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メールマガジン「週刊KU-MA」 第53号          [2009.7.8]

■目次

(1)YMコラム
     「倭と和について」

(2)宇宙関連ニュース「宇宙茫茫」

■YMコラム(53) 2009年7月8日

倭と和について
 山口・防府の毛利博物館に古今集の写本が展示されている。その書き出 しの部分が気になった。「古今倭歌集」と書いてあったのである。まだ文 字を持たなかった私たちの先祖が、自分のことを「わ」と呼んでいたこと は、「わたし」「わたくし」「われ」などの表現に垣間見える。そこで、 中国の王朝と接触を持ち始めたこの列島の人たちが、自分のことを「わ」 という音で表現したことは十分に想像できる。その音をもとにして、かの 国の人たちは「倭」という文字を当てたに違いない。「人」に「委(まか) せる」というこの「倭」という字は、ある意味では蔑称であり、他方こち らから見れば「ヘリくだった表現」だったであろう。

 どこかの時点で、この国の「わ」に「和」を当てた人がいる。しかも 「大いなる和」を。だが、このことは非常に重大で素晴らしい「発明」だ った。その後の展開を見ると、「和」は、この国を表す「音」にとどまら ず、この列島に住む人々の特質を見事に表しているように感じるのである。 「倭」と「和」──毛利博物館でふと感じた違和感は何だったのだろうか。 この疑問を引きずりながら帰りの新幹線の客となった。

 文字のない国に漢字が来た。漢字を使いこなすようになった人びとは、 それを自分たちが読みやすいような、また自分たちのもとからあった言葉 を表わしやすいような工夫を施した。カタカナとひらがなである。ただし そうした新しい文字が自由自在に使いこなされるまでには数百年の歳月が 流れている。それにしても現在では、この漢字とかなとカナのシステムは、 グローバル化した文化を使いこなす実に有力な武器となっていることは疑 いない。古来からあった日本人の柔らかい感性を見事に表現できる文字の 工夫は、漢字がもとになっているとはいえ、日本人らしい「発明」と呼ん でいいものである。

 この国には、外から入ってきた宗教がいろいろある。仏教、キリスト教、 イスラム教などなどさまざまな宗教がさまざまな形で流入してきた。その たびごとに一定の信者を獲得し、それなりに流布し、日本古来の人々の感 じ方に即した姿で捉えられてきた。個人個人としてみれば、それはどれか の宗教を本気で信じている人も多いが、「世間」で見れば、日本は完全な 多神教である。クリスマスには「ジングルベル」に溢れ、年末には除夜の 鐘を聞き、年が明けると神社にお参りする。何のことはない。一般の人々 にとっては、キリスト教や仏教や神道があいまいに混じり合った「多神教 国家」なのである。これも千数百年かかってこの列島の人々がなしとげた もの。

 そして私たちの目の前に、明治以降本格的に殺到した「科学」がある。 富国強兵・殖産興業と結びついて、いわば科学を実用的に活用することに おいて、この列島の人々ほどすぐれた力を発揮した人びとはいなかったに 違いない。これが古来の日本人の心に溶け込んだ科学に成長した時、日本 は世界に発信する大きな立場を獲得するだろう。今はその過渡期にあると 思いたい。

 「和」というのは、こうした外来のいいものを日本人の心で受け取り、 模倣し、やがて自分にぴったりと合った存在に「創造」していくための偉 大な「闘い」だった。「大いなる和」「ダイナミックな和」であった。核 兵器をつくり、環境をピンチに陥れて、壮年期に入ったとされる人類社会 に、日本人の生きざまの中で今や必須となった科学を、自らのカラーで高 く掲げて独特の貢献をする時期になったと思えてならない。

 しかし相変わらず「科学技術立国」「産業化」「軍事化」の声が高まる 一方の政策が目につく。その日本的なものが「いのち」を基盤に据えたも のである予感はあるのだが……。そこで、毛利博物館での違和感から発し た想いを、まだ「和」とならない段階で、正直に吐露した次第である。す っきりとしない毎日が続いている。

(的川泰宣)

