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メールマガジン「週刊KU-MA」 第55号          [2009.7.22]

■目次

(1)YMコラム
     「LRO、アポロの着陸船を捉える!」

(2)ワンダフル宇宙
     「パシフィック・ヴィーナスから見た皆既日食と部分日食」

(3)宇宙関連ニュース「宇宙茫茫」

■YMコラム   2009年7月22日

 LRO、アポロの着陸船を捉える!

 慌ただしい。皆既日蝕クルーズに出発する前にこの原稿を書き上げよう としている。テレビでは、全英オープンでのトム・ワトソンの大活躍をレ ビューしている。かつて同じターンベリーで、ジャック・ニクラウスとト ム・ワトソンの死闘を観ていた記憶がある。「真昼の決闘」と言われた。 今回のワトソンはさすがに勝ち切れなかったが、感動的だった。

 あらためてNASAの頁をめくっていたら、LRO(ルナー・リコネイサンス・ オービター)が、アポロの着陸船が月面に落とす影をとらえた写真が発表 されていた。これまた感動的。アポロ11号の記念日を目の前に控えて、な んと粋で印象的な演出なのだろう。「かぐや」がこれを演じることのでき なかったことが口惜しい。太陽高度の低いタイミングを狙って、長い影を とらえたもので、残るはアポロ12号だけのようである。それもすぐに見つ けられることだろう。まあ、とっくりとご覧あれ。とくに14号については、 着陸船そのものや科学機器や飛行士の足跡までくっきりと捉えている。

 皆既日食のクルーズ船に乗ると、多分メールが不自由だろうと思って、 家を出る直前に書いているのだが、本日は月曜日。このメールがKU-MAの ホームページに掲載される日は、その皆既日蝕の当日となる。私の乗る「 パシフィック・ヴィーナス」号の行く小笠原沖の天気予報は、現時点では どうやら曇りらしい。暗い気持の旅立ちとなった。帰ってきたら、ゆっく りとご報告させていただきます。

(YM)

■ワンダフル宇宙   2009年7月22日

 パシフィック・ヴィーナスから見た皆既日食と部分日食

 さる20日に横浜港を出たPacific Venus号が、まる4日間の航海を終え て再び横浜港に戻ってきたのは、24日の朝のことでした。

 出航以来、船長と航海士にかかるプレッシャーは並大抵のものではなか ったらしいです。どうもトカラ列島のあたりの予報は芳しくないらしく、 船長は、「ひまわり」のデータなどをさんざん検討した末に、硫黄島の北 へ船を向けることにしたらしい……などと噂をしているうちに、当日の夜 明けを迎えました。どんよりとした天気の続いていたのが嘘のように、7 月22日は立派に晴れています。

 この日、Pacific Venus号のデッキでは500人あまりの人がひしめき合い、 天体望遠鏡やら双眼鏡やらの「武器」をそれぞれにそろえて、皆既日食の 瞬間を今や遅しと待ち構えています。私は「木もれ日キャンペーン」を続 けてきただけに、皆既をめざす船に乗ることが、いささか気が引けていた のですが、日本列島の天気予報があまりよろしくないものですから、だん だんと「この船ぐらいは何とか皆既を見なければ」という気持ちになって いました。

 そして午前10時過ぎ、デッキに上がっていく前のひとときをラウンジで 過ごしながら窓外を見ている私の目に、船と「併走」するイルカの姿が飛 び込んできました。10頭ぐらいいます。私の近くに座って、同じくリラッ クスしている5人ばかりの人たちも、口々に「あ、イルカだ、イルカだ!」 と叫んで興奮しています。やがてその姿も消えました。

 幸先よし。私は10階のデッキに上っていきました。「木もれ日キャンペ ーン」を耳にして、木の枝を持ってきた人が数人いたのには驚きました。 執念ですねえ。そのうちの一人の方の「木もれ日」を写真に撮らせていた だきました(図1)。また、麦藁帽子による「木もれ日」を作った人もい て、これまた素晴らしいものとなりました(図2)。

 そしていよいよ11時20分過ぎの「その瞬間」がやってきました。部分食、 第一回ダイアモンドリング、皆既、第二回ダイアモンドリング、部分食。 一連の夢のような時間が、それこそあっという間に過ぎていきました。と にかく、「世紀の瞬間」には立ち会いました(図3)。デジタルのバカチ ョンなのであまりいいものではありません。みなさんの羨望の声を考える と、有頂天にもなりにくく、いずれプロの撮った写真をお見せしつつ、個 々の場面でお話しましょう。

