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メールマガジン「週刊KU-MA」 第57号          [2009.8.5]

■目次

(1)YMコラム
     「若田光一さんが帰って来た」

(2)ワンダフル宇宙
     「秋山豊寛さんと小学生」

(3)宇宙関連ニュース「宇宙茫茫」

■YMコラム   2009年8月5日

 若田光一さんが帰って来た

 若田光一さんが帰って来た。7月31日午後11時48分(日本時間)、ケネ ディ宇宙センター着。そして12分後に46歳の誕生日を迎えた。

 驚いたのは、彼が4時間後の記者会見に、姿を現したことである。しか もしっかりと自分の足で歩いてきた(図1)。聞けば、その前に乗員を運 ぶ専用車にいる時も、出迎えに行っているJAXAの立川敬二理事長を見つけ て、自分で階段を降りようとしたという。いつも気遣いを忘れない若田さ んらしい仕草だが、それにしてもその元気なことにはびっくりである。記 者会見にも、「日本の皆さんに少しでも早く元気な姿を見せたい」と、自 分が強く出席を望んだと聞いている。そして日本のドクターも、「何かあ って責任を問われたらどうしよう」と、昨今の日本の臆病さに陥ることな く出席を認めてくれた「勇気」も立派なことだったと思う。アメリカや日 本の各地にあって、彼の飛行を助けて苦労を共にした本当に多くのスタッ フの人たちへの感謝をいつも口にする若田光一飛行士。嬉しい心根である。

 今回の若田さんは、骨粗鬆症の治療薬の服用実験に自ら名乗り出て、日 本人としての貴重なデータを提供したらしい。その効果があったのかどう か。宇宙では、無重力の影響で、骨の量が最大1.5%(1ヵ月当たり)減 少するという。筋力だって飛行前に比べると数十%弱くなる(図2)。ま た地上でわれわれが普通に生活していて浴びる放射線は、1年間で大体2ミ リ・シーベルトと言われているが、若田さんは今回の飛行で90ミリ・シー ベルト程度を被曝したと考えられている。例の胸部X線に換算すると1日 20枚撮影するのに相当するらしい。

 彼の今回のデータは、これまでの2週間ぐらいの日本人飛行士のデータ に比べて、きわめて価値の高いものになるだろう。今後リハビリを行いな がら慎重に検診を重ねてほしいが、それにしてもあの矍鑠たる様は、多忙 な4ヶ月半の任務の合間にも毎日2時間半ぐらいの船内の各種マシーンを使 った運動を欠かさなかった証拠でもあるだろう(図3)。

 記者会見の冒頭に述べた、「スペースシャトルのハッチが開くと、草の 香りが機内に流れ込み、地球に優しく迎えられた気がした」という言葉が、 長期滞在の後のホッとした気持ちを表現していて爽やかだった。3月16日 (日本時間)に「ディスカバリー」で旅立ち、ステーションの生命線であ る大型太陽電池パネルを取り付ける「第一回目の100mダッシュ」(若田) から始まって、日本実験棟「きぼう」に船外実験設備を取り付けて完成さ せる「第二回目の100mダッシュ」(若田)を終えてフロリダの大地に着地 するまで、滞在は137日15時間5分(図4)。ごくろうさま、きみの飛行は 素晴らしく、多くの人々に感動と夢を与えてくれた。

■ワンダフル宇宙   2009年8月7日

 秋山豊寛さんと小学生

 1990年12月2日、ソ連(当時)のバイコヌール宇宙基地から、ソユーズ ・ロケットが打ち上げられた。その先端に載っている宇宙船ソユーズTM- 11の乗組員に、一人の日本人がいた。秋山 豊寛(あきやまとよひろ) ──東京放送(TBS)の放送記者である。この時48歳だった。秋山さんは、 ソユーズ宇宙船からソ連の宇宙ステーション「ミール」に移乗し、8日間 の宇宙「出張」を終えて、12月10日に地球に帰還した。こうして日本人初 の宇宙飛行士が誕生したのである。

 1942年6月22日に生まれた秋山豊寛さんは、大学を卒業した後、東京放 送へ入社し、ロンドンやワシントンなどの支局で特派員を歴任し活躍した。 そしてジャーナリストとしては世界で初めて宇宙へ旅立ったのである。当 時のソ連にもジャーナリストはいた。聞くところによると、「自分たちの 仲間を乗せないで、なぜ外国のジャーナリストを先に飛ばしたのか」と宇 宙関係者にクレームがついたそうである。彼がソユーズTM-11が地球周回 軌道にのった後、生中継で、東京のスタジオからの呼びかけに対して質問 を発した「これ、本番ですか?」が、その宇宙での第一声になった。

