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メールマガジン「週刊KU-MA」 第58号          [2009.8.12]

■目次

(1)YMコラム
     「横浜・東京間に富士山現れる!」

(2)ワンダフル宇宙
     「惑星の名前(2)中国・日本編」

(3)宇宙関連ニュース「宇宙茫茫」

■YMコラム   2009年8月12日

 横浜・東京間に富士山現れる!

1 ドジと疲れ

 8月に入ってから何だか疲れるなあと思っていた。カレンダーで振り返 ってみると、なるほどと頷ける。1日に宇宙旅行シンポジウムを終えた後、 千葉→青森→東京→御殿場→東京→呉→東京→諏訪という日程だったらし い。おまけにドジで余計な遠回りをするものだからもっと消耗している。

 青森に行く日には、いったん千葉(幕張)に寄って、研修会の講師を務 めてから羽田という予定だった。家を出るのが少し遅れて、新横浜から新 幹線に乗って東京まで行き、そこから海浜幕張という駅まで行くというル ートを辿らないと間に合わないことになったので、わざわざ新横浜まで出 向いて乗り換えた。これで1回だけ東京で乗り換えればいいなと思って、 ホッとして窓の外を何気なく見たら、何と富士山が見えている。6割がた 雲に隠れているが、まぎれもない霊峰である。横浜から東京に向かう間の 右側には、あんな山はない。溜め息をつきながら何度見ても富士山だ。

 独白――何でこんなことになったのか。そうだ、横浜線で読んでいた本 が、吉田秀和さんの『千年の文化、百年の文明』という本だったのがいけ ない。あんな壮大なテーマの本を読んでボーッとした頭で乗り換えたから、 ついいつも乗り換え慣れている名古屋方面の方へ行っちゃったんだ。そう だ、吉田先生が悪い! いやいや吉田先生は悪くない。吉田先生は、まさ か私がこんなせせこましい時に自分の本を読むとは思っていないわけだか ら、やはりそんな本をこんな時に読んでいた自分が悪い! いやいや読ん でいたことは悪くない。どんな本を読んでいても、乗換ぐらいはきちんと 出来るのが大人というものではないか。悪いのは血液型か?

 都合の悪いことに、乗ったのが「のぞみ」だ。名古屋までノンストップ だ。そこでムクムクとけしからん考えが頭を擡げてきた。「これじゃあ、 幕張の講演会はあまりに大幅遅刻で、先方には悪いがキャンセルにならざ るを得ない。名古屋でUターンしてそのまま羽田から青森へ行くか、ある いは名古屋から直接青森へ飛ぶかのどちらかになるかな。そうだ、今日の 青森はねぶた祭りだ」などと妄想をたくましくしながら、新幹線の中から 幕張の研修会の担当者へ電話。

 しかし事態は一転して思わぬ方向へ。私のいかにも申し訳なさそうな声 の事情説明を聞いた担当者は、明るい声で「了解しました。こちらは合宿 して研修していますので、プログラムは柔軟に変更できます。名古屋にお 着きになったら、何時の新幹線で東京に向かわれるか、お電話を頂戴でき れば。」トホホ。ねぶたが遠い彼方へ去った一瞬だった。無論、幕張での 講演を終えて、大急ぎで羽田へ向かい、最終便のJALに飛び乗って青森空 港に降り立ったのは、その日の深夜のことであった。近くの飲み屋で寂し い夕食をつまみながらテレビに映っているビデオを眺めた。ちょうどその 日は「子どもねぶた」だったらしい。

 諏訪出張も参った。講演が済んだ後で懇親会があるというので、帰りの 電車をフローティングにしておいたのが祟った。上諏訪駅で「スーパーあ ずさ」の指定席券を買おうとしたら、2時間後まで満席なのである。「こ こは信濃。駅前のソバ屋で信州ソバでも食べながら待つか」との思いもか すめたが、駅員さんの「次のスーパーあずさは、いつもなら自由席でも空 席はあるのですがね」の言葉に、ついふらふらと従ったのが運のツキ。3 両もある自由席はすべて満席。ゴトゴトと八王子までの揺れの激しいデッ キで立ちっぱなしになってしまった。駅員さんが「いつもなら」の部分を もう少しアクセントをつけて発音してくれていれば、との思いが、苦々し くよみがえる1時間40分となった。これも人の言葉を善意に受けとめよ うとするB型のせいか?