 ちょうど帰港の日がJAXA相模原キャンパスの一般公開の日となったので、 横浜港から直行しました。雨模様だったにもかかわらず、相変わらずの盛 況でした。折から公開を訪れていた先輩と会いました。「皆既を見ました よ」の報告に、「そんなに暗いものを見るのが好きなら、夜を見に行けば いいじゃないか」という一言に、唖然。これはいい悪いの問題ではありま せん。面白いでしょう? 昔から宇宙研というところは、こういった会話 が平気で交わされる愉快でたまらない職場だったのです。この面白さを分 かって欲しいものです。

■宇宙茫茫ヘッドライン

【090720-01】STS-127 Endeavourの打上げ成功・・・「きぼう」日本実験棟完成
【090720-02】SpaceX、Falcon 1によるマレーシアのRazakSatの打上げ成功
【090720-03】インドの月探査機Chandrayaan-1に不具合が発生・・・詳細不明
【090720-04】ロシア、7/24にProgress M-67をISSに向け打上げ予定
【090720-05】韓国初のロケット打上げ、ロシア側の事情で遅れ
【090720-06】NASAの長官と副長官人事、上院で承認・・・7/17に就任
【090720-07】NASA、2月のTaurus XLの打上げ失敗の原因調査結果の概要を公表
【090720-08】NASAのLRO、Apollo着陸船の月への残置物を軌道上から撮影
【090720-09】火星への飛行模擬の第2段階である105日間の実験終了
【090720-10】Avanti Communications、衛星打上げをSpaceXからArianespaceに変更
【090720-11】ILS、SESの衛星QuetzSat-1の打上げ契約獲得
【090720-12】カナダのTelesat、Telstar 14Rの製造をSS/Lと打上げをILSと契約
【090720-13】Boeing、Intelsatから新しい702Bプラットフォームを用いた衛星4基を受注
【090720-14】Ball Aerospace、米空軍のSTP-SIVプログラムのフォローオン契約締結
【090720-15】米空軍、“Space Fence”のフェーズAの作業を3社に発注
【090720-16】コロラド大学、“eSpace Incubator”の初めての対象企業として3社を選定
【090720-17】JAXAのウェブサイト内の注目記事へのリンク

【090720-01】(関連記事:【090713-01】)
STS-127 Endeavourの打上げ成功・・・「きぼう」日本実験棟完成

 7月15日18:03EDT(16日07:03JST)、NASAはケープカナベラルからSTS-127 ミッションEndeavourの打上げを行い、ISSへ向かう軌道への投入に成功した。 (注:EDTはケープカナベラルがある米国東部の夏時間。)

 クルーは、コマンダーがMark Polansky、パイロットがDouglas Hurley、 ミッションスペシャリストがChristopher Cassidy、Thomas Marshburn、 David Wolf及びカナダのJulie Payetteで、ISSの長期滞在クルーの交替要 員のTimothy Kopraを加えて7人となっている。ISSに長期滞在中のJAXAの 若田光一は、Kopraと交替して、Endeavourで地球に帰還する。

 主要ミッションは、「きぼう」日本実験棟に船外実験プラットフォーム を取り付けて「きぼう」を完成させることであり、ISSとのドッキング期 間中に5回の船外活動が予定されている。

 今回の打上げは6月13日に予定されていたが、推進薬充填中に水素ガス ベントシステムからの漏れが発生したために2回、その後悪天候のために 3回の合わせて5回の打上げ延期があり、漸く6回目のカウントダウンで打 ち上げることができたもの。

 7月24日にロシアから打上げ予定の物資補給船Progressのドッキング前 にEndeavourがISSを離れなければいけないことから、ミッション期間の短 縮も検討されたが、Progressのドッキングをギリギリまで引き延ばして29 日に行うことにして、EndeavourのISS離脱は28日とすることになった。こ れにより予定通りの16日間のミッションを完遂することができ、Endeavour の帰還は31日となる。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2009/jul/HQ_09-160_STS-127_Launches.html

