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「宇宙の学校」で活躍している「ポンポン船」は、2010年9月、宇宙教育センター教材開発委員会の定例会で中村茂が提案した。
そもそもの始まりは、学校の理科の教材として「船の形と水中での進み方」というテーマで、子どもたちに工作させ、水の抵抗を受けにくい形を考えさせる際の導入に「国際宇宙ステーション」の写真を見せた。こどもの反応は、「浮いているの」「進んでいるの」「どちらに向かって進んでいるの」などと「思う“つぼ”?」だったという。
宇宙の学校でも「船の形と水中での進み方」をテーマにした教材を検討したが、「家庭でも簡単に水流などを同じ条件にできる装置をつくること」がなかなか思いつかないままになっていた。
本題の「ポンポン船」については、既におもちゃとして古くから存在していたし、現在でも玩具としていろいろなところで活躍しているので 目新しいことはない。
しかし、こどもに自前のエンジンをもたせれば、推進力を同一条件にして比べることができ、お風呂場など静止した水で、「船の形と進む速さの関係」をつかむことができるのではないということになった。そこで、前述した中村茂の「ポンポン船」になったという言うわけである。
エンジン部分は、アルミのパイプを図のように加工してつくる。
アルミパイプは、内径3mmから5mmのものでテストし、加熱したりせずそのままで加工できる3mmとした。
エンジン部分として3回巻いたのは、使用するろうそくの炎で包むことのできる大きさにしたためである。
このポンポン船は、この年のJAXA宇宙教育センターの宇宙教育指導者セミナーのBコースの教材として登場し、子ども向けには、11年8月「しんせんサマースクール」で三菱重工のCSR理科授業として実践された、その後、各地の宇宙の学校でも用いられるようになった。
宇宙教育に関しての教材作成は、 宇宙や宇宙開発などとつなげることを意図して行われている。 私たちが目にする乗り物は、動いていなくても形を見ればどちらが先頭かわかる。ポンポン船をつくって遊べば、先をとがらせた船が速いことに気づく。そこで、「国際宇宙ステーション」は? と問えば、宇宙の環境に気づかせることができるのである。
小松市「宇宙の学校」にて