入会案内
コンテンツ
KU-MAについて
リンク
会員向け
KU-MAの
おすすめ

惑星MAPS
〜太陽系図絵〜


宇宙飛行の父
ツィオルコフスキー
人類が宇宙へ行くまで


ニッポン宇宙開発秘史―元祖鳥人間から民間ロケットへ


世界でいちばん素敵な
宇宙の教室


超巨大ブラックホールに迫る
「はるか」が作った3万kmの瞳


自然の謎と
科学のロマン(上)

Newton編集長の実験と工作動くもの浮くものの不思議

Newton編集長の実験と工作─光や電気の不思議─


小惑星探査機「はやぶさ2」の大挑戦 太陽系と生命の起源を探る壮大なミッション


新しい宇宙のひみつQ&A


宇宙人に会いたい!: 天文学者が探る地球外生命のなぞ


宇宙の始まりはどこまで見えたか? 137億年、宇宙の旅

他にもおすすめがあります

<<第62号メルマガ一覧第64号>>

メールマガジン「週刊KU-MA」 第63号          [2009.9.16]


■目次

(1)YMコラム
     「網走から那覇まで」

(2)ワンダフル宇宙
     「日本の宇宙輸送船が国際宇宙ステーションにドッキング成功」

(3)宇宙関連ニュース「宇宙茫茫」

■YMコラム   2009年9月16日

 網走から那覇まで

 この10日ばかりに動き回ったところのうち、首都圏以外の場所を順に書 きぬいてみると、名古屋→那覇→鹿児島→網走→一宮となる。一生懸命動 いているのはもちろん自分ではなく飛行機や新幹線などだが、さすがにこ の歳になると移動の疲れは結構あって、持病の糖尿病の「助け」も加わっ ているのか、両脚がパンパンに張ってきた。おまけに無呼吸を抱える身と しては、その点検も開始している。とにかく「10 kg減量大作戦」を猛然 開始することにした。

 しかし宇宙教育の「蔓延」をめざすこの5年間の(体重を維持しながら の)奔走は決して無駄ではなかったに相違なく、現在「宇宙教育」という キーワード検索をGoogleで実行すると、実に1780万件もの項目が並び立っ ている。これらの中で、JAXAを軸とする宇宙教育の流れのものがどれぐら いあるか調べようと思っても、とてもその調査が不可能なほどの量となっ ている。とにかく分かったことは、最初の2ページは、少なくとも「知り 合い」ないし「同志」の活動についてのものである。

 そして、やっと宇宙教育というものの持つ意味が分かりかけてきたとい う段階である。現在理論化を図りつつある事柄を思いつくままに気楽にパ ワーポイント型に挙げてみよう。行間は読みとっていただければ幸いであ る。

【宇宙教育とは何か?】
○広報・普及とどう違うのか?
    組織宣伝 ⇔ 知識普及 ⇔ 「啓蒙」 ⇔ 社会貢献
○宇宙教育は宇宙の後継者養成か?
    「宇宙について教育」ではなく、「宇宙を通して教育」  
     ○宇宙教育は理科教育なのか?
    科学教育としての宇宙 (家庭・地域・学校)
    導入教材としての宇宙──他教科への展開
    宇宙教育は「いのち」の教育
宇宙教育を通して国づくり (世界への日本の貢献)
 ――宇宙教育は子どもの多彩さと宇宙の多面性・多層性の響き合い――

【宇宙教育の課題】
○常に子どもから出発する(≠普通の講師は自分から出発する)
新しい家族・地域・学校の意味づけ
○イベントから日常性・継続性へ
イベントとイベントの谷間への目線
○絆(きずな)を強める
社会教育のパワーを組織する

 一つ一つ説明すると長くなるが、それも近いうちに果たしたいと思って いる。

 さて、イチローが9年連続の200安打という前人未踏の大記録を達成した。 「野球なんてたかがエンタテインメント」という人もいようが、エンタメ であろうと趣味であろうと、やはり「凄いものは凄い」。メフィストーフ ェレスは言った――あいつは天上の星をとろうとしているかと思えば、地 上の一番深い楽しみをきわめようとする。そして近いものも遠いものも、 あいつのわきかえる胸を満足させない。(ゲーテ『ファウスト』)

 大リーグ年間最多記録の262安打、日米通算3000本安打、WBCでの殊勲打、 大リーグでの2000本安打、そして今回の新記録と、イチローの大記録達成 の際のインタビューを見るたびに感心するのは、もちろん達成感がありな がら、いつもヘトヘトではないことである。日本のプロ野球で不滅の大記 録と言われるいくつかのものと比べると、それが一層印象的となる。張本 勲の3000本安打、金田正一の400勝、……。

 もっとも王貞治が引退した時は、まだまだ年間30本のホームランを打つ 力が残っていたように思う。「王貞治としてのバッティングができなくな ったから引退する」――王貞治の引退時の「美学」には共感したものであ る。現在35歳のイチロー。何となく王貞治的な引退をしそうな予感がする。 この人は自分の美学をとても大切にしているようだから。とにもかくにも、 貪欲なイチローの精神に乾杯!