 7月16日、前日に打ち上げられたEndeavourでは、センサ付き検査用延長 ブーム(OBSS)用いてノーズコーンと翼の前縁部の熱防御システム(TPS)の 点検を行った。取得した画像は地上に送られ打上げ時のビデオ映像とドッ キング前にISSの中から撮影する機体下面の画像と共に画像の専門家によ るTPSの健全性確認に用いられる。今回は、打上げ時の地上及びシャトル 搭載のカメラによる映像から、外部推進薬タンクの断熱材が剥がれた破片 が、9個ほど確認されており、機体へのダメージの有無が心配されている。

 http://www.nasa.gov/mission_pages/shuttle/shuttlemissions/sts127/news/STS-127-03.html

 17日にEndeavourはISSに近付き、ドッキングの前にISSの下方約180mで 機体を縦に360度回転させ、ISS内部から機体外部の写真撮影を行った。ド ッキングは17日12:47 CDT(18日02:47 JST)に無事完了した。(注:CDTは ヒューストンがある米国中部の夏時間。)その約2時間後の14:48にはISS との間のハッチが開けられ、13人での共同運用が開始された。その後、16 :22には、緊急脱出時に備えてISSにドッキングしているSoyuz宇宙船の若 田専用のシートライナーをKopra専用のものに交換する作業が行われ、こ の時点で、Kopraが第20次長期滞在クルーの一員になり、若田がEndeavour のクルーの一員となった。

 http://www.nasa.gov/mission_pages/shuttle/shuttlemissions/sts127/news/STS-127-05.html

 18日の作業開始前に、地上のスペースシャトルのマネージャは、検討の 結果として、必要ならば行うこととなっていた、耐熱シールドの詳細検査 は不要となったとクルーに伝えた。

 18日にはDavid WolfとTimothy Kopraによる第1回の船外活動が行われ、 「きぼう」日本実験棟への船外実験プラットフォームの取付準備、3月の STS-119ミッションで展開ができなかったP3トラス下部の曝露機器結合シ ステム(Unpressurized Cargo Carrier Attach System:UCCAS)の展開等を 行った。

 その後、船内から若田光一が操作するISSのロボットアームにより船外 実験プラットフォームがEndeavourのペイロードベイから取り出され、一 時Endeavourのロボットアームに預けられた後、位置を変えたISSのロボッ トアームに再び把持されて「きぼう」船内実験室に取り付けられ、「きぼ う」日本実験棟が完成した。JAXAのビデオライブラリでは、18日の第1回 船外活動及びロボットアームによる「きぼう」船外実験プラットフォーム の取付け作業の動画が公開されている。なお、「きぼう」日本実験棟の完 成日時は機能が正常であることの確認が終了した日本時間19日の11:23 (18日21:23CDT)とされている。

 http://www.nasa.gov/mission_pages/shuttle/shuttlemissions/sts127/news/STS-127-07.html

 19日には、米国の実験棟であるDestinyモジュールに設置されているト イレ(Waste and Hygiene Compartment:WHC)で廃棄物の分離を補助するた めの化学薬品を投入するポンプに不具合が発生し、前処理液が溢れ出すと いう不具合が発生した。その後、地上側からの指示に従い問題があると疑 われたポンプ及び操作盤の交換、流れ出た液体により汚染された幾つかの 部品の交換を行い、20日には復旧した。この間、ISSの6人のクルーはロシ アのZvezdaモジュールのトイレを、EndeavourのクルーはEndeavourのトイ レを使うことに制限されたが、特段の問題は発生しなかった。通常、スペ ースシャトルのトイレはISSとのドッキング中はタンクがある量を超える と自然にオーバーフローする構造であることから、ISS側の汚染を避ける ために使わないことになっているが、短時間であったので問題はなかった。

 http://www.nasa.gov/mission_pages/shuttle/shuttlemissions/sts127/news/STS-127-09.html

【090720-02】(関連記事:【090608-07】)
SpaceX、Falcon 1によるマレーシアのRazakSatの打上げ成功

 7月14日、Space Exploration Technologies (SpaceX)は、マーシャル諸 島のクワジェリン環礁のオメレク島(Omelek Island)からFalcon 1による マレーシアの地球観測衛星RazakSatの打上げを行い、所期の軌道への投入 に成功した。