 宇宙ステーション「ミール」とドッキングした後、秋山さんは乗組員兼 ジャーナリストとして日常生活をリポートし、宇宙実験では、日本から持 ち込んだカエルを無重力環境におくとどうなるか、扇子をあおいで移動で きるかといったことや、

 http://www.ku-ma.or.jp/img/wonda090805-01.jpg

 また自らが被験者となって睡眠実験なども試みた。そのカエルの実験は、 宇宙科学研究所の山下雅道さんと黒谷明美さんとが企画したもので、秋山 さんの撮影してくれた無重量でのカエルの挙動は、今でも子どもたちの興 味を大いにそそる映像である。

 http://www.ku-ma.or.jp/img/wonda090805-02.jpg

 宇宙から見た北海道を「おいしそうな昆布にみえます」と言ったりした のも、さすがジャーナリストだと思った。

 8日間の宇宙生活を終え、12月10日に、先に「ミール」とドッキングし ていた「ソユーズTM-10」でカザフスタンのアルカリクに無事着陸した。 帰還後は報道局次長などを歴任した後、1995年に退職し、現在は福島県で 無農薬農業に従事するかたわら、環境についての講演や執筆活動をこなし ている。

 実は、1989年に東京放送が日本人の「ミール」訪問に関する協定を旧ソ 連の宇宙総局と調印した時点では毛利衛さんのスペースシャトルでの飛行 が日本人初になるはずだった。ところがスペースシャトル「チャレンジャ ー」の爆発事故の影響で毛利さんの飛行が遅れたために、1990年に打ち上 げられた秋山さんが、日本人初の宇宙飛行士になったというわけである。

 ここまでは、一応の歴史的紹介である。さて、その秋山さんが、先日8 月5日に東京・目黒区の鷹番小学校で行った「宇宙の学校」プレイベント に、はるばる福島の田舎から、農作業の手を休めて参加してくれた。初め に私が、「宇宙ロケットの秘密を知ろう」と題するお話をし、宇宙へ行く ことの楽しさ、難しさ、原理などをパワーポイントを使いながら説明し、 秋山さんがソユーズ・ロケットのタラップをムサ・マナロフ飛行士たちと 一緒に昇りながら手を振っている写真を見せた。

 http://www.ku-ma.or.jp/img/wonda090805-03.jpg

「この人が日本で最初の宇宙飛行士だよ」と紹介して、「実はこの人がい まこの学校に来てくれているんだよ」と言ったら、思わず「エーッ」と歓 声と喚声。会場となっている体育館の前方のドアを開けて秋山さんが、万 来の拍手とともに登場した。実は校長先生から「今日はスペシャルゲスト を呼んである」としか行ってなくて、それが誰であるかは伏せてあったの である。多分、こんな登場の仕方は、秋山さんも初めてだろう。

 その後は、秋山さんへの質問を受けた後、私が説明したロケットの原理 を実地に学ぶべく、KU-MA本部の田口裕一さんが、傘袋を使ったロケットで実演。 次いで子どもたちと親御さんたちに、カメラ・フィルムと入浴剤を使う 「プチ・ロケット」を製作・打上げしてもらって、大変な盛り上がりを見せ たという次第である。