YM

■ワンダフル宇宙   2009年9月18日

 日本の宇宙輸送船が国際宇宙ステーションにドッキング成功

 さる9月11日に種子島宇宙センターをH-IIBロケットのデビューフライト によって出発した宇宙輸送船HTVが、多くのテストとチェック作業を経て 国際宇宙ステーション(ISS)とランデブー飛行を行い、日本時間の9月18 日早朝、ISSの「ハーモニー」モジュールとのドッキングに成功した。

 まず、ISSの「デスティニー」実験モジュール内のNicole Stott飛行士 がロボットアームを操作し、HTVをしっかりとつかんだ(図1)。

 http://www.ku-ma.or.jp/img/wonda090918-01.jpg

ISSはちょうど東ヨーロッパ上空350 kmを飛んでいた時である。興味深い のは、この一連の作業では、ロシアのコマンダーが指示を与え、アメリカ とヨーロッパの飛行士の協力で、カナダのアームを使って日本の輸送船を つかまえた。鮮やかな国際協力の一シーンである。

 それからしばらくして、ISSに滞在する飛行士たち全員が集合して、地 上局のスタッフたちと乾杯をした(図2)。みんなで飲んだのは、「HTV スペシャル・リザーヴ」と名づけられた水であった。

 http://www.ku-ma.or.jp/img/wonda090918-02.jpg
 この後、カナダのRobert Thirsk飛行士がStott飛行士のロボットアー ムの作業を引き継ぎ、ISSのモジュール「ハーモニー」のドッキングポー トまで移動させて結合した(図3)。18日午前7時26分(日本時間)のこ とである。

 http://www.ku-ma.or.jp/img/wonda090918-03.jpg

 ロシアのプログレスやヨーロッパのATVという他の輸送船は、Active Dockingと言って、自力でドッキングをしかけていく方法をとるが、日本 のHTVは、ISSの真下まで自律的に移動してISSに搭乗している飛行士が操 作するロボットアームによって捉まれ結合されるのを待つFree-Flyer Capture Techniqueが採用されている。

 種子島から打ち上げられて地球周回軌道に入って以降、HTVはさまざま な地上からの指令によるテストとチェックを受けた後、ランデブー飛行 に移ったわけだが、ドッキングに至るまでにはいくつもの関門が設けて ある。

 まず9月17日(木)午後9時26分(日本時間、以下同じ)から開始され た高度調整マヌーバー・ランデブーによって、HTVがISSの背後約5 kmに 運ばれ、ここでヒューストンと筑波の飛行管制官による状況チェックが 行われ、ゴーサインが出て、再び移動を始めたのが、18日午前2時29分。 ここからISSの真下まで運ぶには、GPSが利用された。こうしてISSの500 mほど下まで来たのが午前1時33分。

 ここからはレーザー・ランデブー・センサーが使われた。HTVから発せ られるレーザーをISSの「きぼう」に装備された反射板で反射させ、それ をHTV前面の受光器で受けて、HTVはISSに対する自分の相対位置を確認す る。そのレーザーセンサーによるデータはHTV搭載のコンピューターに送 られ、すばやく計算をしHTVの推進システムに指示を出して、噴射を制御 しながら、そろりそろりとISSの目標点に近づいて行くわけである。この レーザーを用いる接近は、かつてはあの「はやぶさ」のイトカワ接近やヨ ーロッパのATVのISS接近でも活用されているが、HTVとしてはもちろん初 使用である。見事に機能したようである。そしてISSの下300 mまで達した HTVは、ここに約1時間とどまり、まさかの用心のために180度姿勢を反転 させた。これは、HTVに何か起これば即座に廃棄するための準備である。

 再び動きを開始したHTVに対し、 ISSの飛行士からHTVへの指令電波が試 験送信されて、HTVをもとの位置に戻すなどの作業を行い、ISSとHTVの間 の交信がきちんと行われることを確認した後、正式に地上局からゴーサイ ンが出たのが午前3時。そしてHTVは、ISSの真下30 mでいったん(ISSに対 する相対的な動きを)止められ、いくつかのチェックを受けてあらためて 「ゴー」が出され、HTVは最終的に「きぼう」の真下10 mの「キャプチャ ー・ボックス」に据えられた。このアプローチの最終段階は、秒速1イン チくらいを制御しての非常に微妙な操作となった。