 みなさん、乗り換えは慎重に。そしてこれからはお盆の季節。帰りの切 符は確保しておきましょう。それにしても過去の記憶と教訓は薄れて行く ことが必然。一夜明けた今は、元気いっぱい。さあ今度はどこに行くのか な。

2 アメリカの有人宇宙計画

 そう言えば、立ちっぱなしの諏訪からの帰りに、アメリカの新聞をネッ トで読んでいたら、シャトル引退後のアメリカの有人飛行の計画について の記事が出ていた。オバマ大統領が、ブッシュ時代に作られた有人宇宙計 画の見直しを行っていることは聞いていたので、思わず目が行った。

 隔日と言うハイペースで開かれた委員会には864個もの提案が寄せら れたらしい。それを最終的には3つにしぼる方向なのだが、これまでの議 論で7つまでに絞られてきているという。オバマは宇宙予算を削減するだ ろう。残っている7つのうち、その削減を見込んだものが3つある。

 そのうちの一つは、再び人間を月へ送るというブッシュ時代の計画を引 き継ぐ形。ただし2020年までにやりとげるという目標を先へ送るとい うもの。二つめは、現在2015年まで運用する予定の国際宇宙ステーシ ョンを少なくとも2020年まで運用しようというもの。当然その結果、 月探査が先送りされるというわけである。三つめは、アポロ以来絶えてい た地球低軌道以遠への人間の飛行を実現させようというもの。

 あれ?と思って読んだのは、この三つめのオプションである。これは、 国際宇宙ステーションを予定通り2015年に運用終了し、NASAがこれま で取り組んできた「アレースI」ロケットの開発を中止し、乏しい予算を 大型の「アレースV」ロケットに集中させるというもの。アレースVで月を めざすのだが、ただし月面着陸は先送りとされている。

 さて、生き残っている7つの案のうち、残りの4つは予算の削減を前提 としていない。パネルの座長を務めているノーマン・オーガスティン氏 (ロッキード・マーティン)は、以前「予算の制約ですぐに駄目になるよ うな計画は進言しない」と断言していたから、見通しとしては上記の3つ が有力候補となるだろうが、他の4つの中にも魅力的なものが含まれては いる。たとえば地球近傍の小惑星や火星の衛星など深宇宙を広く探査しよ うというもの、恒久的な月面基地の建設に着手しようというもの、アレー スIもアレースVもやめて現在のシャトル技術をもっと直接に応用した輸送 機を建造して2010年にシャトルが引退しても空白期間をなくそうとい うもの、そして最後のオプションは、火星を直接目指すべきでアメリカの 宇宙活動の努力をそこに集中しようというもの。

 8月12日に開かれる会議で、コストとスケジュールの両面が仔細に検 討されて一応の結論が出されるだろうが、いずれも「ターゲットとデッド ラインを明確にしない計画は必ず中途半端になる」というこれまでのNASA の経験的教訓が、生かされることになるだろう。それにしても日本の「懇 談会」とか「委員会」の結論の曖昧なこと、これを今後はどうにかして行 きたいものですね。

(YM)

■ワンダフル宇宙  2009年8月12日

 惑星の名前(2)中国・日本編

 さてちょっと間があきましたが、惑星の名前のつづきです。先に西洋で の由来は書きました(7月29日号)。日本の惑星名は、ご想像の通りほぼ 中国から来たものです。中国では、おそらくは王様ないしは王朝が星から 地上の吉凶を占うためなのでしょうか、古くから天文観測が発達しており、 5つの惑星が知られていました。今で言う水星・金星・火星・木星・土星 ですね。