 RazakSatはマレーシアの国有企業Astronautic Technology Sdn Bhd(ATSB) が韓国のSaTReC Initiative Co., Ltdの協力を得て開発した質量約180kg の衛星で(製造は韓国)、高度685km、軌道傾斜9度の軌道に投入された。

 RazakSat には、高解像度のMedium Aperture Camera(白黒2.5m、カラー 5m)が搭載されており、軌道傾斜が9度と小さく、北緯約1度から約7度の範 囲に広がるマレーシアの国土をカバーするには好都合であり、農業、環境 モニタ、森林管理等々に活用されることが期待されている。

 なお、この打上げは、民間資金によって開発されたロケットによる初の 商業打上げであり、且つ、初めて韓国の民間企業が製造した衛星の打上げ であるという点において注目すべきものである。韓国では、SaTReCは英国 のSurrey Satellite Technology Ltd (SSTL)に次いで、独自に人工衛星を 開発し軌道投入を果たした世界で2番目のベンチャー企業となったと報じ られている。

 http://www.spaceflightnow.com/falcon/005/

【090720-03】(関連記事:【081027-01】)
インドの月探査機Chandrayaan-1に不具合が発生・・・詳細不明

 7月17日、インド宇宙研究機関(ISRO)は2008年10月に打ち上げたインド 初の月探査機Chandrayaan-1に不具合が発生し、2年間の予定とされていた 運用機関を短縮せざるを得ない状況であることを明らかにした。不具合の 内容については公表されていない。

 ISROでは、これまでに月面の詳細地図を作成するためのデータの収集は 略終了しており、ミッションとしての目的は達成できているとしている。 なお、ミッションは継続しているともしている。

 http://www.reuters.com/article/scienceNews/idUSTRE56G1PZ20090717

【090720-04】
ロシア、7/24にProgress M-67をISSに向け打上げ予定

 7月13日、ロシアのS.P.Korolev RSC Energiaは、バイコヌールにおいて 打上げの準備に入っているISSへの無人の物資補給船Progress M-67(ISSへ の飛行計画上の番号は34P)に関して技術検討会議が開催され、打上げに向 けて推進薬の充填作業に移行して良いとの結論が得られたことを明らかに した。

 Soyuz Uによる打上げはモスクワ時間の7月24日14:56に予定されており、 約2,500kgの物資をISSに運ぶ。ISSとのドッキングは、Endeavourが28日に ISSを離れるのを待って29日になるとされている。

 http://www.energia.ru/eng/iss/iss20/progress-m-67/photo_07-13.html

【090720-05】
韓国初のロケット打上げ、ロシア側の事情で遅れ

 7月14日、韓国航空宇宙研究院は、韓国初の人工衛星打上げロケット “羅老”(KSLV-1)の打上げを韓国南部の全羅南道に建設した羅老宇宙セン タから30日に行うことを明らかにした。ペイロードとして科学技術衛星2 号を搭載する。

 http://sankei.jp.msn.com/world/korea/090714/kor0907142039002-n1.htm

 しかし、その後、17日になって、1段を提供しているロシアの事情で、 打上げは遅れるとの報道がなされている。

 ロシア側の事情として、打上げに用いるのと同じエンジンの燃焼試験を 7月23日に行う予定であったが、技術的問題があり遅れていると伝えられ ているが詳細は不明である。このエンジンの燃焼試験を羅老の打上げ前に 終えなくてはいけないとされているが、試験の目的は不明である。

 http://www.koreaherald.co.kr/NEWKHSITE/data/html_dir/2009/07/17/200907170043.asp

【090720-06】(関連記事:【090525-07】)
NASAの長官と副長官人事、上院で承認・・・7/17に就任

 7月15日、米議会の上院は、先にオバマ大統領が指名したNASAの長官及 び副長官の人事を承認した。2人は7月17日に正式に就任する。

 第12代の長官は元宇宙飛行士で4回のスペースシャトルでの飛行を経験 しているCharles Frank Bolden, Jr.(62)、副長官はオバマ新政権への 移行チームで宇宙関係事項を所掌した宇宙関係のコンサルタントであり、 以前にNASAの政策関係の長官スタッフを務めたこともあるLori Beth Ga- rver(48)である。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2009/jul/HQ_09-165_Bolden_and_Garver.html

