保をすべく動いているがその目処は立っていない。

 
http://osaka.yomiuri.co.jp/eco_news/20090624ke06.htm

【090629-14】
Sea Launch、連邦破産法11条の適用を申請

 6月22日、海上からの衛星打上げサービスを提供しているSea Launch Company L.L.C.は同社とその関連企業5社が米国デアウェア州地方裁判所 に対し、連邦破産法11条の適用を申請したことを明らかにした。

 裁判所に提出した文書では、資産は1億ドル〜5億ドルであるのに対し、 負債は5億ドル〜10億ドルであるとしている。

 Sea Launchは1995年にアメリカのBoeing、ロシアのEnergia等が出資し 設立された商用衛星打ち上げサービス会社で、海上を移動できる発射台 Odysseyを使用し、地球の自転速度が最も有効活用できる西経154度の赤 道上の海上でZenit-3SLによる衛星打ち上げサービスを提供してきている。

 Odysseyの維持や人件費などの継続的な経費超過や2007年1月の打上げ 失敗の影響を受けた一連の打上げ遅延、そして顧客離れ等により、経営 が悪化しており、それに金融危機が追い打ちを掛ける形となり今回の経 営破綻となった。同社は裁判所の承認を受け、再編成を行った後、今ま でと同様な打上げサービスを維持する形で再建を目指すとしている。

 
http://www.sea-launch.com/news_releases/2009/nr_090622.html

【090629-15】
JAXAのウェブサイト内の注目記事へのリンク

6/22ISASニュース2009年6月号
6/22LNG(液化天然ガス)実機型エンジン燃焼試験の結果について
6/22若田宇宙飛行士ウィークリーレポート:2J/Aミッションの延期、作業計画の変更など
6/23宇宙教育情報誌“宇宙(そら)のとびら”第8号発行について
6/23サイエンスチャンネル 「20世紀の記録 月への挑戦/人類の偉大な一歩」放送予定
6/23ISS・きぼうウィークリーニュース第345号
6/24第2回LNG(液化天然ガス)実機型エンジン燃焼試験の結果について
6/24宇宙ことづくりインタビュー
6/24「だいち」によるサリュチェフ火山噴火における緊急観測結果(4)
6/24地球が見える:幕末の開港から150年、函館
6/25アジア工科大学院大学(AIT)を利用したアジア諸国のための能力開発活動2008年度ミニプロジェクト
6/26小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」
6/26相模原キャンパス一般公開「相模原は宇宙につながっている」
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