 1 中国の古い呼び名

しかしその元々の呼び名は、

  辰星(しんせい):水星
  太白(たいはく):金星
  螢惑(けいこく):火星
  歳星(さいせい):木星
  鎮星(ちんせい):土星

でした。その語源がすべて明らかにされているとは言えないようです。

 まず辰星の「辰」は「振」に通じるので、水星が太陽の周りをうろうろ ちょろちょろしている様子からつけられた名前でしょうか。

 太白は明らかに全天一の輝きから来た名前でしょうね。螢惑も天空を不 可思議な動きをすることが命名の由来に違いありません。

 木星は、公転周期が約12年です。一周天を12に区分けして毎年1つずつ 進んでいく木星の動きから、これを最もオーソドックスかつ基準となる星 という意味合いから「歳星」とつけたようですね。

 鎮星の由来が定かではないのです。ただし「鎮星が久しく輝いている国 は福が厚く、動いてしまう国は福が薄い」などという記述が古い文献には 見えるので、こうした言い伝えが元になったのかも知れません。

 2 五行思想

 さて次は、そうした古い名前がどのようにして「水星・金星・火星・木 星・土星」になったかです。これは中国の五行思想と関係があります。こ れは中国古代の夏王朝の創始者であるう禹が発案したと言われており、万 物が「木火土金水(もく・か・ど・ごん・すい)」の5つの要素から成り 立っているという考えです。「行」という字は、巡るとか循環するという 意味合いを持つ字で、5つの要素が循環することによって自然界が生成さ れているというのです。

 5つの要素の相互の間には、「相生(そうじょう)」(相性がいい)と 「相克(そうこく)」(相性が悪い)という関係が存在するとされます。 「相生」とは、「木は燃えて火を生じ、火が燃えたあとには土が生じ、土 が集まって山となったところから金(鉱物)が生じ、金は腐食して水に帰 り、水は木を生長させる」というように、「木→火→土→金→水→木」と いう順に相手を強めて行く影響を持っているというのでしょう。他方「相 克」とは、「水は火を消し、火は金を溶かし、金でできた刃物は木を切り 倒し、木は土を押しのけて生長し、土は水をせき止める」というような 「相手を弱める」という関係も持つという考え方です。図1のような関係 てすね。


(図1)

 しかも天の惑星が5つ(当時)あるということが、この五行思想の根拠 としてどっしりと存在していたに違いありません。この五行は、後に斉の 鄒衍(すうえん)(305BC〜240BC)によって、この世のあらゆるものに当 てはめられて行きました(図2)。彼によって陰陽(おんよう)思想と結 合され、陰陽五行説という一大観念思想として完成されていきます。


(図2)

 この図2の方角と色彩のところを見ると、高松塚古墳やキトラ古墳の青 龍・白虎・朱雀・玄武などにも想いが行って楽しいのですが、先を急ぎま しょう。

 3 中国における惑星の新しい名前

そこで惑星に戻りましょう。冒頭に述べた惑星の古名は、五行思想に先行 しています。戦国の世に鄒衍の思想の完成を経て、惑星の名前も五行の洗 礼を受けます。

 5つの惑星の中でも、歳星は、1年に1つずつ黄道12宮をめぐってい く堂々たる星です。これに五行の中の先頭である「木」が当てられたのは、 ごく自然な成り行きかも知れません。赤い星である螢惑に「火」が、光り 輝く太白に「金」が充てられたのもうなずけますね。そして国の運命に深 い関係のある鎮星が、五行の「中央」たる「土」と関係づけられたのも、 まあむべなるかな。辰星はどうも残りの「水」ということで、一件落着。

 こうした対応が付けられはしたものの、中国での5惑星の名前は、なか なかしっかりとは一つに定着しませんでした。占いの方では古い惑星の呼 び方が保持されたからでしょう。念のため言っておきますが、「惑星」と いう言葉は中国では「行星」と言います。どうも「惑星」という語は、江 戸時代の長崎の通詞、本木良永(1735〜94)あたりが考えたのではないか との説を読んだことがあります。