 秋山さんは、いつもの通り、場の雰囲気にぴったりと合った語りがさす がで、たくさんの子どもや親に囲まれながら、実に丁寧に対応してくれて、 ありがたい限りであった。

■宇宙茫茫ヘッドライン

【090803-01】STS-127ミッションEndeavour、無事に帰還・・・帰還直前に衛星放出
【090803-02】ロシア、バイコヌールからDneprによりDubaiSat-1等6基の打上げ成功
【090803-03】Progress M-67、無事にISSとドッキング
【090803-04】ISSで二酸化炭素除去装置の制御部の交換作業に着手
【090803-05】「きく8号」(ETS-VIII)の南北軌道制御用イオンエンジン故障
【090803-06】1月に打ち上げられた「いぶき」に相乗りの小型衛星6基のその後
【090803-07】火星ローバSpiritの砂からの救出、8月10日過ぎにトライの可能性
【090803-08】韓国、初の準国産ロケット“羅老(ナロ)”の打上げを8月11日に実施
【090803-09】NASAとJAXA、全球降水観測(GPM)計画で協力関係樹立
【090803-10】ラトビア、ESAのCooperation Agreement締結国に
【090803-11】SpaceX、Falcon 9の1段のタンクと段間部の構造の確性試験終了
【090803-12】ロシア、Angara用の推進系URM-1の初の燃焼試験無事終了
【090803-13】Virgin Galactic、アブダビの機関投資家と資本関係樹立・・・WK2のデビューも
【090803-14】NASA、NEOの情報を提供するサイトAsteroid Watchを立ち上げ
【090803-15】Sea Launchの連邦破産法11条の適用申請後の顧客の動き
【090803-16】Space Elevator Conferenceと競技会・・・日本でも別個に競技会開催
【090803-17】JAXAのウェブサイト内の注目記事へのリンク


【090803-01】
STS-127ミッションEndeavour、無事に帰還…帰還直前に衛星放出

 7月27日、Christopher CassidyとThomas MarshburnがSTS-127ミッショ ンでの5回目となる4時間54分の船外活動を行い、「きぼう」船外実験プラ ットフォームの前方と後方へのビデオカメラの取付を行った他、ISSのメ ンテナンスのための様々な作業を行った。

 S3トラスのPayload Attach Systemの展開だけが一つだけ後送りとなっ たが予定していた5回の船外活動を無事終了した。トータルの船外活動時 間は30時間30分であった。

 今回の船外活動はISSの建設とメンテナンスのために行われた船外活動 としては130回目で、総合計時間は810時間36分となった。なお、5回の船 外活動が行われたISS建設関係のミッションは今回が2008年3月のSTS-123 ミッションに継いで2回目であった。

 http://www.nasa.gov/mission_pages/shuttle/shuttlemissions/sts127/news/STS-127-25.html

 28日12:26CDT(29日02:26JST)にEndeavourはISSを離れた。その後、 ISSから約120m離れてISSを1周するフライアラウンドを行って、最終的に は14:09CDTにISSの軌道から離脱した。

 http://www.nasa.gov/mission_pages/shuttle/shuttlemissions/sts127/news/STS-127-27.html

 29日にはロボットアームの先にセンサ付き検査用延長ブーム(Orbiter Boom Sensor System:OBSS)を把持し、センサで翼前縁部とノーズ・キャ ップの耐熱シールドの表面をスキャンし、データを大気圏再投入に際して 耐熱シールドの問題が無いことを確認するために地上の損傷評価チームに 送った。検討の結果、問題が無いことが翌日にクルーに伝えられた。

 http://www.nasa.gov/mission_pages/shuttle/shuttlemissions/sts127/news/STS-127-29.html

 30日には帰還に向けて飛行制御システムとスラスタ噴射及び舵面の点検 が行われた。この中で、機体の前方の1つのスラスタが作動しないという 異常が発生したが、このスラスタを使わなくとも帰還には問題が無いと判 断された。

 この日、軌道上での最後のミッションとして、ぺーロードベイに保管さ れていた2対の衛星の放出が行われた。1対はDRAGONSat (Dual RF Astro- dynamic GPS Orbital Navigator Satellite)と称されるテキサス大学オー スティン校とテキサスA&M大学がそれぞれ製作した12.5cm立方の極小衛星 で放出された後で分離して、それぞれに搭載されている新しいGPS受信装 置での受信情報に基づいて位置決定のデモンストレーションを行うことを 目的としている(関連記事:【090615-05】)。

 もう1対はANDE-2(Atmospheric Neutral Density Experiment-2)と称 される米海軍の研究所のミッションで2個の大きさは同じ(直径483mm)で質 量が異なる真球で、これを地上から追跡することにより、高度約320km近 辺の大気密度を探ることを目的としている。

 http://www.nasa.gov/mission_pages/shuttle/shuttlemissions/sts127/news/STS-127-31.html

 7月31日10:48EDT(23:48JST)にSTS-127ミッションのEndeavourは無事 ケネディ宇宙センタに帰還した。ミッションの総時間は15日と16時間44分 58秒であった。

