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漢字と宇宙のコラボに参加して

 「音楽と宇宙」とか「絵画と宇宙」という催しは参加したことがありま す。しかし「漢字と宇宙」という試みは記憶にありませんね。さる9月2 1日(月)、東京・文京区シビック大ホールで、東京漢字探検隊という人 たちの主催した「宇宙(そら)と日本人(わたしたち)」という講演会が ありました。前半はこのタイトルで私が話をし、後半では京都の白川静記 念東洋文字文化研究所の久保裕之さんが、宇宙とか空に関係する漢字の説 明をしてくれました。「こんなテーマで来る人がいるんだろうか」と疑心 暗鬼でしたが、300人ぐらいの人たち(ほとんどが親子連れ)が集まっ たのには驚きました。

 紀元前2世紀、前漢の武帝のころに編纂された思想書に、「往古来今謂 宙之四方上下謂宇之」とあります。読み下せば、「往古来今これを宙とい い、四方上下これを宇という」です。つまり、「宙」は過去から未来に向 かって流れる時間をすべてひっくるめて表す文字で、「宇」は上下前後左 右すべての空間を表す文字だということです。『淮南子』によれば、この 解字は、もともとは『尸子(しし)』という書物に出てくるものらしいの ですが、要するに「宇宙」とは「空間と時間」「時空」“Time and Space” なのですね。
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 この辺までは寡聞な私も知っていたのですが、久保さんはさらにこの 「宇宙」の字を分解してその成り立ちを説明してくれました。ちょっとワ ープロソフトとメルマガという限界があって、それを十分に説明できない のが残念ですが、肝腎なのは、「宇宙」というものが持つ多面的な要素に 、このたび新たに(私の心の中に)「漢字」が加わったということです。 常々「宇宙教育とは、宇宙の多面性が多彩な子どもの心と響き合うこと」 などと偉そうに言っている割には、こんな側面の大切さのレベルに初めて 気がつきました。「漢字もさることながら、これはいろいろとやらなけれ ばならないことが出てきたなあ」というのが、そこからしばし思索しなが ら敷衍した実感です。

 以前「倭と和」について書いたことがあります。

 むかしお隣の中国まで命がけで「ご挨拶」に行ったこの列島に住んでい る人たちは、自分たちのことを「わ」と言っていたようです。まだこの列 島に文字というもののなかった時代です。あの国の人たちに比べて背が低 かったのかどうかは不明ですが、大陸の人たちは、自分のことを「わ」と 称しているその人たちに「倭」という字を当てはめました。たとえば『魏 志倭人伝』は、中国の「魏」の時代の歴史に記された「倭」という地方の 人たちについての記述です。背とは関係ないのかもしれません。「あのち っぽけな地域の連中」というような意味でしょうね。でも要するに「蔑称」 であることは間違いないでしょう。

 有難くこの字を頂戴した人たちは、やがて漢字を本格的に輸入して使い こなす過程で、最初のうちは自分たちの国のことを「倭」と書いていまし た。あの「邪馬台国」が直接「やまと」に通じるのかどうかという話にな ると微妙ですが、「倭」の字はしばらくは「やまと」の意味に使っていた のでしょう。毛利家にのこされている写本に『古今倭歌集』の文字を見つ けた話も、いつか書いた覚えがあります。

 そしてどこの時点でしょうか、この国に、漢字の意味を十分に理解し、 矜持の心もふんだんに有する人がいて、この国を表す字を、音だけ残して 「倭」から「和」に置き換えました。しかも「大」の字まで付けて。いわ く「大和」。戦艦大和の建造ドックを故郷に持つ私としては、今となって は「戦艦倭」では何ともしまりがないので、この「倭」から「和」への転 換は、まさに天才的な発想だったように見えます。なお、「日本」という 言い方が登場するのは、歴史家の人たちの考証によれば、おそらく7世紀。 天武の時代ではないかということです。

 このたびの経験から、あらためて調べてみました。

 まず「倭」。言うまでもなく、ニンベン(人)と「委」を組み合わせて います。漢和辞典によれば、もっと分解すると、「禾」は稲穂などにも象 徴されるように「垂れる穂」という意味を持ち、「女」が「素直」という 意味を持つので、「倭」全体として「従順な人」を表現しています。また 「矮小」の「矮」と音が通じて、「背の低い人」という意味に通じていま す。私が牽いてみたすべての辞書が、「倭」の字の意として、@「やまと」 と読んで「日本国」の意、A道が曲がりくねって遠い様子、Bみにくい、 という3つを挙げています。

 異論はあるでしょう。素直でない女だっているだろうし、もともと女が 素直という言い方は女性蔑視だ、とか。背は低い人を「みにくい」につな げるのは差別だ、とか。そもそも「委員」が「従順な人」ばかりの集団な ら、世の中こんなにもめないだろう、とか。お説ごもっともですが、上に 概括したのは漢和辞典なので、ご容赦いただきたいと思います。

 次に「和」。「禾」は上記のとおりですが、「口」と合わさっています。 総じて「和」は、声を合わせて歌うことを表すとともに、「やわらぐ」 「なごやか」の意味となるといいます。もともと「禾」という字は、「ク ヮ」という発音らしく、音が「加」と通じて「加える」という意味を持つ ので、「和」は、一つの声に対して、さらに声が加わることで、人の声に あわせるという意味を持たせているそうです。

 来週は、この「和」を、日本人の特質とからめて、再び論じることにし ましょう。「いのちの大切さ」と「日本人の独創性」と「日本の世界への 貢献」を語りましょう。

YM

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