 キャプチャー・ボックスに置かれたHTVはすべての制御用の噴射システム を閉じて、自由飛行の状態に移った。ここからこの度の最も息づまる99秒 間が始まる。わずか高度10 mの違いであるが、放っておけばISSとHTVの速 度には微妙な差がある。下にいるHTVの方がわずかに速いのである。ISSで ロボットアームを操作しているStott飛行士は、その速度の差によって生 じる位置の差が大きくなり過ぎない内に、HTVがフリーになってから99秒 間の間に、HTVを掴む仕事を終了させなければならないのである。おまけ にキャプチャー・ボックスに「とどまらせた」とは言っても、どうしても わずかながら速度や回転が残る。ロボットアームの先端の「スペース・ク レーン」の動きを微妙にその「残った位置や速度」にマッチさせる操作は、 決して容易ではなかったろう。素敵な女性飛行士Stottがこの困難きわま る作業を完璧に終えたのは、午前4時51分のことであった。

 Stottからアームの仕事を引き継いだThirsk飛行士は、まず日本のエン ジニアたちがHTVのシステムが正常であることを点検できるようにアーム を操作してくれた。もし何か起きたときのために、二人の飛行士に船外活 動の準備をさせていたらしいが、今回はどうやら必要なかったらしい。そ してドッキング。お見事でした。

 作業は続けられた。まず午前8時22分、HTVとハーモニーの共通結合機構 CBM(Common Berthing Mechanism)の最後のボルトを締めた。午前9時36 分、ISSのクルーは、ハーモニー側のハッチを開けた。午前10時49分には、 HTVへの電力・通信ラインの接続完了。これでHTVのISSへの結合が完了し た。

 さて、土曜日にはHTV側のハッチが開かれ、HTVが運んだ荷物をISSに運 び込む作業が始まる。それが1ヵ月半くらいかかる見通しである。したが って10月末か11月初めに、空になったHTVはISSから離れ、その2日後にエ ンジンを噴かして減速し、軌道速度を緩めて南太平洋上で大気圏に突入、 消滅する。

ひとこと:

 筑波の管制室にあって、おそらくは不眠不休で管制作業に当たったみな さん、お疲れ様でした。歴史に残る管制をやりぬいたみなさんに、心から の拍手を送ります。実は、このHTVをISSに結合する際の筑波のフライト・ ディレクターを務めた麻生大くんは、かつて日本宇宙少年団(YAC)札幌 分団にいて、旧NASDA(宇宙開発事業団)に就職してからは、仕事で忙し くなりすぎるまでは、YACつくば分団の分団長として大活躍していた人な のです。いつかじっくりと今回の大役について話を聞こうと思っています。 嬉しいことですね。

(YM)

■宇宙茫茫ヘッドライン

【090914-01】JAXA、ISSに向けてH-IIB初号機によるHTV技術実証機の打上げ成功
【090914-02】STS-128 Discovery、無事に帰還…Buzz Lightyearも468日振りに帰還
【090914-03】米空軍の第45宇宙航空団、Atlas Vでの秘密の通信衛星の打上げに成功
【090914-04】NASA、LCROSSの月面突入の予定地点を決定
【090914-05】インドのChandrayaan-1の通信途絶の原因は熱計算の誤り
【090914-06】ATK、Ares Iの1段固体ロケットモータの初めての地上燃焼試験成功
【090914-07】ロシア、9/30にISSに向けて打上げ予定のSoyuz TMA-16のクルーを決定
【090914-08】JAXA、宇宙飛行士候補者として医師を新たに1人採用
【090914-09】Eutelsat、W7の打上げをSea LaunchからILSに変更
【090914-10】SpaceX、SSTL製の地球観測衛星をFalcon 1eで打ち上げる契約を締結
【090914-11】NASAとCSA、宇宙探査と平和目的利用に関する協力の枠組み合意
【090914-12】NASAとESA、有人宇宙輸送に関する協力についてのMOUを交換
【090914-13】JAXA、“小型ソーラー電力セイル実証機”の計画を宇宙開発委員会で報告
【090914-14】NASA、2000年から2008年の間のISSでの科学実験の成果を公開
【090914-15】Augustine委員会、現予算ではLEO以遠の有人探査実現は不可能と報告
【090914-16】米下院科学技術委員会、有人宇宙飛行計画でGriffin元長官の証言求める
【090914-17】JAXAのウェブサイト内の注目記事へのリンク

