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YMコラム
9月25日「尖閣諸島をめぐって」

 尖閣諸島の問題が急を告げていますね。名は体を表すというけど、「尖」の字はまさしくそれで、「小」さい島なのに「大」きい問題になっています。以前に一次史料を紹介しながら尖閣諸島の帰属の問題を述べたことがありました。「尖閣諸島には領土問題は存在しない」というのは、歴史に基づく限りはその通りではあるんです。そうではあるんだけど、この問題は極めてややこしい事情が絡んでいて、一筋縄ではいかないですね。

 でも柳条湖事件のあった9月18日を境にして、少し鎮静化の動きは見えているようです。ただしここまでに中国にある日系企業や日本人は相当な目に会いましたから、先行きこじれなければいいのですが。2010年9月の中国漁船の(日本の海上保安庁巡視船への)「体当り」事件以来の日本政府の対処を見ると、とにかく穏便に穏便に済ませて、中国側を刺激しないように努めているようです。

 それをマスコミや一部の知識人たちは「弱腰」と非難します。「毅然とした態度をとれ」と。日本の人たちは、中国人のように、「ミサイルを撃ち込め」とか「原爆を使え」とか、」そんな論調は出てこないけど、原則論として「毅然と」と言いはするのですが、具体的な手段について語っているものはないですね。

 ただしこの問題をめぐって、アメリカ政府は「尖閣は日米安保の範囲」だと言っています。これは非常に微妙な言い方で、中国が何らかの強硬な手段に出た場合、その相手をアメリカが引き受けると言っているわけではありません。「領土問題は双方の話し合いで解決すべき」というのが、アメリカの基本的な立場です。

 だから、この問題でアメリカが軍を動かすことは決してないと思います。ところが、マスコミ等は、「毅然と対処しろ」と言う。「戦争を始めろ」と言わんばかりの論調もあります。でもこれは正しい解決ではないでしょうね。勝つか負けるかという問題は二の次ぎとして、それは日中どちらにとっても、困った事態になることが十分に予測されるでしょう。

 アンケートによれば、日本人のある程度の数の人たちは、あのようにアメリカが言っている以上、中国と戦争になったらアメリカ軍が黙っちゃいないだろうと考えているようですが、それはまず絶対にないと思います。現在の一番の問題は、中国の言い草です。「体当り」事件の頃は、中国が「謝罪と賠償」を要求しました。これは世界の中国への印象を非常に悪くしたこともあって、今回はそうは言っていませんが、ただしロシアのメドベージェフと口裏を合わせて、「歴史認識」の問題をしっかりと持ち出しています。

 これは中国自身が、「魚釣島は中国の領土」という主張で最後まで通すことに自信がないのだとも見ることができますね。その主張に無理があるので、歴史認識を持ち出して「日本は侵略国家」という論法から迫ってきたのではないかとも推察されます。ただ、この「戦後」をめぐる歴史認識を論じ始めると、日本にはどうしても負い目を担う方向にならざるを得ないことになって、そこを衝いてきているのでしょう。いわゆる双方の「国民感情」を利用しようとしているのですね。

 日本にとって、この「戦後」というのは、政治的に十分は総括でき切れていないものです。もし中国がその海軍を尖閣に出動させたら、これは日本から見れば「軍事的侵攻」ですから、平和憲法にしがみついているとは言っても「個別的自衛権」を発動しなければならないでしょう。これだけの覚悟と準備が私たちにあるかということです。一方「日米安保があるから米軍は集団的自衛権を発動するはずだ」という「期待」を持つ人もいるでしょう。私はそれはやはりないと思います。こんな問題でアメリカが中国と交戦状態に入る決意をするほどの気持ちはないと断言します。

 ここで日米安保を期待して、外国の軍隊が出動することを前提にしなければ自国の領土問題に見通しが立たないという、この現在の状況が異常なのだと思います。そしてそれはmこのような異常な事態を半世紀以上に渡って「享受」してきたこの国の変則性を、私たちは今強く認識して近未来に臨む覚悟が必要になってきています。ことは尖閣だけではないのです。

 歴史認識、平和憲法、安保条約、……戦後の日本が陥った長い長い間の落とし穴だったと私は思います。そこからどう私たちがいま脱出するか。それは、尖閣、北方領土、竹島の問題をはるかに超えて、緑豊かな国土を守ることを放棄して「近代化」の道を突っ走ってきた日本人の生き方の問題であり、私たちのこの国の成り立ちに最も相応しい道をどのようにこれから選択し築いていくかという長い長い道のりの出発点のような気がしています。それは極めて難しい選択であり、すっかり変貌した現在の日本人に可能かどうかも定かではありません。いずれまた元気になったら論じることにしましょう。

 私個人のことで恐縮ですが、血圧が不安定でね。朝起きてすぐ測るのですが、それが高いと、一日中高いのです。高い方が200を超えることもあるんです。その場合はもちろんもらっている薬を飲みますけどね。そうでない日もあるにはあるのですが、いろいろと苦しんでいます。再び入院ということになると、再び「退院」ということにはならないでしょうから、そろりそろりと頑張ってはみますがね。ご迷惑をおかけするようなことがあったら、ご容赦願います。

(YM)

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