 これにより、3月16日にDiscoveryに搭乗してISSに向かい、その後ISSの 長期滞在クルーとして活躍したJAXAの若田光一宇宙飛行士が帰還した。打 上げから帰還までの宇宙滞在時間は137日と15時間5分となった。

 http://www.jaxa.jp/press/2009/08/20090801_sts127_j.html

【090803-02】
ロシア、バイコヌールからDneprによりDubaiSat-1等6基の打上げ成功

 7月29日、ロシアのISC KosmotrasはバイコヌールからDneprによりアラ ブ首長国連邦(UAE)のドバイ首長国のリモートセンシング衛星DubaiSat-1 等6基の衛星の打上げを行い、全ての衛星を高度686km、軌道傾斜98度の太 陽同期軌道へ投入した。

 今回同時に打ち上げられた6基の衛星の中ではDubaiSat-1が一番重く、 質量190kgである。他の5基の衛星のうちの2基はこの軌道上に既にある5基 (但し1基は運用停止)の災害モニタ用の衛星群(Disastar Monitoring Co- nstellation:DMC)に加わる質量96.5kgの英国のUK-DMC-2と90kgのスペイ ンのDeimos-1である。

 他の3基は、質量22kgのスペイン宇宙機関の通信及び材料科学関係の実 験衛星Nanosat-1B及び共に質量12kgの米国のAprize Satellite Inc.の通 信衛星AprizeSat-3とAprizeSat-4である。

 http://www.spaceflightnow.com/news/n0907/29dnepr/

【090803-03】(関連記事:【090727-02】)
Progress M-67、無事にISSとドッキング

 7月29日、ロシアが打ち上げたISSへの無人の物資補給船Progress M-67 (ISSへの飛行計画上の番号は34P)が無事ISSの Zvezdaサービスモジュー ルにドッキングした。

 7月24日に打ち上げられたが、28日にスペースシャトルEndeavourがISS から離れるのを待つこととなり、通常打上げ後2日目となるドッキングが 5日目となった。

 ドッキングは自動的に行われる予定だったが、自動ドッキングシステム に問題が発生したため、手動ドッキングシステムに切り替え、第20次長期 滞在クルーのGennady Padalkaが操作して行われた。

 http://en.rian.ru/russia/20090729/155665057.html

【090803-04】(関連記事:【090727-01】)
ISSで二酸化炭素除去装置の制御部の交換作業に着手

 7月30日、Endeavourが離れたISSでは、長期滞在クルー6人の体制に戻す 作業が行われている中で、25日に装置の自動での運転ができなくなり地上 からの指令による運転となっていた二酸化炭素除去装置 (Carbon Dioxide Removal Assembly:CDRA)の自動運転への切り替えが試みられたが、25日 と同じ状況で切り替えはできなかった。

 この結果を受けて、CDRAのヒータの制御部を交換することが決定され、 クルーは交換作業に着手した。

 ISSの二酸化炭素除去置装置はCDRAの他にロシアのVozdukhと称せられる 装置があり、6人体制では両方の能力が必要となっている。

 なお、万一装置が停止してしまった場合には、二酸化炭素を炭酸リチウ ムとして取り除く水酸化リチウムキャニスターが搭載されているが、約3週 間分の二酸化炭素の除去しかできない。

 http://www.spaceflightnow.com/shuttle/sts127/090730fd16/index2.html

【090803-05】
「きく8号」(ETS-VIII)の南北軌道制御用イオンエンジン故障

 7月31日、JAXAは技術試験衛星「きく8号」(ETS-VIII)の南北軌道制御 を行うイオンエンジンに異常が生じ、スラスタ噴射ができなくなっている ことを明らかにした。

 2008年1月15日にA、B2系統のシステムのうちのA系統が使用できなくなり、 その後B系統のみで運用を続けてきたが(関連記事:【080204-06】)、7月7 日に、B系統にも北側・南側のスラスタを選択できないという異常が発生 したもの。

 B系統異常の原因は電源Bに実装されているIC部品の故障で、復旧の目処 は立っていないが、今後の軌道制御をバックアップの化学燃料スラスタに よって行うことで、予定されている3年間のミッションに影響はないとして いる。

 http://www.jaxa.jp/press/2009/07/20090731_kiku8_j.html

【090803-06】(関連記事:【090126-01】)
1月に打ち上げられた「いぶき」に相乗りの小型衛星6基のその後

 7月30日付けの“YOMIURI ONLINE”は、1月にH-IIAによる温室効果ガス 観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)の打上げ時に公募に基づき、相乗り衛 星として打ち上げられた大学や民間企業が開発した以下の6基の小型衛星 の状況について報じている。(注:以下の衛星の名称は、「かがやき」以 外は打上げ後に付けられた愛称であり、打上げ時の名称とは異なる。)