【090914-01】(関連記事:【090907-03】)
JAXA、ISSに向けてH-IIB初号機によるHTV技術実証機の打上げ成功

9月11日02:01:46JSTにJAXAは種子島宇宙センタからH-IIB初号機によ る宇宙ステーション補給機(HTV)技術実証機の打上げを行い、所期の近地 点高度約200km、遠地点高度約300km、軌道傾斜51.7度の軌道への投入に成 功した。

打上げ後約15分10秒に分離されたHTV技術実証機(以下、HTVと省略)は、 直ちに地上との通信の確立を行い、引き続いて11日の03:16までに三軸姿 勢の確立を終えた。

11日09:33から最初のランデブ用軌道修正マヌーバを実施し、11:49に 初期高度調整軌道に到達した。

12日10:12から主として衝突回避マヌーバ(Collision Avoidance Maneu- ver:CAM)の機能を確認する運用実証試験が開始され、16:34までに全て の試験を終えた。この試験により、HTVの全てのシステムが正常に機能す ることが確認された。

週明けに今回の試験の結果がISSのミッション管理会議(Mission Manage- ment Team:MMT)において評価され、問題が無ければ、ISSへの最終接近の 許可が下される予定となっている。

 http://iss.jaxa.jp/htv/mission/htv-1/news/

【090914-02】(関連記事:【090907-02】)
STS-128 Discovery、無事に帰還…Buzz Lightyearも468日振りに帰還

9月11日20:53EDT(12日09:53JST)にSTS-128ミッションのDiscoveryは、 カリフォルニア州のエドワーズ空軍基地に帰還し、13日20時間54分余りの ミッションを無事終了した。このミッションでは約6.8トンの科学実験装 置、食料、その他の補給品をISSに運び、帰還時には約2.3トンの実験サン プル、使用済みの機器、不要品を持ち帰った。

Discoveryの帰還に際しての通常の帰還地ケネディ宇宙センタ(KSC)への 最初の着陸機会は9月10日19:05EDT(11日08:05JST)であったが、この時 間帯及び軌道一周後の2回目の着陸機会の時間帯のKSCの天候が悪いため、 帰還を1日遅らせる処置が取られ、更に翌日もKSCの天候が回復しないため にKSCへの2回の着陸機会が見送られてエドワーズ空軍基地への着陸となっ たもの。

ISSでの作業を終えて、ISSとの間のハッチを閉めたのは7日23:41EDT (8日12:41JST)で、ISSから離脱したのは、8日15:26EDT(9日04:26JST) であった。

今回のISSからの離脱及び離脱後にISSの回りを1周するフライアラウン ドは、通常用いられる姿勢制御システム(Reaction Control System:RCS) のバーニアスラスタが打上げ直後にリークが発生したために使用停止とな っていることから、ドッキングの時と同様に推力の大きな(395kgf)メイン スラスタのみを使用し慎重に行われた。

 http://www.nasa.gov/mission_pages/shuttle/shuttlemissions/sts128/news/STS-128-23.html

 http://www.nasa.gov/mission_pages/shuttle/shuttlemissions/sts128/news/STS-128-29.html

なお、今回ISSからの帰還者の中には、2008年5月に打ち上げられたSTS- 124ミッションのDiscoveryに搭乗してISSに向かった、1995年に公開され たディズニーのCG映画“Toy Story”の人気キャラクタ“Buzz Lightyear” が含まれている(高さ30cmのアクション・フィギュア)。Buzz はNASAとDis- ney Parksの共同プロジェクトの新しい教育活動の一環としてISSに滞在す ることになったもので、その後その教育効果が高く評価され、予定の6ヶ 月を超えてISSで活躍していたが、今回Toy Story 1及び2の同時リニュー アル再上映のプロモーションのために帰還させられたもの。Buzzの連続宇 宙滞在は、1994年にMir宇宙ステーションで437日間の人類史上最長の連続 宇宙滞在を記録したValeri Polyakovを超えて、468日に達した。

 http://news.yahoo.com/s/afp/20090908/ts_alt_afp/usspaceshuttleoffbeat

【090914-03】(関連記事:【090907-04】)
米空軍の第45宇宙航空団、Atlas Vでの秘密の通信衛星の打上げに成功

米国フロリダ州のパトリック空軍基地の第45宇宙航空団(The 45th Space Wing)は、9月8日17:35EDTにケープカナベラルからUnited Launch Alliance (ULA)製のAtlas Vにより、米国政府機関の通信衛星を打ち上げ、所期の軌 道への投入に成功したことを明らかにした。