 4 日本における惑星の名前

 さて日本では、飛鳥時代に天文の知識が一挙に入ってきたわけですが、 この時に太白とか歳星という呼び名が入ってきています。空海が中国から 帰国した際に『宿曜経』を持ってきていて、そこには「金星」という表現 なども散見されますし、この時代以降に「土星犯木星」などという記述も 出てきています。江戸時代になると、火星、土星という呼び名もかなり使 われますが、同時に歳星とか鎮星などという表現もごちゃごちゃに出てき て、統一されてはいませんね。江戸時代の百科事典『和漢三才図絵』(17 13)の見出し語に「歳星」とあって、下に小さく「木曜」(木星ではない) などと書いてあるので、このころからある程度は統一を意識していた感じ はしますね。はっきりしたことは分からないのですが、現在の「水金地火 木土」に統一されたのは明治になってからなのではないかと思います。い ずれもっと調べてみようと思いますが、どなたかご存知の方がいらっしゃ れば教えてください。なお、天王星と海王星は中国でつけられた名前が日 本に入ってきました(斉藤国治)。冥王星は、(もう惑星ではありません が)「プルートー」(神田茂)とか「幽王星、冥王星」(野尻抱影)とい う提案の中から日本では冥王星が一般的となり、後に中国でもそれが使わ れるようになったと言われています。

今日はこれまで。

(YM)

■宇宙茫茫ヘッドライン

【090810-01】韓国のロケット打上げ再延期…ロシアとの関係に疑問を呈する声も
【090810-02】STS-128ミッションのDiscovery、射点に移動し8月25日打上げを目指す
【090810-03】系外惑星探査機Kepler、試験段階で早くも成果
【090810-04】ILS、8月12日にバイコヌールからAsiaSat 5の打上げを予定
【090810-05】ESA、STS-128ミッションに搭乗のFuglesangのミッション名を“Aliss?”に
【090810-06】中国、初の火星探査機“螢火一號”を打上げに向けてロシアに輸送
【090810-07】米空軍、Minotaur IVの初打上げをバンデンバーグから10月22日に予定
【090810-08】NECとAerojet、衛星向けイオンエンジンのマーケティングで協力
【090810-09】NASA、太陽系外惑星の探査への外部意見を集約するグループを組織
【090810-10】NASA、初の“Innovation Ambassador”4人を選任
【090810-11】ISSからTwitterを使って情報発信開始
【090810-12】インド、GSAT-10の開発にGO
【090810-13】SpaceX、ULAの副社長を自社の政府関係顧客対応担当の副社長に迎える
【090810-14】ZERO-G、ヒューストンで初の一般向け微小重力体験飛行を実施
【090810-15】Interorbital Systems、打上げ費込みで8,000ドルの衛星キット売り出し
【090810-16】JAXAのウェブサイト内の注目記事へのリンク

【090810-01】(関連記事:【090803-08】)
韓国のロケット打上げ再延期…ロシアとの関係に疑問を呈する声も

 8月4日、韓国の教育科学技術部は、11日に予定していた韓国初の人工衛 星打上げ用ロケット“羅老”(KSLV-1)の打上げが1段の提供元であるロシ アから7月30日の燃焼試験の結果に異常が見られるとの連絡により、少な くとも数日遅れることを明らかにした。

 その後、7日になってロシア側から、異常が見られたのはエンジン補助 ポンプの回転数であり、これを除く圧力、流量、推力等のデータは正常で あったので、計測ミスと判断し、打上げには問題ないとの連絡があったと して、打上げを14日にも行うとの発表があった。

 なお、韓国メディアは、ここへ来て、KSLV-1の1段目をロシアから導入 していることに関し、2億ドルをロシア側に支払いながら、韓国には全く 技術情報の開示が行われないことに対する疑問を呈する報道が見られる。

 ロシアのKhrunichev State Research and Production Space Centerは、 自国で開発中の次期の大型打上げロケットAngara用のエンジンをこれまで 1度も推進系と組み合わせての燃焼試験を行っていないまま韓国に提供し、 KSLV-1の打上げをエンジンの飛行試験の位置付けとしているとの主張で、 7月30日にKhrunichevが発表したAngaraのエンジンを組み込んだUniversal Rocket Module URM-1の初めての地上燃焼試験(関連記事:【090803-12】) は、韓国向けの1段そのものの燃焼試験であったと断じている。

 また、韓国の羅老の射場の設備の建設段階で、急にロシア側が確認試験 項目を追加し、工期が伸びたということがあったが、これもロシアが新し くプレセツクに建設しようとしているAngaraの射点の建設前の検証として 使われた可能性が大であるとしている。