■宇宙茫茫ヘッドライン

【090706-01】Arianespace、Ariane 5 ECAによるTerreStar-1の打上げ成功
【090706-02】ILS、Proton MによるSIRIUS FM-5の打上げ成功
【090706-03】Endeavour、水素ガス漏れ対策終了し7月11日に打上げ予定
【090706-04】ESAのPlanck、L2回りの軌道への投入完了
【090706-05】Progress M-02M、ISSから切り離され大気圏突入へ
【090706-06】ISSでSoyuz TMA-14のドッキング位置の変更を実施
【090706-07】7月11日に種子島でH-IIBの地上総合試験(GTV)実施
【090706-08】NASAのPhoenix Mars Landerの成果、“Science”に掲載
【090706-09】インド、海洋観測衛星Oceansat-2と6基の小型衛星を8月に打上げ
【090706-10】ATK、Ares Iの上段のアレッジモータの製造業者に選定される
【090706-11】Northrop Grumman、月降下用エンジンで10:1のスロットル達成
【090706-12】NASAとMETI、高精度・広範囲の全球3次元地形データの配布を開始
【090706-13】NASA、9人の新しい宇宙飛行士候補者を公表
【090706-14】NASAのエイムズ研究センタとISU、SSPに合わせて“Space Panel”を開催
【090706-15】インド、ロシアの支援で有人飛行の実現を目指す
【090706-16】インドネシア、人工衛星打上げロケットを目指してロケット打上げ実験実施
【090706-17】JAXAのウェブサイト内の注目記事へのリンク

【090706-01】
Arianespace、Ariane 5 ECAによるTerreStar-1の打上げ成功

 7月1日、Arianespaceはギアナの射場からAriane 5 ECAによりTerreStar Networks Inc.の通信衛星TerreStar-1の打上げを行い、所期の軌道への投 入に成功した。投入した軌道は、250km×35,786km、軌道傾斜6度の静止遷 移軌道である。

 TerreStar-1はSpace Systems/Loral 製で、質量6,910kgとこれまでに静 止軌道に打ち上げられた商業目的の通信衛星では最大の衛星である。今回 の打上げでロケットにとっての“ペイロード”は衛星取付台の145kgを加 えて7,055kgであった。

 この打上げはAriane 5としては45回目の打上げであったが、Arianespace によるTerreStar Networks Inc.の衛星の打上げは初めてのことであり、 TerreStarはArianespaceの打上げサービスの29番目の顧客となった。

 
http://www.arianespace.com/news-press-release/2009/07-01-09-mission-success.asp

【090706-02】
ILS、Proton MによるSIRIUS FM-5の打上げ成功

 7月1日、International Launch Services (ILS)はバイコヌールから Proton Mにより、Sirius XM Radioの放送衛星SIRIUS FM-5の打上げを行 い、所期の軌道への投入に成功した。投入した軌道は、4,206km×35,77 8km、軌道傾斜22.9度の静止遷移軌道である。

 SIRIUS FM-5はSpace Systems/Loral 製で、質量5,820kgであり、Xバン ド受信装置と高出力Sバンド送信装置を搭載している。

 この打上げは、Protonシリーズのロケットとしては、346回目の打上げ あった。

 
http://www.ilslaunch.com/news-070109

【090706-03】
Endeavour、水素ガス漏れ対策終了し7月11日に打上げ予定

 7月1日NASAは、2度に亘り外部燃料タンクの外側の水素ガスベントシス テムのアンビリカル部からの水素ガスの漏れのために打上げ中止となった Endeavourに対策を施した後の推進薬注入試験を行い、漏れの発生はなく なったことを確認した。

 原因究明の結果、外部燃料タンクに取り付けられている水素ガスのベン トラインのアンビリカルコネクタの取付台に僅かなミスアライメントがあ ることが原因となったものと断定し、その部分の取付角度を調整し、テフ ロンのシールを取り替え、且つ特別のワッシャーを挟み込んで漏れの発生 を抑えた。

 試験は06:48に開始され、09:00には2回の打上げ中止の原因となった 水素ガスの漏れが発生した燃料(水素)タンクの98%までの充填が完了し、 その時点での漏れが無いことが確認された。

