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YMコラム
3月3日「月の北極に大量の氷を発見――「チャンドラヤーン」搭載のNASAのレーダー」

 またまた大発見のニュースです。NASA(米国航空宇宙局)は、さる11月 に月の南極のクレーター内部に水の存在を確認しましたが、このたび、イ ンドの月周回機「チャンドラヤーン1号」に搭載されたレーダーが、11月 とは比べものにならないほどの水の存在を月の北極に検知したのです。

 NASAが調べたのは直径2 kmから15 kmくらいの北極付近のクレーターで、 これらに「ミニSAR」と呼んでいるNASAの軽量の合成開口レーダーからパ ルス状の左旋の偏波を送出し、少なくとも6億トン(!)もの氷を見つけ たのです。

 このレーダーは、月面の凸凹を測定します。滑らかな面からは偏波面が 逆転して右旋偏波が返ってきますが、ごつごつした面からは左旋偏波が返 ってきます。このミニレーダーは、返ってきた円偏波の左旋/右旋の比率 (CPR)を測定して凸凹を調べるわけです。

 ところが、氷も、電波に対して透明でやはり左旋偏波を返してくるため、 CPRの値が高いだけでは、ごつごつした地形と氷の存在とを区別できませ ん。今回のデータによれば、クレーターの内部はCPRが高いのに、その (クレーターのいわゆる)外縁付近のCPRは低いようです。

 このことは、表面の凸凹の度合いというよりは、クレーター内部にある 物質が原因でCPRが高い値を示していると解釈されます。NASAは、CPRデー タの解析から、北極付近のクレーターにあるのは、比較的純粋の大量の氷 で、その氷の層の厚さが少なくとも数フィートはあると考えているようで すよ。

 「偏波」というのは、一般にはあまり耳慣れない言葉ですが、「偏光」 はよく知られていますね。光はあらゆる方向に振動していると考えられて おり、その光を一定方向に振動する光線だけ通すフィルタ−膜の入ったレ ンズのことを「偏光レンズ」と言います。

 偏光膜というのは、PVA(ポリビニールアルコール)などのプラスチック を引き伸ばして分子の向きを揃え、ヨウ素や染料で着色したもので、細か なPVAスリットの集合体です。

 この細かなスリットは、たとえば光の垂直な振動波だけ通過するので光の 振動方向がそろうわけです。

 車を運転中に、色んな反射光で見えにくい景色が、偏光メガネをかける と余計な反射を取り除いてスッキリ、クッキリと見えるようになることは、 経験された方も多いでしょう。光も電波も電磁波の一種ですから、電波に も同じような現象があるわけで、「偏波」は「電波の偏光」に当たると考 えていただければ。

 それはともかく、これからさらに探査を進めていかなければならないの は、月の水がどのように生成され、移動し、保持しつつ蓄えられてきたの かを、より深く研究することでしょう。月は、今回の発見で、従来考えら れてきたよりもはるかに魅力的な天体であることも再確認することが必要 でしょう。

(YM)

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