【090720-07】(関連記事:【090302-01】)
NASA、2月のTaurus XLの打上げ失敗の原因調査結果の概要を公表

 7月17日、NASAは2月24日の温室効果ガス観測技術衛星(OCO)の打上げ失 敗の原因究明及び再発防止の提言策定を行って来たMishap Investigation Board(MIB)の報告書の概要を明らかにした。

 打上げに用いられたロケットはOrbital Sciences Corp.のTaurus XLで、 衛星フェアリングの分離が正常に行われず、ロケットは衛星を搭載したま ま南極に近い南太平洋に落下したことが飛行中のデータの分析から明らか になっていたもの。

 ゴダード宇宙飛行センタの副所長であるRick Obenschainを長とするMIB では、ハードウェアの試験、確認のための解析等を行う一方で、2,000点 に及ぶドキュメントの点検と関係者78人へのインタビューを行って調査を 進めたが、フェアリングが分離しなかったことは確実な事実として認識さ れたものの、その原因の究明には至らなかった。

 そして、フェアリングの分離失敗に繋がる原因となり得た事象4件を指 摘し、それぞれに対して、不都合が生じることがない様にするための改良 点についての提言を行っている。

 原因となり得た事象は、

@フェアリングの左右の殻の結合及びそれらの底部での機体との結合に用  いられている成形爆薬の動作不良

A成形爆薬への供給電流の不足

Bフェアリングの左右の殻を押し出す力を発生するホットガス方式のスラ  スタの不作動、

C成形爆薬への導火線の傷付き

としている。

 http://www.nasa.gov/mission_pages/oco/news/oco-20090717.html

【090720-08】
NASAのLRO、Apollo着陸船の月への残置物を軌道上から撮影

 7月17日、NASAは1969年から1972年の間のApollo宇宙船による月面着陸 地点を月を周回中のLunar Reconnaissance Orbiter (LRO)が撮影した画像 を公開した。

 2009年7月20日は、最初に月に着陸したApollo 11の着陸から40周年の記 念日であり、これに併せて、最新の探査機による上空からの着陸点の写真 を公開したもので、月面に残されている月着陸船の下部が小さな四角形と して識別でき、日照の関係でその影が長く伸びているのが判る。

 1969年7月から1972年12月の間に、NASAはApollo 11からApollo 17で7回 の月面着陸にチャレンジしているが、この内Apollo 13では月に向かう途 中で機械船の酸素タンクが爆発するという緊急事態が発生し、月を周回す るだけで地球に帰還しているので、着陸に成功したのは6回で、その内の Apollo 12を除く5回の着陸地点を7月11日から15日の間に撮影したもの。 Apollo 12の着陸地点についても近日中に撮影を行うとしている。なお、 公開された画像はLROが未だ最終の軌道に入る前のものであり、今後更に 解像度の高い画像の取得が可能とされている。

 http://science.nasa.gov/headlines/y2009/17jul_lroc.htm

 また、16日にはApollo 11での最初の月面での活動の様子を記録したビ デオデータの中から最良の状態の部分を再編集して当時配信した状態より も良い状態の映像が見られる様にしたものを公開した。

 これは、Apollo 11の2人の宇宙飛行士Neil Armstrong とBuzz Aldrinに よる最初の月面活動をより良い状態の記録として残そうというプロジェク トの最初のアウトプットである。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2009/jul/HQ_09_166_Apollo_11_Moonwalk_Video.html

【090720-09】(関連記事:【090406-11】)
火星への飛行模擬の第2段階である105日間の実験終了

 7月14日、モスクワ郊外の生物医学問題研究所(IBMP)で3月31日から行わ れていた火星への飛行を地上で模擬する実験の第2段階の実験である105日 間の実験が無事終了した。参加者に特段の健康上の問題等は見られない。

 実験に参加したのはロシア人4人とESAが選定したフランス人とドイツ人 各1人の合計6人であり、IBMPに置かれた200uの模擬宇宙船の中で外部と は通信だけが可能な状態で105日間を過ごした。彼等には1人当たり15,500 ユーロの報酬が支払われている。

 次のステップとして、2009年末には、往路250日・火星滞在30日・復路 240日の火星探査に要するのと同じ合計520日を地上に置かれた宇宙船の中 で過ごす実験が行われることとなっている。

 http://en.rian.ru/science/20090714/155519660.html

【090720-10】
Avanti Communications、衛星打上げをSpaceXからArianespaceに変更

 7月13日、英国の衛星オペレータAvanti Communications Group plcは同 社の初めての自社調達の静止衛星HylasOneの打上げロケットをSpace Ex- ploration Technologies Corporation (SpaceX)のFalcon 9から、Ariane- spaceのAriane 5かSoyuzに変更することを明らかにした。