 これを受けて、NASAでは、延期となっていたSTS-127ミッションの打上 げを、7月11日19:39(12日08:39JST)に行うとの決定を行ったことを明ら かにした。

 
http://www.space.com/missionlaunches/090701-sts127-shuttle-launch-date.html

【090706-04】
ESAのPlanck、L2回りの軌道への投入完了

 7月3日、ESAは5月14日に打ち上げた宇宙マイクロ波背景放射観測衛星 Planckの観測用軌道への投入が無事完了したことを明らかにした。

 7月2日に軌道修正のコマンドが送られ、その後12〜24時間に亘って自動 でのスラスタの噴射が繰り返され、最終的に太陽と地球を結ぶ直線上で地 球から太陽と反対側に150万km離れた位置である太陽−地球系の第2ラグラ ンジュ点(L2)からの振幅400,000kmのリサジュー(Lissajous)軌道に入っ たもの。軌道修正を始めた時にPlanckは地球から143万kmの位置にあった。

 軌道修正のための速度変化は総計で毎時211.6kmであり、最終速度は地 球に対して毎時1,010kmとなった。今後、地球とバーチャルな点であるL2 とPlanckは位相を合わせて太陽を周回する。

 また、7月2日には、Planckに搭載されている観測用の高周波の装置の温 度を摂氏-273.05度まで下げることに成功しており、これで非常に僅かな 宇宙マイクロ波背景放射の温度変化を検知することが可能となった。この 温度は絶対零度を僅か0.1度だけ上回るもので、これまでに宇宙空間に存 在した物体の温度としては最も低い温度である。

 機器の冷却は-230度までは、放射による受動的な方法で行われ、それ以 下には3段階の能動的な冷却器が用いられている。

 
http://www.esa.int/esaCP/SEM0Y5S7NWF_index_0.html

  (軌道図はこちら)
 http://www.esa.int/images/PL-ORBIT-COMP_H.jpg

【090706-05】
Progress M-02M、ISSから切り離され大気圏突入へ

 6月30日、ロシアは5月13日からISSにドッキングしていた無人の物資補 給船Progress M-02MをISSから切り離した。

 ISSで不要となった物資を搭載しており、大気圏に突入して殆どが燃え 尽きて、残骸が太平洋の決められた海域に落下することとなる。なお、そ の前に何等かの実験に用いられることとされているが、大気圏突入予定日 を含めて詳細は明らかにされていない。

 
http://en.rian.ru/science/20090629/155382161.html

【090706-06】
ISSでSoyuz TMA-14のドッキング位置の変更を実施

 7月3日、ISSでは、3月28日以来ロシアのZvezdaモジュールの後方にドッ キングしていたSoyuz TMA-14のドッキング位置の変更が行われた。

 7月24日に打上げ予定の無人の物資補給船Progressにドッキングポート を空けるための処置で、ISSに滞在中の6人のクルーの内、Gennady Pada- lka、Michael Barratt及び若田光一の3人がSoyuz TMA-14に乗り移り、Pa- dalkaの操縦でZvezdaを離れ、26分後に同じくPadalkaの操縦でPirsドッキ ングモジュールの地球方向を向いたポートに無事ドッキングして移動を終 わった。

 この移動は、従来、若田宇宙飛行士が帰還する予定のEndeavourによる STS-127ミッションの終了後に予定されていたが、STS-127の打上げ延期に 伴い若田宇宙飛行士が搭乗して(JAXAの宇宙飛行士として初のSoyuz宇宙船 搭乗)行われることになったもの。

 なお、26分という短時間の作業でありながら3人が移乗してドッキング 位置の変更を行うのは、万一再ドッキングが行えなくなった場合に、その まま地球への帰還を行うことを前提としているためで、安全上の配慮から 1人はあり得ないものの2人だけでは、万一の場合にISSに残るクルーの数 が、緊急脱出用としてドッキングしているもう1機のSoyuz宇宙船の定員を 超えてしまうことになるからである。

 
http://www.itar-tass.com/eng/level2.html?NewsID=14111964&PageNum=0

【090706-07】
7月11日に種子島でH-IIBの地上総合試験(GTV)実施

 6月29日、JAXAと三菱重工業(株)は、7月11日に種子島宇宙センタにおい て、H-IIBロケットの開発試験の一環として、試験機と射点/射場設備を使 用した地上総合試験(GTV)を行うことを明らかにした。

