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YMコラム
3月10日「サンゴは植物か?動物か?」

 沖縄の子どもたちと話していると、サンゴの話題がよく出ます。

 サンゴは、一番下に石灰質の土台(骨格)があり、その上に「ポリプ」 とか「サンゴ虫」と呼ばれる本体があります。サンゴの消化器官は、ポリ プの真ん中にある「口」と、そこから食道を通して内部に広がる「胃」だ けです。消化器官が二つだけなので、サンゴの人間ドックならぬサンゴ・ ドックは楽ですねえ。その口は、実は肛門も兼ねており、産卵もここから 行っているのですから、本当は何て呼べばいいのか迷ってしまいます。

 さて、口から外側にはあの派手な触手がひろがっており、その触手で海 中の動物プランクトンを捕らえて食べます。つまり、サンゴ自体は堂々と した動物なんですね。厳密には、体表や触手に毒針を備えている「刺胞動 物」に分類されます。クラゲとかイソギンチャクの仲間ですね。

 子どもたちと話が弾むのは、サンゴの増え方です。二つの生殖方法があ ります。一つはポリプを分裂させたり、体の周囲に細胞を成長させて、文 字通り新しいポリプを作っていく「無性生殖」です。もう一つは、ポリプ 内部で作った卵を体外に放出して、他のサンゴから放出された卵と受精さ せる「有性生殖」です。

 一口に「卵」と言っても、これは複数の卵と精子とが球状のカプセルみ たいになっているものです。受精した卵は「プラヌラ」という幼生になっ て海中を浮遊し、やがて海底に定着して成長していくのです。無性生殖で は、サンゴの分布を自分の足場以上にはひろげていくことはできないでし ょうが、有性生殖ならば放出した卵のひろがり方次第で、分布を大きくひ ろげて巨大なサンゴ礁を作ることができますね。

 下のページをクリックしてみてください。2007年に数kmにわたって石垣 の海をピンクに染めたサンゴの大産卵の美しい映像をご覧になれます。

 http://www.churaumi.net/yonehara/coral/07coralspawn.html

 忘れてはならないのは、サンゴには、動物プランクトンだけでは栄養が 足りないので、「褐虫藻」と呼ばれる植物が共生していて、これがサンゴ の出す二酸化炭素と太陽光を使って光合成をしながら、栄養を補ってくれ ていることです。もともと太陽光の届くきれいな海でしかサンゴが生きら れないのは、この褐虫藻が生きていかなければならないからですね。

 異常気象による水温の上昇など、自然環境の変化が大きすぎると、この 褐虫藻がポリプからいなくなってしまい、やがてポリプも死滅し、石灰質 の骨格だけになってしまいます。これが問題の「白化現象」です。オニヒ トデによる被害で死んでいくサンゴも激増しています。深刻な社会問題で すね。

 沖縄の子どもたちは、こうした問題に敏感です。昨年の春に、ツバルか ら北海道の「宇宙子どもサミット」にやってきたアンジェラという女の子 を思い出しながら、今日のメルマガを書きました。あのとき彼女は、「私 の国はあと10年ぐらいで全部沈んでしまいます。沈んでしまったら、日本 に来て住んでもいいですか」と、日本の子どもたちに問いかけていました。 地球環境問題の生々しい姿を、今日ほどみんなで真剣に考えなければなら ない時代はかつてなかったでしょう。

(YM)

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