 この契約変更に必要な追加経費4,220万ユーロを機関投資家及び英国政 府からの追加出資で賄うことが可能となったとしている。4,220万ユーロ の内の1,070万ユーロをESAが負担する形となっているが、これには英国の ESAへの貢献分が充てられることとなっている。

 AvantiとSpaceXとの間の契約は2007年9月に結ばれたもので、契約では 2009年の3月以降年末までに打ち上げることとなっていたが、Falcon 9の 初飛行が遅れており、この条件を満たせなくなったことから、Arianespa- ceへの変更となったもの。

 HylasOneの開発にはESAも出資しており、製作はEADS Astriumとインド 宇宙研究機関(ISRO)の共同体が行っている。質量は2,500kgと軽いので Arianespaceとの契約では、Ariane 5で他の衛星と相乗りで打ち上げるか、 ギアナからのSoyuzで打ち上げることとなる。正式の契約は7月後半に締結 される予定となっているが、打上げはこれまでに衛星開発の遅れもあった ので2010年の半ばとなるとされている。

 この衛星の打上げには、ESAの資金も入っていることから、本来Ariane- spaceでの打上げが優先されるべき状況ではあったが、SpaceXが価格及び 打上げスケジュールの柔軟性の面で、Arianespaceを抑えて受注に成功し たと報じられていた。

 http://www.space.com/news/090713-busmon-spacex-customer.html

【090720-11】
ILS、SESの衛星QuetzSat-1の打上げ契約獲得

 7月14日、International Launch Services (ILS)は、SES S.A.との間で 高出力の通信衛星QuetzSat-1の打上げサービスの契約を結んだことを明ら かにした。2011年にProtonにより打ち上げる予定。

 QuetzSat-1の製造は、SES S.A.傘下のSES Satellite Leasing Limited からの発注でSpace Systems/Loralが行っており、西経77度に静止後は衛 星全体を米国のEchoStar Corporationの子会社EchoStar 77 Corporation にリースする契約が結ばれている。

 この契約は、2009年に入って4基目のSESの衛星のILSによる打上げの契 約である。

 http://www.ilslaunch.com/news-071409

【090720-12】
カナダのTelesat、Telstar 14Rの製造をSS/Lと打上げをILSと契約

 7月16日、Space Systems/Loral (SS/L)はカナダのTelesatとの間でTe- lstar 14Rの製造契約を結んだことを明らかにした。

 SS/L 1300プラットフォームをベースとした質量約5トンの衛星で、2004 年1月に打ち上げられ北側の太陽電池パネルの展開が不完全なまま運用に 入ったTelstar 14/Estrela do Sul 1の代替機となる予定とされている。

 http://investor.loral.com/releasedetail.cfm?ReleaseID=397039

 また、7月17日には、International Launch Services (ILS)が、Telstar 14Rの打上げサービスの契約を獲得したことを明らかにしている。2011年中 頃にProtonで打ち上げる予定。

 http://www.ilslaunch.com/news-071709

【090720-13】
Boeing、Intelsatから新しい702Bプラットフォームを用いた衛星4基を受注

 7月16日、Boeing CompanyはIntelsat Ltd.との間で、4基の静止衛星の 製造契約を結んだことを明らかにした。

    衛星はIntelsat 21、Intelsat 22及び未だ名前がついていない2基で、 何れもBoeingの新しいプラットフォーム702Bをベースとするもので、今回 の契約が702Bをベースとした衛星の初の受注となる。

http://boeing.mediaroom.com/index.php?s=43&item=748  http://boeing.mediaroom.com/index.php?s=43&item=748

 702Bは従来の702の改良型で、全体としてよりフレキシビリティを持っ た設計であるが、電力レベルは6〜12kWと中規模で、大きさからするとど ちらかと言えば601の後継機と位置付けられ、702が必要としたDelta IV、 Proton、Ariane 5といった大型のロケットを必要としないとされている。

 http://www.aviationweek.com/aw/generic/story.jsp?id=news/Boeingsat071609.xml
&headline=Boeing%20To%20Unveil%20New%20Satellite%20&channel=space