 試験の目的は、@機体と射点設備を組合せた状態での打上げまでの作業 性および手順の確認、A機体と射点設備とのインタフェース確認、B機体 と射場設備(地上局及び飛行安全システム)とのインタフェース確認、C宇 宙ステーション補給機(HTV)打上げ時刻設定手順の確認の4点とされている。

 
http://www.jaxa.jp/press/2009/06/20090629_gtv_j.html

【090706-08】
NASAのPhoenix Mars Landerの成果、“Science”に掲載

 7月2日、NASAは2008年5月に火星の北極に軟着陸したPhoenix Mars Lan- derが、2008年11月までに送って来たデータに基づく研究の成果が4本の論 文として、米国の科学誌Scienceの7月3日号に掲載されることを明らかに した。

 論文のタイトルは以下の通り。

* H2O at the Phoenix Landing Site (着陸地点におけるH2O)

* Evidence for Calcium Carbonate at the Mars Phoenix Landing Site  (着陸地点で発見された炭酸カルシウム)

* Detection of Perchlorate and the Soluble Chemistry of Martian  Soil at the Phoenix Lander Site
(着陸地点における過塩素酸塩の発見と土壌の可溶成分の化学分析結果)

* Mars Water-Ice Clouds and Precipitation (火星における水氷雲と降水)

 Phoenixは火星の北極の土壌の中で水の氷の層を発見し、栄養素が存在し ている可能性を見つけており、長期的な気候サイクルによって、時代によ っては微生物にとって好ましい環境が作り出されていたかも知れないと結 論付けている。

 また、Phoenixの成果として最も驚くべきは、火星の土壌の中から“過塩 素酸塩”が検出されたことで、過塩素酸塩は水によく溶ける物質であるこ とから、火星の水蒸気を吸収し、火星の気温でも、液体状態の塩水を作り 出しているのかも知れないとしている。

 更に、Phoenixの観測によって、火星の北極には地球によく似た氷雲が存 在しており、冬になると、氷の結晶が降り注ぎ、これが水氷として地上で 蓄積される可能性もあると見解を述べている。

 Phoenixには採取した土壌のサンプルを加熱する炉が搭載されており、こ れによって、炭酸カルシウムは発見されたものの、有機化合物の特定まで には至らなかった。また、炉では295度までの加熱をしたが、水蒸気は一切 検出されなかった。

 
http://www.nasa.gov/mission_pages/phoenix/news/phoenix-20090702.html

【090706-09】
インド、海洋観測衛星Oceansat-2と6基の小型衛星を8月に打上げ

 7月1日、インド宇宙研究機関(ISRO)は、独自開発の海洋観測衛星Ocea- nsat-2及び6基の欧州製の小型衛星を8月に極軌道衛星打上げロケット(PS LV)で打ち上げる予定であることを明らかにした。

 Oceansat-2は質量970kgで、海洋の色のモニタ、非常に細いビームの散 乱計等を搭載しており、これまで10年の間海洋の色を観測してきたOcea- nsat-1に置き換わり、より多くの情報を提供することが期待されている。 > 相乗りの6基の小型衛星は、2基のナノ衛星(ドイツ製のRubin 9.1とRu- bin 9.2)と4基のCubeSat(ドイツのBeesatとUWE-2、トルコのITU-pSat、ス イスのSwissCube-1)である。

 
http://www.hindu.com/thehindu/holnus/008200907011571.htm

【090706-10】
ATK、Ares Iの上段のアレッジモータの製造業者に選定される

 7月1日、Alliant Techsystems (ATK)はBoeing CompanyによってNASAの 新しい打上げロケットAres Iの上段のアレッジモータの製造業者として選 定されたことを明らかにした。アレッジモータとは空中点火のエンジンの 点火前に機体に機軸方向の加速度を与えて液体推進薬をタンクの底の方に 押しつける役目を持ったロケットモータである。

 Ares Iの2段には2本ずつ束になった8本の長さ約1.2mの固体ロケットモ ータが装着され、約4秒間推力約18トンを発生し、分離を安全に行うため の1段との相対速度の付与と2段の推進薬のセットリングを行う計画となっ ている。

 ATKでは、このモータをスペースシャトルの固体補助ロケットモータの 分離用のモータ製造の経験を生かして開発、製造し、Boeingに提供する。

 
http://atk.mediaroom.com/index.php?s=118&item=932

【090706-11】
Northrop Grumman、月降下用エンジンで10:1のスロットル達成

 6月29日、Northrop Grumman Corporationは、NASAの下で進めている月 着陸船の降下用に用いることを想定して開発しているエンジンの技術試験 の状況を明らかにした。