@ ソラン株式会社の「かがやき」
A 香川大学の「KUKAI」
B 東京都立産業技術高等専門学校の「輝汐(きせき)」
C 東京大学の「ひとみ」
D 東大阪宇宙開発協同組合の「まいど1号」
E 東北大学の「雷神」

 JAXAの全面的な支援を受けた東大阪宇宙開発協同組合の「まいど1号」 と3基目の小型衛星の打上げである東京大学の「ひとみ」は、すべての実 験を成功させたが、他の4基は何れも主たる実験目的を達成できていない。

 香川大の「KUKAI」は、親機と子機が5メートル伸ばせるひもでつ ながった親子衛星で、分離・合体の実験を行う予定だったが、ひもが殆ど 伸びず、しかも巻き取り機能の不具合もあって合体もできなかった。

 都立産業技術高専の「輝汐(きせき)」は打上げの3日後に交信が途絶え、 コントロール不能になった。原因究明の結果、原因はコンピュータの誤動 作と判明している。

 東北大の「雷神」も当初順調だったが、打上げの12日後に姿勢制御用の 金属棒を伸展させた際に交信不能になった。太陽電池パネルに金属棒の影 が落ち、予想以上の電圧低下が起きたものと考えられている。

 ソラン株式会社の「かがやき」は打上げ後、全く交信できない状態が続 いている。

 この状況の中で、香川大、東北大、都立産業技術高専では、今回の失敗 を次のステップで役立てることができると前向きに受け取り、新たな開発 に取り組むとの意欲が示されている。

 http://www.yomiuri.co.jp/space/news/20090730-OYT1T00684.htm

【090803-07】(関連記事:【090713-04】)
火星ローバSpiritの砂からの救出、8月10日過ぎにトライの可能性

 7月30日、NASAのジェット推進研究所(JPL)は火星で動けなくなっている ローバSpiritの救出に向けての地上での試験がほぼ終了し、8月10日過ぎ にも砂からの脱出のためのコマンドを送る可能性があることを明らかにし た。

 7月の初めからSpiritが立ち往生している現場の状況を模擬した砂場の 中で行って来た試験の中で、様々な脱出方法を試し、30日までに上り坂で、 カニの様に横ばいで数メートル進めることに成功している。更に長い距離 を移動させる試験を8月7日まで続けるとしている。

 http://www.jpl.nasa.gov/news/features.cfm?feature=2249

【090803-08】(関連記事:【090720-05】)
韓国、初の準国産ロケット“羅老(ナロ)”の打上げを8月11日に実施

 8月2日、韓国の教育科学技術部は、韓国初の人工衛星打上げ用ロケット “羅老(ナロ)”(KSLV−I)の打上げ予定日について、1段ロケットを提供し ているロシア研究陣との協議の結果、8月11日とすることを明らかにした。

 これを受けて、韓国航空宇宙研究院は同日、ロケットの1段目と上段部 の組立作業に着手した。打上げ2日前にロケットを射点に移し、前日に最 終リハーサルを行うとしている。打上げの予備日は18日までとされている。

 打上げは、当初7月30日に予定されていたが、ロシア側が打上げ前に、 韓国に提供した1段と同じコンフィギュレーションでロシア国内で行うと していた燃焼試験の遅れを受けて遅れていた。7月30日に予定していた燃 焼試験が終了し、打上げに支障の無いことが確認されたことにより、打上 げ予定日の決定となったもの。

 http://www.koreatimes.co.kr/www/news/biz/2009/08/123_49501.html

【090803-09】
NASAとJAXA、全球降水観測(GPM)計画で協力関係樹立

 7月30日、NASAは同日ケネディ宇宙センタにおいてNASAのCharles Bol- den長官とJAXAの立川敬二理事長の間で、地球全体の降水(雨や雪)を複数 の衛星を使って観測する全球降水観測(Global Precipitation Measure- ment:GPM)計画の開発及び運用活動に関する了解覚書(MOU)を締結したこ とを明らかにした。

