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3月24日「晴れのつづくパリで」
 すっかり1年おきになったパリ訪問。秋に行われるIAC(国際宇宙会議: International Astronautical Congress)のIPC(国際プログラム委員会 : International Program Committee)です。日曜日の夕方に着いて、時 差を調整した後、月曜日から活動を開始しました。シャルル・ド・ゴール 空港の空が晴れていたのが嬉しく、疲れを吹き飛ばしながら動き回ってい ます。

 オペラ座の近くで会議があると、すぐに移動して凱旋門よりもはるか西 まで歩かされて、またつづいてオペラ座近傍まで戻る。次にはユネスコと その近くにあるESAの本部──フランスの人たちは慣れているのでしょう が、日本人から見ると取り仕切りに統一が取れていないように見えるので すが、パリに到着した途端に「こういうものだ」と思い込むから不思議で す。

 来年が「ガガーリンから50年」という記念の年なので、それに因んで いろいろと準備が始まっています。それを除けば、前から引き続いてい る難題はいっぱいありますが、極めて新たな話題がそれほどあるわけで はありません。仕方がないので、私のいるCommission VI(Space and Society)で「宇宙と宗教」というテーマを雑談めいて出したら、これ がえらい関心を呼んでいます。

 山折哲雄さんが「日本の仏教が危機にある」「現代の人類ないし地球 からの問題提起に仏教は答えることができるのか」「この課題を乗り越 えることは、これまでの仏教の歴史で最も難しいのではないか」という 発言をしておられます。これを例にとって発言しました。そして国際高 等研究所の人たち(社会科学・人文科学)とJAXAが3年にわたって行っ てきた「人類の宇宙進出の意味」についての報告書が昨年3月に出され たことも報告しました。

 そして「キリスト教では、人類の宇宙認識の発展や宇宙進出の展開を どのように現代の宗教と関連づけているのですか?」と問いかけました。

 驚いたことに、日本の私の周囲で問題にするよりもはるかに熱心に、 それもあらゆる人がべらべら語り始めるのです。こんなに語り合う仲間 がそばにいたんだということに、私は感動を覚えています。会えば宇宙 開発や宇宙科学のことばかり話していたわけなのに、この人たちの頭の 中には、いっぱい共鳴できる、あるいは真剣に論争できる中身がつまっ ている──人間は捨てたものではないなと実感しています。

 翻って日本ではどうしてこのような本質的な話ではなく、セキュリテ ィや規則や建前の話題や仕事が多いのでしょうか。ちょっと何とかしな ければいけませんね。毎日毎日、差がついていってしまいます。大切な ことを語り合いましょう。短期の雑用めいた仕事の多さに押しつぶされ そうになっていたのですが、元気がもりもり湧いてきました。今回は、 疲れているし、あまり来たくなかったのですが、来てよかった。命の洗 濯ができました。またいろいろと考えてきた諸々のことが、国際的なひ ろがりをもっていることを確認できたことが、最大の発見でした。

 ちいさなこと──ルーヴルの近くを歩いていたら「とらや」がありま した。移動でくたくただったので、ちょっと休もうと入ってみたら、こ れが何と落ち着くいい雰囲気。煎茶と鶯餅を一つ。ささやかに疲れを癒 しました。店の女性に「こんな店、いつできたのですか?」と訊ねたら、 ツンとした感じで「30年前からあります!」だと。いやあ何十年も来て いるのに、ちっとも気がつかなかったのです。嬉しい発見でした。

(YM)

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