【090720-14】
Ball Aerospace、米空軍のSTP-SIVプログラムのフォローオン契約締結

 7月15日、Ball Aerospace & Technologies Corp.は、米空軍から受けて いるSpace Test Program Standard Interface Vehicle (STP-SIV)プログ ラムの衛星の契約のフォローオン契約として、2基目の衛星のロングリー ド・アイテムの手配に関する1,340万ドルの契約を得たことを明らかにし た。

 最初のSTP-SIVの衛星は現在、環境試験の最初の段階を終えたところで、 2010年の第1四半期には打ち上げる予定となっている。

 STP-SIVプログラムは、今後必要となる小型の衛星の自由度の増大とコ ストの削減を図るために、標準化されたペイロードと実験のインターフェ イスを持った小型の衛星バスを開発するプログラムで、米空軍が別途進め ている小型打上げロケットのプログラムと一対を成すプログラムである。

 http://sev.prnewswire.com/aerospace-defense/20090713/LA4505813072009-1.html

【090720-15】
米空軍、“Space Fence”のフェーズAの作業を3社に発注

 7月13日にNorthrop Grumman Corporationが、同15日にRaytheon Company が、何れも、米空軍から“Space Fence”と称する次世代の軌道上物体の 地上からの識別システムの開発のフェーズAの契約を受けたことを明らか にした。契約期間は18ヶ月である。

 この、“Space Fence”開発のフェーズAの契約は、実は2月25日に空軍 が発した提案要請書(RFP)に応じた企業の中から、6月15日に上記の2社及 びLockheed Martin Corporationの3社にそれぞれ3,000万ドルで発注され たものであった。

 “Space Fence”は、地上に置かれたSバンドのレーダシステムで、現在 空軍が運用しているVHF帯を用いた軌道上物体の識別システム“Air Force Space Surveillance System”(AFSSS)の飛躍的な能力向上を目指している もので、最終的には1社に総額35億ドル規模の発注が行われることが考え られている。

 具体的要求としては、250km〜3,000kmの低高度軌道(LEO)及び18,480km 〜22,000kmの中高度軌道(MEO)での物体の追跡を行うこと、LEOとMEOでの 探索を行いつつLEOにおいては1つのセンサで同時に100個の物体を追尾で きることが求められている。

 現在のAFSSSではカリフォルニア州からジョージア州にかけて北緯33度 の緯線に沿って9箇所のサイトが設置され、3箇所からビーム状の電波を発 信し、6箇所で軌道上の物体からの反射波を受けるという運用がされてい るが、“Space Fence”ではサイトを2箇所か3箇所にすることが可能とさ れている。追尾の対象は現在は直径30cmの物10,000個とされているが、新 システムでは、直径5cmまで把握し、数は現状の10倍をターゲットとして いる。

 http://www.defenseindustrydaily.com/Air-Force-Awards-First-Phase-of-Next-Generation-Space-Fence-05511/

【090720-16】(関連記事:【090202-16】)
コロラド大学、“eSpace Incubator”の初めての対象企業として3社を選定

 7月14日、コロラド大学ボルダー校とSpaceDev Incが共同で運営する非 営利の組織“eSpace”では、同組織が推進する事業の一つ“eSpace Incu- bator”の初めての対象企業として、以下の3社を選定したことを明らかに した。

* Zybek Advanced Products Inc.
* Net-Centric Design Professionals (NDP)
* Space Awareness Services

  eSpace Incubatorは、新しい宇宙関係企業の立ち上げを目指す起業家 に立ち上げのための資金を提供し、更にオフィススペースの提供、既存の 試験装置・製造設備等の使用の便宜供与、起業成功者による指導、出資者 の紹介等を行うもの。

 Zybekは、先進的なプラズマ技術を生かしたビジネスの展開を考えてお り、月の模擬岩の製造を視野に入れている。

 NDPは軌道上の衛星と地上の施設の間の通信のための確実なコンピュー タネットワークの開発を目指している。

 Space Awareness Servicesは、市販の望遠鏡とソフトウェアを用いて宇 宙空間における物体の衝突回避を図ることを考えている。

 http://www.dailycamera.com/news/2009/jul/14/boulder-space-business-incubator-CU-espace-initial/

【090720-17】
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