 GPM計画は、日米で共同開発する主衛星に加えて副衛星として各国のマ イクロ波放射計或いはマイクロ波サウンダを搭載した衛星が取得するデー タを利用して2〜4時間毎の全球降水観測を行うことを目指している。なお、 この計画はこれまで観測を続けてきたNASAとJAXAの共同開発の熱帯降雨観 測衛星(Tropical Rainfall Measuring Mission:TRMM)の成果をベースに 生まれた計画である。

 今回のMOUでは、主衛星の開発及び運用活動における協力内容を定めて おり、NASAが衛星バスと搭載する2種の機器の中のマイクロ波放射計(GPM Microwave Imager:GMI)を提供し、JAXAがもう一つの二周波降水レーダ (Dual-frequency Precipitation Radar:DPR)を提供し、打上げは2013年 7月にH-IIAにより行う予定とされている。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2009/jul/HQ_09_177_NASA_JAXA_Agreement.html

【090803-10】
ラトビア、ESAのCooperation Agreement締結国に

 7月24日、ESAは、ラトビアとの間でより緊密な協力関係を築いて行くた めの最初の段階の合意書“Cooperation Agreement”を前日に結んだこと を明らかにした。

 これは将来ESAに対して資金面の協力を約束する“European Cooperating State”となる最初のステップであり、バルト三国の中では2007年6月のエ ストニアに次いで2番目のCooperation Agreement締結国となった。残るリ トアニアとの話し合いも続いている。

 http://www.esa.int/esaCP/SEMDT7E3GXF_index_0.html

【090803-11】
SpaceX、Falcon 9の1段のタンクと段間部の構造の確性試験終了

 7月29日、Space Exploration Technologies (SpaceX)は、開発中のFal- con 9の1段のタンクと段間部の構造の確性試験が終了したことを明らかに した。

 タンクの耐圧試験、繰り返し加圧試験、全体の曲げ荷重試験、剛性試験 等を終えたもので、何れもNASAが有人ミッション用に定めている安全率1. 4の条件で必要な強度等を有することが確認されたとしている。

 SpaceXではFalcon 9の初打上げを2009年中には行う予定としている。

 http://www.spacex.com/press.php?page=20090729

【090803-12】
ロシア、Angara用の推進系URM-1の初の燃焼試験無事終了

 7月31日、ロシアのKhrunichev State Research and Production Space Centerは開発中の次期の大型打上げロケットAngaraの1段と2段に使用され る予定のエンジンを組み込んだUniversal Rocket Module URM-1の初めて の地上燃焼試験が無事終了したことを明らかにした。

 このエンジンはLOX/ケロシンを推進薬とするNPO Energomash製のRD-191 で、2008年9月にエンジンとしての開発を終了しており、海面上で推力196 トン、比推力309秒、真空中で推力212トン、比推力337秒という性能を有 する。

 今回の燃焼試験に先立って、テストスタンドの検証も兼ねて、2009年4月 29日と6月18日にコールド・フロー試験が行われている。

 今回の試験では打上げ時の1段の燃焼時間に相当する232秒間の燃焼が行 われた。なお、2回目の燃焼試験は9月に行われる予定とされている。

 http://www.russianspaceweb.com/angara.html

【090803-13】
Virgin Galactic、アブダビの機関投資家と資本関係樹立…WK2のデビューも

 7月28日、商業ベースで一般人の宇宙旅行を実現しようとしているVirgin Galacticは、アラブ首長国連邦のアブダビ首長国に本拠を置くAabar Inve- stmentsからの資本受入について合意したことを明らかにした。

 両社の合意の発表は米国のウィスコンシン州オシュコシュ(Oshkosh)で7 月27日から8月2日まで開催されていたExperimental Aircraft Association (EAA)の“EAA AirVenture Oshkosh 2009”の中で行われたもので、この会 場には、Virgin Galacticの宇宙弾道飛行用の宇宙機SpaceShipTwo(SS2)の 母機である双胴の大型機WhiteKnightTwo(WK2)が飛来し、初めて公衆に公開 された。

 Aabar Investmentsはアブダビ政府資本のInternational Petroleum Inve- stment Company (IPIC)を最大の株主とする言わばアブダビ政府の投資部門 で、Virgin Galacticの持ち株会社に2億8,000万ドルを出資し同社の株の32 %を取得するとしている。

 更にAabarは、Virgin Galacticが計画している小型の衛星の打上げ事業 にビジネスプランが明確に示された段階で1億ドルの資金提供を行うことを 約束している。