 “pintle injector”と称される技術を適用したエンジンTR202の燃焼試 験を行い、広い範囲の推力レベルで安定した燃焼が行われることを確認し たもの。

 pintle injectorは、アポロミッションの月着陸船の降下用のエンジン に用いられた技術で、それ以来各種ミッションへの応用を通じて改良を重 ねて来ており、新しい月着陸船Altairでの採用に向けて試験が行われてい る。

 これまでに、液体酸素と気体水素を推進薬とした試験で、推力レベル 4,000kgf、3,000kgf、1,000kgf及び400kgf (最大値の10%)、混合比6.0で の安定した燃焼を達成している。

 
http://www.irconnect.com/noc/press/pages/news_releases.html?d=168022

【090706-12】
NASAとMETI、高精度・広範囲の全球3次元地形データの配布を開始

 6月29日、NASAは、日本の経済産業省(METI)と共同で人工衛星搭載セン サ“ASTER” (Advanced Spaceborne Thermal Emission and Reflection radiometer)を用いて作成した全球3次元地形データ(GDEM:Global Digital Elevation Model)の一般への配布を始めることを明らかにした。

 ASTERは、METIが開発したセンサであり、1999年12月にNASAの地球観測 衛星Terraに搭載されて打ち上げられ、それ以来地表面の状況や温度の観 測および3次元地形データ(DEM)の作成を続けている。

 ASTER GDEMはこのASTERによる地形データを元に整備された全球3次元地 形データであり、“世界中の何処でも、どのような範囲でも、誰でも簡単 に利用できる、高精度のDEM”として整備された。

 データの作成には130万点に及ぶステレオイメージを使用しており、北 緯83度から南緯83度の範囲で陸域の98%をカバーしていて、高度測定点間 の距離は30mとなっている。

 GDEMデータは財団法人資源・環境観測解析センター(ERSDAC)が運用する ASTER GDEMのサイトから入手することができるが、配付対象は、GEOSS (Global Earth Observation System of Systems)で定義された社会公益性 の高い9分野(災害・健康・エネルギー・気候・水・天気・エコシステム・ 農業・生物多様性)に関わる研究や業務などを行うユーザ(個人あるいは組 織)に限られている。

 
http://www.nasa.gov/home/hqnews/2009/jun/HQ_09-150_ASTER_Topographic_Map.html

【090706-13】
NASA、9人の新しい宇宙飛行士候補者を公表

 6月29日、NASAは新しい宇宙飛行士候補者9人を公表した。約3,500人の 応募者の中から選ばれたもので、2009年8月から2年間の訓練を経て、宇宙 飛行士として認定される。訓練には、最近カナダ、日本で選ばれた宇宙飛 行士候補者それぞれ2人ずつとESAが選んだ宇宙飛行士候補者6人も参加す ることになる。

 スペースシャトルの引退が2010年に迫っており、今回選ばれた9人は、 宇宙飛行士となっても“スペースシャトルに搭乗しない”宇宙飛行士とい うことになる。

 9人は男性6人、女性3人で年齢は30歳から43歳で、中央情報局(CIA)の技 術情報官、NASAの航空専門医2人、スペースシャトルの飛行管制官、分子 生物学者、海軍のテストパイロット2人、空軍のテストパイロット、国防 総省の統合参謀本部の副議長の特別補佐官という構成である。

 
http://www.nasa.gov/home/hqnews/2009/jun/HQ_09-149_New_Astronauts.html

【090706-14】(関連記事:【090629-11】)
NASAのエイムズ研究センタとISU、SSPに合わせて“Space Panel”を開催

 6月29日、NASAのエイムズ研究センタと国際宇宙大学(ISU)は、6月末か ら8月末にエイムズ研究センタで開催されるISUのSpace Studies Program (SSP)の期間中に、ニュースメディア及び一般の人を対象とした“Space Panel”を開催することを明らかにした。

 期間中に7回の開催が予定されており、午後8時から9時半のパネルディ スカッションに続いて、レセプションとメディアによるインタビューの時 間が30分間設けられることとなっている。SSPの受講生との交流も図られ る。