この衛星は米国政府関係機関に属するということだけは明らかにされて いるが、国防総省、空軍、国家偵察局等の如何なる機関も自らの関与を認 めていない。

 http://www.patrick.af.mil/news/story.asp?id=123166773

【090914-04】
NASA、LCROSSの月面突入の予定地点を決定

9月11日、NASAは、月への突入を行う予定のLunar Crater Observation and Sensing Satellite (LCROSS)の突入予定地点として、Cabeus Aクレー ター(南緯84.9度、西経35.5度)を選定したことを明らかにした。

選定に際しては、月の南極周辺に水が存在するか否かを確認する目的に 適していると考えられる地点を選ぶことを考え、衝突の衝撃で舞い上がる 物質への光の当たり具合、高濃度で水素が検出されている場所、底がはっ きりしているきっちりとした形のクレーター、急な斜面ではなく且つ大き な岩が無いこと等を考慮して選定したとしている。

突入は10月9日の07:30EDT(20:30JST)に予定されており、多くの地上 の観測施設及び軌道上のハッブル宇宙望遠鏡等の観測機が観測する計画を 立てている。

LCROSSのプログラムマネージャのDaniel Andrewsは11日の記者説明の際 に、先に搭載推進薬の使い過ぎの問題が明らかにされているが、ミッショ ン達成に充分な推進薬が残っていると語っている。

また、Andrewsはこのミッションを、米国の有人宇宙活動を最初のマー キュリーから最近のスペースシャトルまでカバーし、7月17日に92歳で亡 くなった伝説的ニュースアンカーのWalter Cronkiteに捧げることを明ら かにした。

 http://www.nasa.gov/mission_pages/LCROSS/main/LCROSS_crater.html

【090914-05】(関連記事:【090831-04】)
インドのChandrayaan-1の通信途絶の原因は熱計算の誤り

9月7日付けのTimes of Indiaは、去る8月30日に通信が途絶え、予定よ り早いミッション終了の事態となったインドの月探査機Chandrayaan-1の 不具合は、熱の計算を誤っていたことによって生じたということが明らか になってきたと報じている。

Chandrayaan-1は2008年10月に打ち上げられ11月12日には目標としてい た高度100kmの月周回軌道に投入されていたが、2009年5月の半ばには高度 を200kmに上昇させている。この時、インド宇宙研究機関(ISRO)は、より 高い高度からの観測の必要性をその理由として述べていたが、これがそも そも100kmの軌道上の探査機への入熱量の見積もりを誤ったために温度が 想定していた摂氏75度以上となり、機器の作動に問題が生じていたための 処置であったとしている。

観測機が高温になるという問題は、実は2008年11月には顕在化していて、 11月25日には、幾つかの観測機器の電源を切る事態となっており、更に20 09年4月から5月に掛けては、正副両方のスターセンサーが機能を停止した のも熱のためとされている。ISROではミッションの目的の95%は達成でき たとしているが、一部の観測機の早期停止、観測高度の違い等があったこ とから、その評価に疑問を呈する声も出ている。

 http://timesofindia.indiatimes.com/news/india/Chandrayaan-I-was-killed-by-heat-stroke/articleshow/4979818.cms

この報道を受けて、ISROのMadhavan Nair総裁は、基本的には熱計算の 問題であるが、機器の機能停止はそれだけによるものではなく、高温にな ることにより宇宙放射線への耐性が低くなってしまったことが、事態の悪 化に影響していると語っている。そして、総裁は、この事態は次のステッ プに繋がる学習の過程であり、ミッションの失敗とは評価していないとし ている。

 http://www.newstrackindia.com/newsdetails/121662

【090914-06】(関連記事:【090907-07】)
ATK、Ares Iの1段固体ロケットモータの初めての地上燃焼試験成功

9月10日、NASAとATK Space Systemsは、Ares Iの1段の固体ロケットモ ータの初の燃焼試験を実施した。8月27日に10火の20秒前にカウントダウ ンが自動停止したことの原因究明及び対策を行っての試験であった。

燃焼は約2分間続き、この間の650個のセンサでのデータ取得にも問題無 く、クイックルックによれば、性能にも問題無く、試験は成功であった。

このモータのノズルのスロートはベースとなった4セグメントのスペー スシャトルの固体ロケットモータのノズルスロートよりも5セグメントで の推力の増加に対応して約76mm大きくなっている。

なお、今回使用されたモータケースの4セグメントの部分は、スペース シャトルの初飛行を含めて48回の異なるミッションでの飛行に使われたも のであった。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2009/sep/HQ_09-198_Ares_DM-1_test.html