 この様な状況下で、技術情報の開示が全くされないことから、教育科学 技術部が、KSLV-1はロシアとの共同開発としていることに関し、今回及び 2号機の打上げが終わった後には韓国には何も残らず、自国のロケットで 衛星を打ち上げたと言うことにはならないのではないかと疑問を呈してい る。

 http://www.chosunonline.com/news/20090808000039

 http://www.chosunonline.com/news/20090808000040

【090810-02】
STS-128ミッションのDiscovery、射点に移動し8月25日打上げを目指す

 8月4日、NASAはSTS-128ミッションとして打上げ予定のスペースシャト ルDiscoveryを組立棟から発射台に移動した。

 この日は前日に雷雨があり、地面はぬかるんで最悪のコンディションで あったが、打上げ延期を避けるために移動作業に踏み切ったもの。途中、 遠方に稲妻が光るという状況の中で、通常の約2倍の12時間弱を掛けての 移動であった。

 Discoveryの打上げターゲットは8月25日01:36EDT(14:36JST)とされて おり、多目的補給モジュール(MPLM)を搭載し、食料品、補給品、トレッド ミル“C.O.L.B.E.R.T”、新しい実験装置などをISSに運ぶ。

 なお、この移動は左側の固体ロケットモータの操舵系のバルブに異常が 見られたことから予定より1日遅れたもので、今後、射点でバルブと関連 する補助動力装置及び油圧ポンプの交換が行われることとなっている。

 http://www.space.com/missionlaunches/090804-sts128-rollout-lightning.html

 更に、先のEndeavourの打上げ時に外部推進薬タンクから発泡断熱材が 剥がれたことに関連し、今回のタンクには問題のないことの確認が進めら れていたが、結論が未だ出ておらず、今後の検討結果が、8月12日に開催 予定のシャトルプログラムの打上げ準備審査会及び18日のNASAのトップに よる審査会で審議されることとなっている。

 http://www.spaceflightnow.com/shuttle/sts128/090807foam/

【090810-03】(関連記事:【090420-02】)
系外惑星探査機Kepler、試験段階で早くも成果

 8月6日、NASAは3月に打ち上げた系外惑星探査機Keplerが試験段階の観 測で期待通りの高性能を発揮しており、地球から約1,000光年離れている 恒星を回っている既知の系外惑星HAT-P-7で大気の存在を確認できたこと を明らかにした。この成果は8月7日付けの雑誌“Science”に掲載されて いる。(系外惑星:太陽系以外の恒星を周回する惑星)

 今回の観測はKeplerの試験のために行われたもので、観測期間も10日間 しかないが、HAT-P-7の主星とHAT-P-7自体とを合わせた光の強さの変化を 鮮明に捉えている。地上からはノイズの多いデータしか得られないのに Keplerからは惑星であるHAT-P-7の満ち欠けによる明るさの差まで認識で きる精度のデータが得られている。図は縦軸が明るさ、横軸が時間で、上 が地上の望遠鏡、下がKeplerによるもの。

 http://www.nasa.gov/mission_pages/kepler/multimedia/videos/press_conf_animations.html

 HAT-P-7は、主星からの距離が地球の太陽からの距離の1/26の近さで一 周を2.2日で周回しており、主星に近いことから表面が高温になっていて、 放射光と反射光の両方を発しており、明るさの変化の分析から表面が摂氏 約2,400度でそれが大気の影響で裏側にも伝わっていることが判ったとし ている。

 http://www.nasa.gov/mission_pages/kepler/news/kepler-discovery.html

 http://www.nasa.gov/images/content/376599main_Borucki-GroundKepler-Final-Pg1.jpg

【090810-04】(関連記事:【090309-07】)
ILS、8月12日にバイコヌールからAsiaSat 5の打上げを予定

 8月4日、International Launch Services (ILS)は、8月12日に予定して いるAsia Satellite Telecommunications Co. Ltd.の衛星AsiaSat 5の打 上げ計画の概要を明らかにした。