 開催予定日と題目並びに日本人のパネリストは以下の通り。

* 7月1日 宇宙政策とアジア太平洋地域 : 鈴木一人北海道大学准教授
* 7月7日 宇宙とメディア
* 7月15日 宇宙ビジネスの起業
* 7月20日 国際宇宙飛行士パネル:向井千秋JAXA宇宙飛行士
* 7月28日 新しい宇宙参入国
* 8月5日 Gerald Soffenメモリアル・パネル(次期火星探査):矢野創ISAS助教
(注:Gerald Soffen(故人)はNASAの宇宙生物学者で初めて火星表面に降
  下したVikingの科学チームを指揮し、NASAの宇宙生物学研究所の設立に
際しても大きな役割を担った。)
*  8月11日 月での新しいサイエンス (参加パネリストは未定)

 http://www.nasa.gov/centers/ames/news/releases/2009/M09-73.html

【090706-15】
インド、ロシアの支援で有人飛行の実現を目指す

 6月30日、インド宇宙研究機関のMadhavan Nair総裁は、ロシア国営の通 信社RIA Novostiのインタビューに応じ、ロシアとの宇宙開発における協 力関係を強化して行くことをインドとしては望んでいると語った。

 ロシアとインドの宇宙開発に関する協力関係は1960年代に当時のソ連が インドにロケットの射場(Thumba Equatorial Rocket Launching Station) を建設した時から始まっており、その後その射場からは1,000発を超える ソ連製の気象観測ロケットが打ち上げられている。また幾つかの初期のイ ンドの衛星の打上げもソ連のロケットによって行われている。

 最近では、インドの静止衛星打上げ用ロケットGSLVの上段用にロシア製 の極低温推進系が提供されている。

 今回のインタビューで、Nair総裁は、新しい展開として、安価な再利用 可能な宇宙機の開発をロシアの助けを借りて行い、更にロシアの支援の下 で2015年には最初の有人飛行の実現を図りたいとしている。2人乗りのカ プセルを高度275kmの軌道に投入し、1週間程度周回させることを計画して いる。

 
http://en.rian.ru/analysis/20090701/155401481.html

【090706-16】
インドネシア、人工衛星打上げロケットを目指してロケット打上げ実験実施

 7月2日、インドネシア国立航空宇宙研究所(LAPAN)はジャワ島西部の発 射施設から、同国が開発した小型ロケットRX-420の打上げを行ったことを 明らかにした。

 打ち上げられたロケットは順調に飛行し、高度約53kmに達し、打上げは 成功した。

 今回打ち上げたRX-420は直径42cm、長さ6.2mで、GPS受信機、加速度計、 温度センサ等を搭載しており、軌道データ、位置、高度等を測定すること を目的としていた。

 インドネシアでは今後、ロケットの改良を進め、2008年に打上げに成功 した別のロケットと組み合わせて、人工衛星打上げ用ロケットを開発し、 2014年までに、自国のロケットを使って、地球周回軌道に人工衛星を打ち 上げる計画であるとしている。

 
http://www.spacedaily.com/2006/090702025515.k1gk22j6.html

【090706-17】
JAXAのウェブサイト内の注目記事へのリンク

     
6/29若田宇宙飛行士ウィークリーレポート:若田宇宙飛行士は宇宙滞在100日を達成、装置のメンテナンス作業など実施
6/29アジア連携による安全安心なアジア社会の実現を〜JAXAの災害・環境監視、人材育成プロジェクト〜
6/30ISS・きぼうウィークリーニュース第346号
6/30第3回LNG(液化天然ガス)実機型エンジン燃焼試験の実施について
6/30JAXA宇宙飛行士活動レポート2009年5月
7/1インドネシア国立航空宇宙研究所(LAPAN)とのALOSパイロットプロジェクト
7/1STAR計画について
7/2「きぼう」日本実験棟で行われていた結晶成長実験(Facet)終了
7/2第3回LNG(液化天然ガス)実機型エンジン燃焼試験の延期について
7/2第10回宇宙用人工知能・ロボット・オートメーション国際シンポジウム(i-SAIRAS2010)
7/2地球が見える:クレムリンから広がった街、モスクワ
7/3H-IIB、HTV、きずな、準天頂衛星システムのパンフレット改定
7/3「みんなで木もれ日を撮ろう」キャンペーンの実施について
7/3産業応用、国際協力を目指した「きぼう」でのタンパク質結晶生成実験の実施について
7/3「国際宇宙ステーション・きぼう利用ミニシンポジウム〜メイドイン“宇宙”のタンパク質結晶〜」の開催について
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