【090914-07】
ロシア、9/30にISSに向けて打上げ予定のSoyuz TMA-16のクルーを決定

9月10日、ロシアの特別委員会は、9月30日にSoyuz-FGで打ち上げる予定 のSoyuz TMA-16のクルーを最終的に認める決定を下したことを明らかにし た。

認められたのはメインクルーとバックアップクルーそれぞれ3人で、メ インクルーがロシアのMaxim Surayevと米国のJeff Williams 及びISS短期 訪問者のGuy Laliberte (Cirque du Soleilの創設者で現在のCEO)、バッ クアップクルーがロシアのAlexander Skvortsov と米国のShannon Walker 及び短期訪問者のバックアップであるBarbara Barrett(元弁護士の実業家 で前の駐フィンランド大使)となっている。

 http://en.rian.ru/science/20090910/156082032.html

この発表に先立ち、9月8日と9日には、クルーの候補者であった6人はモ スクワ郊外の宇宙訓練センタで最終の“テスト”を受けた。メインクルー 候補とバックアップクルー候補がそれぞれ1日ずつISSのロシアセグメント のシミュレータとSoyuz宇宙船のシミュレータでのテストを受けたもので、 この結果に基づいてクルーの最終決定が行われている。

 http://en.rian.ru/russia/20090908/156057207.html

【090914-08】(関連記事:【090302-07】)
JAXA、宇宙飛行士候補者として医師を新たに1人採用

9月8日、JAXAは宇宙飛行士候補者の補欠としていた金井宣茂(32)を、9 月12日付けで宇宙飛行士候補者として正式採用することを明らかにした。

JAXAでは2009年4月に油井亀美也(39)と大西卓哉(33)を宇宙飛行士候補 者として採用しており、宇宙飛行士候補者は合わせて3人となった。

3人は、9月中旬から約2年間に亘ってNASAでの宇宙飛行士候補者訓練を 受け、その訓練結果の評価を経て、JAXAの宇宙飛行士としての認定を受け ることになる。

金井宣茂は防衛医科大学校医学科卒業の医師で一等海尉、防衛省内の病 院勤務の後、2009年6月からは海上自衛隊第一術科学校の衛生課に潜水医 官として勤務していた。

 http://www.jaxa.jp/press/2009/09/20090908_select_j.html

【090914-09】
Eutelsat、W7の打上げをSea LaunchからILSに変更

9月7日、Eutelsatは通信衛星W7の打上げを早ければ11月にInternational Launch Services (ILS)のProtonで行う契約をILSと結んだことを明らかに した。W7はThales Alenia Space製でSpacebus 4000 C4をベースとしてお り、質量5,600kgである。

Eutelsatは2006年9月にSea Launch Company L.L.C.との間で、W7を含む 4基の衛星の内の2基の打上げをSea Launchが行うとする契約を結んでいる が、2009年6月にSea Launchが連邦破産法11条の適用を申請を行い、その 後の打上げに向けての作業が停止してしまっていて、必要な時期に打上げ ができない事態となったためにILSによる打上げに変更したもの。

ILSでは、通常は打ち上げる衛星が決まってからロケットの調達を行う 方式をとっているので、9月に契約をして11月に打ち上げるというのは不 可能な話であるが、たまたまロシアの通信衛星の打上げが遅れてロケット が空いた状態になっていたことから、短期間での打上げを行うことができ るということで契約に至ったもの。

なお、EutelsatではSea Launchとの契約は解消せずに、今後の衛星の打 上げに充てることとしている。

 http://www.spacenews.com/launch/eutelsat-moves-from-sea-launch-ils.html

【090914-10】
SpaceX、SSTL製の地球観測衛星をFalcon 1eで打ち上げる契約を締結

9月8日、Space Exploration Technologies (SpaceX)は、先に英国の小 型衛星製造に特化したSurrey Satellite Technology (SSTL)を買収した Astriumとの間で、SSTL製の地球観測衛星の打上げをSpaceXのFalcon 1eで 行う契約を締結したことを明らかにした。

この契約により、Astriumは、顧客に対して打上げまでを含んだ衛星の 提案ができる体制を手にしたことになり、低軌道の小型の地球観測衛星の 売り込みで有利な立場に立てることとなった。

Falcon 1eはSpaceXが開発し2008年9月に初打上げに成功し、その後マレ ーシアの衛星の打上げに成功しているFalcon 1の改良型で、推進系、構造 系、電子系に改良が加えられて、信頼性の向上並びに打上げ能力の向上が 図られているロケットであるが、未だ打上げは行われていない。

 http://www.spacex.com/press.php?page=20090908

【090914-11】
NASAとCSA、宇宙探査と平和目的利用に関する協力の枠組み合意

9月9日NASAは、Charles Bolden長官とカナダ宇宙庁(CSA)のSteve Mac- Lean長官がワシントンの駐米カナダ大使館で、駐米カナダ大使のMichael Wilsonの立ち会いの下で、宇宙探査と宇宙空間の平和目的利用における両 機関の協力関係に関する枠組み合意書の署名を行ったことを明らかにした。