 衛星はSpace Systems/Loral製で、質量は3,760kg、バイコヌールからPro- ton/Breeze Mによって打ち上げられ、Breeze M の4回の燃焼により近地点 高度17,950km、遠地点高度35,786km、軌道傾斜6度の軌道に投入される予 定とされている。

 http://www.ilslaunch.com/news-080409

【090810-05】(関連記事:【090615-08】)
ESA、STS-128ミッションに搭乗のFuglesangのミッション名を“Aliss?”に

 8月3日、ESAは、STS-128ミッションのDiscoveryにミッションスペシャ リストとして搭乗し、ISSでの作業を行うスウェーデン人でESAの宇宙飛行 士であるChrister Fuglesangのミッション名を明らかにした。6月10日か ら24日までEメイルにより受け付けた約190件の提案の中から選定したもの。 なお、ロゴも同時に発表している。

 ミッション名はドイツ人のJ?rgen Modlich提案の“Aliss?”で、これは、 “北東貿易風”を意味するフランス語“Aliz?”に基づく造語で、“iz” を“iss”に変えてISSへのミッションであることに繋げている。また、15 世紀にヨーロッパ人がChristopher Columbusの後を追って貿易風に乗って 新世界を目指したことと、Fuglesang がISSの欧州の実験室“Columbus” を目指すことを掛けている。

 http://www.esa.int/esaCP/SEM56UE3GXF_Life_0.html

【090810-06】(関連記事:【090601-09】)
中国、初の火星探査機“螢火一號”を打上げに向けてロシアに輸送

 8月6日、中国国営通信は、中国初の火星探査機“螢火一號” (Yinghuo-1) が打上げに向けてロシアに送られたことを報じている。

 質量110kgの螢火一號はロシアが火星の衛星Phobosからのサンプルリタ ーンを目指しているPhobos-Gruntとの相乗りで10月にZenitにより打ち上 げられることとなっている。

 http://news.yahoo.com/s/afp/20090806/sc_afp/chinarussiaspacemars

【090810-07】(関連記事:【080922-11】)
米空軍、Minotaur IVの初打上げをバンデンバーグから10月22日に予定

 8月3日、米空軍は、新しいロケットMinotaur IVの初めての打上げをバ ンデンバーグから10月22日に行う予定であることを明らかにした。

 Minotaur IVは、リタイアした米空軍のミサイルPeacekeeperを転用した 低軌道へ約1.7トンの打上げ能力を有する4段ロケットで、Orbital Scie- nces Corporationがとりまとめており、4段目にはOrbitalのPegasus、Ta- urus、Minotaur I等のロケットと同じ固体ロケットモータOrion 38が用い られている。

 初打上げのペイロードは静止軌道の高度近辺で、衛星或いは宇宙デブリ を光学望遠鏡で捉えることを目的としたSpace-Based Space Surveillance (SBSS)用の衛星で、質量は約1トンである。

 この打上げは当初2009年の早い時期に行われる予定であったが、2月に 発生した同じOrbitalのTaurusの打上げ失敗を受けて、問題のないことを 確認するために遅れていたもの。

 http://www.spaceflightnow.com/news/n0908/03minotaursbss/

【090810-08】
NECとAerojet、衛星向けイオンエンジンのマーケティングで協力

 8月2日、日本電気(株)(NEC)と米国のAerojetは、日米の衛星市場向けの 低推力のイオンエンジンの供給において協力の可能性を探ることで合意し たことを明らかにした。

 NECではJAXAに協力して小型マイクロ波放電式イオンエンジンを開発し、 JAXAの小惑星探査機“はやぶさ”に搭載して宇宙空間において3万時間以 上の長期運用に成功している。

 Aerojetは米国における衛星用の推進系のリーディングカンパニーであり、 NECは同社と組むことで、小型マイクロ波放電式イオンエンジンの米国での シェアを得たいとしている。

 Aerojetでは同社の各種電気推進系は現在軌道上にある150基以上の衛星 に搭載されているが、その製品ラインに新たなものを加えられるとの期待 を持っている。

 http://money.cnn.com/news/newsfeeds/articles/prnewswire/200908022358PR_NEWS_USPR_____SF55359.htm

