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「宇宙の学校」のスクーリングは、体育館のような広い場所をお借りして実施します。たと
えば100家族の参加があれば、体育館にビニールシートを敷いて(あるいは机と椅子で)10家
族ずつ10くらいのグループに分けて、実験や工作の作業を行います。
たとえばそこでペットボトル・ロケットを作るとします。それぞれの子どものそばには、そ
れぞれのお父さんやお母さんがそばについています。でもあまりこういった工作に慣れてい
ないお母さんがいた場合、途方に暮れたままの子どもや、見当違いのやり方を平気で進める
子どもたちがいます。お母さんはぼんやりそれを眺めています。
その隣りで自分の子どもとの作業が一段落したお父さんが気が付き、
「あ、きみきみ、それではだめだよ」
──思いもかけない人から突然声をかけられて、どきっとして振り向く子ども。そう、
「知らないおじさんから声をかけられたら用心しなさい」と常々教えられているのです。
でもこの場合は周りにいっぱい人がいるし、何となく大丈夫そう。しばらくすると、
親切に作り方をコーチしてもらったそのおじさんとすっかり仲良しに。おまけにお母さんと
そのおじさんも「どこにお住いですか」などと打ち解けているのです。みんなで助けあって
子どもたちを育てていこう──そんな雰囲気が「宇宙の学校」には溢れているのです。
こうした試みを、一つの組織が孤独にやるのではなく、図5にあるようにできるだけさまざ
まな組織が協働して実施する努力が大事だと思います。最初は単独開催でも、だんだんとそ
の主催の輪を広げていくことを追求したいものです。
そして図6のように、それぞれに組織が同等の立場で協働し、適材適所で任務を分担するこ
とで、お互いが「お客さん」にならない形の実践ができます。これこそが、家庭と地域と学
校とが、協力してたくましく元気な子どもたちを育んでいく姿と言えるでしょう。
日本のロケットの誕生の地、国分寺で細々と始まった「宇宙の学校」──4年の月日が経っ
てみると、子どもたち同士を結び、子どもと親をつなげて家庭を変え、地域の大人たに「一
緒に子どもを育てる」気を起こさせ、そして学校の雰囲気にまで影響を及ぼす動きになって
きたのです。素晴らしいことです。