この合意書では、これまで40年以上に亘って続いてきた両国間の関係の 上に更に進めて行く将来の協同プロジェクトの推進及び両国間の有人宇宙 飛行、宇宙探査、宇宙科学、地球科学等の分野における協力関係の強化の 基本となる事項が定められている。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2009/sep/HQ_09-206_CSA_Agreement.html

【090914-12】
NASAとESA、有人宇宙輸送に関する協力についてのMOUを交換

9月11日NASAは、Charles Bolden長官とESAのJean-Jacques Dordain長官 が、ワシントンのNASA本部において、両機関の間での有人宇宙輸送に関す る協力についての了解覚書(MOU)の交換を行ったことを明らかにした。

このMOUによって、今後の新しい有人宇宙輸送システムの開発に際して 両機関の間での自由な人の交流と技術情報の交換が可能となる。

NASAでは、ESAから提供される技術情報として、複合材技術、衛星フェ アリングの技術、月軌道との遷移に用いられる推進系における推進薬の管 理の技術等に期待を寄せている。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2009/sep/HQ_09-208_NASA_ESA_MOU.html

【090914-13】
JAXA、“小型ソーラー電力セイル実証機”の計画を宇宙開発委員会で報告

9月9日、JAXAは宇宙開発委員会において、小型ソーラー電力セイル実証 機の計画概要についての報告を行った。

ソーラー電力セイルとは、宇宙空間で太陽からの光の粒子を反射する大 型の薄い膜(ソーラーセイル)を展開して光子反射の反力を推進力とする宇 宙船の膜の部分に薄膜太陽電池を貼り付けて発電を組み合わせるというコ ンセプトで、将来的には光子加速と発電される電力を用いたイオンエンジ ンを組みあわせたハイブリッド推進を目指すもの。

JAXAが計画しているこのコンセプトの実証機のミッションは、IKAROS (Interplanetary Kite-craft Accelerated by Radiation Of the Sun)と 称されるミッションで、2010年度にH-IIAで金星探査機PLANET-Cとの相乗 りで打ち上げられ、金星に向かう軌道上で直径1.6m、高さ1mの本体を中心 として差し渡し20m、厚さ7.5μmの薄膜を展開して、薄膜太陽電池による 太陽光発電並びにソーラーセイルによる加速実証及び軌道制御を試みるも の。

JAXAではこれまでに観測ロケット及び大型気球を用いてソーラーセイル の展開実験を行っており、その成果が解析モデルの確立、展開方式の決定、 展開機構の設計等に役立てられている。なお、ソーラーセイルによる光子 加速を宇宙空間で実証しようという試みは欧米でもこれまでに何回か行わ れてきたが、成功例は無く、今回実証できれば世界初となる。

 http://www.jaxa.jp/press/2009/09/20090909_sac_ikaros_j.html

【090914-14】
NASA、2000年から2008年の間のISSでの科学実験の成果を公開

9月10日、NASAはISSでの宇宙飛行士の長期滞在が始まった2000年11月か らの8年間のISSにおける米国の科学実験の成果をまとめたレポートを公開 した。

この間に実施した100件余りの実験の成果を記した250ページを超えるレ ポートで、実験の種類の大きな括りとしては、各種の技術開発が22件、物 理学関係が33件、生物学関係が27件、ヒトの身体に関するものが32件とな っている。

ISSでは、2008年に欧州と日本の実験モジュールが取り付けられて実験 の環境が整い、2009年からはそれまでの2倍の6人が常駐する様になり、い よいよ2010年には完成を迎える状況にあり、これからが実験室としての本 領発揮となる。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2009/sep/HQ_09-203_ISS_Science_Report.html

【090914-15】(関連記事:【090907-15】)
Augustine委員会、現予算ではLEO以遠の有人探査実現は不可能と報告

9月8日、オバマ大統領の指示により米国の有人宇宙飛行計画の評価・見 直しを行ってきたReview of United States Human Space Flight Plans Committee (通称Augustine委員会)はサマリーレポートをホワイトハウス とNASAに提出し、一般への公開も行った。

全12ページのレポートは、初めに現在進行中のプログラムであるスペー スシャトル、ISS及びConstellationプログラムの現状認識を示し、次に将 来の有人探査に必要な打上げ手段と探査の目標について論じ、続けて、そ こまでをまとめる形で今後の全体プログラムのオプションを示し、最後に 主要気付き事項をまとめている。