【090810-09】
NASA、太陽系外惑星の探査への外部意見を集約するグループを組織

 7月22日、NASAの科学局の天体物理学部門は、天体物理及び太陽系外惑 星(以下、系外惑星)関係の科学者に向けた公開の書状により、“Exoplanet Exploration Program Analysis Group” (ExoPAG)を設けることを明らか にし、ExoPAG Executive Committeeのメンバーを募集することを明らかに した。

 ExoPAGは開かれた学際的な集まりで、NASAの系外惑星の探査プログラム に関して、外部専門家からの意見を集め、系外惑星探査の科学的目的やNASA のプログラムの計画立案を支援するための分析を行うことが期待されてい る。

 ExoPAG の議長にはNASA Advisory Council (NAC)のメンバーであるペン シルバニア州立大学のJames F. Kasting教授の就任が決まっており、議長 とExecutive CommitteeのメンバーはNACの科学委員会の中の天体物理学小 委員会(Astrophysics Subcomittee)への報告を行うと共に、外部専門家に 対してNASAの系外惑星探査の現状と今後のプログラムへの参加機会に関す る情報を発信することが求められている。

 Executive Committeeのメンバーの選出は9月4日まで受け付ける自薦他 薦の応募者の中から専門分野のバランス(観測者、理論家、観測機器の専 門家、技術者等)と広く学問的なバランス(天体物理学、惑星科学、宇宙生 物学等)を考慮して行うとしている。

 10月にはメンバーを決定し、最初のExoPAGの会合は2010年1月にワシン トンDCで開催されるアメリカ宇宙航行学会(American Astronautical So- ciety:AAS)の第215回総会に合わせて開催する予定とされている。

 http://exep.jpl.nasa.gov/documents/Dear_Colleague_letter_final.pdf

【090810-10】
NASA、初の“Innovation Ambassador”4人を選任

 8月4日、NASAのInnovative Partnerships Programは、“2009 Innova- tion Ambassadors”を選任したことを明らかにした。

 Innovation Ambassadorは、NASA内部の優れた科学者や技術者に国を代 表する様な研究開発機関で課題に取り組む機会を与えるもので、最長で1 年間の経験、知見をNASAに持ち帰り内部で生かすことが期待されている。

 今回選任された最初の4人のInnovation Ambassadorの所属、氏名、派遣 先、課題は以下の通り。

* エイムズ研究センタのRobert McCann:Xerox Palo Alto Research Center、
 人工知能のシステムヘルス・マネージメントと人間/機械の一体化への応用

* ジョンソン宇宙センタのEric Darcy:National Renewable Energy La-boratory、
 リチウムイオン・バッテリの数学モデルの開発

* ゴダード宇宙飛行センタのLawrence Hilliard:Primary Simulation, Inc.、
 派遣先の技術である“laser ball”の双方向性教育の教材への応用

* ゴダード宇宙飛行センタのKelly Snook:Massachusetts Institute of Technology Media Lab、
 科学的データの可視化及び分析の手段としての音の利用

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2009/aug/HQ_09_182_Innovation_Ambassadors.html

【090810-11】
ISSからTwitterを使って情報発信開始

 8月4日、NASAは第20次長期滞在クルーとしてISSに滞在中のTimothy Ko- praがISSで初めてインターネット上の投稿・閲覧サイト“Twitter”を利 用した情報発信を始めたことを明らかにした。www.twitter.com/Astro_Tim からアクセスできる。

 Kopraは7月17日にEndeavourでISSに到着し、若田光一と交代して第20次 長期滞在クルーの1人となり、8月末に打ち上げられる予定のSTS-128ミッ ションのDiscoveryで地球に戻る予定となっている。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2009/aug/HQ_M09_147_TWEETS_FROM_SPACE.html

【090810-12】
インド、GSAT-10の開発にGO

 8月6日、インド政府は、連邦閣議において、GPSをベースとした測位シ ステムに繋がる新しい衛星GSAT-10の設計、開発への着手が認められたこ とを明らかにした。。総予算は73億5,000万ルピー(約2円/ルピー)とされ ている。

