入会案内
コンテンツ
KU-MAについて
リンク
会員向け
KU-MAの
おすすめ

世界でいちばん素敵な
宇宙の教室


超巨大ブラックホールに迫る
「はるか」が作った3万kmの瞳


自然の謎と
科学のロマン(上)

Newton編集長の実験と工作動くもの浮くものの不思議

Newton編集長の実験と工作─光や電気の不思議─


小惑星探査機「はやぶさ2」の大挑戦 太陽系と生命の起源を探る壮大なミッション


新しい宇宙のひみつQ&A


宇宙人に会いたい!: 天文学者が探る地球外生命のなぞ


宇宙の始まりはどこまで見えたか? 137億年、宇宙の旅

他にもおすすめがあります

YMコラム
11月4日「ネアンデルタールとの出会い」

 ドイツの田舎町オーバーハウゼンに来ています。日曜日の昼ごろに成田 を発ちました。久しぶりのスカンディナヴィア航空。11時間半のフライト でコペンハーゲンへ。ここで4時間半の待ち時間を経て、1時間20分の飛 行でデュッセルドルフへ。デュッセルドルフ空港には1ヵ月半前からケル ンに滞在中の橋本明憲くんが迎えに来てくれていました。

 以前も少しプックリしていましたが、久しぶりで見る彼はさらに豊かな 体躯に。というわけで、親子のようなコンビで深夜の電車に乗って15分く らいでオーバーハウゼンまで。ここは緯度で言えばベルリンとフランクフ ルトの間あたりですから、さすがに冷えますね。結局スーツケースの中の 上着は出さないまま、下着の下にある肉の上着を活用して「痩せ我慢」を しながらNHホテルまでやってきました。

 こんな街まで何のために来たかというと、火曜と水曜にここで開催され るISECG(International Space Exploration Coordinating Group:宇宙 探査のための国際調整会議)に出席するためです。今回は、その宇宙探査 を教育・広報の立場からどう取り組むべきかについての議論ということな ので、「のぞみ」「はやぶさ」「かぐや」その他のキャンペーンなどに関 係してきた私が依頼されたということでしょう。

 火曜に30分のプレゼンテーションをしなければなりません。何の準備の 手がかりも預かって来なかったし、これから会議の雰囲気を想像しながら パワーポイントを組み立てなければなりません。インターネットがつなが るかどうかが唯一の心配だったのですが、これがあっさりと接続されて、 すっかり安心。フロントで近所の様子を訊いたら、何ということでしょう。 あの憧れの地「ネアンデル」がすぐ近くにあるというではありませんか。

 小さい頃に文化人類学に憧れたこともある身としては、こんなチャンス を放っておいてなるものかとばかり、月曜日の朝起きてすぐに橋本くんを 誘って出かけました。まず目標と反対方向の電車に乗ってしまい、それで も慌てず騒がず、ドイツ特有の田園風景を楽しみつつ乗り換えて、やっと デュッセルドルフへ。そこからSバーンで15分くらい、黄葉の美しい山並 みを縫うように走って、やってきました「ネアンデル」。(図1)

 http://www.ku-ma.or.jp/ym/ym091104-01.jpg

 電車を降りてから西南方向へゆるやかに坂を下って行くと、谷の底あた りに博物館らしい建物が見えてきました(図2)。

 http://www.ku-ma.or.jp/ym/ym091104-02.jpg

 なるほどここは「ネアンデル」の谷(タール)だ。あれがネアンデルター ル博物館だろう。しかし今日は月曜日。きっと休みに違いない。と思って いたら、やっぱり休みでした。入り口から博物館の内部を覗いたら、中に は灯りが点っているため、入り口近くにあるネアンデルタール人の立像を せこくカメラに収めてから、骨の発掘現場を求めて歩き出しました。(図3)

 http://www.ku-ma.or.jp/ym/ym091104-03.jpg

 でももう昼なので、近くの瀟洒なレストランを見つけて食事。メニュー に「ネアンデルの地ビール」がありました。とは言っても味はそんなに他 のビールと変わっているわけではない「らしい」ですよ。ラベルにはしっ かりと「ネアンデルタール人」の絵が描いてある「らしい」(図4)。ニ シンの酢漬けを食べて満足。結構いい味付けでした。

 http://www.ku-ma.or.jp/ym/ym091104-04.jpg

 1856年、ここネアンデルの谷のフェルトホーファー洞窟で石灰岩の採掘 作業をしていた作業員が、保存状態のいい人骨を見つけました。低い脳頭 骨や発達した眼窩上隆起などの原始的特徴が見て取れたといいます。その 後の大騒ぎは有名です。その最初の発見現場と思われる場所の大きな岩に、 金属製の矢印(というより槍)が突き立てられていました。(図5)

 http://www.ku-ma.or.jp/ym/ym091104-05.jpg

 大勢のネアンデルタール人が歩き回ったと思われる場所を、どう考えて も彼らはこんな体型では無かっただろうと推察できる人間が歩いていたと いうことになります。さてそこからまた帰り道を急いで、ホテルに着いた ときはすでに夕食前。ホテルで聞いた近所のイタリア料理の店「Giu(ジ ウ)」でスパゲティ・ペペロンチーノ。

 さて長年の念願が偶然にも数十年ぶりでかなった心地よい想いも、突然 思い出した「明日のプレゼンテーションのための準備」によっていったん 中断。悪戦苦闘の末にやっとベッドに入ったのは明け方の4時半でした。

(YM)

<<「彗星と流星群のはなし」TOP「葉脈といのち――ある女の子との会話」
TOPKU-MAについて入会案内リンク会員向け

このサイトの内容の無断転載・複製を禁止します