打上げ手段に関するオプションは、現在考えられているAres IとAres V の組み合わせの他に、Ares V Liteと称するロケットへの1本化、EELV派生 型、シャトル派生型が考えられている。

将来の有人探査の目標は、先ず月を目指すこれまでの考え方に加えて、 月・ラグランジュ点・火星等の周回飛行に人を送り、月・火星に着陸して の探査は無人探査とする考え方が取り上げられているが、最初に検討の対 象としていた火星への着陸を直接目指す考え方は技術的ハードルが高いと してオプションの候補からは消えている。

このレポートに示された将来の米国の有人宇宙飛行計画のオプションは 全部で5つであるが輸送系の違いによりオプション4には2つの、オプショ ン5には3つのバリエーションが示されている。この内、オプション1、2は 現状の予算レベルをキープした場合で、他は予算制約を外した場合となっ ている。

各オプションの比較結果として、先ず現状の予算レベルで進んだ場合に は、地球周回の低軌道(LEO)以遠の有人探査の実現は不可能で、実現を図 るためには2014年までに毎年30億ドルの追加予算を注ぎ込み、その後もイ ンフレ率と同じ予算の伸びが必要であるとしている。

その他の主な結論はおおよそ以下の通り

* シャトルの引退は2010年度末とされている現実的には2011年度の第2四 半期までになる可能性があり、予定通り、ISSの完成を待ってリタイア させるとしても2011年度に打上げのための予算確保が必要である。

* 上記のタイミングでシャトルを引退させた場合、NASAの見込みでは有 人輸送のギャップは2年程度となっているが、実情では最低7年は空い てしまう。これを短縮する手段は、シャトルの運用延長しか考えられ ない。

* ISSを2015年度で廃棄することは国際パートナーだけではなく米国の利 益にならないことは明白であるので、2020年までは運用を継続すべき。

* ISS運用中のクルーの往復については民間のロケットによることとし、 NASAはLEO以遠への有人輸送手段開発にリソースを集中すべき。

 http://www.nasa.gov/offices/hsf/related_documents/summary_report.html

【090914-16】
米下院科学技術委員会、有人宇宙飛行計画でGriffin元長官の証言求める

9月10日、米議会下院の科学技術委員会は、15日に開催する委員会で、 米国の有人宇宙飛行計画の評価・見直しを行ってきた委員会の委員長であ るNorman Augustineと共に証言を求める予定であったNASAのCharles Bo- lden長官の代わりにNASAの前長官Michael Griffinを呼ぶことを明らかに した。また、同時にNASAのAerospace Safety Advisory Panelの議長であ る米海軍中将のJoe Dyerにも証言を求めるとしている。

Griffinは、NASAの長官として、ブッシュ大統領の下で現在進められて いる月及び火星を目指すConstellationプログラムを始めた立場にあり、 上記の委員会がサマリーレポートを公表した翌日には、友人及び支持者に 向けたEメールでレポートの内容について厳しい批判の意見を述べており、 科学技術委員会では、この内容を無視できないと判断したものと考えられ る。

 http://www.spacenews.com/civil/griffin-not-bolden-testify-augustine-hearing.html

【090914-17】
JAXAのウェブサイト内の注目記事へのリンク

9/7平成21年度和歌山県防災総合訓練における超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)による非常用通信等伝送実験実施結果について
9/7宇宙滞在時に着用する船内被服の募集について
9/8ISS・きぼうウィークリーニュース第353号
9/8「だいち」によるポルトガル森林火災の緊急観測結果
9/9人工衛星セミナー資料(第3回)を公開しました
9/9光衛星間通信実験衛星(OICETS)「きらり」の後期利用段階(その2)の成果及び運用終了について
9/9公開市民講座−いろいろな生き物を宇宙に連れて行くのはなぜだろう?−開催
9/10宇宙・夢・人:第60回国際協力で宇宙開発を推進したい
9/10きぼうの科学:第11回全天X線監視装置MAXI(マキシ)激動する宇宙が見えてくる
9/10月周回衛星「かぐや(SELENE)」搭載のマルチバンドイメージャによる純粋な斜長岩の月全球での分布に関する論文のネイチャーへの掲載について
9/11大気球放球実験B09-07号機終了
9/11「きぼう」日本実験棟でのはじめての植物長期生育実験が開始されました
<<第62号メルマガ一覧第64号>>

TOPKU-MAについて入会案内リンク会員向け

このサイトの内容の無断転載・複製を禁止します