 GSAT-10は質量3,337kgとインドで開発されたこれまでの衛星の中で重い 方で、Kuバンド、Cバンド、拡張Cバンドのトランスポンダを各12本搭載し、 Direct-to-Homeの機能も持った衛星で、打上げ後はINSAT 2E、INSAT 3Bと 置き換えられることになっている。

 http://pib.nic.in/release/release.asp?relid=51587

【090810-13】
SpaceX、ULAの副社長を自社の政府関係顧客対応担当の副社長に迎える

 8月5日、Space Exploration Technologies (SpaceX)は、United Launch Alliance (ULA)でCustomer Program Office担当の副社長を務めていたMarv Vander Wegを、新たにEELV Customer Office担当の副社長として迎えたこ とを明らかにした。

 EELV (Evolved Expendable Launch Vehicle)は米国の政府関係の衛星の 打上げを行うロケットの調達を行う米空軍のプログラムで、現在はULAの Atlas 5とDelta IVがその対象となっている。

 SpaceXのEELV Customer Officeは、この一角にFalcon 9で食い込み、空 軍、NASA及び国家偵察局(NRO)の衛星の打上げサービスを受注することを 目論んでいる。

 Vander WegはULAの前にはLockheed MartinのAtlas Government Program Officeの責任者をしており、当時からの経験を通して、空軍、NASA、NRO の中に強い人脈を持っている。

 http://www.spacex.com/press.php?page=20090805

【090810-14】
ZERO-G、ヒューストンで初の一般向け微小重力体験飛行を実施

 8月6日、Zero Gravity Corporation (ZERO-G)は、8月15日にヒュースト ンで初めての一般向けの微小重力体験飛行を行うことを明らかにした。飛 行はジョンソン宇宙センタ近接のEllington Fieldを拠点として行われる。

 当日は、プロのスケートボーダーでTVスターでもあるRob Dyrdekと共に 微小重力飛行を行うことができるが、彼が新しい靴、衣料、アクセサリの “DC Dyrdek Collection”のCM撮影を行うので、席が限られてしまってい る。

 飛行時間は約2時間で、その間に約30秒間の微小重力状態を15回経験す ることができる。料金は4,950ドル(税別)で、この料金で、未だ実現して いないロケットによる弾道宇宙飛行の約2倍の時間の微小重力体験ができ る。

 搭乗者には、事前の訓練から始まり、ZERO-Gの飛行服、個人別の写真、 ZERO-Gの証明証、各種のZERO-Gギフト等が与えられ、終了後には“re-gra- vitation”パーティーも用意されている。

 http://www.marketwire.com/press-release/Zero-Gravity-Corporation-1026745.html

【090810-15】
Interorbital Systems、打上げ費込みで8,000ドルの衛星キット売り出し

 8月1日、米国カリフォルニア州のモハーベで地球周回軌道への打上げ及 び地上への帰還が可能な宇宙体験飛行用のロケットの開発を目指している Interorbital Systems (IOS)は(関連記事:【080225-17】)、それとは別 に個人向けに、打上げまで含んで8,000ドルの衛星キットを売り出すこと を明らかにした。

 “TubeSat Personal Satellite Kit”で、直径8.7cm、長さ13.5cmの円 柱状の構造体及び衛星としての基本構成要素を含んだもので、購入者はそ れに独自の機器を200gまで追加できるとされている。打上げは、NEPTUNE 30と称するロケットを用いて32基のTubeSatを同時に打ち上げる。

 キットに含まれるものは衛星の構造体、セーフティ・ハードウェア、ソ ーラーパネル、バッテリ、電力管理用のハードウェア及びソフトウェア、 トランシーバ、アンテナ、マイクロコンピュータ、プログラミング・ツー ルとなっている。

 打上げは、南太平洋のトンガ王国の南端の島から行う予定で、衛星は高 度310kmの軌道に投入されるが、数週間周回をした後に大気圏に再突入し て燃え尽き、宇宙デブリを増やすことはないとしている。

 衛星からの通信はアマチュア無線の受信機で受信でき、軌道からメッセ ージを送信させたり、衛星を無線中継局にしたりすることができる。また、 宇宙から地球を動画撮影したり、地磁気を計測したりといった追加機能を 独自に搭載することも可能となっている。

 http://spacefellowship.com/2009/08/01/interorbital-syatems-tubesat-personal-satellite-kit/

【090810-16】
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