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YMコラム
12月23日「野口聡一さん、2度目の旅立ち」

 12月21日午前6時52分(日本時間)、野口聡一さんがバイコヌール宇宙基地から、ソユーズロケットの先端に鎮座したソユーズ宇宙船に乗って、小雨の中を出発しました(図1)。嬉しい2度目の旅立ちです。いつもながら日常的な出来事の感があるバイコヌールの風景でした(図2)

 秋山豊寛さんが1990年にソユーズで飛んだのが、日本人初の宇宙飛行だった(図3)わけですが、今回の野口さんはソユーズ搭乗の2度目の日本人ということと、もう一つフライト・エンジニアとして乗っているというおまけがついています。操縦を受け持っているのは船長のコトフさんですが、彼に何かあれば、野口さんが操縦をしなければならない立場です。これは将来の日本の有人輸送にとって、非常に貴重な経験と言えるでしょう。

 さて、スペースシャトルとソユーズとの違いは、言うまでもなく前者が宇宙往還機で、地球帰還後もオービターは再使用可能であるのに対し、ソユーズは1回こっきりの使い捨てであることです。地球帰還も、シャトルの場合はオービターがグライダーのように帰還するのに対して、ソユーズはカプセルがパラシュートで降りてきます(図4)。その両方のスタイルを体感する野口さんの比較論は大切ですね。

 ところで、シャトルとソユーズを並べて見たことがありますか? (図5)をご覧ください。これが同じ縮尺で見た両者です。こんなにも違うのか! と感じますよね。ただし、これは比べ方が不公平なのであって、シャトルの飛行士が行き帰りにいるゾーンは、先端のごく狭い区画ですから、そことソユーズ宇宙船とを並べれば、こんなに劇的な差異はありません。

 日本人には、「アメリカは進んでいるがロシアだと不安」という印象が蔓延していますが、実際にはそんなことはありません。1960年代の技術をもとに、「うまくいっているものは変えない」という原則を守りながら、一歩一歩安全性を追求してきたソユーズには、安定した信頼性があります。初期のソユーズ以来の改良の軌跡を追うと(図6)のようになります。

 そして、ソユーズTMの時代の身長体重制限が【164 cm〜182 cm、56 kg〜82 kg】だったのに対して、野口さんの乗ったソユーズTMAは【150 cm〜190 cm、50 kg〜90 kg】ですから、野口さんの【180 cm、82 kg】は、ソユーズTMの時代だとギリギリですね。因みに0.1 トンの私は不合格です。モスクワ郊外の「星の町」に行った時にソユーズ宇宙船に入らせてもらったことがありますが、狭い狭い。とても私なんぞは……。

 バイコヌールは、カスピ海とバルハシ湖のちょうど真ん中あたりにあります。カスピ海との間にはアラル海があり、バイコヌール基地はカザフスタン共和国に属しています(図7)。だから1994年3月以来、ロシアは年間1億1500万ドルの使用料を支払い続けているのです。宇宙基地内のロシアの司法権・統括権は認められています。

 ケネディ宇宙センターと比べると、やはり僻遠の地という印象は拭えませんね。忘れ物のないように、気をつけて準備して行かないと、という感じです。寒さはモスクワに比べれば10度ぐらい高く、野口さん打上げの時も、現地にいた毛利衛さんの電話ではマイナス4度って言っていましたから、まあまあ暖かですね。

 バイコヌール基地は、レーニンスク駅からすぐに拡がっており、広大な敷地のありこちにいろいろなロケットの発射場が放射状に分布しています(図8)。この度野口さんが打ち上げられたのは、ど真ん中の第一射点で、1961年にガガーリンが旅立ったのと同じ射点です。その歴史的射点の上に屹立したソユーズロケットに乗り込んだ時の気分は、さぞ感慨ひとしおといったところでしょうね(図9)

 さて、これから野口さんたちは約3日間をソユーズで過ごし、飛行第三日に国際宇宙ステーションとのドッキングを果たすことになります。今回彼に与えられている任務には、以下のようなものがありますが、何よりも日程に上りつつある日本の有人輸送に向けて、大いに5か月の滞在でヒントを掴んできてほしい――私の希望はそれに尽きます。

1 ハーブなどもふくむ空間に浮かぶ「宇宙庭」をつくる
2 宇宙空間で皮膚などについた微生物を調査する
3 (若田さんに次いで)骨粗鬆症の薬を飲んで骨量の減り方を分析する
4 ストレスなどの影響を調べるために髪の毛を採取
5 「きぼう」のロボットアームの先で細かい操作を行う子アームを船外に設置する
6 ISSに新しい居住棟などを設置する
7 船内の飛行士用の運動装置のメンテナンスを行う
8 水再生システムの点検や水質分析をする
9 配管やトイレ清掃など生命維持装置のメンテナンスをする
10 正月や節分、雛祭りなど日本の伝統行事を紙工作で紹介
11 すしを握って他の宇宙飛行士に振る舞う
12 おもしろ実験の結果やISS内の生活ぶりを映像で公開、その他

頑張れ、野口聡一!

今年のYMはこれにて締めます。どうかよいお年をお迎えください。次は1月6日に。

YM

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