 これにより、AabarはVirgin Galacticが進めようとしている、宇宙弾道 観光飛行及び研究目的の衛星打上ビジネスに関しての中東地域における独 占的な権利を有することになる。

 http://www.space.com/news/090728-virgin-galactic-satellite-launch.html

【090803-14】
NASA、NEOの情報を提供するサイトAsteroid Watchを立ち上げ

 7月29日、NASAのジェット推進研究所(JPL)は地球近傍物体(near-Earth objects:NEO)に関する最新の情報を広く一般に提供するウェブサイト “Asteroid Watch”を立ち上げたことを明らかにした。(注:NEOは小惑星 (asteroid)と彗星(comet)の中で地球に近づく可能性があるものの総称。)

 NEOの中で地球に危害を及ぼす可能性があるものは僅かで、むしろ科学 的な興味をそそるものが多いとしており、それらの興味あるNEOの最新の 且つ、正確な情報を提供していくとしている。

 また、サイト上から、新しい“Asteroid Widget”のダウンロードや、 “Twitter”のアカウントの取得を行うこともできる。

 http://www.jpl.nasa.gov/asteroidwatch/newsfeatures.cfm?release=2247

【090803-15】(関連記事:【090629-14】)
Sea Launchの連邦破産法11条の適用申請後の顧客の動き

 7月30日付けの“Spaceflight Now”は、6月に連邦破産法11条の適用を 申請したSea Launch Company L.L.C.との間で打上げサービス契約を締結 済みの衛星運用企業各社の動きを伝えている。

 連邦破産法11条の適用を申請した時点でSea Launchは、10件の締結済み 契約を持っており、再建途上においても継続して打上げ事業を行い、契約 を全うしたいとの考え方を示している。

 しかしながら、10件のうちの7件の契約を行っているIntelsatが、今後 の打上げに向けての前払い金の支払い条件として、Sea Launchからの打上 げを確実に行うとの法的効力のある保障或いはSea Launchサイドからの契 約解消を求めており、非公式の保障のみで再建を進めようとしたSea Lau- nchは動きが取れなくなって来ている。

 Intelsatが契約している打上げサービスは衛星が確定しているものが3 件で残りは2012年までの間に必要に応じて衛星を決めて打上げを行うこと となっている。なお、確定している3件のうち2件は“Land Launch”によ るIntelsat 15と18で残りは海上打上げ予定のIntelsat 17である。

 10件のうちの残りの3件は、Eutelsatの通信衛星W7、Sirius XM Radioの 放送衛星及びO3b Networksの8基のインターネット用の衛星である。Sirius とO3bは今のところ動きを見せていないが、Eutelsatはバックアップの検 討に入っていることを否定していない。

 http://www.spaceflightnow.com/news/n0907/30sealaunch/

【090803-16】
Space Elevator Conferenceと競技会…日本でも別個に競技会開催

 8月13日から16日の4日間米国ワシントン州のレッドモンド(Redmond)に あるMicrosoft Conference Centerで、“The 2009 Space Elevator Con- ference”が開催される。

 主催はThe Space Engineering and Science InstituteでMicrosoftが後 援をしている。

 4日間に亘る技術セッションの他、映画“Orphans of Apollo”の上映、 ファミリー向けの啓蒙セッション“Space Elevator 101”があり、更に NASAがスポンサーになっている賞金付きのCentennial Challengesの課題 の一つである“Space Elevator”競技の1種目“Strong Tethers Compe- tition”も開催される。

 http://www.spaceelevatorconference.org/

 一方、7月にNASAのドライデン飛行研究センタで開催予定とされていた、 Space Elevator競技の別の種目である“Space Elevator Power Beaming Challenge Games” (関連記事:【090601-13】)は、昇降用の太さ約5mmの スチールのケーブルのヘリコプタからの吊り下げ機構に問題が発生してお り、9月か10月に延期のこととなっている。

 http://www.aviationweek.com/aw/generic/story.jsp?id=news/Elevator072909.xml&headline=Space%20Elevator%20Contest%20Held%20Up&channel=space

 なお、日本独自の宇宙エレベーターの開発に向けての競技会“第1回宇宙 エレベーター技術競技会−Climb me to the moon−”は予定通り、8月8日、 9日に一般社団法人宇宙エレベーター協会の主催で、千葉県船橋市の日本大 学二和校地において開催される。

 http://jsea.jp/ja/2009-04-23-About-JSETEC

【090803-17】
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